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疲れやすい人は眼球がガチガチに固まっている…集中力の高い人が「一息つく」時にやっていること

プレジデントオンライン / 2024年7月6日 16時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

すぐに疲れてしまう人とそうでない人は、どこが違うのか。パーソナルトレーナーの庄島義博さんは「スマホの発達で、現代人は『見つめる』作業がとても多くなっている。目がガチガチで『スマホ寄り目』になると、首周りの不調が生まれやすい」という――。

※本稿は、庄島義博『朝起きてすぐに動きたくなる体』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

■現代人は「見つめる」作業をしすぎ

今回は、周囲の方々が「魔法」とまで称してくれた最大の理由ともいうべき考え方をお伝えしていきます。

それは「目」という、ごく日常的にお世話になっている感覚器を通し、関係が深いポイントに好影響を与えていくという考え方です。

「目なんて、毎日酷使している。これ以上、目を使うなんて負担をかけすぎだろう」

そんな声も聞こえてきそうです。でもそれって、誰もがハマりがちな誤解なんです。

専門的な話になりますが、

①対象物を見つめるときに使う目の神経
②眼球をグルグルと動かす際に使う目の神経

この2つは、異なる神経回路になります。

現代人は、確実に①を酷使しすぎ。デジタル機器の高度な発達により「見つめる」作業は昔よりも格段に増えています。

でも②「目をグルグルと動かすような眼球運動」の瞬間は、それと反比例するかのように減っているはずなのです。

その大きな理由は、朝から晩まで「見つめる作業」に追われているから。

スマホの通知は気になるわ、メールも早く返さなきゃいけないわ、ドラマ配信の続きも気になるわ、SNSもチェックしなきゃいけないわ……。

寸暇を惜しんで文字や画像を見つめたいわけですから「目をそれ以外のことに使う」なんて、考えたこともない、という人が大半でしょう。

■多くの人が「スマホ寄り目」になっている

しかし、私たちの祖先の暮らしを想像してみてください。

何人かで狩りを行う際、人々は「黒目の動き」で静かなコミュニケーションをとっていたといいます。黒目を動かすことで、狩りのターゲットに気づかれず、「獲物が左に行ったぞ」「わかった」などと伝え合っていたわけです。

現代に生きる私たちは、「黒目を動かす」ための筋肉をあまりに使わなくなってしまい、それにまつわる弊害すら起こってきています。

その代表例は、眼球運動に関係している神経でしょう。最近はスマホを凝視し続けるあまり、目がガチガチでスムーズに動かせない人がたくさんいます。私はその状態を「スマホ寄り目」と呼んでいます。

人の体はよくできています。本来備わっている器官や部位、機能でも、使わなくなった途端に、調子が乱れたり、劣化したり、衰退していきます。

それは実際に「廃用症候群」という言葉があるくらい、リアルな話。

「使わなくなること」とのトレードオフ(引き換え)として、あらゆる「不調」が全身のいたるところに出てきてしまうのかもしれません。なんとも皮肉な話です。

■ガチガチの首をスイスイ回す、その前に…

でも、だからこそ意識的に「黒目を動かす」だけで、関連する体の部位を活性化させることができます。

じつは本書でお伝えしている「ボディプリパレーション」の真骨頂は、まさにこの点にあります。

「ボディプリパレーション」は、現代人が失ってしまっている感覚、つまり、野生的な身体感覚を取り戻すためのアクションといえます。

それゆえ、従来のストレッチやエクササイズにはなかった観点から、体に刺激を入れています。

次の「黒目」を動かすアクションはまさにその代表格。かつて、人間がフル活用していた、そして今も潜在的に持っている身体機能を引き出したいのです。

では実際にエクササイズとして「黒目ふるふる」をやってみましょう。椅子に座った姿勢で、ちょっと試してみてください。

眼鏡をかけた男性の目の接写
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PonyWang

と、その前にひとつ、お願いです。

その効果を実感していただくため、ビフォー&アフターの「モニタリング」(測定)も2種類行いましょう。

自分の現状や効果を正しく把握するために、ビフォー(前)で頑張りすぎることのないようにしてくださいね。

■まずは首の可動域を確認しよう

まずはひとつめ。椅子に座ってください。足先は着地しなくてもかまいません。胸や肩などの上体は動かないようにして、顔だけを左右に動かしてみてください。「顔がどれくらい動いているか」首の可動域を確認しましょう。

ふたつめ。両腕を目の前に伸ばし、両方の手のひらを合わせます。そのまま両手を右方向に、ゆっくり水平に動かします。

そして、「指先がどこを指しているか」目視で確認しましょう。

確認の際は、細かい範囲で、ピンポイントで具体的に観察します。

「観葉植物が置いてある地点」、「部屋の柱がある地点」、「本棚の左端」。

注意点があります。腕を水平に動かすとき、目・首・手は正面にまっすぐ一直線になるように。無理にひねったりするのはNGです。

■顔は絶対に動かしてはダメ

①目を水平に動かす

さて、ここからが本編です。

椅子に腰かけたそのままの姿勢で、一方の手(左右どちらでも可)でにぎりこぶしをつくります。そのにぎりこぶしを水平(ヨコ)に動かし、それを目で追う。

にぎりこぶしを水平に、眼前から右方向へゆっくり移動させ、また眼前に戻します。

このような動きを3往復。それを、目で追ってください。

このとき、顔の真横である「耳よりも少し前側」まで目で追います。

注意してほしいのは、ほぼ8~9割の人が「顔も動かしてしまうこと」。効果がなくなるので、顔を動かしてはいけません。「動かすのは目だけ」というのが絶対のルールです。鏡の前で行うと、いかに自然と顔までつられて動いてしまうかがおわかりになると思います。

②目を上下に動かす

次は、目を上下に動かしましょう。

今度もにぎりこぶしを自分の右側でつくります。

それを垂直に、上方向へゆっくり上げたら、次は下方向にゆっくり下ろします。

真横は見えませんので、耳よりも少し前側くらいで、にぎりこぶしを垂直に上げ下げします。

このような動きを3往復、目だけで追いましょう。

【図表1】黒目ふるふる
出所=『朝起きてすぐに動きたくなる体』

■目がピクピクしてきたら効いている証拠

じつはこれ、マジメにやるとなかなかしんどいです。にぎりこぶしが目から離れるにつれ、眼筋への刺激はアップ。目がピクピクとするのがわかる人も多いでしょう。

「いつものラクな範囲に戻ろう」と、黒目が拮抗する動きです。

普段まったく使っていない筋肉や神経を使った眼球運動なので、ほとんどの人はキツいと思います。

最初は違和感があるかもしれませんが「使っていないからこそツラいんだ」と捉えてやってみてください。

ときどき、気分が悪くなってしまう方もいるので、そうなったらすぐにやめること。再び行うとしても、自分の体が大丈夫な範囲内で行いましょう。

それでは、「アフター」の計測です。

前でご紹介した2つのモニタリングを、再び行ってみましょう。そして、「ビフォー」と比べてください。

見える範囲が広がっている、つまり首や胸、肩をねじる可動域が広がっていませんか?

ほんのわずかでも広がっていたら大成功。実際、私はこの「黒目ふるふる」を数百人にお伝えしてきましたが、成功率はかなり高いです。個人差はありますが、ほぼ全員の首の可動域が広がりました。

■疲れたら、まぶたを閉じて「ふるふる」しよう

これらの「黒目ふるふる」は、外出先でも、人がいるところでも、完全にバレずに行えます。まぶたを閉じて、黒目をひそかに動かせばいいんです。

庄島義博『朝起きてすぐに動きたくなる体』(サンマーク出版)
庄島義博『朝起きてすぐに動きたくなる体』(サンマーク出版)

私はこれを「こっそり黒目ふるふる」と呼んでいます。

「何回動かしてやろう」「何往復させよう」なんて、こだわる必要もありません。

ミーティング前の会議室で、深呼吸するふりをして、「こっそり黒目ふるふる」。

満員電車の中で座れたら、「こっそり黒目ふるふる」。

タクシーに飛び乗って行先を告げたら、メールチェックを始める前に、「こっそり黒目ふるふる」。

次の行動に、ポジティブな気持ちでとりかかれること、うけあいです。

この気持ちよさは、やみつきになります。

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庄島 義博(しょうじま・よしひろ)
パーソナルトレーナー
1978年、福岡県生まれ。五感を使った身体調整メソッド『BODY PREPARATION(ボディプリパレーション)』を開発・提唱し、アスリートのパフォーマンスをアップ、不調のある方々を改善へと導く。著名な歌手やトップアスリートからの信頼も厚く、サポートした人数はのべ3万人を超える。同メソッドは小学校、高等学校でカリキュラム化され、児童・学生の心身教育にも力を注ぐ。全国各地で後進育成のためのスクールや講演会も開催。海外からの指導要請も多い。

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(パーソナルトレーナー 庄島 義博)

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