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こうすれば無理めな仕事を感じよく断れる…「お断りメール」の最後に添えるたった10文字の魔法のフレーズ

プレジデントオンライン / 2024年6月30日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/paylessimages

人手不足の一方、働き方改革も迫られる現代の職場。著書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』が15万部を突破した山本渉さんは「決定権のあるリーダーなら、部下を守るために取引先からの依頼を断ることも必要。そんなとき“お断り”メールの最後に入れると効果的なマジックワードがある」という――。

※本稿は、山本渉『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

■管理職なら仕事の洪水は自分のところで止める

前の記事では、時代にあった「任せ方」に関して解説してきましたが、「どんな仕事を依頼するか」と同じぐらい重要なのが、「どんな仕事を依頼しないか」です。

優秀なリーダーほど、無駄な作業や過労につながる仕事を減らす努力をしています。

あまりにも時間がなかったり、過労を余儀なくされるものは、そもそも仕事を受けない(=自分のところで止める)という判断も必要になってきます。

私は、勤務している会社のインターンシッププログラムで、海外のプランニング会社で半年間働く機会がありました。ユニークなアイデアと解決力を売りにしているカナダの企業でした。

そこの経営陣と話していて驚いたのは、実際に引き受けるのは、来た仕事の半分にも満たないということです。

仕事の中身、目的、予算、納期などを鑑みてジャッジをしていました。

取引先からの依頼を断るというのは、日本では勇気のいることです。断らないことが取引先との信頼の証となりますし、人間関係などいろいろなことが気になります。

しかし、ワークライフバランス重視、労働時間削減の時代の流れを反映し、今までのやり方を変えていかないといけません。

■仕事を選べば、チームのモチベーションも上がる

仕事を選ぶことは、結果として労働環境が良くなり、チームのモチベーションもパフォーマンスも上がります。私が半年働いたそのカナダの会社も仕事を取捨選択することで、成長を続けていきました。

リーダーにとって目の前の数字は、それがいくら小さい額だとしても、しっかり取って積み重ねていきたいものです。だから、決断するには勇気がいることです。

別の例として、私の行きつけのイタリアンレストランがランチ営業を突如やめてしまいました。

話を聞くと、労働環境改善が理由でした。昼にお店をオープンするには、朝10時ぐらいからスタッフが集まることになり、夜は遅くまで営業が続きます。ランチの売り上げを考えると、オーナーとしては苦渋の選択だったようですが、思い切って廃止しました。その代わり、18時スタートだった夜の営業を17時からに変更したそうです。

■働き方改革のためランチをやめたレストランに起きたこと

すると予想外のことが起こりました。ディナーの予約が入っている時間の前に、仕事帰りにサクッと食事をするお客さんで、一回転できるようになったのです。昼と異なりお酒も出るので、単価も上がりました。

勤務時間も大幅に短縮でき、スタッフの労働意欲も上がり、売り上げも伸びて良いことずくめだったとうれしそうにオーナーは話していました。

これはレストランの話ですが、オフィスビジネスの場でも、目の前の売り上げよりも大きなところを優先させることで、思いがけない成長につながることがあります。会社としての判断もそうですが、一つの部署単位でも同じです。

経営者であればその会社の、マネージャーであればその部署の数字に責任を持つのは当然ですが、同時にメンバーの健康状態や労働意欲とのバランスを考えていくべきです。

勇気を持って、ときには仕事を減らす決断が必要です。

労働力は無限ではないので、許容量を超える仕事が発生し続けたら、どこかで溢(あふ)れて洪水が起きてしまいます。止めるなら、川上で止めるほうが被害は少なくて済みます。

効果的な「正しい丸投げ」を実施して、業績を上げるためにも削る部分は削り、断るものは断りましょう。

「断る」ポイントは2つです。

・「どんな仕事を依頼しないか」の判断も重要
・無理のある仕事は自分のところで断る勇気を持つ

■「またお声がけください」は断るときの魔法の言葉

ときには仕事を受けないことも重要とですが、理解はしつつも、やはり気が引ける、うまく断れない、という方も多いかと思います。

「和を以て貴しとなす」

このような日本文化にどっぷりと浸かって働いてきたので、その気持ちはとてもよくわかります。

「任せ方」からは少しずれますが、「断り方」に関しても少し触れておきます。私自身も年間100近いプロジェクトのアサインをしているので、当然断られることもあります。

「忙しい」「自信がない」「自分に向いてない気がする」など理由はさまざまですが、依頼する側から見て、これはうまい断り方だなあと感じることも、逆に少し乱暴だなというものもあります。

数々の断り方を見る中で、これさえ言えばいい、という魔法の言葉を発見しました。

「またお声がけください」

最後にこの一言さえ付け加えれば、すべてが解決です。

この言葉は、「今回は条件が合わなかっただけ」「仕事は辞退するけど、あなたのことが嫌いではありません」「いい関係を築きたいと思っています」など、いろんなニュアンスが含まれたマジックワードなのです。

会話するビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

■相手の時間を奪うくらいなら、早めに断るのが誠意

仕事を断ると「関係が悪くなるのでは」とか、「出世に響くのでは」と考えて躊躇(ためら)う人も多いですが、まったく悪いことではないです。

むしろ、忙しいのに無理して受けて体調を崩したり、モチベーションが湧かないのにイヤイヤ担当してもらったりするほうが、よっぽど困ってしまいます。社内に限って言えば、熟考した説得力ある辞退の理由も、長文の言い訳メールも不要です。それよりも、すぐに返信をすることが大切です。

断るにしても、すぐ断るとなんだか失礼な気がして少し時間を置いてから断る、という人もいます。すぐに返信しないほうがしっかり検討した感が出るという意見です。

デートの誘いやプロポーズの返事なら、そうかもしれません。

「結婚してくださ……」と言い終わる前に、被せるように「嫌です」と答えたら、相手もショックでしょう。その場で返事せず、相手を傷つけないような理由をしっかり考えて、時間をかけるのは正しい判断です。

しかしビジネスの場では、その配慮はいりません。それよりスピードです。依頼する側からすれば、次の人に当たれるので、早いほうがいいです。

あなたが断れば、別の人に当たるだけです。

ドライなようにも聞こえますが、それがビジネスというものです。

コワーキングスペースで働くビジネスウーマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

■受けられない理由を明快に書くのが「断り方の技術」

先ほど、断り方にもうまい断り方があった、と書きました。

一度断られたけど次につながって、いい仕事が生まれたケースを振り返って分析してみると、共通点が見つかりました。

それは、受けられない理由を明快にしてあるものです。

「納期があと2週間あれば対応可能だったのですが……」
「予算がどうしてもはまらないので……」
「正直荷が重く、自信がないのでもう少し経験を積んでから……」

山本渉『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)
山本渉『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)

このように、受けることができない原因となる要素を具体的に伝えましょう。依頼する側は、次からそこを改善して打診するようになります。

これが次につながる「断り方」です。

最後にまとめると、このようになります。お断りのメールを送るときは、

①辞退する具体的理由を入れる
②素早く返事する
③そして最後に、魔法の言葉を入れるのをお忘れなく
「またお声がけください」

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山本 渉(やまもと・わたる)
マーケティング会社統括ディレクター
引きこもりを経験し、高校を中退後アメリカに留学。大学でマーケティングとエンターテインメントを学び卒業。帰国後、国内最大手のマーケティング会社に入社。現在はジェネラルマネージャー。部長を束ねる統括ディレクターも兼ね、年間100近いプロジェクトをメンバーに依頼している。著書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)はベストセラーに

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(マーケティング会社統括ディレクター 山本 渉)

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