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マヨネーズにつけて食べると消化酵素が3倍増…キャベツの栄養を爆上げするのは「千切りorかじる」どちらか

プレジデントオンライン / 2024年7月26日 9時15分

「キャベツの芯」は栄養豊富(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Yuuji

健康な食生活を送るためには、野菜の食べ方にも注意する必要がある。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修の書籍『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)より、キャベツの栄養と調理法の解説をお届けする――。

■「キャベツの芯」は栄養豊富

キャベツの外葉や芯は、捨ててしまう人が多い部位ですが、実は栄養豊富なのはこの2カ所。

ビタミンC、β-カロテン、カルシウム、マグネシウムは外側の葉3枚めまでに含まれ、特にビタミンAが8割、ビタミンCももっとも多い量を含んでいます。

一方、カリウム、リンなどは芯に3〜4割が含まれています。芯や外葉を捨てると、栄養の多くを捨ててしまうことに。

また、部位によって栄養素も食感も大きく変わるので、それぞれに適した食べ方をしましょう。

■ビタミンUの46%は中心葉に含まれる

キャベツに含まれるビタミンU(キャベジン)は、ビタミンという名前ですが実はアミノ酸。胃の粘膜を回復させ、過剰な胃酸の分泌を抑える働きを持つ成分。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防に作用します。もちろん、ビタミンCや体内の消化の過程でがん予防、抗酸化効果もあり。

・内葉(結球葉)はミネラルの宝庫

内側の葉は、外葉や芯ほどではないとはいえビタミン・ミネラルがバランス良く含まれているほか、食物繊維も豊富で低カロリー。ほど良い食感と甘みがあり、さっと炒めればシャキッと、煮込めば甘みが感じられる仕上がりに。

・中心葉はビタミンUが全体の46%も

内側の芯に近づくにつれてアミノ酸が豊富に。特にビタミンUはこの部位がもっとも豊富で、全体の4割、内葉の4倍になることも。

一番甘くやわらかい部位でもあるので、サラダや浅漬けなどで生食にするのがおすすめです。

【図表1】主な栄養成分×キャベツの体にいいこと!
出所=『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』

■「キャベツの外葉」は捨ててはならない

・芯はミネラル2倍、食物繊維9倍

芯に含まれるカルシウム・カリウム・マグネシウム・リンといったミネラルは内葉の約2倍。ビタミンCも外葉の次に多く、筋肉の源となるアラニンは葉の3.4倍、旨み成分は外葉の8倍という栄養の宝庫。ただし加熱しすぎは栄養ロスに。

・外葉3枚で1日のビタミンCの50%をカバー

硬いからと捨ててしまう人も多い外葉ですが、外葉の1~3枚めは内葉の1.5倍のビタミンCが存在するので、捨てるのは絶対NG! さらにビタミンAは外葉に8割もあり、血圧降下作用のあるアルギニンも、内葉の3倍も多く含む最上級のお宝部位です。

キャベツ
写真=iStock.com/pidjoe
「キャベツの外葉」は捨ててはならない(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/pidjoe
・葉脈には唯一無二の美肌成分

ほかの部位よりも糖度が高く、食物繊維も葉の2倍。また、キャベツの中では葉脈にだけプロリンという、コラーゲン修復機能成分が存在します。美肌には欠かせない部位です。

■キャベツの芯は「まず取り外す」

キャベツの芯には成長点があり、収穫した後も蓄えた栄養を葉に送ろうとします。半分にカットしたキャベツが、時間が経つと芯を中心に盛り上がってくるのはそのせい。芯の豊富な栄養が抜けてしまうだけでなく、葉先から栄養がどんどん消失し、傷みも早くなってしまいます。

買ってきたらまずは芯をくりぬいて外しましょう。

キャベツのビタミンは保存中の減少が少ないので、5日ほどを目安に食べ切れば栄養ロスもほぼなし!

■芯は旨みの宝庫

「栄養価が高いとはいえ、芯はおいしくない」と思うなかれ。

キャベツの芯は旨みのもと、アミノ酸が葉の8倍以上も含まれるおいしい部位なのです。茶色くなった部分はくさみが出やすいので切り落としますが、それ以外は細かく切って炒め物やカレーに入れるほか、そのまま漬物やマリネにするのもおすすめ。

芯こそ、旨みの宝庫です!

キャベツの外葉についている白い粉状のものは農薬ではなく、キャベツ自身が紫外線などから身を守るために作りだすロウ状の物質「ブルーム」。

キャベツの脂質から作られた成分が、表面に浮き出たものです。口にしても全く問題ない成分で、むしろキャベツが新鮮な証しでもあります。

■できるだけ細かくカットしたほうがいい

キャベツは、ブロッコリーや大根などと同じ「アブラナ科」の野菜。アブラナ科の野菜は消化を助け、潰瘍を防ぐ効果を持ちますが、キャベツは特にこの効果が高い野菜。まさに食べる胃腸薬なのです。

この働きは細かくすればするほど活性化し、切らない場合と比較すると18倍にもなるのです。

胃が疲れていると感じた時に食べるなら、できるだけ細かく切るか、ジューサーなどですりつぶして、スムージーにするなど用途ごとに切り方を変えてみましょう。

消化を助けてくれる野菜として有名なのは大根ですが、キャベツの消化・代謝活性は大根の3倍以上! 健康野菜として知られるブロッコリーと比較するとほぼ5倍。

ビタミンUは胃を守る効果と併せて、弱った胃腸を助け、粘膜を修復してくれる力を持っているのです。

【図表2】調理による消化酵素の活性化
出所=『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』

■キャベツを刻むと消化率は17.9倍

キャベツの消化パワーは生の状態で活性化しますが、70℃で失活してしまうため、加熱はしないほうが◎。

また、刻むほど消化率はUP! 食べるときに脂質があると消化酵素が高くなります。おすすめは、マヨネーズ。卵を使ったものなら3倍、大豆でも2倍以上アップ。

マヨネーズ
写真=iStock.com/kuppa_rock
マヨネーズにつけて食べると消化酵素が3倍増(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/kuppa_rock

■がん予防効果が期待できる

キャベツなどアブラナ科の野菜には「スルフォラファン」というファイトケミカルが含まれています。

東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)

ブロッコリーなどに多く含まれる成分で、有害物質を解毒し、抗酸化力を高める役割があり、がん予防効果が期待できる体の強い味方。

スルフォラファンはグルコシノレートという成分が切断されることで酵素と混じり合い活性します。

消化酵素だけでなく、抗酸化成分をしっかり摂るためにも、やはり細かく切るのがおすすめです。

ビタミンCやミネラルなど水溶性の栄養を多く含むキャベツは、茹でたりレンジで加熱すると栄養素が大幅にダウン。

しかしポリフェノール由来の抗酸化機能は炒めると増加するという実験結果が多数報告されています。

■塩を入れるとビタミンCが流出しにくい

蒸し調理ならビタミンCのロスは8.1%。蒸すことで、栄養を最大限に保つことができます。

ただし、これは50℃で蒸した場合。高温になるほどロス率は高く、100℃で蒸せば、茹で調理並みにビタミンCは減少してしまいます。

キャベツの水溶性ビタミンは茹で調理で4〜6割が流れ出します。茹でる場合は切らずにさっと加熱するか、スープごと食べるのがおすすめ。

また、塩を2%ほど入れると、ビタミンCが約10%多く残存します。

■「油炒め」が最適

キャベツは炒めるとビタミンCは減りますが、ポリフェノールは、約4割アップ。またβ-カロテンも油によって吸収率が6割ほどアップするので、加熱調理なら「油炒め」が最適!

栄養ロスが少ないレンジ調理。ただ、がん予防成分はレンジ調理の場合ロスが激しく、ビタミンCは炒め調理の1/2に。また水分の多いキャベツは、レンジで水分流出が増えると、茹で調理と同様にビタミンCが減ります。

ついなんとなくやってしまう千切りですが、切る方向によって食感が大きく変わります。やわらかくふんわりと仕上げたいなら、葉脈に対して直角に切って繊維を断ちます。逆にシャキッとした食感にするなら葉脈と並行に。

(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部)

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