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これで突然意見を求められたときに即言葉がでる…「自分に起きていることを実況中継」する意外な効果

プレジデントオンライン / 2024年6月30日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/twinsterphoto

意見を求められたとき、当意即妙な返しをするにはどうすればいいか。コピーライターのさわらぎ寛子さんは「目の前で起きていることを詳細に捉えるには、見えるもの、聞こえるもの、感じることを、野球の実況中継のようにすべて言葉にしてみる練習が役立つ。実際に口にしてみると、あれ、なんか違うな、この言葉では言い表せていないな、と感じることがある。そのときに『この言葉じゃなかったらなんて言ったらいいんだろう』と考える、その繰り返しで、言いたいことが言葉にできるようになっていく。たとえば、意見を求められたときに、今自分に起きていることを実況中継してみることで、パッと言葉が出るようになる」という――。

※本稿は、さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■目の前で起きていることを「口に出して」捉える

口に出す① 目に見えるものすべてを実況中継する

言語化が苦手な人は、いろんなものを「ざっくりと、なんとなく」見て、いろいろなことをまとめて「大きな袋」に入れている状態だとお伝えしてきました。

目の前で起きていることを詳細に捉えるには、見えるもの、聞こえるもの、感じることをすべて言葉にしてみる練習が役立ちます。

書き出すのは大変なので、口に出すだけでOKです。

イメージは、野球のラジオでの実況中継です。

野球中継をラジオで聴いていると、テレビで観るのとは違い、実況者が、目の前で起きていることを事細かに伝えてくれます。

9回裏、5対2、マウンド上はA高校の2年生ピッチャー山田君、表情は冷静です。
バッターボックスには、この試合2安打の鈴木君が入っています。
山田君、サインにゆっくり頷いて、振りかぶって、投げた、ボール!
鋭い曲がりで外角へと落ち込んでいきました。

このイメージで、今目の前に見えているもの、聞こえているものを言葉にしていきます。

■「なんか違うな」を繰り返すと言語化ができるように

〈例:休日の朝、散歩に出かけたとき〉

信号が青に変わった。右側から、小さな、3歳ぐらいの男の子と、お父さんらしき人が、手をつないで、ゆっくり歩いてくる。
男性の手には、近所のパン屋さんの紙袋。その向こうからは、大きな犬を連れた高齢の男性が歩いてくる。犬の、茶色がかった毛並みに光が当たって綺麗。
すれ違う瞬間、私がじっと見ていたからか、飼い主さんが、軽く会釈し、「こんにちは」と言ってくれた。

ゴールデンレトリーバー
写真=iStock.com/gurkandeniz
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gurkandeniz

このように、目に見えたものや聞こえたこと、感じたことを、「とにかく口にしてみる」と決めてみてください。

難しいことを言わなくても、語彙力が多くなくても、口に出すと決めるだけで、より詳細に観察できるようになります。

実際に口にしてみると、あれ、なんか違うな、この言葉では言い表せていないな、と感じることがあるでしょう。

そのときに、「この言葉じゃなかったらなんて言ったらいいんだろう」と考える、その繰り返しで、言いたいことが、言葉にできるようになっていきます。

■会話中での発言にも有用

実況中継に慣れると、会話の途中で何を言っていいかわからなくなったときにも、役立ちます。

たとえば、意見を求められたけれど、パッといい言葉が浮かばないとき。

「言いたいことが頭には浮かんでいるんですけど、うまく言葉にならないです」と素直に言ってみたり、「お話に聞き入っていて、自分の意見を考える余裕がなかったです」と状況を説明したり……。

もっとフランクな場であれば、「いきなり話を振られて、焦って、考えていたことが全部飛んでしまいました!」でもいいかもしれません。

「えっと」「あの」で止まらずに、今、自分に起きていることを実況中継してみましょう。

普段から口に出す練習をしていると、いざというときにパッと言葉が出るようになります。

■本番で焦ることなく口にできる方法

口に出す② 心のつぶやきを、すべて口に出してみる

誰かと話すことで自分の考えが言葉にできた、という経験は誰しもあると思います。

話していくうちに、自分でも気づかなかった思いが出てきたり、言葉になっていなかったものがポロッと口から出てきたりします。

自分が何を考えているかを知るには、浮かんできた言葉のかけらが消える前に口に出してみましょう。

頭の中に浮かんでは消えていく、泡のような言葉のかけらを、口に出すことで「言葉」という形を持ったものにするのです。

簡単な方法を4つ、紹介します。

お風呂の中や通勤通学の途中、料理や掃除をしているときなど、今日からすぐできる内容なので、取り組みやすいものから、やってみましょう。

◎予習・復習

会議でうまく発言できなかった、友達に話を振られてうまく返せなかったなど、「あのとき、ああ言えばよかった」と1日の会話を振り返ることはありませんか?

そのとき言えなかった言葉を、帰り道や、お風呂に入っているときなどに、そのシーンに戻ったつもりで口に出して言ってみましょう。

「明日、あの人と会う」「プレゼンがある」という予定がある際も、何をどういう言葉で言うか、相手の表情や言葉を頭の中でイメージしながら、自分のセリフを口に出して言ってみましょう。

Aパターン、Bパターンといくつか用意しておくと、本番で焦ることなく口にできます。

■自分の中の2つのキャラとの会話

◎自分の中のもう一人との会話

これは人によってやりやすいパターンがあると思います。

私がよくやるのは、次の2通りです。

A:自分の中にキャラクターの違う2人の人を設定する
B:いつもの自分に、別キャラの自分が話しかける

Aは、たとえば「まじめ」と「むぼう」という2つのキャラを設定します。

頭の中で2人が話す様子を想像して、それぞれになって、実際に口に出してみます。

二人の自分にささやかれる女性
写真=iStock.com/Koldunov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Koldunov
まじめ:自分のやりたいことって、なんだろう。よくわからないな。
むぼう:仕事になるかどうかを考えているから、わからないんじゃない。
まじめ:だって、どうせやるなら、仕事になることがしたいじゃん。
むぼう:やっていることが、お金になるかどうかなんて、やってみないとわかんないだろ。

まず、お金になるかを気にせず、やりたいことをやれば。こうやって、2人分の会話を口に出しているうちに、自分が本当は何を考えていたのか、言葉にできるようになってきます。

(私は子どもの頃から「ヤンキー」と「オタク」が頭の中にいて、いつも会話しています)

Bは、自分に、別のキャラクターが話しかけるイメージです。

別キャラは、実在の人物を思い描くとやりやすいです(先輩や理想の大人、または好きなキャラでもOK)。

自分(口に出して言う):あーあ、がんばっているのに、なんで全部うまくいかないんだろう。
別キャラ(脳内の声):全部ってことはないんじゃない。
自分:でもいろんなことがチグハグなんだよなぁ。
別キャラ:毎日、会社に行けているだけでもすごいよ。
自分:うーん、そうかもだけど、でももっとできる気がするんだよなぁ。
別キャラ:自分のことをもっとできるって信じているんだね。

■ヒーローになりきって答えてみる

◎インタビュー形式

自分が雑誌やテレビ番組などのインタビュー、またはスポーツのヒーローインタビューを受けているようなイメージで、自分に質問し、答えを口に出していきます(質問は脳内の声でOK)。

自分(口に出して言う):今日のプレゼン、うまくいったなぁ。
インタビュアー(脳内の声):いちばんのポイントは何ですか?
自分:いつもより丁寧に準備したから、ですかね。
インタビュアー:ほぉ、具体的にはどんな準備を?
自分:いつもパワーポイントでスライドを作るんですけど、今回はスライドに着手する前に、リサーチを十分にしました。ターゲットに近い人の声を聞きまくった感じです。
インタビュアー:なるほど、リサーチが大事なんですね。

スポーツ選手のヒーローインタビューや、経営者や成功者(とされている人)へのインタビューやドキュメント番組をイメージして、ヒーローになりきって答えてみましょう。

■一人で思いつくままに話してみる

◎一人語り

テーマだけを決めて、それに対して一人で語ります。

さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)
さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)

私はこれを、音声配信でもやっています。

たとえば、「いい文章ってなんだろう」というテーマだけを決めて、一人で、あーでもない、こーでもないと語るのです。

話しているうちに、自分でも思わぬところに話が転がって行ったり、自分でもうまく言葉にできていなかったものが言葉にできたりしていきます。

いきなりスラスラ話せなくても大丈夫。

誰も聞かない前提で、一人で思いつくままに話してみましょう。

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さわらぎ 寛子(さわらぎ・ひろこ)
コピーライター/コトバワークス株式会社代表取締役
1978年京都府生まれ。関西大学社会学部卒。関西大学非常勤講師。現役コピーライターで、企業の広告制作のほか、企業研修も多く手がける。24年間コピーライターとして食品、美容、ホテル、学校、病院、製薬会社、電鉄など様々な業種の広告制作を手掛ける。書いたコピーは3万件以上。2010年「2時間でキャッチコピーが作れる」メソッドを独自で開発。現在は、オンラインとリアルな会場で長期講座を開催。自分メディアを使って集客したい、売上を上げたいと願う経営者や起業家から高い評価を得ている。著書に、『キャッチコピーの教科書』(すばる舎)、『今すぐ自分を売り出す1行を作れ』(大和書房)など。

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(コピーライター/コトバワークス株式会社代表取締役 さわらぎ 寛子)

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