これを食べれば「錆びない体」ができる…医師・和田秀樹が「生」で摂取すると効果的と説く"野菜の名前"
プレジデントオンライン / 2024年7月1日 15時15分
※本稿は、和田秀樹『死ぬまでひとり暮らし 死ぬときに後悔しないために読む本』(興陽館)の一部を再編集したものです。
■ひとり暮らしの食事はガマンせず、かつ老化を防ぐ食材といい脂を
ひとり暮らしの食事です。いったいどのようなものを食べればいいのか分からないことと思います。
私自身は、食べたいものを食べればいいと考えているのですが、食事の際には、ショーシャ博士のいう「細胞の炎症を防ぐ食材」をなるべく摂るように心がけてはいます。もちろん、ガマンはしません。
これから、老化を防ぐ食材や、メニューの話をしたいと思います。
脂肪については、オリーブオイルなどに含まれるオメガ9脂肪酸、脂ののった魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、細胞レベルで必要な脂肪なので、気にしないで摂って下さい。
気をつけて欲しいのは、マーガリンやマヨネーズに含まれるトランス脂肪酸、肉の脂身やバター、ラードなどに含まれる飽和脂肪酸です。これらは、血液をドロドロにして細胞の炎症を引き起こす張本人になりかねません。
こってりしたものが食べたいな、というときは、なるべく「いい脂」を摂ることをおすすめします。
たとえば、ドレッシングの代わりにオリーブオイルとレモンを絞ってサラダにかける。「昨日は肉を食べたから、今日は魚にしよう」、そんな程度でかまいません。
■歳をとってもスタスタ歩きたいなら「肉を食べよう」
一番食べて欲しいものは、ずばり肉です。日本人は肉が少ない。私はあらゆる機会をとらえて「肉を食べよう」といい続けています。
肉を食べて、タンパク質を十分に摂ることで、筋肉量が増え、歳をとってもスタスタ歩ける足腰をキープすることができます。
肉にはセロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれているので、食べておけば、意欲の低下やうつ病の予防にもなるのです。肉は、必須といっていいでしょう。
老年医学の専門家である柴田博先生は、国内外の長寿者を対象に長期にわたる調査を行い、長寿の人に共通する健康習慣を分析しました。
豊富な臨床経験と、綿密な調査に基づいた柴田先生の意見や指摘は、説得力があるので、私は大いに参考にしています。
柴田先生の指摘によっても、日本の長寿者の特徴は動物性タンパク質(肉)の摂取割合が高いということです。
肉に含まれる動物性タンパク質を摂ることで血液中に増えるアルブミンという物質は、脳卒中、心筋梗塞、感染症の予防に効果があります。
柴田先生の調査によると、血液中のアルブミンの低い人ほど早期に死亡しているとのことです。肉の摂取量が高くなるほど、病気のリスクが低くなると柴田先生は指摘しています。
■60歳からは体重1キログラムあたり1.2グラム程度のタンパク質を
嫌悪されがちなコレステロールも、低下すれば意欲がなくなり、ボケたような症状が出ます。歳をとったら日々の食事で肉を積極的に食べ、コレステロールを摂る必要があるのです。
なお、1日に摂る肉は120~150グラム程度が適量です。
とはいえ、毎日、肉をこれだけの量食べるのはしんどいという人もいるでしょう。
その場合は、魚はもちろん、豆腐、納豆などの大豆製品を積極的に摂りましょう。
特にサバやイワシなどの青魚は、血栓をできにくくして、心筋梗塞や脳梗塞を予防するEPAやDHAといった必須脂肪酸が多く含まれているので病気予防になります。
大豆製品は、良質なタンパク質が含まれているだけでなく、ミネラルや食物繊維も豊富なので、体にとって、非常にお得です。
![サバ、定食、ヘルシー、豆腐、キュウリ、納豆、モズク、味噌汁、梅干し](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/d/1200wm/img_8d493e61d8d7b715dbfb9c09bc1bb82d487291.jpg)
1日に必要なタンパク質は、体重1キログラムに対して1グラムです。体重60キログラムなら60グラムのタンパク質が必要になってきます。
ただし、タンパク質から筋肉をつくる効率は歳をとるにつれて落ちてしまうので、私たち世代は、体重1キログラムあたり1.2グラム程度のタンパク質を摂取するのが理想です。
■動物性・植物性のタンパク質をまんべんなく摂る
肉100グラム中、豚ヒレは22.2グラム、鶏モモ肉は17.3グラム、和牛サーロインは17.1グラム程度のタンパク質が含まれています。
卵は1個(60グラム)につき7.4グラム、木綿豆腐は1丁(300グラム)につき21グラム、納豆は40グラムにつき6.6グラム、牛乳は200ミリリットルにつき6.6グラム程度のタンパク質が含まれています。参考にして下さい。
タンパク質は、体内で貯蔵できないので、一度にたくさん食べても意味がありません。
1日3食で、肉、魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質と、大豆や大豆製品などの植物性タンパク質をまんべんなく摂ることが大切なのです。
シャキッと元気な体をつくるには、栄養をしっかり摂らなくてはなりません。中でもとりわけタンパク質は重要なので、意識的に摂るように心がけて下さい。
■赤・黄・緑、色の濃い野菜で体の錆をとる
細胞の炎症は、体の酸化につながります。体の酸化を防ぐことが、老化を防ぎます。
食品の中には抗酸化作用を持つものがあるので、これらを上手に活用して、中からも、錆びない体をつくっていきましょう。
特に、赤、黄、緑といった色の濃い野菜は高いアンチエイジング効果が認められています。
緑黄色野菜の天然色素には、αカロテン、βカロテン、リコピン、ルテインといったカロチノイド類が豊富です。摂らない手はありません。
特に、カロチノイド類が豊富な緑黄色野菜は、ニンジン、トマト、ホウレンソウ、グリーンピース、ブロッコリー、エダマメなどです。
![和田秀樹『死ぬまでひとり暮らし 死ぬときに後悔しないために読む本』(興陽館)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/0/1200wm/img_10dd3520575c351a951e0f41a4a35bb9100371.jpg)
そのほか、キャベツ、ハクサイは、抗酸化物質のビタミンA、C、Eが豊富に含まれており、セロリ、カブの葉、トウモロコシ、アボカド、メロンなどは強力な抗酸化物質のルテインを多く含んでいます。
果物では、ベリー類に、脳と心臓を保護する抗酸化物質のアントシアニンが豊富なので、意識して食べていただきたいです。
ベリー類とは、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、おなじみのイチゴもベリー類です。ちなみに、リンゴ、プラム、ピーマンもアントシアニンが豊富な食品です。
生で食べれば、野菜や果物に含まれる酵素も体内に摂り込むことができ効率的です。
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精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
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(精神科医 和田 秀樹)
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