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人生がうまくいっている人は絶対に言わない…心理カウンセラーが教える「不幸になっていく人」の残念な口癖

プレジデントオンライン / 2024年6月12日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Olga Tsareva

どうすれば「幸せな人生」を送れるのか。心理カウンセラーの中島輝さんは「自己肯定感を高めて心を育むことが大切だ。自己肯定感は持って生まれた性格ではなく、何気ない口グセによって高めることができる」という――。

■自己肯定感は「ふだんの口グセ」で決まる

人間の体は食べたもので作られているといっても過言でもありません。日々の食事に含まれるタンパク質や糖質、脂質、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素によって、私たちの体は作られています。

では、私たちの「心」は何を食べることで作られているでしょうか。それは「言葉」です。自分が発する言葉、職場や家庭などで聞く言葉、SNSで目にする言葉、そうした言葉を介して、心は育まれていきます。そして、言葉が習慣化されて「口グセ」となっていきます。

じつはこの口グセ次第で、人の自己肯定感は高められます。つまり、持って生まれた性格ではなく、ふだん接する言葉によって人の自己肯定感は高くもなり、低くもなるのです。そして、意識しないでも出てくる口グセは、人の思考や感情さえ作り出していくのです。

■「なんで」と言いがちな人は要注意

では、自己肯定感を下げてしまう人の口グセにはどんな特徴があるのでしょうか。それは「面倒だな」「つまらない」「どうせ自分は……」といった否定語や「なんで(できないの)?」といった言葉です。

これらを自分が言ったり、他人の言葉として聞いたり、ネットなどで目にしていくだけで知らず知らずに「負の言葉」がループしていき、心が不健全になっていきます。

そうすると、仕事に集中できなくなったり、パフォーマンスを発揮できなくなったりして、人生さえ悪い方向に向かっていき、ますます自己肯定感は下がっていくのです。

そうなってしまうと、どんなにいいアイデアがあっても、魅力的な戦略があっても、仕事で結果は出せないでしょう。いつしか、表情や口調までさえなくなります。うつむき加減になり、ため息まじりの言葉を発せば、周囲も負のオーラを感じ取って、「なんか仕事しづらい」「話しかけるのはやめようかな」と、距離を置かれてしまう状況になることだって起こり得ます。

■悪循環を断ち切るには、口グセを変える

こうした悪循環を好転させようとストレス発散や切り替えのために、パーっと遊びに行ったり、グチを言いまくったりすれば、問題は解消するのでしょうか。

一時的にはいいかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。そんなことよりも、お金も時間もかけないで解決する方法があります。それは自己肯定感を下げる要因の「口グセ」を、良いものに変えていくことです。

では、ふだんからどういう口グセをしていけば、自己肯定感は高まるのでしょうか。ビジネスパーソンにありがちな日常のシーンを描きながら、1日の流れを追って紹介していきたいと思います。

まず、朝です。起きて身支度をしながら「雨か……、会社行くの面倒だな」といった否定語を発したら、いきなり自己肯定感はダダ下がりします。「雨が降っているから、集中できそう」や「今日も充実させよう」とポジティブな口グセに変えるだけで、いい1日のスタートを切れます。

ポジティブとネガティブ
写真=iStock.com/Maria Marganingsih
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Maria Marganingsih

■「なんで忙しいんだ」より「だからうまくいった」

日中、仕事をしている際も、例えば、「なんでこんなに忙しいんだ」と焦りをあらわにするよりも、「時間をかけたからこそ、うまくいった」と、言い方を変えてみる。否定的な言葉よりも、 NLP心理学(※)でいうところの「肯定的な意図」を探していきます。

※Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称。別名「脳と心のマニュアル」とも呼ばれ、脳の仕組みを利用した心理学

これは「リフレーミング」と言って、物事や状況を別の視点から捉え直してみることです。その状況を活かすために、どのように肯定的な側面を見つけるか。

ここで大事なのは、「自分の評価」を入れないことで、アドラー心理学の「課題の分離」です。忙しいのは状況であって、自分がコントロールできる課題ではありません。それなら、そんな苦しい状況でも「自分は努力できている」「真剣に向き合った証拠だな」と、言葉を転換しましょう。

そうやって、よいことに向かう口グセを習慣化していけば、どんな出来事も仕事も、すぐにマインドセットできて効率が上がり、本来のパフォーマンスが発揮しやすくなります。

■前向きな自己評価をアウトプットする

夜、帰宅したら、「疲れた」「明日の会議どうしよう……」とため息をつくのではなく、「充実していた」「準備にベストは尽くした」と、自分を認める口グセを習慣にしていきます。

独り言のように話してもいいし、スマホにメモしてもいい。言語化や可視化してアウトプットした方が効果的です。自分を承認して自尊感情を高めると、快適な気持ちが翌朝に持ち越されて、いい目覚めや行動につながるでしょう。

とはいえ、人間の感情は揺れるものです。その時に何を支えにすべきかというと、自己肯定感を構成する6つの要素(自尊感情、自己受容感、自己効力感、自己信頼感、自己決定感、自己有用感)のうち、「自己効力感」です。

【図表1】自己肯定感の木
出所=中島輝『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)P156

■自分でやり抜いた達成感を得る方法

自己効力感は、自分の能力や可能性を信じる感情を指します。仕事をする際に、「時間がない」「忙しい」と、できない言い訳をするのではなく、できるためにスモールステップの原理を用います。達成したいゴールに向けて、小さなステップにわけていきます。

例えば、何日までに納期だから今日はこれをやって、と細かく計画を立てます。小さい工程をクリアにしていくことで達成感が得られ、モチベーションが持続できます。そうした積み重ねが、より大きな目標を前にしても、「できる」と自信を持って前に進んでいく原動力になります。

それでも、人は1日に6万回の思考をして、その8割がネガティブになるとアメリカの研究結果で出ているくらいなので、落ち込むこともあるでしょう。会議や商談でミスをして、自己肯定感が下がることだってあるかもしれません。

そんな時は「自己決定感」を意識しましょう。うまくいかなかったことは受け入れて、そこから先、自分はどうしたいのか。自分を成長させるギフトをもらったと振り返って、前を向くか、これはもう自分の弱みだから誰かに委ねたほうがいいとするか。選択肢を出して、自分で未来を決めるのです。

自分でできることは行い、できないことは潔く人に頼る。そうして無理を強いるのではなく、自分と相談して自らが決断を下せば、何かでつまずいても高いモチベーションを保てます。

■自己肯定感の低い部下への理想の声かけ

一方で、自分自身ではどうにもならないこともあります。例えば、ネガティブな部下がいたとします。部下の自己肯定感まで、上司のあなたが変えていくのは難しいでしょう。

こうした時は、「自己受容感」を活かしていくことが最善です。自己受容感は自分の強みと弱みを受け入れることを指します。これを他者に応用します。できないことを克服させるよりも、相手の強みと弱みを理解し、強みにフォーカスしていくわけです。

これは夫婦関係や恋愛、子育てでも言えることです。もちろん常識的な部分は必要ですが、できないことをできるようにさせることは、させる側もする側も苦痛です。「なんでできないの?」とネガティブな口グセをやめて、相手の強みを引き出しながら「どのようにすればいいかな?」に変えていく。そうすれば、相手へのイライラはなくなり、お互いが前向きになれるでしょう。

■「昭和の頑固オヤジ」にも良さがある

多様性というのは、こういうところから始まるのものだと思います。一見、同じ言語で話していても、自分とは違いがあることがわかっていれば、その人の特徴や良さを探しますよね?

仮に「昭和の頑固オヤジ」みたいな上司やクライアントがいて、彼らから頭ごなしに言われることがあれば、「それは彼らにとってふつうのことなんだ」と思うこと。相手に合わせる必要はありませんが、その年代の人が何を大切にしているか、どんな背景で生きてきたかを知ろうとするだけでも「だから、そういう言い方になるんだ」と、理解や許容ができるようになります。

事実は解釈によって変わります。口グセはその解釈が口から出るもの。否定的な解釈をするか、肯定的な解釈をするかで、仕事の進め方も人間関係も変わるのはそういうことです。

もっとも基本的で大切なことは、まずは自分を知ること。なぜなら、人生において自分との対話が一番多く、向き合っている時間も最も長いわけですから。

例えば、「目の前の信号が黄色で点滅しているけど、渡るか渡らないか」といったささいなことさえ、人は自問自答します。ふだんから今日は肯定的な口グセができていたかなと、自己との対話をしていく。自分を幸せにするのも不幸にするのも、口グセ次第。だったら、「ハッピーな人生に向かって踏み出したほうが楽しくて、ストレスもなくて、仕事もうまくいく」はずですよね? ちょっと長いですが、これを口グセにするのもありかなと思います。

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中島 輝(なかしま・てる)
心理カウンセラー
自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。

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(心理カウンセラー 中島 輝)

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