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ネトフリで懐かしの映画ばかり再生は最悪…和田秀樹「2週間に1回行けば脳が活性化し9年も寿命伸びる場所」

プレジデントオンライン / 2024年8月15日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/miljko

高齢になっても元気な人と老け込む人は何が違うのか。高齢者医療に携わってきた精神科医の和田秀樹さんは「人間の体は使い続けることで、レベルを維持することができます。日常的に脳や体を使う、老けない習慣を身につけることが重要」という――。

※和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

■男性ホルモンは元気の源! したいことをして脳も体も元気に‼️

何かに興味を持つということは、脳が若い証拠です。実際、それを実行することで、脳は活性化し、体も元気になります。

それはホルモン医学から見ても明らかです。歳をとると、体内の男性ホルモン量は自然に低下していきますが、多い人のほうが元気なことは、医学的にも証明されています。

男性ホルモンは、たんぱく質の多い食事や運動習慣によっても、ある程度保つことができます。たとえば肉には、男性ホルモンの材料になるコレステロールが含まれており、肉をしっかり食べる人のほうが元気を維持できます。

80歳にしてエベレスト登頂を成功させた三浦雄一郎さんは、まさに「元気」の代名詞のような方ですが、男性ホルモンの一種であるテストステロンを注入していることは有名な話です。

三浦さんは76歳のときにスキーで転倒し、大腿骨と骨盤を骨折する大ケガをします。入院生活で筋力も低下し、トレーニングの気力も削がれたそうですが、その状態から回復できたのは、男性ホルモンの注入やED治療薬「シアリス」を服用したことも大きかったと雑誌のインタビューで語っておられます。シアリスやバイアグラのようなPDE5阻害剤は、動脈硬化を和らげる作用があることもわかっています。

もちろん、トレーニング(運動)を継続していたことや、エベレスト登頂の目標を見失わなかったことも、三浦さんの元気の秘訣だったことは間違いありません。

■「したいこと」を我慢すると、みるみる老化していく

歳をとってくると、本当はしたいのに「いい年をして」という言葉が頭に浮かび、我慢してしまうことはありませんか? でもやはり、したいことは我慢せず、やったらいいと思います。

例えば、男性高齢者の性的な欲求(エロティックなもの)などですね。世間の常識では「年甲斐もなく」と非難されそうですが、健康面からいえば、積極的になっていいと思います。なぜなら、男性ホルモンが増えるからです。もちろん、法律に反しないことが前提ですけれども。

「したいこと」は、エロティックなものだけではありませんし、男性に限った話でもありません。「楽しいな」「面白そうだな」と思うなら、自分にブレーキをかけず、どんどんやってみたらいいのです。

人間の体はよくできていて、使わない機能は退化(廃用性萎縮)し、使えば活性化していきます。衰えに任せて使わなければどんどん衰退し、奮起して使えば活性化していくのです。脳はその傾向が顕著な器官です。そして、最も脳の活性化に効果があるのが「したいことをする」ということです。人間らしさを司る脳の前頭葉にとって、それはとても刺激的なことになります。

楽しいこと、面白そうだと思うことほど刺激的です。反対に、つまらないことや我慢を強いると、脳の働きは鈍ります。我慢をして毎日をつまらなく生き、脳を萎ませていくか、したいことをして毎日を元気ハツラツと生き、脳を活性化させていくか……。したいことをすることは、脳の老化を防ぐためにも重要なのです。

■一流のモノばかりでなくていい。「自分にとっての本物探し」をする

脳が喜ぶとっておきの場所としてぜひ足を運んでほしいのが落語の寄席です。寄席で落語家さんの話芸に触れ、笑いに興じましょうというわけです。同じ「笑い」でも、テレビのバラエティ番組の笑いに脳はあまり反応しません。やはり「本物の芸」に触れれば脳も喜ぶ、つまり「脳から笑う」ことができるのです。

ところで脳が喜ぶ「本物」というのは、何も万人に認められた「一流」である必要はありません。例えば食べ物なら、寿司、ラーメン、餃子、そば、コロッケ……など身近なものでも、「これには一家言ある。こだわりがある」といえるものがあれば、それだけでもあなた自身は「本物」と感じるものです。

和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)
和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)

三つ星レストランのメニューではなく、B級グルメでも、あなたの舌が「極上」と評価するのです。そういうものを、自分の足で探して見つけてみましょう。それが、「自分にとっての本物探し」ということです。

すでに自分の日常になっているものではなく、まだ知らないけれどきっと「これだ!」と思えるものをワクワクしながら探索しているとき、前頭葉も興奮してフル回転します。

前頭葉は未知のものが大好きです。そして本当に「これだ!」と思えるものに出会えた瞬間、脳は至高の喜びを味わい、活性化されるのです。

■音楽を聴くなら新曲を。映画を観るなら映画館で新作を

かつては次々と新曲をマスターし、「カラオケクイーン」との異名をとるほどだったのに、今はカラオケに行っても十八番を2、3曲歌ってお茶を濁すだけ……。

昔は映画館にもよく行ったけれど、最近はネットフリックスなどで、かつて映画館で観た懐かしの映画ばかり再生してしまう……。

Apple TVのリモコンでNetflixを利用する人
写真=iStock.com/Marvin Samuel Tolentino Pineda
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Marvin Samuel Tolentino Pineda

これらは脳の「老化現象」からくる行動です。こんな習慣を続けていたら、脳は老化の一途をたどるだけです。脳の前頭葉は、目にしたことがないもの、耳にしたことがないものによく反応します。新しいものを観たり聴いたりする行動が脳を活性化させ、若さを保ちます。

音楽を聴くなら新曲、カラオケで歌うなら歌ったことのない曲にぜひ挑戦してみましょう。映画を観るなら封切映画館で話題の新作を楽しみましょう。

ちなみに、イギリス・ゴールドスミス大学の研究で、コンサート会場に20分間いると幸福感が21%上昇することがわかったそうです。他の行動では、犬の散歩が7%増、ヨガが10%増だったそうです。

また、コンサートが精神に与える効果はとても高く、他にも自尊心と他者への親近感がそれぞれ25%、精神的な刺激は75%も上昇したとの報告です。

さらに、2週間に1回コンサートに行く習慣を身につけると、寿命が9年も伸びると発表されています。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

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(精神科医 和田 秀樹)

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