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1秒遅れることの大損失をどれだけ分かっているか…トップ営業マンが時間厳守を誓った上司の衝撃的な言葉

プレジデントオンライン / 2024年6月11日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PonyWang

仕事のデキる人は何を心掛けているか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「私は新人時代に、お客様対応に追われ会社の忘年会に少し遅れることを上司に伝えたところ、『遅れるなら来なくていいよ』と言われたことがある。人の時間を軽く考えてはいけないこと、“お金の約束を破る”“時間の約束を破る”と人が去っていくことを教わった」という――。

※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■“お金の約束を破る”“時間の約束を破る”と人が去っていく

あなたは、どれほど「時間に遅れない」ことを意識していますか?

信用を失いたくないなら、まず「1秒たりとも遅れてはなるものか」という気概だけは持ってみてください。

力強く申したのには、ワケがあります。

新人時代、キツく叱られ、目が覚めた経験があるからです。

この失敗談を、あなたはどう思いますか。ちょっと考えてみてください。

その日は、19時から会社の忘年会が入っていました。

しかし、お客様対応に追われてしまい、とても間に合いそうにありませんでした。

とりあえず、上司に報告せねば……と思い、

「すみません! 少し遅れてしまいそうです。すぐ駆けつけます」

と伝えたところ、思わぬ返答が返ってきました。

「そうか……。遅れるなら、来なくていいよ」

当時の私は、これくらいは許されると思っていましたが、そんなに甘くはありませんでした。

「伊庭はお客様との約束も、そんな感じで遅れるの?」

「いえ、さすがにそれはありません」

「だとしたら、人の時間を軽く考えていないか? 伊庭より忙しい先輩達は、時間のやりくりをして、遅れずに参加しているわけだよね。誰1人、遅れていないよ。そんなところに、先輩より仕事が少ない伊庭が当たり前のように遅れて入ってくることってどうかな……と思うんだよ」

「すみません」

「“お金の約束を破る”、“時間の約束を破る”、この2つをすれば、人が去っていくんだよ。それは、その人にとってとても貴重だから。それを伊庭がイージーに考えていることが、残念でならない」

■「時間」を守れない営業は絶対に売れない

その後、決心したことがあります。

「約束の時間に遅れないようにする」、という当たり前のことです。

たとえ、電車が遅延したとしても、道路が渋滞していたとしても、間に合うように、余裕を持って行動をするようになりました。

駅で携帯電話をチェックする日本人ビジネスマン
写真=iStock.com/xavierarnau
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/xavierarnau

たいしたことはしていません。

「たぶん間に合うだろう」と思わず、「ひょっとしたら、間に合わないかもしれない」と考えるようになっただけです。

電車が遅れたら……

渋滞していたら……

迷子になったら……

エレベーターが行列だったら……

オンラインでは、通信が不安定になるかも……

そう考えるようになると、余裕を持って行動するようになります。

その結果、私の記憶では、それ以来、約束に遅れたことはありません。

卓越した生命保険・金融プロフェッショナル称号であるMDRT(Million Dollar Round Table)の終身会員でいらっしゃる一戸敏氏が、示唆に富む言葉をおっしゃっています。

「いくらトークがうまくても、商品知識があっても、『大切な3つを守れない営業マン』は10年営業マンをやっても売れません。その3つとは、『時間』『約束』『期限』です」

まさに、同意です。

もちろん不可抗力はあるでしょう。

でも、余裕を持って行動するくらいなら、今からでもできるはず。

まずは、余裕を持つ習慣を心がけてみてはいかがでしょうか。

■スーパー正直であれ

契約額は大きければ大きいほど嬉しいですよね。

でも、必要以上に大きな契約額を取ろうとすると失敗します。

というのも、長いお付き合いができなくなるからです。

もちろん「最低価格から案内しましょう」ということではありません。

適正な提案をしましょう、ということです。

言い換えると、「スーパー正直であるべき」と言ってもいいでしょう。

2015年、ある生命保険の営業手法が社会問題になりました。

その内容は、明らかに適正さを欠くものでした。

「勧められたのは、毎月の支払い額が4万円の生命保険。支払う総額が640万円なのに対し、死亡時の受け取りは、500万円。しかも、その支払いは90歳になるまで続く……」

明らかに問題のある契約で、不正行為のレベルです。

普通は、こんな提案をしてはいけないことは誰もがわかります。

でも、これは他人事なのでしょうか。

営業は、悪魔のささやきに負けてしまいそうになることがあるもの。

数字のプレッシャーに追われ、あきらかに適正さを欠いた過大な提案をしたくなる瞬間は誰にでもあるのではないでしょうか。

白状しますと、ここまで悪質なものではありませんでしたが、私もありました。

新人の頃、「本当にこの提案でよかったのかな……」と反省する提案が……。

今も思い出すたびに、胸が痛くなります。

二度と過剰な提案をしないと決め、あれから年月が経ちました。

むろん一度たりとも、過剰な提案をしていません。(威張れることではありませんが……)

■適正でない提案は、どんなに高い契約でも絶対にしない

話を続けましょう。

生命保険の営業を受けた際、こんなことがありました。

その方は、新人の女性でした。数字のプレッシャーがあったのでしょう。

「もう1つ契約をしてもらえませんか? すぐに解約をして下さったら大丈夫ですので……」と。

その気持ちは、痛いほどわかりました。でも、こうお伝えしました。

「気持ちはわかりますが、それはやってはいけないことですよ」と。

その2年後、ご縁があり、保険の契約先を変えました。

やはりトップ営業の方は違いました。

実際にした会話はこんな感じ。

私「妻がガン保険に入っておいた方がよいのでは、と言っておりまして追加しておいたほうがいいのでしょうかね?」

営業「いえ、不要だと思います。今の保険でも、ある程度は賄えますし、公的な補償もつきますし、これ以上はなくて問題ないと思いますよ。詳細を説明いたしますと……」

ちなみに、この方は、世界の上位5%の保険営業しか入ることのできないMDRT入りをされている、本物のトップ営業の方です。

伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)
伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)

長いお付き合いをするには、やはり適正な提案をしてくれることが絶対の条件。

たとえ、その瞬間は高い契約を取れたとしても、適正でないとわかれば、お客様は「この人、どうかな……」と疑心暗鬼になるもの。

とても長い付き合いはできないでしょう。

もし、あなたが、数字が足りない状況に追い詰められたとしても、心を鬼にして、「スーパー正直」を心がけるようにしてみてください。

その方が、長いお付き合いができますし、何よりもあなたの営業としてのプライドを担保できます。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。

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(らしさラボ代表 伊庭 正康)

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