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これで高圧的な相手より優位に立てる…心がスカッと晴れわたる「マウンティング返し」のフレーズ

プレジデントオンライン / 2024年7月25日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Gama5

あなたの身近に危害を与えてくる人がいたら、どう対処すればいいか。感情コンサルタントの神谷海帆さんは「マウンティングをしてくる人には、直接ではなく、心の中でマウンティング返しをして、自分の視座を高めるチャンスに変えるといい。彼ら彼女らの共通点は、心の奥底に恐れがあることだ。それが何なのかを観察して、心の中でマウンティング返しをすると、随分気持ちが楽になる」という――。

※本稿は、神谷海帆『感情のメッセージに気づくと、人間関係はうまくいく』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「切りたくても切れない職場の同僚、上司」はどう対応するか

いつも悪口を言っている人や話をしていると疲れる人など、嫌な人との人間関係は頭が痛い問題ですね。どうにかしたいと、本やネットの情報を調べてみると……。

「自分にとって害のある人とは付き合わなくていいです。距離を置きましょう。嫌なことは嫌と伝えて、関係が崩れるのであれば、そんな関係はなくてもいい。無理をしても本当に幸せにはなれません」

こんな対処法がよく書かれています。

「なるほど! もうこの人とは付き合わないようにしよう!」とアッサリ実行できれば簡単で、苦労はしません。

しかし親や職場の同僚や上司、子どもの人間関係にも影響が大きいママ友など、切りたくても簡単に切れない人がいるからこそ、人は悩むのです。

関係を切れないからこそ、なんとかしようとします。しかし本心では嫌いな人なので、自分がめちゃくちゃ努力をするのも、「なんで自分がこんな人のために、こんなにがんばらないといけないの?」と疑問と疲労感でいっぱいになってしまいます。自分の大切な時間を使うことに対しての、怒りや悔しい気持ちも湧いてきます。

■無駄な動きはやめ、タイムパフォーマンスを意識

嫌いな人に対する一番やっかいな問題は、「距離を置きたい」という本心での心の距離(=理想)と「距離を置けない」という実際の距離(=現実)に、大きなギャップがあることです。

現状をなんとかしたいと思いつつ、本心では相手と距離を置きたいので、「あなたのために、なぜ自分が動かないといけないの?」という本音が残り続けます。

本当は努力したくないけど、現状は変えたい。

そこで、嫌いな人への効果的な対処法は、いわばタイムパフォーマンスを重視して、必要最低限の行動で結果を出すことです。

本当は動きたくないのですから、無駄な動きはやめたいですね。

「動くだけの根拠や理由があれば、仕方がないから動いてやってもいいよ」というのが本音です。

だからこそ、即効性のある具体的なテクニックを使ったり、相手のためではなく、自分のために動くのが、嫌いな人との賢い付き合い方なのです。

■嫌な人には反撃せずに、「自己効力感を上げるチャンス」に変える

自分に害を加えてくる人には、「そういうあなただって!」と反撃したくなりますし、自分が受けた被害は人に話したくもなりますね。ただ、これを人に話してしまうと、悪口と受け取られる場合もあるからやっかいです。

悪口は印象を悪くし、信用をなくすので、自分を下げてしまう行為でもあります。

嫌いな人のために、自分を下げる必要はありません。

病院で落ち込んだ男性看護師
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PonyWang

とはいえ、やられっぱなしも悔しいですね。

相手のために行動するのもバカらしいので、逆に自分を高めるチャンスに変えましょう! 具体的には「自己効力感を上げるチャンス」にするのです。

ここで「自己効力感」について説明します。「自己肯定感」と似ていますが、違う概念です。

「自己効力感」は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱されました。「自分が必要な行動を取って、結果を出せる」と考えられる力のことです。

簡単にいうと「自分には能力がある」と思えるなら、自己効力感が高い状態です。

これに対して、「自己肯定感」とは、自己を尊重し、自身の価値を感じることができる、「ありのままの自分」でいいと思える力のことです。

さて、この自己効力感は次の3つのタイプに分類することができます。

自己統制的自己効力感 ……困難を乗り越えるときや、新たなチャレンジをするときに「自分ならできる」と思える感覚のことです。
社会的自己効力感 ……対人関係における自己効力感です。気難しい人や初対面の人を目の前にしたときに「この人とうまくやれそう」と思える感覚です。
学業的自己効力感 ……学習に関する自己効力感です。「自分なら理解できそう」という感覚です。

■自分のステージが上がると、現実も変わる

悪口や反撃で嫌な人のために自分を下げるのではなく、社会的自己効力感を高めるチャンスに変えましょう。相手のために動くのではなく、自分の器を広げるために動くのです。

具体的には、次の2つのステップを踏みます。

ステップ① 嫌な人を許す
ステップ② 嫌な人を理解する

ステップ①の嫌な人を「許す」ですが、何も難しく考える必要はありません。「相手のレベルが低いからしょうがない」と思っておけばいいのです。

そう思えるようになったら、次のステップ②「理解する」に進みます。こちらも、難しく考える必要はありません。相手が嫌な態度を取る背景や、理由を想像してみましょう(あくまでもあなたの勝手な想像でOKです。正しい、間違っているは関係ありませんし、もちろん相手に確かめる必要もありません)。

勝手な想像でいいので、「この状況ならそんな態度になるよね」「そんなことも言いたくなるよね」と理解してあげられれば、人としての器が広がります。

そして、許すことと理解することができたら、「こんな嫌な人を理解できる自分って、すごい!」「器が広い証拠だ!」「ステージが上がった!」とポジティブに考えてしまいましょう。

嫌な相手のことを考えると、嫌な気持ちになります。

嫌な人のための時間をマイナスにせず、プラスに変えるのです。何に時間を使い、何にフォーカスするかは、あなたが決めることができるのですから。

簡単に関係を切れない嫌な人の存在を、自分の自己効力感を高め、心の器を広げ、自分を高めるチャンスに変えましょう。

自分が「ひとつ上のステージ」へ行くことができれば、相手との波動が合わなくなり、自然と現実も変わってきます。嫌な人に対して、「自分を高めてくれてありがとう」と、感謝できたら素晴らしいですね。

■直接反撃せずに優位に立つ、「心の中のマウンティング返し」

マウンティングをしてくる人や高圧的な態度を取る人、人をコントロールしようとする人はやっかいで、とても嫌な気持ちになりますね。

女性社員に暴力的になる男性社員
写真=iStock.com/koumaru
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/koumaru

このタイプの人を目の前にすると、蛇に睨まれた蛙のようになってしまい、頭が真っ白になったり、萎縮したりして、いつもの力が発揮できなくなります。

いざ反撃しようとしても、自分が小さくなって固まってしまうので、反撃することができません。

コミュニケーションについて書かれた本を読んで対処法を学んでも、相手が怖くて具体的な行動が取れず、辛い状況からなかなか抜け出すことができません。反撃できないことをいいことに相手も攻撃を続けるので、辛い状況が変わらないのです。

これでは相手に直接、反撃するのは難しいでしょう。そこでどうするか。

このやっかいな状況では、直接ではなく、心の中でマウンティング返しをして、自分の視座を高めるチャンスに変えるのがお勧めです。

マウンティングをする人や、高圧的な人、ハラスメントをする人には共通点があります。それは、その人の心の奥底に恐れがあることです。

実はとても弱いからこそ、弱みを隠すために、自分を強く見せているのです。

相手より上の立場を取り、相手を抑えつけることによって、自分の立場を必死に守っているのです。そうしないと自分を保てないほど、弱いのです。

そこで、相手が何で抑えつけているのか観察してみましょう。

ブランドものや持ち物でマウンティングをしてくる人は、人の価値を身に着けるもので判断している人です。パワハラをしてくる人は、ポジションで人の優劣をつけている人です。

この相手のこだわりこそ、実は相手のコンプレックスなのです。

つまり、「マウンティングとは、恐れや弱さの暴露」であるのです。

■相手の弱みを把握するチャンス

これがわかれば、相手から嫌な態度を取られたときに、心の中で「ふふん。それがあなたの弱みね」「あらあら、また恐れを暴露しちゃって」と思っておけばいいわけです。これだけでも、随分気持ちが楽になります。

直接反撃しなくてもいいので、心の中でマウンティング返しをしましょう。

言葉や態度に出さなければ、自分が何を思おうと自由です。誰にも迷惑をかけず、人間関係を悪化させることもありません。

さらに一歩先に進もうと思うのなら、相手を観察し、相手の弱みや恐れを把握してみましょう。マウンティングや高圧的な態度、コントロールやハラスメントの背景には、自分の居場所を求め、認めて欲しい存在欲求や承認欲求があるのです。

相手を観察することは、自分の視座を高めることにもつながります。

相手が何を恐れているかがわかれば、相手への見方が変わります。

言葉をかえると、相手が最も望んでいるもの(弱み)を把握したことになります。

相手の弱みを握り、心の中で相手より優位に立つことができれば、気持ちに余裕が生まれてくるのです。

自分に余裕ができれば、相手の望むものを与えて「あげる」ことができます。

■承認欲求の高い「クレクレさん」に対する声かけ

例えば、存在欲求や承認欲求丸出しの「クレクレさん」には服や持ち物など、身に着けているものをほめる。会社での高い役職や仕事の結果やプロセスなど、その人の動きをほめることで、相手のコンプレックスを埋める、承認欲求を満たすことができます。

このときに効く声かけは「さすがですね!」です。

心の中では上から目線で、「しょうがないな、ほめてやるか」くらいの気持ちでいれば、笑顔も出てきます。実際はにっこり笑って、相手をほめてあげましょう。

神谷海帆『感情のメッセージに気づくと、人間関係はうまくいく』(三笠書房)
神谷海帆『感情のメッセージに気づくと、人間関係はうまくいく』(三笠書房)

マウンティング返しは、相手と関わりたくないときは心の中ですればいいのです。

視座が上がって、心の余裕が出てきたときには、実際に相手へ働きかけたり話しかけたりして、態度に出してみるのもひとつの方法です。

言葉や態度に出すかどうかは、自分で決めて大丈夫です。

このマウンティング返しのプロセスでは、自分の中の「ちょっと嫌な部分」が出てくるかもしれません。

しかし、「人間なんだから、ときにはそんな自分があってもいいかな」と、「ブラックな自分」も許してあげましょう。

きっと気持ちが楽になると思います。

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神谷 海帆(かみや・みほ)
感情コンサルタント
株式会社ライフファシリ代表取締役。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。1974年生まれ。大手教育事業会社にて営業成績女性全国トップで表彰され、管理職も経験。転職した会社で上司によるパワハラでうつ状態になり、完全に自分を見失う。この経験を契機に「自分とは何か?」に向き合い、人生が激変する。何十年も他人に合わせ、自分の感情を殺してきたことに気づき、感情の活かし方をマスターする。

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(感情コンサルタント 神谷 海帆)

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