「メールの返信は90分以内」リピート率90%を誇るデキる人がやっている「神アフターフォロー」
プレジデントオンライン / 2024年6月9日 15時15分
※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■もっと紹介を欲しいなら「熱量」の入れどころをズラす
なかなか、「紹介ください」と言えない……。
その気持ち、わかります。
でも、もっと紹介をほしくないですか。
いい方法を紹介しましょう。これをすると、紹介をもらいやすくなります。
ほとんどの人がやっていない秘策です。
あなたの「熱量の入れどころ」を変えてみてください。
「アフターフォロー」に熱を入れてみるのです。
考えてみてください。
契約までは、他社には負けないようお客様に寄り添った提案をしたり、お役に立つ情報もお届けしたりする人は多いですよね。
お礼のメールに、抜かりない人も少なくないでしょう。
脈があると思えば、これでもかと思うほどに、小まめに努力します。
でも、お客様からすると、不思議なことが起こります。
契約までは、「お役に立てるよう、精一杯頑張ります」と言っていたのに、契約をし、商品を納品したとたん、なぜか「不便なことはないですか?」「ご不明な点はありませんか?」「お使いいただいて、ご満足をいただいていますか?」といった連絡がなくなるのです。
だから、お客様は思います。
「まあ、営業だしね。仕方ないよね……」と。
私は、冒頭でこう尋ねました。
もっと紹介をほしくないですか、と。
■契約後こそ、お客様の立場で考える
私がやってきた、具体的な方法を紹介しましょう。
私は、21歳の学生時代に営業職に就き、あれから30年以上が経ちますが、従事した仕事でリピート率が9割を下回ったことはありません。
紹介で多くのお客様を紹介いただいてきました。
さらに言うなら、自分自身もそうですが、自分が管理職として担当した部門も、リピートとご紹介でお客様が増え続けるスパイラルをつくることで、売上を増やしてきました。
その方法がこれ。
納品後、「ここまで、やってくれるんだ……」と思っていただける、そんな“感動の接点”をつくるのです。
かつて私は求人メディアの営業に従事していましたが、ほとんどの営業は、掲載(納品)後の関心が低くなってしまうのが常でした。
新たな契約を求める中で、意図せずそうなってしまうのです。
でも、ここでお客様の立場に立ってみるとどうでしょう。
すると、掲載後には、色々な不安があることに気付けます。
「応募はあるけど、どのタイミングで面接の打診をすればよいのか?」
「どうすれば、面接のキャンセルを予防できるのか?」
「どんな面接をすれば、いい人材を見抜けるのか?」
■新規顧客は既存顧客に対して5倍の販売コストがかかる
だとしたら、やることはシンプル。
私がしたことは、「応募、選考のやり方」についての不安点を聞き、選考のセオリーをレクチャーさせていただくことでした。
加えて、応募が入ると思われるタイミングに、電話、もしくはメールを入れ、ご不安な点がないかをさらに伺う、そんな当たり前のことを漏れなくするだけです。
ぜひ、他社の営業より、アフターフォローに熱を入れてみてください。
新たな顧客開拓を行うより、リピートから契約をいただく方が1/5のコストで済むと言われます。
これはマーケティングでは有名な法則。顧客ロイヤルティの専門家フレデリック・F・ライクヘルド氏によって提唱されたもので、新規顧客は既存顧客に対して5倍の販売コストがかかるという法則です。
営業としては知っておいた方がよいセオリーでしょう。
そう考えると、走り回ったりDMを送りまくったりするより、1つひとつのフォローを丁寧にした方がよほど効率的というわけです。
丁寧なフォローこそがリピートにつながるだけでなく、紹介をいただけるポイントなのです。
■待つのもつらいが、待たせるのは、もっとつらい
もし、あなたがライバル会社の営業に負けたくないのであれば、スキルを磨くのと同じくらいに、仕事のスピードにはこだわってみてください。
というのも、スピードは誠意でもあるからです。
「待つのもつらいが、待たせるのは、もっとつらい」
これは、私がお世話になっていた、飲食チェーンの社長がおっしゃっていた言葉です。
当時も今も、常にウェイティングができる、「超」人気の店です。
最初にこの言葉を聞いた時は、「うまいことおっしゃるな……」程度の理解でした。
でも、話を聞くほどに、その真意がわかりました。
お客様にとっての時間は、大変貴重なもの。
その時間を奪ってしまっている、そんな申し訳ない気持ちから生まれた言葉だったのです。
私は、考えるほどに自分の至らなさを痛感しました。
当時の私はそこまで考えたことはなく、「ちょっとくらい待っていただくのは仕方ないのでは……」、そう考えていたからです。
実際のところ、ちょっとくらい待っていただいたとて、クレームにはなりません。
でも、あなたのお客様もきっと、あなたに連絡をする際、ほとんどの場合は急ぎであり、少しでも早く解決したいと思っていらっしゃるのではないでしょうか。
だとしたら、あなたからの折り返しの電話があるまで、ずっと受話器の前で待っていらっしゃるかもしれません。
その間、他の用事をストップされているかもしれません。
そのことを想像すると、やはり「待たせるのは、もっとつらい」となるわけです。
これがスピードは誠意と考えるようになった理由です。
■営業はスピードで誠意を見せる
とはいえ、安心してください。やることは極めて簡単。
無理をする必要はありません。
何でも急ぎでやると、後の仕事に支障が出ますから。
まずは、次のことをしてみてください。
・可能な限りでよいので、メールは、90分以内に返信する。
・すぐに返事できないことでも、「**までお時間をいただいてもよろしいでしょうか」と早目のレスを入れれば親切。
・お客様から携帯に電話がかかってきたら、その場では電話に出られずとも、その後に迅速に連絡をする。
または、その場で、ショートメール1行でもいいので、「すみません! 10分後には電話ができるかと思います」と可能であれば入れる。
いかがでしょう。たったこれだけ。
でも、こう思われたかもしれません。
そんなことをしていたら、あわただしくてしかたがない、と。
私もそう思います。バタバタするのは嫌ですよね。
なので、ちょっとズルいこともお伝えしますね。
予定を組む際は、ギチギチにスケジュールを埋めないことです。
バッファを含めておきましょう。
バッファとは、「余裕」のことです。
アポイントを取る際は、内容によっては13時〜14時(60分)ではなく、13時〜13時40分(40分)とする、15時から16時はあえて固定の予定を入れない、といったようにバッファをスケジュール化しておくのです。
このバッファがあるからこそ、バタつくことなく「お待たせしない対応」ができるというわけです。
もう1つ。
すぐに動かずとも、納期を明確にしてください。
今すぐでなくとも、「かしこまりました。明日の10時までには送らせていただきます。差し支えございませんでしょうか」と、すぐに返信すれば、急ぎの仕事ではなくなります。
うまく調整しながらもスピード感のある対応は、できる営業の条件です。
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らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。
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(らしさラボ代表 伊庭 正康)
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