これをやるとコミュ力が爆上がりする…自分の中に隠れた"信念"を見つける"たった1つ"の方法
プレジデントオンライン / 2024年7月1日 15時15分
※本稿は、さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■「思う」のスタートは、受信した情報に対する反応
思考という言葉には、「思う」と「考える」が入っています。
私たちは、普段思ったり、考えたり、を行き来しながらぐるぐると思考を巡らせているのです。
「思う」のスタートは、受信した情報に対する反応です。
自分の思っていることを言葉にするには、まず自分が何に反応(リアクション)するかに敏感になることが大切です。
何かを見たときに、ちょっといいなと感じる。
誰かの話を聞いて、なんか違う、と違和感を持つ。
同世代で活躍している人の姿に、なんだかモヤモヤを感じる。
そういう「引っ掛かり」が「思う」のはじまりです。
「思い」は、言葉にしない限り、ふわふわと浮かんでは消えていきます。自分でも捉えどころのないものです。
自分の中に生まれた感覚に敏感になることで、まだ「形のない思い」に気づくことができます。
■「なんか」で終わらずに、「なぜ」「どこが」を考える
コピーライターの谷山雅計さんの著書『広告コピーってこう書くんだ!読本』に、「『なんかいいよね』禁止」というフレーズがありました。
「なんかいいよね」「なんかステキだよね」「なんかカッコいいよね」と。
明日から、それをきっぱりとやめにしてほしいのです。そして、かわりにこう考えてみてください。
「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか」「なぜカッコいいのか。こういう工夫をしたからじゃないのか」と。
谷山さんは、「『なんかいいよね』で止まっているうちは、一生作り手にはなれない」と言います。
「なんか」で終わらずに、「なぜ」「どこが」を考える。
これは、作り手としての思考だけでなく、自分の気持ちを理解して言葉にすることにも、とても役立ちます。
「なんかいい」「なんか違う」に敏感になることで、その奥にある自分の価値観や感情に気づくことができるのです。
■感情が動くとき、体の反応がある
思いを言葉にする習慣の最後は、これまでやってきた「観察」と「口にする」「感覚と感情に敏感になる」を使って、「思いをたどる日記をつける」です。
この日記は、日々の記録というよりも、「自分の思いをより深く観察して、言葉にするためのもの」です。
毎日つけるのが大変であれば、自分の感情がとくに動いたとき(落ち込んだ日や、イライラ、モヤモヤしたとき)に書き出してみるのがおすすめです。
まずは、そのできごとの「状況」を書き出します。
「私の企画はいつも通らないなぁ」と悩んでいたとしたら、その「いつも」がいつのことを指しているのか、何月何日何曜日の何時に何があったか、をエピソードとして書くのがポイントです。
そのときの状況を、詳細に書き出してみましょう。
次に「感情」を書き出します。
そのとき、感じたのは、どんな感情でしょうか。
嬉しさ、悲しさ、恥ずかしさ、情けなさ、楽しさ、面白さ、うきうき、しょぼん、がっくり、ワクワク、もやもや、イライラ、なんだかブルー、など書き方は自由でOK。そのときの体の反応も思い出してみます。
感情が動くとき、体の反応があります。実際に、体のパーツのどこに、どんな様子があったかを詳細に書き出してみます。
次に「思ったこと」を書き出します。
そのとき、自分はどんなことを思っていたか、文章で書く、というよりも、箇条書きで書き出していくのがポイントです。
■信念が伝え方のベースにある
できごとをどう捉え解釈するかは、自分がどんな信念を持っているかに影響されます。
信念は、自分では気づかないうちに、つけているコンタクトレンズのようなものです。
知らないうちに、これが普通だ、これが当たり前だ、というレンズをつけて世界や自分自身を見ているのです。
「なんだか話が噛み合わない」「何でそんなことをするのかわからない」と誰かに対して感じたり、「何回言ってもわかってもらえない」とモヤモヤしたりするのは、伝え方の問題ではなく、人それぞれ信念が違う(=見えている世界や当たり前が違う)からです。
その違いに気づくことで、コミュニケーションがうまくいくようになります。
違いに気づくには、まず自分自身の信念を知ること。
できごとについて「別の解釈」を考えてみると、自分の中に、ある信念が隠れていたことに気づきます。
「私の企画は、いつも通らないから、私には企画力がない。と思っていたけれど、もしかしたら、それは思い込みかもしれない。
だって、企画が通らないのは『いつも』ではない。先月は、時間はかかったけど、自分が提案した企画が通ったではないか。そう考えると、今日、上司に冷たく突き返されたのは、たまたま相手が急いでいたからではないか」
「私は自分に能力がないと思っているのでは。結果を出さないと価値がないと感じているのでは(信念)」
このようなイメージです。
■信念自体に、いいも悪いもなく、ただ違うだけ
自分がどんなふうに、自分自身やこの世界を見ているのか、ものごとを捉えているかは、自分では当たり前すぎて、改めて言葉にしてみないと気づくことができません。
信念自体に、いいも悪いもなく、ただ、違うだけです。
どっちがいい・悪いとか、歪んでいるから変えなきゃいけないなんてことはありません。こんなふうに捉えている自分がいるんだな、と俯瞰してみて、違う見方もあったかもしれない、と気づくだけでいいのです。
信念が見えてきたところで、「今後もその信念を持って生きていくか」を自分で決めましょう。
そして、もし同じようなことが今後起きたらどうするか、今後はどうしていきたいかを「行動」として書き出します。
最後に、この一連のワークから見えてきた自分自身の「価値観」=人生において大事にしていること、大事にしていきたいことを書き出します。
それらを言語化する習慣がつくと、人の行動や言動に対しても、その奥にどんな信念や価値観を持っているかを想像できるようになっていきます。
少なくとも、「自分とは違う」と気づくだけで、コミュニケーションがしやすくなるはずです。
「相手の気持ちを考えろ」とよく言われますが、コミュニケーションがうまくいくためには、気持ちの奥にある信念や価値観をわかろうとすることが大事なのです。
はじめは、うまく書けないと思うかもしれません。
人に伝わるかを意識せず、まずは、自分だけにわかる言葉で書き出せばOK。
慣れてくるうちに、「この言葉ではしっくりこないから書き換えてみよう」「もっとわかりやすく書くには」と一つひとつの言葉を意識できるようになってきます。
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コピーライター/コトバワークス株式会社代表取締役
1978年京都府生まれ。関西大学社会学部卒。関西大学非常勤講師。現役コピーライターで、企業の広告制作のほか、企業研修も多く手がける。24年間コピーライターとして食品、美容、ホテル、学校、病院、製薬会社、電鉄など様々な業種の広告制作を手掛ける。書いたコピーは3万件以上。2010年「2時間でキャッチコピーが作れる」メソッドを独自で開発。現在は、オンラインとリアルな会場で長期講座を開催。自分メディアを使って集客したい、売上を上げたいと願う経営者や起業家から高い評価を得ている。著書に、『キャッチコピーの教科書』(すばる舎)、『今すぐ自分を売り出す1行を作れ』(大和書房)など。
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(コピーライター/コトバワークス株式会社代表取締役 さわらぎ 寛子)
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