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「営業先でキャリケースをゴロゴロ転がす」は三流、一流が心掛けている「ルール」と「マナー」の決定的違い

プレジデントオンライン / 2024年6月13日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

気の利いた行動はどうすればできるか。らしさラボ代表の伊庭正康さんは「基本的なマナーを守ることは、営業として『失点』をしないための条件だ。例えば出張で営業に行く際は、先方のオフィスに入ったタイミングでキャリーケースをゴロゴロと転がすのはやめて、持ち上げて運んだほうがいい。私もお客様からは何度か『ぜひ、転がしてください。でも、やはりプロですね』と言われたことがある。これこそが、マナーの本には載っていないプロ営業の“見せ方”だ」という――。

※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■観察力を高める3つの観点「SBI」で気の利いた会話を

気くばりが苦手、という人は多いもの。

わかります。実は、私もそうでした。

自然と気くばりができる人を見ると、スゴイな……と羨ましく思ったものです。

でも、あきらめることはありません。

気くばりはスキル。

つまり、鍛えることは十分にできます。

最初にやることは「目配り」です。

例えば、営業先でお客様をお待ちしている間、あなたはどこを見ていますか?

もちろん、スマホを見ているようではいけません。

話のネタを探すように、次の3つの観点でまわりの観察をしてみてください。

「S:Situation(状況)」
「B:Behavior(行動)」
「I:Impact(影響)」

この観点は、SBI情報とも言われる、観察力を高める3つの観点です。

元々はリーダーがメンバーに対する観察力を高めるためのメソッドなのですが、私は営業こそこのSBIの観点でお客様を観察する必要があると考えています。

■「状況」「行動」から「だから社風がいいのだろうな」と想像する

例えば、商談場所が、先方の事務所としましょう。

「いつもより忙しそうだな……」と思うことはありませんか。

でも、これだけでは不十分。「状況」の観点しか見ていません。

「行動」の観点で観察をしてみてください。すると、

「部下と上司がフランクに会話しているな……」

と気付けるかもしれません。

さらに「影響」の観点でも観察します。想像といってもいいでしょう。

「だから、社風がいいのだろうな……」など、想像します。

いかがでしょう。

会話の内容が変わってくるように思いませんか。

お客様「お待たせしました」
営業「とんでもございません。お忙しい時に、ありがとうございます。皆様、とてもフランクに会話されているのですね」
お客様「え、そうですか?」
営業「だから、雰囲気がいつも素敵なのでしょうね」

気の利いた会話になりました。

まずは、SBI情報で観察をし、話のネタ(褒めどころ)を探してみてください。

■先を読んで、どんな行動を取るか考える

気くばり力を高める、もう1つのコツを紹介しますね。

「三手先を想像する」、です。

例えば、商談の際にお茶を出してもらうことはないですか。

その時も、三手先で考えます。

「この後、誰が片づけるのかな? 目の前の担当者なのだろうな……」(一手先)
「片づける際、テーブルのしずくも拭かれるのだろうな……」(二手先)
「その後、きっとお湯呑みをパントリーに運ばれるのだろうな……」(三手先)

そして、次が肝心。

どんな行動をとると「気の利いた人」になれるのかを考えます。

無人の会議室
写真=iStock.com/Kobus Louw
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kobus Louw

私の場合は、こう考えるようになりました。

さりげなくテーブルのしずくを拭き、お湯呑みを運びやすいよう、テーブルの隅(出口に近い場所)に移動させておくべきだ、と。

お客様は「そのままで結構ですよ」とはおっしゃいますが、高評価につながる気の利いた行動であることは間違いないでしょう。

いかがですか。

「気くばり」は、いくらでも鍛えられます。

ぜひ、「SBIの切り口で観察し、三手先を読む」、を心掛けてみてください。

確実にあなたの気くばりは、あなたの「強み」になることでしょう。

■先方のオフィスでキャリーケースをゴロゴロしない

基本的なマナーを守ることは、営業として「失点」をしないための条件です。

ところが、意外とマナー違反をしている人は多いのが現状です。

ここでは、“やりがちなマナー違反”をいくつか紹介しますね。

例えば、コート。

商談の際、隣のイスに畳んで置いていませんか。

これは完全なマナー違反です。

コートはレインコートと同じ扱いで、“汚れたもの”の扱いだからです。

いったんは、自分の鞄の上にコートを畳んで置きます。

お客様から「おかけしますよ」とお声がけをいただいたら、甘えても構いません。

そして、その鞄を置く場所にもケアが必要です。

間違えても隣のイスに置いてはいけません。

これも、コートと同様に“汚れたもの”の扱いだからです。

事務所に伺って商談をする際は、床に置きます。

ご自宅に訪問する際は、ハンカチを下に敷くといいでしょう。

出張で営業に行く際は、キャリーケースをゴロゴロ転がしながら営業に行くことはないでしょうか。

先方のオフィスに入ったタイミングで、ゴロゴロと転がすのはやめた方が無難です。

私は、先方の屋内に入ったタイミングでキャリーケースを持ち上げて運ぶようにしています。キャスター(車輪)は汚れているものだからです。

お客様から何度か言われたことがあります。

「ぜひ、転がしてください。でも、やはりプロですね」と。

話を伺うと、ご自身もそうしているというお客様も多いもの。

マナーの本には載っていないプロ営業の“見せ方”です。

■営業の鉄の掟「靴」を磨かないと2つの意味で失礼

そして大切なのは靴。

靴を磨いておくのは営業の「鉄の掟」といってもいいでしょう。

革靴の紐を結ぶビジネスマン
写真=iStock.com/Copacabana
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Copacabana

「足元を見られる」という言葉がありますが、営業では「靴」を見られる意味で用いられることもあります。これには2つの意味があります。

1つは、靴の手入れができていない人は、いくら着飾っても、いくらいいことを言っても、人格としてはいい加減に見えてしまうという意味。

見えないところ、つまり足元が信用のバロメーターになるのです。

もう1つは、汚れた靴で、先方の敷地に入ることへの無神経さを戒める意味です。

汚れや剥げ、踵のすり減りはないようにしておきましょう。

ネイルにも気を付けた方がいいでしょう。

私が講師として営業研修に登壇した際、このようなシーンがありました。

後ろから様子を見ていた営業部の責任者が、休憩に入ったとたん、ある受講者に声をかけられたのです。

「そのネイルで、銀行のお客様や、規律の厳しいメーカーや小売業のお客様に伺うと心象としてよくないと感じるけど、どう思う?」と。

確かに、ちょっと派手なネイルでした。

自分の趣味ではなく、先方に合わせるのが営業では肝心です。

■「マナー」は自分なりに相手軸で考えるのが大切

「あー、難しい!」と不安になりませんでしたか。

でも、ルールとマナーの違いを押さえておくと、実はシンプルです。

ルールは、絶対に守らないといけないことですよね。

例えば、時間を守る、報連相を迅速に行う、など守らないと叱責されるもの。

マナーは違います。

マナーは、「お互いが気持ちよくいるための気遣い」です。

叱責をされることはありません。

伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)
伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)

こう考えてください。

ぶっちゃけ、多少は間違えていても構いません。

臨機応変に、「この場面で、気遣うことはないか?」と常に考え、自分なりに行動をすればいったんはOK。

マナーの捉え方は人によって違いますよね。

だからこそ自分なりに相手軸で考えるのが大事というわけです。

大事なことは、相手軸で常に考えることです。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。

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(らしさラボ代表 伊庭 正康)

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