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だからボケずヨボヨボにならず天寿をまっとうした…103歳が毎日食べたミネラルをしっかりとれる「おやつの名前」

プレジデントオンライン / 2024年7月26日 7時15分

※『103歳の食卓』 より 赤ワインはポリフェノールの含有量が多く、中でも抗酸化力がとても強いアントシアニンやレスベラトロールを多く含んでいます。 - 写真=鈴木泰介

料理研究家・荻野恭子さんの母、阿部ハルさんは、ボケたくないという一心で、卓上に座って毎日料理をつくり、元気に食べて、103歳の天寿をまっとうした。特に好んで食べたものは、あの長寿の著名人にも共通するという――。

※本稿は、荻野恭子『103歳の食卓 母とつくり上げた卓上クッキング』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■好物はステーキと赤ワイン

母は肉が好きでした。医学者の日野原重明先生や作家の瀬戸内寂聴さんの肉好きは有名ですが、それに負けずとも劣らずの肉好き。「塊肉じゃないと肉を食べた気がしない!」とまで言っていたほど。

その上、赤ワインも大好きだったのでステーキと赤ワイン、という夕食も少なくありませんでした。100歳の誕生日はフレンチレストランでお祝いをしましたが、ミディアムのステーキを残さずにいただき、赤ワインを楽しんでいました。グラスに少し残っていたワインも、気がつけばデザートの後には飲み干していたのも母らしい思い出です。

荻野恭子『103歳の食卓 母とつくり上げた卓上クッキング』(プレジデント社)
荻野恭子『103歳の食卓 母とつくり上げた卓上クッキング』(プレジデント社)

高齢になると食べる全体量が減ることもあり、タンパク質が不足しがちです。肉にはタンパク質はもちろん、元気の素になるアミノ酸が多く含まれていますし、コレステロールも豊富です。悪者にされがちなコレステロールですが、動物には欠かすことのできない脂質の一種で、血管を強くしたり、物事への関心を高めるような精神的効果も期待できるそうですから、肉は積極的に食べたい食材ですね。

母は食べることが好きだったこともあり、毎回の食事をとても楽しんでいました。たまの外食は楽しみも増していたようです。感謝して楽しみながら食べる料理は血となり肉となり、健康寿命を長く保ってくれていたのだと思います。

■毎日、おやつに食べていたもの

胡麻、海苔、豆、ナッツ、さつまいもも母の好物でした。漬物を海苔で巻いたり、野菜に胡麻をふったり。そしておやつといえば小魚、ナッツ、胡麻せんべいをつまんでいました。母のつくるさつまいもを入れた蒸しパンは、それはそれは美味しくて今でもときどき食べたくなります。

カルシウムや鉄分などのミネラルはおやつから摂っていた。ストックしてある中から食べたいものを選んでポリポリ。
※『103歳の食卓』 より カルシウムや鉄分などのミネラルはおやつから摂っていた。ストックしてある中から食べたいものを選んでポリポリ。

「まごわやさしい」をご存知でしょうか? 健康に良いとされている食材の語呂合わせです。

=豆類(タンパク質やマグネシウムが摂れる)
=胡麻やナッツ(タンパク質やミネラルが摂れる)
=わかめ、海苔、ひじきなどの海藻(ミネラルが摂れる)
=野菜(ビタミンやミネラルが摂れる)
=魚、魚介類(タンパク質や魚によってはDHAやEPAが摂れる)
=しいたけなどきのこ類(ミネラルや食物繊維が摂れる)
=いも類(炭水化物や食物繊維が摂れる)

日本人が食べてきた食材には体に良い栄養素が含まれています。母が好んで食べていたものの多くは「まごわやさしい」です。食べること=健康ですから長寿の原点はここにあったのだと思います。

母の場合「わ」にはワインも含まれていましたが!

■食べる順番も「母流」

肉が大好きな母でしたが、肉だけを食べていたわけではありません。サラダや煮物などで野菜もしっかり摂っていました。

そして誰から教わったのかはわかりませんが「母流の食べ方」がありました。肉が好きだからといって最初から肉に飛びつくのではなく、まずはサラダを食べます。野菜も好きだったから自然に箸が動いたのかもしれません。

それからステーキや焼き肉などの肉料理を食べて赤ワインです。ゆっくり肉と赤ワインを楽しんでから、ご飯と漬物で夕食を締めくくります。

季節の野菜のサラダ
写真=iStock.com/ANDREA DUNN
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ANDREA DUNN

野菜を先に食べて、ご飯を最後にすると血糖値の上昇が緩やかになります。

それだけでなく、野菜はナトリウムの排泄を促す効果があるとも言われています。

母は知識ではなく、動物的な感性でそうしていたのでしょうが、その食べ方はとても理にかなっていました。誰でもちょっと気をつければできることですから、今日からでも実践していきたいものです。

■なすと豆腐の炒め煮

祖母の故郷、宮城県県の郷土料理。で小さいときからよくつくってくれました。現地では豆腐ではなく油麩でつくることが多いようです。
写真=鈴木泰介
※『103歳の食卓』 より 祖母の故郷、宮城県県の郷土料理。で小さいときからよくつくってくれました。現地では豆腐ではなく油麩でつくることが多いようです。 - 写真=鈴木泰介

材料(1~2人分)
長なす……1本(170g)
木綿豆腐……2分の1丁(175g)
塩……ひとつまみ
砂糖……大さじ2分の1
醤油……大さじ1
米油、胡麻油……各大さじ1
白煎り胡麻……小さじ2分の1

つくり方
1 なすは縦4等分にしてから2cm幅に切る。豆腐はキッチンペーパーで水分を取ってから大きめの一口大に切る。

2 ホットプレート(鍋)に米油を熱してなすを入れ、塩をふってしんなりするまで炒める。

3 胡麻油、豆腐、砂糖、醤油を加えてひと混ぜし、蓋をして弱火で5分ほど煮る。器に盛って胡麻をふる。

先になすに塩(分量外)をふって下味をつけると、仕上がりの味が決まります。
写真=鈴木泰介
※『103歳の食卓』より 先になすに塩(分量外)をふって下味をつけると、仕上がりの味が決まります。 - 写真=鈴木泰介

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荻野 恭子(おぎの・きょうこ)
料理研究家、栄養士、サロン・ド・キュイジーヌ主宰
ユーラシアをはじめ、65カ国以上の国を訪れ、家庭や店で土地の料理を学ぶ。日本でつくれるレシピに置き換えて多くの雑誌や本で紹介している。『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)、『ビーツ、私のふだん料理』(株式会社扶桑社刊)、『ポリ袋で簡単!もみもみ発酵レシピ』(株式会社池田書店刊)など、著書も多数。

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(料理研究家、栄養士、サロン・ド・キュイジーヌ主宰 荻野 恭子)

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