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「ごみを集めて、出して、新しい袋をかける」まで夫に指示を出す…家事分担のイライラが消える割り切り方

プレジデントオンライン / 2024年8月21日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fdmsd8yea

どうすればもめずに家事分担ができるのか。6人の子育てと仕事を両立するFPの橋本絵美さんは「なぜ夫に当事者意識がないのか、と考えているうちは何も解決しない。反対に、当事者意識を持ってもらうことを諦めると意外とうまくいく」という――。

■「家事をしてくれない」という不満が消える

独身世帯であっても夫婦2人世帯や子育て世帯であっても避けて通れないのが毎日の家事。生きていく上で欠かせません。特に共働き子育て世帯の場合は家事分担が悩みというご家庭も少なくないでしょう。

共働きではなかったとしてもご主人が靴下や服を脱ぎっぱなしにする、家事を全然してくれないという不満の声も聞こえてきそうです。

子ども6人共働きのわが家では家事は家族みんなが快適に暮らすためにとても大事な仕事です。橋本家で実践する家事分担のコツを教えます。

押さえておきたいポイントの一つ目は家事は雑務ではなく、大切な仕事であると認識することです。家事は仕方なくやるものと感じている方が多いのですが、実は家事を前向きに積極的に行うことで生活の満足度が上がり、幸福感が得られます。そうすると仕事でもいいパフォーマンスを出すことができます。

ただし、固定観念にとらわれた家事を行うと、それは苦痛でしかないと思います。なぜなら本来やらなくてもいいことまでやっているからです。やる意味のあることを効率よく行うことで家事は格段にラクになり、意味のあること、価値のあることができると楽しくなります。

■諦めると逆にうまくいくという逆説

多くのご家庭ではママが家事や片づけを行い、パパや子どもたちは手伝うこともあるけれど、基本的に家事は自分は担当外、でも散らかすのは得意という図式になっているのではないでしょうか。そして、ママはイライラが募るという……。

なぜ家事をしてくれないのか? そもそもなぜパパには当事者意識がないのか? どうすれば当事者意識が生まれるのか? と心底疑問に思うことでしょう。

残念ながらこのように考えているうちは何も解決しません。反対に、当事者意識を持ってもらうことを諦めると意外とうまくいきます。

苦手な方に当事者意識を持ってもらったり、考えて動くことを求めても成果は出にくいので、もう諦めて夫婦のどちらか得意な方が家事責任者となり、もう一方に指示を出したり、マネジメントすると割り切りましょう。その方がイライラせずに済みますし、家事自体スムーズになります。

わが家の場合、全体責任者は私です。なぜなら、私の方が効率よく家事をしたり、マネジメントするのが得意だからです。私がマネジメントして、能力や適性に合った家事を任せるようにしています。わが家の場合、第5子出産時に産褥期の家事を任せたことにより、パパは主体的に動いてくれるようになりましたが、子どもたちはまだなかなか主体的に「あ、そろそろやっておかないとな」と気づくところまではいっていません。そこは全体責任者である私が声をかけます。「考えてやってよ」とイライラするより、その方がよっぽど効率的に家事がすすみます。

■家事を超効率化する7カ条

また、大事なのは家事自体を効率よく、シンプルにすることです。家族で家事を分担したとしても、家事自体がやりにくいと、普段家事に慣れていないパパや子どもたちは業務を遂行することができません。ママ自身も仕事と育児と家事と忙しい毎日を送っていることでしょう。家事は少しでも効率化し、シンプルにして、みんながなるべく家事以外のことに時間を使ってほしいと思います。

私自身、6人の子育てと仕事と家事を両立できているのは家事を徹底的に効率化しているからだと思います。やらないといけないという固定観念を捨てる。また、他にいいやりかたがあるのではないか? と常に改善し続ける。1動作でも1分でも家事の時間を減らすことができたら、家事は毎日のことなのでチリも積もって山となります。そもそも家事におけるイライラもそんなに難しいことではなく、小さいイライラが毎日積もったもののはず。家事を効率化させる方法をいくつかご紹介します。

【図表】家事を効率化する7カ条
1 家事を見える化する

家事を効率よく行い、負担を減らすためには、誰がどの家事を担当するのが良いか、そもそも不要な作業はないか、どの順番で行うのが効率的かを考える必要があります。そのために今行っている家事を全て洗い出してみましょう。見える化することで指示も出しやすくなります。

2 誰が担当すると効率がいいか

家事を家族それぞれの担当制にすることがおすすめです。わが家では「名もなき家事」と料理は私が行い、名前をつけられる家事はとことん担当制にしています。

よく、旦那がごみ出しだけしかしないといった愚痴を聞きますが、ごみを集めて、出して、新しい袋をかけるところまで指示を出し、パパ担当にします。これらが、私の言う「名もなき家事」の一つです。

家事として意識されていませんが、他にも、この家事とも呼べないような小さなタスクが、いくつもあります。これらもなるべく見える化して、担当を振り分けられるといいですね。ただし、名もなき家事はどうしても発生してしまうものなので、そこは私が担当と割り切る方が幸福かなと思っています。

3 家事のルーティン化

考えて行動することができるところまでいけば最高ですが、なかなか難しいものです。そこはできないと割り切って、ルーティン化することをおすすめします。

わが家では、朝の掛け声は「着替え・洗濯物・朝ご飯」です。朝のルーティンとして着替えて、自分の担当の家事を一つして、朝ご飯を食べるという流れです。子どもが小さい時に最初に行う家事が洗濯物干しだったのでこの掛け声になりましたが、実際には各自それぞれの担当の家事を一つ行っています。ご飯を食べたら歯を磨くように家事もルーティンにすることで自然と行うことができるようになります。

■置きっぱなしにする場所を置き場にする逆転の発想

4 ユニバーサル収納

誰が見てもどこに何があるかわかる収納にしておくことが大事です。また、自然とそこに置いてしまう収納を作ると、家事が格段にラクになります。基本的に子どもは(大人も!)出すことは簡単にできますが、しまうことは苦手です。なので、置きっぱなしにするところをそもそもその置き場にしてしまうと、自然としまうことができるようになります。

例えば、わが家では、リビングにランドセル置き場を作っていました(今は棚にしまう習慣がついたので棚ごと隣の部屋に移しています)。私と主人のカバン置き場もリビングです。もし、玄関に置きっぱなしにするようなら玄関にすると良いでしょう。

また、収納は分類は細かすぎず、余裕を持った収納にすると良いでしょう。入れにくいとしまわなくなってしまいます。

5 最も効率の良い家事導線を考える

家事の導線が悪いと効率が悪く、時間がかかったり、手間がかかったりします。手間がかかるとやるのが億劫になり、やらなくなってしまいます。家事導線を考えて家具の配置を変えたり、部屋の使い方を見直してみるといいでしょう。

なかなか間取りを変えることは難しいですが、置き場所を少し変えるだけで家事は格段にラクになります。家事は一つひとつは簡単ですが、膨大な量の業務があります。これらを一つひとつ見直して少しでも動作を減らしたり、時間を減らすことを意識してみましょう。

6 家電を駆使する

家電がやってくれることは全て家電に任せてしまいましょう。わが家ではドラム式洗濯乾燥機を導入したことにより、洗濯物を干すという作業がまるっとなくなりました。たたむのに30分くらいはかかると思いますが、それがまったく不要になったのです。

また、食洗機が食器を洗ってくれるので、食器を洗う時間30分が浮きました。食洗機に食器を入れるのは1~2分で済みます。ロボット掃除機が掃除機掛けをしてくれるので掃除機をかける15分が浮きました。また、ロボット掃除機が掃除ができるように片づけることで部屋もすっきりします。

自動調理器もとても便利です。調理時間自体は火を使うよりも長いのですが、調理中は何もする必要がないので、その間他のことに時間を使うことができます。ちなみに私はドラム式洗濯乾燥機が洗濯をし、食洗機が食器を洗ってくれ、ホットクックが調理をしてくれて、ロボット掃除機が掃除機がけをしてくれる中、ソファーに座って優雅にコーヒーを飲みながら読書をする時間が一番好きです(笑)。

女性がソファでリラックス、すぐそばの床をロボット掃除機が稼働中
写真=iStock.com/Korrawin
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Korrawin

■最大の敵は固定観念や思い込み

7 不要なモノを減らす

不要なモノが沢山あると管理する手間が発生します。片づけにも時間がかかりますし、必要なモノも使いにくくなります。

旅行中に必要なモノだけに囲まれると、とても快適で幸福を感じることでしょう。ぜひご自宅でも必要なモノだけに囲まれる暮らしをしてみてください。

昔必要だったモノやいつか使うかもしれないモノを大切にするのではなく、今をもっと大切に、今をもっと快適に暮らすことをおすすめします。

8 不要なコトを減らす

不要なモノ同様、不要なコトも減らしましょう。やらなくても済むことを絶対にやらなくてはいけないという固定観念や思い込みで行ってはいないでしょうか?

例えば、わが家では洗濯物を干すことをやめたとお話しましたが、たたむこともやめました。乾燥はドラム式洗濯乾燥機に任せ、たたまずに引き出しにポイポイ入れています。

家事は人の手でやるべきだと思い込んでいませんか? 家電に任せられることは任せ、やらなくても不便のないことはやめてしまいましょう。

まとめ

わが家は6人の子どもがいるので、いかに家事をシンプルに楽に生活の満足度を上げるかということを常に考え改善し続けてきました。今ではとことんシンプルになり、とても楽に楽しく家事ができています。子どもたちも一人ひとり自分ができる家事を行うことで家族としての一体感も生まれている気がします。とはいえやはり一番家事を行っているのは私ではあるのですが、それは私の大事な仕事であると思っています。でも、困ったときはお願いしたりすることもあり、家族みんなで協力して家事ができるのは本当にありがたいです。

結局のところ不満が出る原因は話し合いやコミュニケーションの不足にあるのではないでしょうか。仕事のつもりで、家事についての話し合いや業務のすり合わせをする時間をつくってみましょう。家事を楽にする工夫についていろいろとお話しました。ぜひ家族で協力して、みんなが笑顔で暮らせる家庭経営を目指してください!

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橋本 絵美(はしもと・えみ)
はしもとFPコンサルティングオフィス 代表
6人の子どもを持つママFP&お片づけプランナー。福岡県出身。小さな頃から「大家族のママになりたい!」という夢を持ち、慶應義塾大学商学部卒業後、学生時代から交際していた夫と結婚。現在、中学2年生から3歳まで2男4女の子育て中。

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(はしもとFPコンサルティングオフィス 代表 橋本 絵美)

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