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リスクは限りなくゼロで、リターンは無限に近い…お金の専門家が「もっとも手堅い」と太鼓判を押す投資先

プレジデントオンライン / 2024年6月15日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/chachamal

お金持ちになるにはどうしたらいいか。エグゼクティブコーチの安藤真由美さんは「最もいい投資は自分への投資。どこまで増やせるかは自分次第で、リターンははかりしれない。自分にたくさんお金をかけてほしい」という――。

※本稿は、安藤真由美『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■お金はあなたの人生を輝かせる道具

あなたが最近買ったもので、「これはいい買い物だったな」と思えるものはありますか?

少し考えてみてください。

満足いくお金の使い方ができる人は、お金とつきあう才能があります。

なぜなら、お金は自分の人生をよくするために存在するからです。

「お金を貯めるために好きなことを我慢している」人は、いくらお金を貯めていても、もったいない人だと思います。自分のために、ここぞというときに思い切って使える人のほうが、お金といいつきあいをしているといえるでしょう。

あなたの人生はあなたが主役です。決してお金に主役の座をゆずり渡してはいけません。

本文でもお伝えしていますが、私は最もいい投資は自分への投資だと思っています。自己投資なしで安定したお金の道はない、と言ってもいいでしょう。

■自己投資のリターンは無限大

それは、リスクが限りなくゼロに近い一方、リターンを最大化できる可能性がある唯一のものだからです。

自分へ投資をする場合は、事前にいくらかかるかが分かります。リスクはこれだけです。しかし、リターンは無限です。学んだことがテコになり、さまざまな未来を連れてきます。

たとえば何か株を買ったとしましょう。

株には値上がり値下がりするかだけでなく、タイミングや経済の状況などさまざまなリスクがあります。

またあなた自身が、その株を検討したり、メンテナンスしたり、売ろうかどうか判断するために「時間」や「知識」をどれくらい持てるかもリスクのひとつです。

自己投資はその点シンプルです。どこまで増やせるかは自分次第、リターンははかりしれません。自分にたくさんお金をかけてほしいです。

オンラインレッスンを受ける女性
写真=iStock.com/tdub303
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tdub303

■まずは理想の人生をイメージしよう

「自分はどういう人生だったら楽しいか」ということを忘れないでください。お金は、あなたを輝かせるためのただの道具です。

どんな人生を送りたいのかイメージさえできれば、情報を集めて必要なものを調達していくことが可能になります。

特に知るべきなのは「世の中」です。

自分を取り巻く状況や、人々の行動様式など、なぜ世の中が今の形で動いているのか、今後どのような変化が生じる可能性がありそうか、世の中をしっかりとらえることが必要です。

こう聞くと難しいと感じるかもしれません。しかし、「自分なりにしっかり考える」だけでいいのです。そんな姿勢を持つことが、お金とつきあう上での基本姿勢になります。難しいからと、お金に関して他人の情報をうのみにしたり、誰かに任せてしまうことはとても危険なことです。

間違えてもかまいません。自分なりに考える姿勢を忘れないでください。

■お金を得るための3つの方法

お金には、「貯める」「稼ぐ」「増やす」の3つの側面があります。「貯める」は節約したり管理すること、「稼ぐ」は働いてお金を得ること、「増やす」は投資だと思ってください。

あなたは、この3つの中のどれがいちばん得意ですか?

今、社会が投資ムードになっていると言っても、無理に投資に比重を置く必要はありません。得意なことを中心にしましょう。自分に向いてないことを一所懸命するよりも、得意なことを柱にするほうが長く続きます。どれを中心にしても大丈夫です。

また、苦手なジャンルがあっても、この後どうすればいいかは本書でお伝えしています!

お金はずっとつきあうものなので、無理は禁物です。「自分らしく」長くつきあえるのがいちばんです。

■お金とのつきあい方は「生き方」を映す鏡

これまで、たくさんの方の家計や投資の様子を拝見してきました。

お金とのつきあい方を見ると、その人の生き方がハッキリと分かります。

お金とのつきあい方は生き方の鏡だとも言えます。

私が主宰するお金の講座の生徒さんたちの節約や貯蓄の仕方、家計の管理方法、資産の運用状況などを確認すると、それぞれが今何に重点を置き、どのような選択をし、お金をどのように使っているかが浮かびあがってきます。何よりも正直なのです。

見えてきたことをそのまま伝えると、「どうして分かったんですか?」と驚かれることもあります。これは私が何か特殊能力を備えているのではなく、客観的に誰が見てもそう思うでしょう。ただ、自分のことは近すぎて見えないのです。

お金とのつきあい方には、自分の暮らしぶりが鏡のように映し出されています。

【図表1】お金の使い方でわかること
『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』25ページより抜粋

■自分が理解していないものに手を出す危険性

自分が望む人生を知ることが大切と言いましたが、生徒さんたちのお金の状況を見ていると、「理想の人生」と「現在の自分の人生」が違っている人が多いです。

別の言い方をするなら、自分の望みを横に置き、他の誰かの人生を生きている方が多いということです。

現代社会に生きる私たちは、忙しかったり疲れていたりして、目の前のことをこなすのが精一杯です。一度立ちどまって全体を俯瞰したり、将来を見据えて考える余裕などありません。

たとえば、不安を抱えているのに、お金の管理をまったくしていない方も相当数いらっしゃいます。

お金に関して行動はしているけれど、はやりの方法を真似たり、周囲からすすめられるままに家計管理や資産運用をしている方も多くいます。

意外とありがちなのが、銀行ですすめられて投資信託を買ったけれど、結局損をして困っているという相談です。安心して暮らせるよう節約を心がけ、できる限りのことをしてきたはずなのに資産が減ることは誰しも避けたいはずです。

最も驚いた相談に、退職金をほぼ全額(!)ひとつの投資信託に投資しているという方もいました。その方に質問してみると、投資信託のしくみやリスクについて把握しておらず、右肩上がりだったときの実績を見せられ、このままなら倍増しそうと感じて購入したことが分かりました。

ほかにも、よく確認せずにFX(外国為替証拠金取引)に手を出したり、仕組債を購入している方もいました。FXや仕組債は、構造が複雑で、プロでも大きな損を出すこともあるものです。

分からないまま手を出すのは危険です。家計管理に一所懸命取り組んでいたとしても、これではもったいないばかりか危ないです。

投資は、「賭け事」ではありません。お金については「自分が理解していないもの」に手を出すことは絶対にやめましょう。先に書きましたが、お金に関して他人の情報をうのみにしたり、誰かに任せてしまうことは、絶対に避けましょう。

【図表2】理想の人生を送れない理由
『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』27ページより抜粋

■日本人は金融リテラシーが低い

忙しかったり、疲れていたりするからお金の管理ができないということは、お金のリテラシーがない直接の理由ではありません。

根本的な原因がふたつあると思います。

ひとつは、お金に対する知識がないこと、つまり日本人の金融リテラシーが低いことです。2022年から高校の金融教育がようやく必修になりましたが、それ以前はまったくと言っていいほどお金について知る機会はありませんでした。

しかも、日本ではお金について「汚い」「人前で話すのははしたない」などマイナスの印象を子どもの頃から植えつけられることも多く、普段からお金について他人と話す機会も限られています。これでは金融リテラシーを高めようがありません。

■自分で考えて判断していこう

もうひとつは、日本の教育は先生や社会が「正解」とするものを受け入れる方向で進んできたということです。世の中の出来事に唯一の「正解」はありません。ただ、日本の教育では前提を疑い、自分の頭で考えて判断することが、必ずしもよいとはされてきませんでした。

安藤真由美『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)
安藤真由美『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)

管理する側にとって、都合のいい社会が形成されてきたのです。

私たちは成長する過程で、疑問や意見を許さない空気感に包まれてきたと言っても過言ではないでしょう。

経済協力開発機構(OECD)が実施する国際教員指導環境調査(TALIS)によると、日本の小中学校の教員が生徒に対して「批判的に考える必要がある課題を与える」機会は、世界のなかでも圧倒的に少ないです。日本の義務教育が生徒に対して、批判的に考えるクリティカル・シンキングを教えたり、正解のない問いに向き合うことを軽視してきたことが分かります。

「正解」を暗記することで評価され続ければ、思考停止に陥ります。

世の中の「正解」だけを信じて生きる方法は、「他人軸」の生き方ともいえます。

こうなると、自分のありたい姿と現在のお金とのつきあい方が一致しないこともしかたありません。さまざまな情報を吟味し、しっかり考えたうえで、自分のありたい姿(=「自分軸」の生き方)を見つけ、そしてお金とのつきあい方と一致させていきましょう。

【図表3】自分軸と他人軸
『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』33ページより抜粋

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安藤 真由美(あんどう・まゆみ)
エグゼクティブコーチ・コンサルタント
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(MBA)、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科ジェンダー社会科学専攻博士前期課程修了(社会科学修士)。ブリリアントライフ代表、一般社団法人ジェンダー総合研究所共同代表、株式会社レーサム社外取締役。国内外の金融機関等に22年勤務した後、独立。ファンドマネージャーやアナリストとして数百社に及ぶ投資先の定量・定性分析や、トップ・マネジメントへのインタビューを行った経験を活かし、経営者や管理職を対象としたエグゼクティブコーチングやコンサルティングサービスを手がける。著書に『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)がある。

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(エグゼクティブコーチ・コンサルタント 安藤 真由美)

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