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サラダにすれば「がん予防成分」がたっぷり摂れる…スーパーで買える「緑色の最強野菜」の名前

プレジデントオンライン / 2024年7月18日 10時15分

「むくみ」を和らげてくれる「野菜」(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/megaflopp

健康のためにはどの野菜を食べればいいのか。野菜ソムリエの梅田みどりさんは「例えばサラダなら、レタスの代わりにアブラナ科の野菜を入れるといい。アブラナ科には『グルコシノレート』というがん予防成分が含まれている」という――。

※本稿は、梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■「むくみ」を和らげてくれる「野菜」

野菜に含まれる成分には、むくみなどの不快な症状を和らげてくれるものがあります。

お酒を飲んだ翌日や、睡眠不足、立ちっぱなしなど、様々な原因で引き起こされる「むくみ」の症状には、日本人の多くの人が悩まされています。

特に女性は、妊娠や月経周期などでホルモンのバランスが変動するたびにむくみやすくなります。

病気によるむくみを除いて、むくみとは、皮膚の下に余分な水分がたまっている状態です。

通常体内の水分は、動脈から身体の各組織ににじみ出て、役目を終えると静脈やリンパ管に戻ります。

しかし、何らかの原因で静脈やリンパ管に回収されにくくなると、たまった水分で皮膚がふくらんだような状態になり、むくみが起こります。

■同じ姿勢が続くと足がむくむ

日常的に起こるむくみは顔や手足など局所的に起こりますが、むくみの原因は様々です。

むくみの原因となるシーンをいくつかご紹介します。

・原因1 長時間のデスクワークや立ちっぱなし

同じ姿勢が続くと、重力によって足に血液がたまりやすくなります。同時に筋肉の活動が不足するので、足の血液やリンパ液の循環が減少し、ふくらはぎがむくみます。

■アルコールを飲むとむくむ理由

・原因2 アルコールやカフェイン

アルコール飲料やコーヒーや緑茶をたくさん飲むと、利尿作用が進んでどんどん水分が体から出てしまい、体内の水分バランスが崩れます。

特にアルコールを摂取すると血管が広がり、血液中の水分が皮下組織にもれやすくなることで、手や顔にむくみが出ます。

・原因3 塩分の多い食事

塩分の多いものを食べる食習慣があると、体内の塩分濃度が上がり、その塩分が引き金となって水分をため込もうとします。その結果、血管内の水分が増え、組織内にもれ出すことで手足や顔がむくみます。

■血液の循環が悪いとむくみやすい

・原因4 体が冷える

体の冷えによって血行不良が起こると、血液の循環が悪くなり、水分が体外に排出されにくくなります。たまった水分は血液中やリンパから皮下組織にたまります。

・原因5 睡眠不足

睡眠不足は自律神経が乱れやすくなり、心臓などの機能が低下して血液の循環が悪くなります。それによって血液中の水分の流れが悪くなり、あふれた水分は皮下組織にたまって、むくみを引き起こしやすくします。

ベッドに横になっているが眠れない女性
写真=iStock.com/PonyWang
睡眠不足は自律神経が乱れやすくなる(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/PonyWang

■むくみにはカリウムが効果的

人の体は、約60%が水分で構成されています。これらの水分は、細胞や血管の中を循環して体内の水分バランスを保ちます。

また、細胞に栄養を送ったり、老廃物を除去する役割があるので、体内のどこかで流れが悪くなったり、もれ出したりすると、水分は一気にバランスを失ってしまうのです。

体内の水分バランスを調整してくれる食材には、野菜に含まれるカリウムが効果的です。

カリウムはほとんどの野菜に含まれていますが、特にほうれん草、人参、里芋、さつまいも、小松菜、アボカド、枝豆、かぼちゃ、ブロッコリー、サニーレタスは、多く含まれている野菜の代表です。

■「野菜ジュース」で摂取できる

カリウムは水に溶け出しやすい性質を持っているので、少ない水分で蒸したり、煮汁ごと食べられる料理にしたり、生のままサラダなどで摂るのがおすすめです。

さらに、カリウムは熱によって壊れにくいので、どんな調理法でも効率よく取り入れることができます。

前記に上げた野菜は、冷凍野菜としても多く流通しています。

冷凍野菜はすでに加熱加工されているものが多いので、調理の手間も最小限に、気軽にカリウムを摂取できます。

また、野菜ジュースを作る際の加熱加工でも多くのカリウムが残るので、ドリンクで手軽にカリウムを摂取するのもおすすめです。

最近の野菜ジュースのパッケージには、栄養素としてのカリウム含有量が強調されているので、手軽に重要なミネラルを補給できることが注目されています。

ぜひ自分に合った方法で日常の食事に工夫を取り入れ、体内の水分バランスを意識してみてください。

さまざまな野菜と野菜ジュース
写真=iStock.com/masa44
「野菜ジュース」で摂取できる(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/masa44

■「キャベツの原型」とも言われている

近頃は、これまで日本の食卓でなじみのなかったケールが、一般にも普及してきたと感じます。

なぜなら、料理教室の生徒さんなどに「ケール」の食べ方を教えてほしいと言われるようになったからです。

ケールはアブラナ科の野菜に分類され、キャベツの原型とも言われています。

ケール
写真=iStock.com/Suzifoo
「キャベツの原型」とも言われている(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Suzifoo

栄養価の高さが特徴で、ビタミン類やミネラルをバランスよく含み、抗酸化作用が強い成分が多いのも特徴です。

日本人には「苦くてまずい」でおなじみ、青汁の原料として思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

実際に、ケールには独特の苦みがあり、茎は固いので、特に生食の場合は葉の部分のみを食べるのが一般的です。

最近では、生のケールを主役にしたサラダを出す飲食店も増え、スムージー、野菜ジュースなどの原料としても使われています。

もちろん、ケールが原料の青汁もどんどん進化して、負のイメージを完全に取り除いたように飲みやすくなっています。

■レタスよりも人気

2015年にニューヨークへ行った際、驚いたのはレタスよりもケールの方が人気だということでした。

海外に行くと真っ先に現地のスーパーマーケットやマルシェをパトロールして、野菜売り場を鑑賞するのは私の旅の目的の1つですが、とにかくケールが目についたのです。

サラダ専門店に行けば、刻んだ数種類の生のケールが山盛り状態です。せっかくニューヨークに来たのだからと、前に並んでいた現地の人と同じものを注文したら、直径20cmはある大きな容器に入ったケールと鶏胸肉のサラダが出てきました。

当時のニューヨークでは、レストランでも量り売りのお惣菜コーナーでも、ケールが山盛りでした。

これはどうしたことかと聞けば、栄養価の高いケールに目をつけたハリウッドスターが、ダイエットのために食べ始めたことで注目され、ブームに火がついたそうです。

その栄養素の高さから、健康や美容に関心の高いニューヨーカーたちの間で「スーパーフード」と言われ、あっという間に定着したのです。

■「完全栄養食」としてブームに

ケールのほかにアブラナ科の野菜で代表的なものに、キャベツ、白菜、大根、かぶ、ブロッコリー、カリフラワー、菜の花、小松菜があります。

日本では、数年前からブロッコリーの栄養素が注目され、「完全栄養食」などと言われ、空前のブロッコリーブームになっています。

ブロッコリーの食用部分は集合した花蕾(からい)と茎ですが、成長段階ではケールと見分けがつかないほど似ています。

ブロッコリーは、野菜の中でもタンパク質が多く、ビタミンCやβカロチン、鉄分なども豊富に含んでいます。

しかし、注目すべきはそれだけではありません。

■がんや炎症の予防に有効

例えば、皆さんはブロッコリーを噛んだとき、少しほろ辛さを感じたことはありませんか? これは、ブロッコリーだけでなくケールや他のアブラナ科の野菜でも同様に感じられる辛味です。

アブラナ科の野菜に含まれる「グルコシノレート」は、刻んだり噛んだりしたときに酵素が働き、辛味成分に変化する化合物です。この「グルコシノレート」は、ホルモンの代謝を変え、がん予防や炎症の予防に有効ということが、様々な研究からわかっています。

ブロッコリーや人参などが入った買い物袋
写真=iStock.com/Oleksandr Hrytsiv
がんや炎症の予防に有効(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Oleksandr Hrytsiv

理化学研究所では、アブラナ科の野菜の研究で「グルコシノレート」を作るための鍵となる遺伝子PMG1を世界に先駆けて発見しました。

梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)
梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)

これによって、野菜の「グルコシノレート」量を調節できるようになるというのです。

「グルコシノレート」を増やして、健康にいい野菜を作れたり、「グルコシノレート」を含む野菜の細胞からがんの予防薬を大量に作れることも可能になるのです。

将来的には、アブラナ科の野菜だけでなく、様々な野菜でもがん予防成分を作ることができれば、野菜を食べながらがんの予防をすることができるようになるかもしれません。

個人的には、アブラナ科の野菜を食べ続けるごとに健康効果を実感しているので、今後も目が離せない野菜のひとつです。

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梅田 みどり(うめだ・みどり)
野菜研究家・野菜ソムリエ
フードサロンやさいのひ代表。地元の金融機関に就職後、結婚・出産を経て、料理研究家としての仕事がスタート。季節の野菜中心の料理レシピを料理教室やYouTubeチャンネルで公開している。野菜の専門家として、伝統野菜をはじめとする地元農産物の保存や普及に力を注ぎ、野菜の健康効果や食習慣の重要性を発信している。著書に『今日は野菜の日・春夏秋冬』『おうちで本格パン焼けました』(ワニブックス)『こねずに混ぜるだけ やさしいパンづくり』(ナツメ社)がある。

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(野菜研究家・野菜ソムリエ 梅田 みどり)

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