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孫正義はなぜアイデアが無限にわいてくるのか…本当に頭のいい人ほど「チャットGPT」を堂々と使うワケ

プレジデントオンライン / 2024年7月19日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kenneth Cheung

画期的なアイデアを生みだすにはどうすればいいか。デジタルハリウッド大学の橋本大也教授は「ChatGPTをブレインストーミングの相手にすると、アウトプットが速くなる。自分にはない視点を取り入れることもたやすい」という――。

※本稿は、橋本大也『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■ChatGPTで発想を効率化する

ChatGPTは、ブレインストーミング、つまりアイデア出しにも役立ちます。

ビジネスパーソンの仕事の多くは、インプット→発想→アウトプットの順で進んでいくものです。ChatGPTを使って、このうちの「発想」の部分を効率化しましょう。

具体的な活用シーンとしては、企画を立てるとき、文章を書くとき、計画を立てるときなどが挙げられます。質・量ともにあなたの発想の枠をこえたアイデアを得られて、ゼロから考えるよりも格段に早く、良質なアウトプットにたどり着くことができます。ここでは、英語学習についてブレインストーミングしてみます。

〈プロンプト〉
英語学習というトピックでブレインストーミングしてください。
キーワードを30個

とリクエストすると下記のように返してくれました。

プロンプト1
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

さらに、その30個のキーワードについて、

〈プロンプト〉
このキーワードリストをマインドマップの形式に変換してください

とリクエストすることができます。

英語学習のような一般的な話題の場合は、膨大に学習しているので、どのような要素を網羅しなければいけないか、漏れなく提示してくれます。

ご覧のように、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングといったいわゆる英語の4技能や、文法、発音など、必要な要素について整理されています。

プロンプト2
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

■ブレインストーミングの方向性を指定してカスタマイズ

ブレインストーミングする際には、指示のキーワードを追加することで、出てくるアイデアのテイストや方向性をカスタマイズできます。1つ例でやってみましょう。ここでは

〈プロンプト〉
オンライン教育についてブレインストーミングしてください

とリクエストしてみました。

ここでは、「Wimisical Diagrams」のGPTsを設定してマインドマップにしてもらっています。

するとChatGPTは、「利点」は「場所の制約がない」「自分のペースで学べる」「多様なコースが利用可能」ということであり、「欠点」は「対面のコミュニケーションが少ない」「技術的な問題が発生する可能性」「自己管理が必要」などとリストアップしてくれました。

【図表1】ChatGPTが出力したオンライン教育についてのブレインストーミング
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

■「奇抜なアイデアを出してください」で何が出てくるか

そこで、今度は、

〈プロンプト〉
奇抜なアイデアを出してください

とリクエストしてみました。たとえば、「VR教室」を開けば「実際の教室のような体験」「実際の場所を訪れるバーチャル旅行」ができるとか、「AI教師」なら「学生の学習スタイルに合わせて教えられる」「24時間いつでも質問に答える」ことができるなどなど、かなり面白いアイデアを出しくれました。

【図表2】ChatGPTが出力した奇抜なアイデア
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

このように、たとえば実際のブレインストーミングをしているときに、ChatGPTをブレインストーミングの参加者の1人として扱い、そのつどあれこれ質問をしていくと、より効率的で、より実りのあるブレインストーミングができるようになります。

■さまざまな手法でブレインストーミングをさせる

「オズボーンのチェックリスト」というアイデアを発想するための手法があります。これは、9項目(「転用」「応用」「変更」「拡大」「縮小」「代用」「再配置」「逆転」「結合」)に沿ったチェックリストをあらかじめ用意して、それらに答えることでアイデアを発想するという手法です。

主にブレインストーミングの際に用いられます。

たとえば、

〈プロンプト〉
オズボーンのチェックリストを使って画期的な教育サービスを発想してください

とリクエストしたところ、以下のような回答が得られました。

こうした使い方をすれば、1人ブレインストーミングができるわけです。

プロンプト3
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

■「天使と悪魔になって対話をしてください」

ChatGPTに2つの人格になってブレインストーミングしてもらうということもできます。

ここでは、

〈プロンプト〉
「AIは人類の脅威だ」というニュースがありました。このテーマについて天使と悪魔で対話をしてください

といったように、ポジティブな意見を持つ立場と、ネガティブな意見を持つ立場の人格になってもらって、ChatGPTで対話をしてもらった事例をご紹介します。

天使が「AIは人々の生活を助け、情報を整理し、新たな科学的進歩を助ける役割を果たしている」といった主張をしているのに対して、悪魔は「個人のプライバシーの侵害、雇用の喪失、より深刻な状況、たとえば『意思決定の自動化』。これらは全てAIがもたらす可能性のあるリスクだ」といった主張をしています。ポジティブとネガティブの意見を聞くことができるのです。

プロンプト4
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

■「政治学者なら」「人類学者なら」6人の専門家として答えさせる

続いて、

〈プロンプト〉
AIは人類の脅威か否かについて、政治学者、経済学者、社会学者、人類学者、法学者、歴史学者に議論させてください

といったように、6つの専門家の立場に分かれて、ChatGPTどうしで議論をしてもらいました。

政治学者が「悪用されると、AIは情報操作や監視社会を生み出す可能性がある」という意見。対して、経済学者は「労働力の代替や生産性の向上など、潜在的には経済の利益になる」などと、それぞれ各分野の専門家の意見や主張を聞くことができます。

プロンプト5
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

■別の視点を入れるための壁打ちパートナーにする

あるテーマについて6つの視点で考える「シックスハット法」でブレインストーミングしてもらうこともできます。

シックスハット法というのは、さまざまな視点から問題点を考え、グループディスカッションや意思決定のプロセスを効果的に進めるための方法論です。それぞれの帽子を「被る」ことで、その視点から問題を考えます。

ここでは、

〈プロンプト〉
「AIは人類の脅威か否か」をシックスハット法で議論してください

とシックスハット法で議論してもらいました。

プロンプト6
『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より
橋本大也『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)
橋本大也『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)

それぞれの帽子からの視点が見られました。仕事で少し別の視点で物事を考えたいときに、ChatGPTに意見を聞いてみるのもいいでしょう。

思考の壁打ちパートナーとして生成AIは優秀です。

今、パナソニックのような大企業がChatGPTをブレインストーミングに活用していたり、ソフトバンクグループの代表取締役で会長の孫正義氏もヘビーユーザーだというニュースもあります。

ぜひみなさんも活用してみてください。

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橋本 大也(はしもと・だいや)
デジタルハリウッド大学教授兼メディアライブラリー館長
1970年生まれ。ITビジネスのコンサルティング業を経て、ビッグデータ分析と人工知能のベンチャー「データセクション」を創業。同社を上場させ、現職。2024年1月デジタルハリウッドで生成AI教育プログラムを開発するブンシン合同会社CEOに就任し、生成AIの活用を教える「プロンプト・エンジニアリング・マスターコース」を創設。著書に『データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人』(SBクリエイティブ)ほか多数。

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(デジタルハリウッド大学教授兼メディアライブラリー館長 橋本 大也)

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