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この4つを聞くだけで相手との関係値がグッと上がる…仕事のできる人が実践する"ヒアリング項目"

プレジデントオンライン / 2024年6月16日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Natali_Mis

顧客の参謀として信頼される人は何をしているか。らしさラボ代表の伊庭正康さんは「センスのよい提案ができる人は、お客様の『現在地』『ゴール』『シナリオ』『課題』の4つをヒアリングし、営業として『何ができるのか』を考えている。簡単なところでは、『まずは情報を集めて、教えて差し上げよう』でもいい。可能なら、『知り合いを紹介しましょうか』までできれば、かなり喜ばれるはずだ」という――。

※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■センスのよい提案をするための4カ条

ここからは、関係のレベルをグッと上げる方法を紹介します。

お客様から「参謀」と思ってもらえる方法です(先の記事で解説した「解放の窓」をより素敵な窓にする方法とも言えます)。

たとえ話にはなりますが、リフォームで窓を入れかえる時もそうであるように、営業が「素敵な窓」を提案するには、お客様の嗜好を知らないと、うまくいきません。

「この工務店なら、何も言わずともわかってくれる」と思えるからこそ、よい関係になれるわけです。

そして、これは営業もまったく同じ。

営業がそう思われるためには、やはりお客様のことを知ることが必須というわけです。

でも、正直に言いますね。

最初は、アレもコレも知らなくてもいいんです。

ただ、次のことを知っておくと、センスのよい提案ができるようになります。

【知っておきたいお客様の情報】
①お客様の「現在地(今の状況)」
②お客様の「ゴール(目指す姿)」
③お客様の「シナリオ(戦略)」
④お客様の「課題(不足していること)」

■聞ける範囲で聞いて、アクションにつなげる

解説しますね。

クリニックへの営業の例で考えてみましょう。

①お客様の「現在地(今の状況)」

例えば、どんな患者さんが多いのかを知ることも「現在地」に相当します。

患者さんは、クリニックにとって、経営を左右する重要な顧客だからです。

近隣のご高齢の患者さんが多い、などが該当します。

②お客様の「ゴール(目指す姿)」

「目指す姿」や「目標」などをヒアリングします。

「今後、目指していらっしゃる目標、方向性を伺えればと思っていたのですが……」

など、患者数を増やすのであれば、いつまでにどのくらい増やされるのか、言える範囲でいいので教えてもらいます。

③お客様の「シナリオ(戦略)」

次は、「そうなるための具体策(シナリオ)」をヒアリングします。

(例)
「具体的には、どのようなシナリオをお考えなのでしょうか?」
「今は高齢者が多いので、若い患者さんの定期健診を増やしたいんだよね」

④お客様の「課題(不足していること)」

次は「ご不安な点」をヒアリングします。

(例)
「もし、あればですが、懸念されていることは、ございますか?」
「ウチが定期健診をしていることをPRする方法がわからないんだよね……」

まず、できる範囲でよいので、この4つをヒアリングしてみてください。

その上で、営業として、「何ができるのか」を考えるわけです。

お客様を深く知る4つのポイント
出所=『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』

簡単なところでは、「まずは情報を集めて、教えて差し上げよう」でもいいでしょう。

可能なら、「知り合いを紹介しましょうか」までできれば、かなり喜ばれるはず。

先の記事で紹介した、欠品が続き切られてしまったMRさんも、これができていれば、そう簡単には切られなかったはずです。

まずは、聞ける範囲でいいので、①〜④を聞いてみてください。

意外と、教えてくれることが多いものです。

■お客様への理解レベルをアップさせる「3Cフレーム」

さらにレベルを上げていきましょう。

よりお客様のことを理解するフレームを紹介します。

「3Cフレーム」です。

3Cとは、3つの要素の頭文字を指します。

会社の事業環境を俯瞰して分析する有名なフレームなので、知っておいて損はないはずです。

【3Cフレーム】
・お客様の「会社(Company)」を知る(先ほどの4つの要素のこと)
・お客様の「お客様(Customer)」を知る
・お客様の「競合企業(Competitor)」を知る

この3つのことを知っておくだけでも、お客様への理解レベルがさらにアップします。

私が講師を務める営業研修でも紹介する基本のフレームです。

■3Cで整理すると浮かび上がるコンセプトの違い

では、どんな効果があるのか、私が求人メディアの営業をしていた時のケースを紹介しますね。

当時の私は「かつ丼チェーン」のお客様を担当していました。

ある時のこと、役員さんがこうおっしゃったのです。

「近くに新しいかつ丼屋ができたんだけど、ウチのマネをしているんだよね。器のデザイン、雰囲気……似てるんだよ。おもしろくないよね。マネされると」

さて、あなたなら、どうしますか。

私は、そのオープンしたばかりのかつ丼の店に食べに行きました。

役員さんへのお土産のネタを探すためです(ジョハリの窓で言うと、「秘密の窓」での会話をするため)。

3Cを知っていると、情報を整理しやすくなります。

実際、お店を観察してみると、あることが見えました。

確かに店の雰囲気や食器は似ていました。

でも、3Cで整理すると、まったく別の商売であることがわかったのです。

役員さんのかつ丼屋は、ビジネス街で働く人がお客様で、「毎日食べても飽きないかつ丼」がウリです。

メニューも30種類ほどあり、今日は「キムチかつ丼」、明日は「おろしかつ丼」といったように、“毎日、通いたくなる店”がコンセプトだったのです。

しかし、新しくできたかつ丼屋の顧客は観光客。メニューも3種類。一見のお客様に「お決まりのかつ丼」を食べてもらう、そんな商売です。

つまり、まったく「別の商売」だったというわけです。

■参謀になるには、切り口が必要

そこで、すぐに役員さんに連絡をしました。

そして、このように報告しました。

「確かに似ていますが、恐れるに足らずかな……と思いました。

まずターゲットも違いますし、こだわっていらっしゃる点が違います。

我々は、“毎日食べても飽きないかつ丼”がこだわりですが、むこうは、“一見さんで勝負”の商売です。あまり、気にしなくてもよいのでは……」

これがきっかけで、色々な相談をいただくようになりました。

伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)
伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)

ただ、「あの店、食べてきました」だけでは、参謀にはなれません。

ぜひ、あなたもお客様を「3C」の切り口で考えてみてください。

きっと、お客様の視点で、考えられるようになるはずです。

場合によっては、このケースのようにお客様以上に考えられるはずです。

お客様にヒアリングをするのも手ですし、ホームページでわかる範囲で仮説を立てるのも手です。

この3Cでお客様の状況を整理するだけで、お客様とワンランクアップした会話ができるようになります。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。

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(らしさラボ代表 伊庭 正康)

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