これでギアが入り仕事が一気に早くなる…集中力が切れたときに口に入れるべき"たった一粒"のお菓子の名前
プレジデントオンライン / 2024年7月30日 15時15分
※本稿は、伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■1枚の紙キレで集中力が途切れない
修行を極める僧侶でも、常に煩悩が浮かぶと言います。煩悩が浮かんだ時、警策(きょうさく)という板状の棒で、パーンと打ってもらうことで気持ちを整えるそうです。
でも、われわれは、上司に警策で打ってもらうわけにはいきません。
そこで、紹介したいのが、「パーキングロット」を使って気持ちを整える方法です。
![「あ、そうだ」の煩悩を打ち消す](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/0/8/1200wm/img_08c4c45cbbde33e5afb907f923c3350a315995.jpg)
パーキングロットを説明します。
これは駐車場を意味する言葉なのですが、実は、会議で使うテクニックです。
議題とはズレていながらも、無視するにはもったいない意見が上がった際、ホワイトボードに書き留めておくテクニックのことをパーキングロットと言います。
この手法を個人の作業に応用するのです。
作業をしている際に、「あ、そうだ。あの会社にメールを送らなきゃ」など、集中力が途切れたタイミングで、作業に関係ないことが頭をよぎることがあるでしょう。
その際、メモに書き留めておくという方法です。紙キレでもOK。
そうすることで、メールの文面をどうしようかな……など、「今、ココ」で考えなくて済むので、集中力を途切れさせずに済むというわけです。
私も、しょっちゅう別のことが頭をよぎりますので、その都度、いつも携帯しているスケジュール帳にすぐに書くようにしています。手帳がパーキングロット(駐車場)になっているわけです。
いかに「ちょっとくらいなら」とタスクスイッチングをさせないかが、集中力をキープする試金石なのです。
■煩悩は思った以上に手ごわい
そもそも、煩悩は理性で封じ込められないのでしょうか。
結論は、「生きている限りムリ」。
学習心理学によると、われわれは、「未来」より「今」の方により価値を感じる習性があるそうです。これは「遅延による価値割引」と言われる心理効果で、先のことであればあるほど、価値が目減りする心理のこと。
つまり、「後で、メールを返信する」より「今、メールを返信すること」の方が、価値があるように感じてしまうのは、われわれの本能的な習性というわけです。
だったら、この習性を利用し、「今、メモ(パーキングロット)に書き留めておく」ことを価値ある選択にしておけばいいわけです。
私もそうしています。やってみると、手ごわい誘惑に克てることを実感しています。
■「判断疲れ」は侮れない
ところで、あなたは1日に何回、食事に関する判断をしていますか。
多くても20回……と思いたくなりますが、コーネル大学の研究者によると、毎日226.7回の決定をしていると言います。
![「判断疲れ」が集中力を低下させる](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/f/1200wm/img_1f2607bd63a09f924a0c1953f0d46402276813.jpg)
何を食べる? 何を飲む? どのグラスにする? どのくらい注ぐ?
ストローは? どの場所で? テーブルのどこに置く?
このように、気付かない無意識の判断を常に繰り返しているのです。
さらに、ケンブリッジ大学の研究では、大人は毎日約3万5000回の判断をしているというのですから、どれだけ脳ががんばってくれているかがわかります。
さて、ここで注意しておくべきことがあります。これらの無意識の「判断」の繰り返しが、脳を疲れさせるという事実です。
フロリダ州立大学のロイ・バウマイスター博士の「意志力」の説に答えがあります。
・「意志力」は、判断をするほどに低下する。
・なぜなら、判断をするほどに「判断疲れ」を起こすから。
・ゆえに、「意志力」を温存するのであれば、判断の回数を減らすべき。
つまり、意志力はあたかも筋肉のように、使えば使うほど消耗するというわけです。
■自分なりに「いつも同じ」をつくって集中力を維持する
ゆえに、集中力を維持したいなら、日常生活においても「判断の回数」を減らすことです。
スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグが、いつも同じ色のTシャツを着ていたのも、着る服の判断をすることを避けるためです。
では、どうすればよいのか。
まず、「判断」の回数を減らすことにこだわってください。
その上で、あなたなりの「いつも同じ」をつくればOKです。
私は仕事柄、ネクタイをするのですが、先方様のコーポレートカラーに合わせるので、色に迷いません。
移動は常に小ぶりのキャリーケース。玄関に置いており、外出する際は、そのまま出発。どの仕事でも対応できるグッズが収まっていますので、忘れっぽい私でも、忘れ物をしません。作成する資料のレイアウトも基本は一緒です。
でも、このままマネをしないでください。
「いつも同じ」には、価値観やライフスタイルがおおいに反映されるからです。
なので、あなたの価値観、ライフスタイルに合わせて「いつも同じ」の法則を考えてみることをオススメします。
■「糖」は、集中力を高めるサプリ
「ラムネ」を食べたら、集中力が回復する、こんな話を聞いたことがないでしょうか。
これは、「ラムネ」はブドウ糖でできており、その糖の作用によって集中力が回復する効果があるからです。低血糖な状態のままでは、やはり集中力は低下します。
私は完全な糖質オフを行ったことがありましたが、夕方になると、何もする気がしなくなるくらいに思考力の低下を感じ、完全な糖質オフはやめました。
集中力を高めたい時は、ほんの少しの糖を体に入れるだけで効果があります。
もちろん、ラムネでなくても構いません。低血糖な食材でも効果はてきめん。
私は、はちみつよりは低血糖なマヌカハニー(はちみつの一種)をほんの少し摂取しています(“のどにもいい”とうたわれているため)。
フロリダ州立大学の心理学者、マシュー・ゲイリオットの次の研究を知れば、これらが迷信ではないことに確信が持てるでしょう。
(「A:レモネード(加糖)を飲むグループ」「B:レモネード(甘味料)を飲むグループ」)
・「自己コントロール力」の実験を数回行う。
・すると、「B:甘味料」のグループは、2回目の実験でのスコアが悪化。
調べると、1回目の実験でエネルギーを消耗していたことが判明。エネルギーが消耗した理由は、血糖値が下がっていたこと。
・そこで、今度は血糖値を上げるべく、自己コントロール力が低下してしまった「B:甘味料」のグループに、加糖のレモネードを飲んでもらう。
・すると、自己コントロール力が回復。
![ほんの少しの糖を体に入れると、集中力が回復](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/0/8/1200wm/img_086301998feafceb0b8e39df80425560351973.jpg)
■糖は“ひとつぶ”だけでもいい、空腹はNG
さらに、先ほど紹介した「エネルギー予算」を提唱するサウスダコタ大学のX・T・ワンと心理学者のロバート・ドボルザークも同様の実験をしていました。
「血糖値の絶対値ではなく、血糖値が“増えているのか”“減っているのか”、変化の方向が、自己コントロール力に影響を与える」といった研究を発表したのです。
![伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/7/1200wm/img_d7cd64839ed4f9038d7c3d7d20f3619f152309.jpg)
つまり、糖をたくさん摂取する必要はなく、甘いものを“ひとつぶ”口にすれば、集中力が上がるというわけです。
「空腹」を解消することでも、集中力アップの効果を見込めます。
空腹時は、血糖値が下がっていますので、「ナッツ」を摂取するだけでも集中力は回復すると言われています。
空腹のままがんばってしまう、カロリーゼロの飲料しか飲まない、ダイエット中なので甘いものはガマン、ということであれば、集中力を高めたい時は、戦略として「血糖値を少しだけ上昇させる」方法も加えておくといいでしょう。
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らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。
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(らしさラボ代表 伊庭 正康)
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