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挨拶もできなかった子が1年で堂々たる姿に…フランス人が恥ずかしがり屋を直すためにさせる意外な習い事

プレジデントオンライン / 2024年8月3日 9時15分

『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)より

恥ずかしがり屋の子どもが自信を持って発言できるようになるにはどうすればよいか。フランス在住のデジタルクリエーターであるロッコさんは「フランスの教育で『なるほど!』と感じたのは『恥ずかしがり屋の子どもは、演劇で克服する』と言われていることだ」という――。

※本稿は、ロッコ『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)の一部を再編集したものです。

■恥ずかしがり屋の習い事

「恥ずかしがり屋の子どもは、演劇で克服する」

一般的に、保育学校に入学後の3歳~4歳頃から学校外での習い事をはじめますが、「フランスらしいな」と感じる子どもの習い事と言えば、演劇(Théâtre=テアトル)です。

新学期は、親同士で習い事の情報交換が盛んになるのですが、なかでも「なるほど!」と感じたのは「恥ずかしがり屋の子どもは、演劇で克服する」と言われていることです。

日本で演劇と言うと、芸能界を目指している子のイメージが強いですよね。一方、フランスでは、演じることを通して、「主張を恐れず、自信を持って発言できるようになる」といった効果があるそうです。

実際、恥ずかしがり屋で挨拶もできなかった子が、1年後、学習発表会で主役を演じる姿に驚いたことも覚えています。

こんなふうに、日本とフランスの教育や習い事の考え方を知ることで、その国の人たちの生き方が見えてきますね。

■相手の言葉をしっかり受け取る

「褒められ上手にならなきゃね!」

先日、次男の三者面談がありました。

テストで満点だったことを先生から褒められたのですが、本人は照れて終始真顔。

最後はとうとう、うつむいてしまい、これには私も先生もびっくりしてしまいました。

そんな次男に対して、先生からの「褒められ上手にならなきゃね!」との声かけは素敵でした。

これぞ、堂々と生きるフランス人! 彼らの原点を感じる言葉だと思いました。

大人の私も同じです。謙遜しすぎず、「ありがとうございます!」と笑顔で感謝すること。

相手の言葉をしっかり受け取ることから意識したいと思っています。

■そっと見守り、距離を置く

「思いっきり泣いて」

長男は私と同じ完璧主義の傾向があり、抱え込みすぎて、限界を超えると爆発してしまうことが多々ありました。

そんなときに夫が彼に言う一言、それは「思いっきり泣いて、落ち着いたら話そう」。それだけです。

最初は、「えっ?」と耳を疑ったのですが、問題を話し合える状態になるまで根気よく待つと言うのです。

感情ととことん向き合い、観察する習慣をつくること。

それは自分の性格について知るきっかけでもあります。

子どもが大声で泣いてパニックになったときも、親として思い通りにならないことに、もどかしい気持ちになりますよね。

そんなときこそ、そっと見守り、距離を置くことで、子ども自身が自己解決する力が育まれるのではないかと思いました。

「僕にも交渉する権利がある!」
『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)より

■子どもの感情を汲み取る

「僕にも交渉する権利がある!」

「僕にも交渉する権利がある!」、これは当時3歳の長男が言った一言です。権利を主張することで有名なフランス人ですが、「まさかこんなに小さい頃からはじまるなんて!」と、目が点になりました。

それと同時に、「いつから私は主張できなくなってしまったのだろう?」と回想するきっかけにもなった出来事でした。

私の幼少期は、「子どもだから」と言われることも多く、大人相手に主張する、ましてや子どもが、就寝時間や食事のメニューのこと、子ども部屋の収納のことといった「家庭内のルール」を変えるような提案をすることはありませんでした。

一方、フランスでは、「話してごらん」「説明してごらん」と子どもの感情や考えを汲み取ろうとすることが多いのです。

小さなフランス人の強い軸を育てる、最高の環境。そんな場所で成長できる我が子を羨ましく思います。

■先生によってテキストが違うことも

「私のクラスでは違うテキストを使います。勉強のゴールは同じなので心配しないでくださいね」

3歳から義務教育がはじまるフランス。子どもたちが学校に入学してまず驚くのは、机と椅子の配置が先生によって異なることです。それは小学生になってからも変わりません。クラスでは、その先生の個性が尊重されているのです。

また、日本では、みんな同じ教科書を使いますが、フランスでは先生によってテキストやプリントが違うこともあります。

さらに、英語や物理など、ほかの先生よりも得意な教科がある先生の場合は、1人の先生が複数のクラスを受け持つといった、日本ではなじみのないことが次から次に登場します。仕事でも同じことが言えますが、みんな同じ目標を持っていても、決められた時間をどのように使うかは個々の判断ですよね。

先生たちは学校という枠の中でも各々のスタイルを確立できるので、これはやりがいがあるだろうなあと思いました。

「私のクラスでは違うテキストを使います。勉強のゴールは同じなので心配しないでくださいね」
『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)より

■自分だけで抱えない

「『自立する』とは、必要なときに頼れるということ」
ロッコ『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)
ロッコ『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)

フランスで子育てを通して出会った助産師さん、保育士さん、小児科医の先生、学校の先生……、診察や面談などで、よく「『自立する』とは、必要なときに頼れるということ」と言っていました。

移住して間もない頃は、「フランス人女性はみんな子育ても仕事も両立していてすごい。私も頑張らなきゃ!」と、1人で奮闘し、周りが見えなくなっていました。抱えきれなくなって心がしぼんでしまったことが何度もあります。でも、みんな自分だけで子育てをしているのではないことがよくわかります。

家族や子育てのプロなど、心強いパートナーにしっかり頼っているのです。そう、これが自分の限界を知り、行動できる、自立した人。ひとりで頑張るのではなく、「頼ること」の成功体験を繰り返して、私も「お願いして断られたらどうしよう」と不安になることがなくなりました。

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ロッコ(ロッコ)
デジタルクリエーター
東京出身。ロンドンで写真の勉強をした後、ロンドンにてフォトグラファーとして勤務。その後、フランスへ。南仏マルセイユを経て、現在リヨン在住。フランス人の夫・子ども3人の5人家族。「フランスでやめたこと」をテーマのInstagramは約3.5万人に支持されている(2024年6月現在)。著書に『フランスでやめた100のこと』(大和出版)がある。

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(デジタルクリエーター ロッコ)

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