ヴィトン、シャネル、エルメス…コメ兵のプロが断言する「高額買い取りできる商品名・色と柄・ロゴの大きさ」
プレジデントオンライン / 2024年7月24日 7時15分
■古いブランド品が100万円に換わるかも!
あらゆるものの値段が上がっている。普通に生活しているだけなのに、気づけば手元のお金が減っていく。今年は海外旅行にも行きたいのだが――。そんな今、昭和・平成を生きてきたわれわれが、ここぞとばかりに使うべき奥の手がある。それは押し入れに眠っている不用品を売ることだ。特に、ブランド品を持っているなら大チャンスかもしれない。
「売ったところで、二束三文じゃないの?」と言うなかれ。ここ数年はブランド品自体が激しく値上がりしているうえに、この円安が追い風となっている。海外の富裕層のあいだでブランド時計やバッグの人気は高まる一方で、きれいな中古品が並ぶ日本のお店までわざわざ買いに来る客も増えている。ものによっては購入価格より高く売れることも珍しくないのだ。
「世界的なインフレと円安によって、日本人がブランドものを新品で買うにはなかなか厳しい状況です。でも裏を返せば、すでに持っている品を高く売るチャンスです」
というのは「KOMEHYO」の増川裕紀氏。数年前に買ったものでも、新品の定価が上がっているため、もとの値段より高く売れる可能性がある。
「新しい時計を買う前に古いものを手放そうと来店し、買い取り価格を聞いてびっくりする方も多いです」(増川氏)。
海外の主要なブランド各社は、原材料費や人件費の高騰などを理由に、すごい勢いで定価を上げている。たとえばロレックスは年に2回、8~10%の値上げをしているという。
「定価が上がれば中古品の値段も上がる。マンションや車と同じです」(同)
という説明には説得力がある。特に値上がりしているのが「金(きん)」「高級腕時計」「3大ブランドバッグ」の3ジャンル。戦争やパンデミックの影響で、金の価格はとんでもない上昇ぶりだ。20年前は1グラムあたり約1000円だったのが、今や1万3000円を超える日もある。
![大きく値上がりしている3つのジャンル](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/1200wm/img_72d908ac5cc31d81f29f6977190d0381422289.jpg)
■値上がり率が200%を超えるものも
高級腕時計の世界も熱い。特にロレックスの値上がりが顕著だ。
「腕時計市場では圧倒的にロレックスが人気です。どんなに古くてもロレックスなら、いい値段がつく可能性があります。特に5~10年前と大きく違うのは、アジア圏を筆頭とする海外の富裕層がロレックスを買い集めていることです」
と増川氏は指摘する。たとえばロレックスの「デイトナ」という人気モデルのうちの一つは、KOMEHYOでは2017年に平均196万円で売られていた。それが23年には約394万円と、ほぼ2倍になっている。一時より落ち着いたとはいえ、投資目的で購入する人の存在も価格高騰の一つの理由だ。
ブランドバッグは特に「3大ブランド」といわれるエルメス、シャネル、ルイヴィトンの人気が高く、中古でも高く買い取ってもらえる。同店でバッグ買い取りを担当する田口智章氏によると、3大ブランドの値段が下がりにくいのには理由があるという。
![3大ブランドバッグなら買った値段より高く売れるかも!](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/f/1200wm/img_9f40055a05d157e05c423d00a2150758766766.jpg)
「一部のブランドバッグは、アウトレットモールで安く手に入ります。ところが、エルメス、シャネル、ルイヴィトンはアウトレットには出店しないし、“並行輸入品”と呼ばれる直営店や正規代理店以外の品物もほとんどありません。だから、リユース品も高く売れるのです」
大きく値上がりしているバッグの一例を挙げれば、19年には中古価格で約200万円だったエルメスの「バーキン」が、23年には360万円になった。シャネルの定番モデル「マトラッセ チェーンバッグ」は11年前と比べると約3倍の値段に。もし、押し入れの奥でこれらのお宝がホコリをかぶっていたらもったいない。
「最近では、当社を含めた多くの買い取り業者がLINEでの査定を受け付けています。お店に行かなくても、1点につき3枚くらい写真を撮って送れば、実査定に近い金額がすぐわかるので便利です」(田口氏)
■金を売るならタイミングの見極めを
そのほかにも、ブランドものといえばアクセサリー類が思い浮かぶ。たとえば、20年前に思いきって買った高級品は今でも価値があるのだろうか。
「宝飾品は、新品での価格は高くても、買い取り価格はいまひとつのことが多いです。よほど希少性が高いか、ブランドのネームバリューが強くなければ、定価以上の買い取りをすることはほぼありません」
と田口氏。だが、さきほども述べたように高騰中の金(きん)製品であれば話は別だ。10金(純度42%)以上であれば、たとえチェーンが切れていようと、イヤリングが片方しかなかろうと、刻印が入っていようと、デザインが古かろうと問題なし。重さに応じて査定額が決まるため、1グラムあたりのレートを確認し、高くなっているうちに売るとよい。
![](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/e/b/1200wm/img_eb1a7e333fa69737e49d48f682e826c191110.jpg)
たとえブランドものであっても、あまり高くは売れないと思ったほうがいいのは洋服や靴だ。バブルの頃、海外旅行先の免税店でブランドもののネクタイを買ったという人も多いだろう。しかし、ネクタイにも流行の幅や長さがあり、そもそもネクタイを締める人が減った。田口氏によれば、「10年以上前のネクタイは、値段がつかないことも多い」とのこと。
「洋服は流行のサイクルが速いので、売るなら早ければ早いほどいいでしょう。できれば買ってから1~3年以内がおすすめです。『もう着ないかな』と悩んだ服は結局着ないことが多い。そう思ったときが売り時かもしれません」
と田口氏はアドバイスする。
洋服は売るシーズンも重要だ。夏に冬物を持ち込んでも喜ばれない。買い取られた洋服が店頭に並ぶのは、売ってから1~2カ月後。そのシーズンに合わせたものを売るのがコツだ。
KOMEHYOではほかにも楽器やカメラ、着物などが買い取りの対象となる(本店のみ)。KOMEHYO広報の田口玲子氏によると、高額で買い取ってもらうコツは、「そのジャンルに強い店を選ぶこと」なのだそうだ。
「当社はブランド品を総合的に扱っていますが、ロレックスやエルメスを専門的に扱うリユースショップもあります。販売力があるお店は購買力も高くなるので、そのジャンルの品揃えが豊富かどうかを店頭やWebでチェックするといいですよ」
ブランドバッグや高級腕時計は、値上がりが期待できる資産の一種ともいえる。古いものを手放して、新品を買う足しにするのもいいかもしれない。
![高くても飛ぶように売れるブランド品](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/c/a/1200wm/img_cae9f2d93d5f4a6be4c624442045623e781650.jpg)
■まだまだ高騰する? 高級腕時計の魅力
スマートウォッチを愛用する人も増えたが、やはり男性にとって一生の宝物といえば高級腕時計だ。
すでに述べたように、現在、買い取り価格が高いのは圧倒的にロレックス。特にスポーツモデルと呼ばれる「エクスプローラー」「デイトナ」「サブマリーナー」「GMTマスター」「ヨットマスター」などには世界中のファンから注目が集まる。30~40年前のものになると、希少性からかなり値が張るものもあると増川氏はいう。
また、ロレックス以外で高額買い取りが期待できるのは世界3大時計といわれるブランド――パテック・フィリップ、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンだ。
![今売れば円安の恩恵を受けられます。時計をいくつか売って1000万円を超えたという方もいますよ](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/1200wm/img_868fef141eb48d56394fd4456d1df503270448.jpg)
「このあたりは古くてもしっかり価値が残ります。90年代のパテック・フィリップなどは名品と呼ばれるものも多い。『古すぎて価値はないかも』と思っていても、実際に査定すると、すごい値段がつく場合もありますよ」(増川氏)
ちなみに、年代でいえば、80年代後半から00年代にかけて生産された時計の相場がじわじわと上昇している。シャネルの「プルミエール」などは人気が再燃した代表モデルだ。
いざ時計を売るとき、査定のポイントとなるのが、商品を買ったときに入っていた箱やケース、保証書、サイズを詰めるときに出る「余りコマ」など付属品の有無だ。箱は新品同様でなくても構わないが、メーカー発行の保証書のあるなしは価格を大きく左右する。
「たとえばロレックスの古いものなら紙の保証書が、比較的最近のものならギャランティカードがついているはずです。そこに書いてあるナンバーは、その時計が正規品であることを証明する世界で一つだけの番号。査定額が10万円以上変わることもありますから、必ずそれらを探し出して持ち込むことをおすすめします」(同)
ちなみにロレックスの中古品でも、女性用は男性用と比べてあまり高値がつかない。女性用の時計は時代によってデザインの変化が大きく、最新モデルのほうがよく売れるからだ。
ところで使い込んだ時計はキズや汚れが気になるが、そういうものでも買い取ってもらえるのだろうか。
「もちろん見た目はきれいなほうがいいですが、多少のキズや汚れがあったからといって買い取り価格が大きく下がることはありません。外装をピカピカに磨き上げる技術がありますから」
と増川氏はいう。
長い間放置していたクオーツの時計が止まっていて、動くかどうかわからない場合は、売る前にまず電池を入れてみたほうがいい。それで動くなら問題ないが、気をつけたいのは電池を入れても動かない場合だ。「直してから売ったほうが高く売れるだろう」と思い、なじみのないお店に修理を頼むのは危険だ。
「信頼のおけるお店で、必ず正規の部品を使った修理を依頼してください」と増川氏はいう。ロレックスの修理は、ロレックスのオリジナルの部品を使うのが鉄則。違う部品を使えば、それはもうロレックスではなくなる。価値がゼロになってしまうのだ。無理に修理しようとせず、そのまま売ったほうがよい場合もある。
なお、使わない腕時計を長期保管する場合は、電池を抜いて保管するのがおすすめ。液漏れして回路がダメになる恐れがあるからだ。
![時計を売る前の2つのチェックポイント](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/e/1/1200wm/img_e1fb73b99a465c57ee9e0ba0903e96d8781363.jpg)
■ブランドロゴは大きいほうがいいワケ
エルメスやシャネルに代表されるハイブランドのバッグも値上げが続いている。24年の2月にもエルメスが20%前後の値上げを実施した。
「エルメス、シャネル、ルイヴィトンという3大ブランドのどれかであれば、どんなにボロボロでも0円査定ということはありません」
と田口氏は断言する。
ただし腕時計や貴金属とは違い、バッグは消耗品なので、見た目の美しさが査定金額に直結する。
「中古バッグの購入者はコンディションを気にします。四隅の擦れやハンドル(持ち手)の汚れなどがないほうが高く買い取りができます」(田口氏)
![買ったときの箱や袋はなくても大丈夫です。古いモデルでも、今も人気があれば高く売れますよ!](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/1200wm/img_f0975610e096cebbf5b1ac6c783319e6233288.jpg)
バッグは年式も新しいもののほうが値段は高くなる。洋服と同じで流行があるからだ。ただし3大ブランドのバッグであれば、昔のものでも、購入価格より高く売れる場合がある。
たとえばルイヴィトンの「ネヴァーフル」というトートバッグは、15年くらい前に発売された当時は10万円以下で手に入った。しかし現行モデルでは定価が約25万円。3倍くらいに値上がりしたものの、依然として大人気だ。
「発売直後に手に入れてほとんど使わずに保管していた場合は、購入価格以上の値段で買い取れるケースが多いです」(同)
ほかにも買ったとき以上の金額で売れそうなバッグの代表例が、シャネルの「マトラッセ チェーンバッグ(1112)」。バブルの頃に大流行した品物だ。
「今でも人気が高いので、買い取り金額も上がっています。製造されなくなり、中古でしか手に入らないからこそ価格が上がっているモデルもある。特に海外の方の需要が高いですね」
バッグのリユース市場においても、やはり買いたい人が多いものほど高値がつく。
「仮に知る人ぞ知るような素晴らしいレアものであっても、期待されるほどの値段をつけられないこともあります。やはり二次流通ではパッと見て“ブランドもの”とわかる品が人気です。ロゴが大きく入ったものや、ルイヴィトンならモノグラム柄のもの、エルメスならバーキンやケリーなど。探している人が多いと、それだけ買い取り価格も高値で安定します」(同)
飽きたら売って買い替えることを前提にブランドバッグを買うなら、あまり奇抜な色や柄は選ばないほうがいい。黒や紺や茶など定番の色のほうが、ほしがる人が多いからだ。また長持ちする素材を選ぶことも大切。エナメル加工されたものはレシートの文字が転写してしまったり、バッグ同士がくっついたりして劣化しやすいので要注意。
「持ち手にスカーフを巻いて持つと、見た目もきれいですし、手垢がつくのを予防できます」(同)
使わずに長期保管する場合は、ホコリがつかないように不織布のカバーなどをかけて、湿度50%前後で保管する。湿気が多すぎても少なすぎてもバッグにダメージを与えてしまう。
「買ったときについてきたネルなどの袋に入れて保管する方も多いと思いますが、高温多湿な日本では湿気を吸収してしまい、カビが生える原因になるので注意してください」(同)
この夏、自宅や実家に眠るお宝を探してみてはいかがだろうか。
![大切なバッグを美しく保管するコツ](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/d/1200wm/img_3d68e87b83b07677a7be2efdddecf2f91216224.jpg)
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年7月19日号)の一部を再編集したものです。
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KOMEHYO名古屋本店本館 時計フロアマネジャー、シニアエキスパート
鑑定士として約20年のキャリアを持ち、買い取り・販売の両方においてチームの舵を取る。
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KOMEHYO名古屋本店本館 バッグ買い取り責任者、シニアチーフ
バッグのほかにアパレル、ジュエリーなどの査定経験も持つ。累計査定人数は1万8000人以上。
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(KOMEHYO名古屋本店本館 時計フロアマネジャー、シニアエキスパート 増川 裕紀、KOMEHYO名古屋本店本館 バッグ買い取り責任者、シニアチーフ 田口 智章 文=長山清子、撮影=藤井昌美、写真提供=株式会社コメ兵)
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