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不倫の発覚には平均4年かかる…「浮気専用サイト」の会員1000人に調査した意外な結果

プレジデントオンライン / 2024年6月20日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Liudmila Chernetska

浮気や不倫はどのようにして発覚するのか。心理学者のアンジェラ・アオラさんは「不倫の発覚には平均4年かかる。期間が長くなるにつれ、人はついうっかりスマホの通知を切り忘れてしまうものだ」という――。

※本稿は、アンジェラ・アオラ『不倫の心理学』(新潮新書)の一部を再編集したものです。

■浮気・不倫はどうやって発覚するのか

私の母は平日よく古い白黒のフィンランド映画の名作を見ていた。その中に、妻が夫の上着のポケットに手を入れ、クシャクシャになった紙切れに電話番号を見つけ、夫の浮気を確信するシーンがあったのを覚えている。夫に詰め寄り、最終的に白状させていた。

昔はそんな風だった。今どき誰かのズボンのポケットからメモを見つけることはほとんどない。夫のシャツの襟に口紅がついていたり、妻の上着から馴染みのない香水の香りがするのに気づくことはあるだろう。急にパートナーが普段よりも身だしなみに気を使うようになることもある。

ジムに通う回数が増えたり、変な時間にシャワーを浴びたり、昔話に説明を混ぜたり、罪悪感から特別な愛情を注いでくるかもしれない。あるいはすごく幸せそうだったり、性的に興奮しているかもしれない。

■スマホの通知、出会い系アプリでの「目撃」

今では浮気の痕跡はスマホやパソコンから発見されるのが一般的だ。テクノロジーは浮気当事者の親友であると同時に一番の密告者でもある。禁断の恋に落ちる相手を簡単に見つけることができ、パートナーとソファでくつろぎながら浮気相手との関係を維持することもできれば、家族と過ごす金曜日の夜に禁断の関係にある同僚にメールを送ることもできる。

しかし残念なことだが、スマホを置きっぱなしにして眠ってしまい、遅くまで起きていたパートナーがドラマを見終わったその時、誰の目にも触れるはずのないメールがスマホの画面に表示される瞬間がいずれ訪れる。パートナーがスマホに用心深くなり、秘密主義になることも、よく見られる浮気の兆候だということにも触れておこう。

あるいは、共通の知人がたまたま出会い系アプリでパートナーを見つけて言ってくることもある(不注意極まりないことだが)。もう1つ、パートナーに生じるかもしれない変化は、浮気相手と名前を混同しないように相手の名前を使わなくなり、ハニーとかダーリン、あなた、などと呼ぶようになることだ。

■「パートナーの浮気」を認めるのは容易ではない

その他の浮気の兆候としては、パートナーが以前に比べ何かに身構えるようになったり、急に怒りだすようになったり、理性的に答える代わりにケンカ腰になったりする。なぜ数時間、連絡がつかなかったのかを尋ねたら激昂するなど、時として人は理にかなった答えを持ち合わせていないとケンカ腰になることがある。

浮気を疑っている側を、過剰に疑い深く要求しすぎているように見せるということもある。不意打ちを食らわせ、立場を逆転させるのだ。私にも経験があるが、追及する側は突然、被害妄想に囚われた悪役にされてしまう。とても傷つき、悲しくなった。非常に不当な扱いだったし、その後、真実を知ることさえできなくなった。

兆候はあっても、真実から目を背ける方が簡単な場合もある。そんなことは知りたくないというわけだ。人は自分の経験や希望、願望を通して、現実と真実を認識し、セルフイメージを作り上げる。人は見たいものを部分的に見るのだ。

座席の後ろで手を握る若い女性と男性、浮気のイメージ
写真=iStock.com/1001nights
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/1001nights

多くの場合、誰もがパートナーは誠実であると思いたい。だから浮気の兆候にあまり注意を払わない。実際に不倫を目の当たりにしたら、最愛の妻や夫の印象はもはや同じではなくなってしまう。その現実を認めるのはそう容易ではない。

■「キスショット」を不倫相手の妻に送った女性

セルフイメージも同じだろう。浮気するパートナーがいる自分とは一体、何者なのだろう? 時間を1カ月や1年早送りして、もし一緒に暮らしていた人と離婚に至っていたら? マイホーム、子供、互いに依存しあっているすべてを断ち切らなければならないとしたら?

浮気中のパートナーがいる人が、浮気について具体的な証拠を見つけるのはよくあることだ。しかし、それでも信じようとしないこともよくある。

本書の取材で登場した女性の1人がそうだった。ある女性が既婚男性と5年間交際していた。2人の恋愛が何年も続いたある夜、彼女は彼の生活のごく一部だけで満足しなければならないことに心の底から苛立ち、うんざりした。彼が自由になれる時に合わせて、幾度となく自分の予定を変更しなければならず、いつまでも陰の存在で夏至祭や新年、誕生日に招待されないことに嫌気がさしたのだ。1人の人間として家族に紹介されることも決してない。そして、白昼堂々と存在することが許されない人間であることに耐えられなくなった。

そこで、恥ずかしくもあったが誇らしくもある方法で自由を手に入れた。キス写真を相手の妻に送ったのだ。写真は彼の出張先について行った時、ホテルの朝食の席で撮られたものだった。妻からの返事は「二度と連絡しないで」だった。

■「真実を信じようとしないことで人は騙される」

妻は夫の不倫の明らかな証拠を手にしたにもかかわらず、行動には移さず、浮気夫との結婚生活を続けた。夫も写真が送りつけられる前に彼女から突きつけられた最終通告に従わなかった。「あなたが決断しないなら、代わりにしてあげるわ」と言われていたのに。

彼を忘れるためならなんでもすると彼女は言っていたが、自分との約束を守ろうともがいているのがよくわかった。彼がしてくれないからこそ、彼女が一歩踏み出さなければならなかったのだ。疲れ果て、声に悲しみをにじませながら彼女はこう言った。

「これは私に委ねられていることで、留まるか去るかは自分次第なの。それが現実。今の私はしっかり直視できる現実主義者よ」

少し間を置いて続けた。

「もちろん、本当は彼が離婚して、私と一緒になることを夢見てる。でも、このままだと自分を過小評価していることになる。実際、奥さんと別れないと思うから」

私は黙ってうなずくしかなかった。私たちはホテルの朝食の写真から2人の旅行の写真まで、彼女のスマホの写真をスクロールし続けた。それらの写真を見て、セーレン・キルケゴールの名言を思い出した。

「人は2通りの騙され方をする。1つは真実でないことを信じること。もう1つは、真実を信じようとしないこと」

■浮気が発覚するまでの時間は平均4年

さて、浮気当事者の内なる思考を理解しようとするうちに、ある疑問にたどり着いた。浮気の兆候とはどういうもので、秘密の関係はいつバレるのか? それは1回目で、それとも2回目で、あるいは3回目でなのだろうか? 答えを言えば、たいてい1回目では発覚しない。この時期に発覚するのは10人に1人の割合だ。むしろ、2回目か3回目の浮気の時に明るみに出る。

時間に関していえば、浮気が発覚するまでに平均約4年かかる。これは、浮気専用サイト〈イリシット・エンカウンターズ〉の会員1000人を対象にした調査で判明した。つまり、当然のことだが、浮気をする期間が長ければ長いほど――遅かれ早かれ――パートナーがその兆候に気付く可能性が高くなるということだ。

■6割以上の人がSMS、メールが原因で浮気がバレている

もう1つの要因は、時間が経つと自身の向こう見ずな行い(要するに浮気)にますます確信を持つ傾向があるということだ。多くの人にとっては発見されることさえスリルなのだ。そして、不注意になればもちろんバレやすくなる。

だから、もしパートナーの浮気を見つけたとしても、統計的に見ればそれは最初の浮気ではないだろう。先述したようにテクノロジーは浮気相手を探す手助けをしてくれる一方で裏切りもする。ヴェラが使っていたような浮気専用出会い系サイトやアプリ、SNS、名前や電話番号を明かさずにログインできる匿名アプリ、パートナーが寝ている間や留守の間にできるセックスチャットや裸のビデオ通話――隠れた二重生活を維持するのは難しい。

せめて一緒に生活する相手には隠しておきたいものだが、アプリを削除しなかったり、通知をオフにしなかったり、人は突如忘れてしまう。そのため39%もの人がショートメッセージから浮気がバレてしまったというのは驚くに当たらない。電子メールでの発覚は全体の22%で2番目に多い。3番目はどこに行ったか嘘がバレることで20%。4番目は現行犯逮捕で14%である。パートナーの浮気に関する情報を友人から知らされるのは5%で5番目に多い。

この最後のパターンに出くわしたヴェラは、堂々と採用面接という隠策を披露してなんとか取り繕ったが、このケースはある意味、ポジティブに捉えることができる。なぜなら浮気を目撃した人は、友人にパートナーから嘘をつかれていると知らせたいということだからだ。

ただ知らされた本人はパートナーの嘘と折り合いをつけられないかもしれない。またネガティブな点としては、周りの皆がパートナーの浮気を認識しているように感じられ、自分が最後だったと感じる点だ。私の時もほぼそうした状況だったし、きつかった。

■不倫カップルの密会で一番人気は「11月末の金曜日」

あまり知られていないことだが、浮気当事者の86%は正式な交際や婚姻の前段階、デート期間中にすでに浮気している。浮気は夜、暗闇の中で起こるものだと思ったら大間違いで、就業時間中にも起こる。他にもホテルでの長いランチや激しい熱気に包まれた車内、出張、夜のホテル客室での裸のビデオ通話など。〈イリシット・エンカウンターズ〉が行った調査によると、特に浮気が集中する曜日は決まっており、金曜日だそうだ。

アンジェラ・アオラ『不倫の心理学』(新潮新書)
アンジェラ・アオラ『不倫の心理学』(新潮新書)

300人のユーザーにヒアリングを行ったところ、一番人気は11月末の金曜日だった。理由は12月に入るとクリスマスの準備で忙しくなり、子供たちの学校が休みになり、クリスマスから新年にかけて家族行事が中心になるからだ。そうなると、ホテルの一室での密会や長時間のランチの暇はないだろう。

一生で何回浮気をするのだろうか? 一夜限りの関係で終わることが多いのか、それとももっと回数を重ねるのか? その答えは、浮気をしている人の37%が2~5回だった。18%は10回以上浮気をしている。

私の夫婦関係にもその兆候はあった。その1つは、夫婦関係の大半を通じて感情的な距離が存在していたことだ。これは、不倫のリスクが大きくなることを示している。やがて時間や場所に関する嘘が出はじめ、SNSに写真を載せてほしくないと言われた。後から振り返ってみると、それがよくわかる。

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アンジェラ・アオラ 心理学者
1974年スウェーデン生まれ。心理学博士。ストックホルム大学にて心理学を学ぶ。専門は知覚心理学。著書多数。現地ではメディアへの登場も多い。

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(心理学者 アンジェラ・アオラ)

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