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会議室にこもって"みんな"でテレアポの驚きの効果…集中力を極限まで高める仲間選びの「最低条件」

プレジデントオンライン / 2024年8月1日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/itakayuki

集中力を高めて仕事のパフォーマンスを上げるには何をすればいいか。研修会社らしさラボ代表の伊庭正康さんは「1人でがんばれない時は、同レベルの仲間と一緒に仕事をすると『ピア効果』が働き仕事のパフォーマンスが上がる。『同レベルの同僚がいない』『ずっと1人で作業する環境』という場合には、『同じテーマに取り組んで、成功している人や憧れの人、すごい人のことを想像する』だけでも自身の意志が強くなることがわかっている」という――。

※本稿は、伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■たとえ“退屈な仕事”でもタスクの難易度を上げる

こんな経験、ありませんか。

つい没頭してしまい時計を見ると「え、もうこんな時間」。

この、“没頭”の状態を「フロー」と言います。

心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱し、広まった概念です。

では、どうすれば仕事で「フロー」状態に入ることができるのでしょうか。

ここでは、仕事中、自在にフローに入るテクニックを紹介しましょう。

フローは2つの要素で構成されています。

「挑戦レベル」×「スキルレベル」の要素です。この2つの要素を調整することで、フローに入ることができます。

慣れたタスクなら「挑戦レベル」を高めるとフローに入りやすい
出所=『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』

具体的には、たとえ“退屈な仕事”であったとしても、工夫を加えて「タスクの難易度」を少し上げてみてください。そうすることで、「挑戦レベル」を高めることができます。

「タイムトライアルにする」「できばえのレベルをアップさせる」ことで、挑戦レベルをアップさせることもオススメです。

もう1つの「スキルレベル」とは、そのタスクを処理するスキルの高低を指し、すでに持っているスキルで対処することができればOKです。

■極限まで集中力を高めるフローに意図的に入るには

となると、自在に調整できるのは「挑戦レベル」になります。

「挑戦レベル」の調整について、さらに解説を加えましょう。

重要となるのが「目標(ゴール)」の難易度の設定です。

ラクな目標設定ではフローに入れません。ある程度の難しさは必要です。

例えば、提案書を作成するとしましょう。

「今までより、内容にこだわった提案書にする」のも方法の1つ。

「この人上手だな」と思う人の提案書を参考にして、「レイアウトをより見やすくする」「箇条書きを効果的に使う」など、よりクオリティアップを目指すのもオススメです。

ちょっとした工夫で「え、もう1時間?」と没頭できる、そんな極限まで集中力を高めるフローに意図的に入ることができるのです。

知らないと損。ぜひ、やってみてください。

■会議室にこもって、“みんな”でテレアポの効果

1人だと、どうしても集中力が途切れやすい時もあるでしょう。

そんな時は、あえて「仲間がいる場所」で仕事をすることをオススメします。

1人でがんばるよりも、仲間と一緒の方がパフォーマンスが上がる、そんな有名な法則があります。「ピア効果」です。

仲間と一緒の方がパフォーマンスはUP
出所=『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』

ピア(peer)とは、年齢・地位・能力などが同等の仲間のことを指します。お互いが刺激をし合い、よりパフォーマンスが上がるという効果です。

私が研修を担当する、ある企業様の実例を紹介しましょう。

その会社では、テレアポで新規開拓の営業をされていました。

テレアポは、思った以上に精神的に辛さを感じる仕事の1つです。

「今は結構」「決まった業者がある」と断られるのは、まだマシな方。中には「二度とかけるな」「仕事の邪魔をするな」など、辛辣な言葉を投げかけられることも。

その苦行のような電話を1人あたり、1日に100件以上かけることを目標にされていたのです。

でも、うまくいっていませんでした。1人あたりの架電数は平均50件にも満たない状況だったのです。

そこで、対策として行ったのが「ピア効果」を活かす方法。

参加者は4人。会議室にこもって、“みんな”でテレアポをしていただきました。

それだけで、全員が1日100件の電話ができるようになったのです。

参加者からいただいたのは、「しんどくなかった」「あっという間だった」との声でした。

■相手のレベルは高すぎても低すぎても良くない

しかし、ピア効果にも注意は必要です。ピア効果を得るには、仲間が「同レベル」であることが条件となります。

レベルが高い相手だと、「最初からあきらめてしまう」負のピア効果が働き、レベルが低いと「手抜き」をしてしまう負のピア効果が働くからです。

一緒に仕事をする際は、「誰とするか」の選定も大切な要素というわけです。

最近は、リモートワークも日常化してきていますが、集中力を高めるために、あえて職場で仕事をすることも一考してみてください。

また、お互い違う場所で仕事をする際は、一定時間ごとに”進捗を共有”し合うのも効果的です。

私も営業時代は、よくやっていました。「他の仲間もがんばっている」と思えば、多少の辛さは乗り越えられたものです。

ぜひ、1人でがんばれない時は、仲間のチカラを借りてみてください。

■想像するだけで意志が強くなる

ピア効果を得にくい環境の人もいるはずです。

「同レベルの同僚がいない」「ずっと1人で作業する環境」ということもあるでしょう。だとすれば、想像するだけでもOK。

「同じテーマに取り組んで、成功している人のことを想像する」

「理想の取り組み方をしている人のことを想像する」

これだけでも、効果があることがわかっています。

「鉄の意志」を持つ人を想像する
出所=『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』

スタンフォード大学のケリー・マクゴニガルは、こう述べています。

「自制心の強い人のことを想像するだけで、自身の意志が強くなる効果がある」と。

これを聞くとある受験生の逸話を思い出します。

その受験生には、気になる“がんばり屋”の同級生がいました。

「あの人に追いつきたい」と思う、そんな存在です。でも、一緒に勉強する間柄ではなかったそうです。

そこで、彼女がやったことが、まさに「想像する」だったのです。

「きっと、あの人は22時までは勉強をしているはず」「きっと、あの人はテストに向けてこの箇所を入念にしているはず」と思いながら、自分を奮い立たせていたと言います。

ピア効果が得られない時は、このように「想像」をするだけでも、効果があるのですから、やらない手はなさそうです。

■「あの人ならどうするかな…」と憧れの人を想像する

それでも、身近にいる「自制心の強い人」がイメージできないなら、こうしてみてください。

「憧れの人」や「すごい人」を想像してみるのです。

例えば、「あのアスリートなら、どうするかな……」

「あのアーティストなら、こんな時はどうしているのかな?」

僭越ですが、私も時折やっています。

研修を年200回しながら、40冊の執筆をしてきました。他にもYouTubeやVoicyも週に4~5回公開していますので、なかなか忙しい日常にはなります。

伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)
伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)

へこたれそうにもなります。でも、友人から、こんな逸話を聞いたことが支えになっています。

「ビートルズは、200曲以上をリリースし、1曲あたり3時間でつくっていた」

もちろん、歴史に名を残したアーティストと自分を比較するのは、ファンの方にお叱りを受けるでしょうが、「まだまだ、がんばれる」と鼓舞する逸話を聞かせてもらったと感謝しています。

想像するのは自由。ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょう。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。

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(らしさラボ代表 伊庭 正康)

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