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最高1億8000万円…昼寝をしてガッポリ儲けた人、給料急上昇な人が実践する30分仮眠の「奇跡の頭脳明晰化」

プレジデントオンライン / 2024年7月21日 17時15分

■1000億円男・大谷翔平もする「昼寝」3分の2が生産性が高まった

メジャーリーガーの大谷翔平選手はシーズン中、夜に最低10時間睡眠をとるだけでなく、「昼寝を2時間している」と自らYouTubeで語っている。

以前からグーグルやアップル、ナイキなど米国企業は昼寝を導入していた。国内では2018年に三菱地所が仮眠室を始め、大企業でも実施されるように。

NASA(アメリカ航空宇宙局)や大学の研究では、30分弱の仮眠で、認知能力が34%、注意力が54%向上した。

三菱地所が協力企業と共に実施した仮眠体験をした社員への調査では、3分の2が作業の生産性が高まったと回答。「会議中の眠気がなくなった」「夕方までやる気が持続」「眠気改善で、思考は進む」といった声があった。

また、仮眠した人は、仮眠しなかった人に比べ、タイピングテスト(間違いなく打ち込めるか)やまばたき回数の多さなどをスコア化すると5ポイント以上結果がよかった。

■私が25年以上続けた“昼寝”で資産1.8億円を築けた理由

ケース1:個人投資家 桶井(おけい) 道(どん)
主な投資先は世界30カ国の高配当株や増配株、ETF、REITなど。会社員時代に1億円をつくれた秘訣は、「労働+節約+貯金+投資」と「睡眠」。「投資の種銭を作るためコンビニ禁止、飲み物はマイボトル」を徹底。

「大谷(翔平)選手が体現しているように、睡眠は、人生や仕事のパフォーマンスを大きく左右すると思います」

個人投資家の桶井道さんは大卒後、会社員として働きながら投資を25歳から始めた。47歳までに積み上げた資産は1億円を突破し、FIRE。その後の4年間で資産はさらに急上昇して、今では1億8000万円超に……。

【図表】ブレない長期の分散投資でコツコツ。昼寝で体をケアしながら資産UP

「資産をここまで何とか構築できた大きな要因のひとつ、それは昼寝です。私はロングスリーパーで夜の睡眠も大事にしましたが、会社員時代から昼寝も日課にしていました」

会社員時代、昼食後は休憩スペースで約30分間、壁にもたれたり、机に伏せたりして必ず仮眠。周囲にも同じような同僚が多かったそうだ。寝ないと心身の疲労感で午後の仕事に支障をきたすから、うまく眠れなくても目を閉じる。それだけでも回復したという。季節に応じて毛布やひざ掛けも使用した。

そうした昼寝習慣が投資にどのような影響を与えたのか。

「私の投資法は、マーケットの日々の細かい動きに合わせて売買を繰り返して儲けるものではなく、会社員当時も今も日本株の高配当株や増配株などに分散長期投資するスタイル。株を買うのは月1回程度でしたが、何を買うのか正しい判断力が必須です。そのためには当然ですが、日ごろの銘柄研究が重要。通勤の行きと帰り、仕事終わりに投資の勉強をしますが、昼寝して脳の働きがいいほうが確実に精度やモチベーションは高まります」

なぜ、この株は配当が高いのかその理由を探り、その企業の事業は持続的に儲かるのか、市場は拡大しているのか。いつ株を購入すればいいのか。そうした理解・判断をするには、数字満載の年4回刊行される2000ページ超の会社四季報や投資関連の書籍、マネー雑誌を的確に読み込むことは不可欠なルーティンだ。

■妥協のない投資のために「脳を休める」

また、定期的に参加する投資セミナーでの講師の話に対する理解。主要な投資信託商品や、投資対象として関心ある業界の分析……そうした膨大な質の高いインプットができるキレキレの脳でなくては、いいアウトプット(より値上がりし、リターンの高い銘柄などの購入)など望めない。

昼寝の投資への効果は「体力面」も無視できないものがある。

「この銘柄は本当に購入に値するのか、自分なりに納得するまで検証するには地道な研究が必要です。特に外国株の場合、外国語の投資情報も読み解きながら、最大限粘って検討する。昼寝することで、午前中に削られた体力が回復しますから、そういう緻密なプロセスを踏むことが可能なんです。もし寝ていなかったら、『これくらいでいいかな』と妥協が生まれる。眠気に甘え、判断が甘くなる。それは投資するうえで最もやっちゃいけないことです」

わずかな時間でも適切に体を休めることで体力維持・回復して、情報をより深く掘り下げ、長時間の妥協なき投資対策ができる。これも現在、「資産2億円」を視野に入れている桶井さんの一貫した流儀というわけだ。

実は、桶井さんは若いころから内臓の持病があり、体のメンテナンスをしなければならない。それに加えて、会社を退職した後は、両親の介護・見守りもしている(父親は難病で要介護5、母親はがんサバイバー)。現在も継続している昼寝習慣は、介護疲労を癒やす意味合いも大きい。自身の体力にも配慮しながら持続可能な投資環境をつくっていくためにも仮眠は有効的なのだ。

「FIRE後は、昼寝は毎日ではなくなりましたが、体やメンタルの疲れを感じれば昼寝をします。冬場は気軽に横になると風邪を引くので機会が少なくなりますが、それ以外の季節は気軽に横になれます。今くらいが絶好の昼寝シーズンです」

資産のほかに、桶井さんが得ている株の配当金は現在、年約200万円。それを60歳になる約10年後までに年300万円にするのが目標だという。

■エンジニア3700人超から“10人”の精鋭に選ばれたワケ

ケース2:GMOインターネットグループ ITエンジニア 小島慶一
担当は「お名前.com」のサーバー構築・設計監理など。シエスタができるのは渋谷にある同社第1・第2本社で計32席。第1本社の場合、照明が薄暗くリクライニングシートで“横”になれる。第2本社では、間仕切りもあり個室感覚。仮眠するのにちょうどいい傾斜のシートだ。

ストレス過多な現代において、IT系エンジニアのメンタルリスクは他の職種より3倍高いとされる。

技術開発は日進月歩で納期に追われる激務は、この業界では常。完璧主義者も多いといわれ、心身の疲労が知らずのうちに蓄積してしまうケースもある。

インターネットインフラ事業を中心に展開するGMOインターネットグループ(東京・渋谷)が社員に昼寝(シエスタ)を推奨し、そのスペースを提供し始めたのは10年以上前のこと。今、昼寝OKの企業は少なくないが、同社は先駆け的な存在だ。頭をクリアにし、クリエーティブな発想を生み出す助けとなるようにと会社が導入を決めた。

現在は正午に社内アナウンスで「皆さん、シエスタをしましょう」と流れる。当初は、「会社で寝る」ことに罪悪感を抱く社員もいたが、最近は1日約100人が利用し、午後イチは予約が取れない日もある(12〜20時に利用可)。

正午ちょうどに「シエスタをしましょう」と社内にアナウンスが流れる。
正午ちょうどに「シエスタをしましょう」と社内にアナウンスが流れる。

入社23年目のエンジニア・小島慶一さんは週1〜2回ペースで使っている。

「特に、午後に集中力を要する大事な案件の仕事があるとき、一度頭をまっさらにして目を閉じ、リクライニングチェアやソファで30分間脱力します。軽くまどろむ感じですが、効果絶大です。眠気を吹き払うために、ランチ後に社内を歩いたり、デスクで眠気と格闘したりしながら仕事をすることもあるのですが、効率はいまひとつ。でも、シエスタをすると2時間かかった案件が30分で片付くことも。4倍速の自分に生まれ変わるんです」

同社第2本社の昼寝スペース(渋谷駅前のビル16階)は、光がたっぷり差し込むガラス張りの「特等席」。

再開発・建設中の渋谷駅周辺の大パノラマを一望できる。長時間、モニターなどを凝視しなければならない電子の世界からつかの間、解放されるわけだ。半個室になっており、読書の場としても利用可能だという。

「エンジニアの仕事では、会社から電話連絡が入り、やむなく深夜にシステムの調整など緊急対応しなければならないことが月に1〜2回発生します。その場合、夜中2〜3時から明け方まで作業することもあって、睡眠のリズムや体調が狂いそうになるときに昼寝は本当に助かります」

■予約の取れない絶景シエスタ席の昼寝で仕事4倍速「100万円」ゲット

小島さんはこれまでの仕事の実績に加え、シエスタ習慣で定着した4倍速の仕事術の効果もあり、24年度の同社の「デベロッパー(開発者)エキスパート」に任命された。

計3700人以上いる各分野のエンジニア・クリエイターからその分野の“第一人者”を毎年度10人選ぶもので、“活動費”として通常の仕事の予算とは別に、使途を本人が決められる100万円(年間上限)が支給される。

同社は、このシエスタスペースのほかに、プロのマッサージを受けられるスペース、ジム、そして無料で栄養バランスが緻密に管理されたおいしい食事を社員に提供しているカフェ(24時間365日オープン)など、福利厚生に以前から力を入れてきた。

その背景にあるのは、同社が掲げているビジョンである「健康経営」。経営トップが、社員の業務効率やパフォーマンスをアップするために、うらやましいほどの投資をしているわけだ。

ちなみに、同社は15期連続の増収を達成している。シエスタを含めた「人財」を生かすための福利厚生と企業業績には密接な関係がありそうだ。

■給料大幅増の人も……丸の内に現れた“昼寝マシン”の正体

東京・丸の内のビジネス街で昼寝も可能な「ひと休み空間」が話題だ。三菱地所が昨秋から新規事業(実証実験中)として運営しているシェア休養室「とまり木」。近隣の企業のビジネスパーソンを中心に、毎日数十人が利用しており、平日は必ず来るヘビーユーザーもいる。現在、契約申請した法人は25社以上。そこに属する社員1人につき予約なしで1日1回15分利用可能だ。

ここの売りは最新の“昼寝マシン”ともいえる装置があること。

「仮眠だけでなく、足腰や脳疲労など利用者の多様なニーズに応えるバリエーション豊富なテクノロジー機器を揃えています」(三菱地所・丸の内運営事業部専任部長の三輪弘美さん)

中でも、人気なのが、トヨタ自動車が開発した「TOTONE(トトネ)」だ。外見はカプセル状で、中にあるゆったりしたシートに横たわる。

トヨタ自動車が開発した「TOTONE」
カーテンを閉めると暗い空間に。トヨタ自動車が開発した「TOTONE」(「とまり木」にある装置は一部仕様が異なるデモ機)。

「カーテンで仕切ると中は暗くなって、ヘッドフォンでヒーリング音楽を聞くと、すぐウトウトに。ヒーターも入っていて体がじんわり温かくなります。終了時には背中にあるエアが膨らんで目覚めストレッチが始まり、シートが自動でやさしく体を起こしてくれます。一日中PC作業やWEB会議で残業も多いですが、おかげで集中力が切れがちな午後も仕事を頑張ろうという気になります」(毎日利用する30代男性)

同じく毎日TOTONEを利用している、仕事が財務関係の30代男性は、

「頭がクリアになることでいいアイデアが浮かぶようになって、残業時間が減ったのに、タスクの消化量がぐんと増えました。仕事の実績も自分でも驚くほど向上しました」

男性の会社はベースアップのような給与制度はないが、結果的に、今春から年収が大幅に上がったと笑顔で語る。

■仕事量が5倍になるファイテン製とは

一方、ファイテン製の「ウォーターウェーブベッド」は女性ウケがいい。研究所勤務で日々、多くの申請書を書く専門職の40代女性は言う。

「平均睡眠時間が5時間くらいでいつも寝不足気味です。頭に血がいかないと半日かけても1枚も申請書が仕上がらないこともあるんです。でも、これに寝て、頭や背中、下半身を水流振動で刺激されると、気づけば寝落ちしてて(笑)。明らかに血流がよくなって体ポカポカ。1日の仕事量が5倍以上になりました」

スクリューノズルからの水流が、インナーマッスルまで働きかけることでリラックス効果が得られるそうだ。

ファイテン製の「ウォーターウェーブベッド」
ファイテン製の「ウォーターウェーブベッド」。このシェア休養室は契約法人の社員が仕事のスキマ時間などに自由に訪問可能(10~18時)。

取材すると、「午前寝」や「夕方寝」をする利用者もいることがわかった。

「経営者や士業の方などが午前中においでになり15分間休むと『頭の中が整理できていい』とおっしゃいます。また、その日の夜の残業に備え夕方に寝て、体力を温存する方もいますね。時には、大事なプレゼンが思い通りにいかず、それが終了後に『いったん気持ちをリセットしたい』と仮眠する方もいます。来たときより表情が明るくなって、お帰りになります」(三輪さん)

「とまり木」には月経痛やPMSでつらい女性など体調不良の方のための個室ベッド(2時間まで・予約制)があり、肩こり・腰痛の改善に導いてくれるプロのトレーナーが常駐している。

前出の機器で癒やされる前に、体をストレッチしてもらうとリセット効果が高まるそうだ。トレーナーは継続してできる簡単な体のほぐし方を教えてくれるので、整体やマッサージに通わずにすんだという利用者も。

「このシェア事業が軌道に乗れば、近隣エリアや他の街などにも新規で出店したいです。行政とも組んで、こうしたひと休みできる施設で自然と健康になれる文化を醸成していければと願っています」(三輪さん)

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年7月5日号)の一部を再編集したものです。

(プレジデント編集部 取材・文=大塚常好 撮影=堀 隆弘(小島慶一さん、三菱地所) 図版作成=大橋昭一)

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