1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「そのうち、ご飯でも行きましょう」と言うくらいなら何も言わないほうがマシ…デキる人が代わりに言う言葉

プレジデントオンライン / 2024年9月1日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/shironosov

相手に好意を伝える話し方は何か。作家の有川真由美さんは「『今度、ご飯行きましょう』など社交辞令っぽい言葉は、一見、相手を気遣っているようだが、じつはお互いのためになっていない。言ったことをそのまま放置していては、期待した人を失望させることになる。単に「飲みに行きましょう」ではなく、「いつ」「どこに」「だれと」「どんな機会に」など具体的な情報をひとつでも入れると、自分の言葉になり、実現もしやすくなる。完全でなくても、できるだけ心と言葉、行動を一致させようとする人は誠実であり、信頼される」という――。

※本稿は、有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■自分の話が聞き手にとって、どのくらい価値があるのか

「この圧力鍋は業界一と評判で、昨年は前年比150%の売上でした」
 ↓
「忙しくされている○○さんが調理時間を半分に縮める効果がありますよ」

話がつまらない人は、「自分が話したいこと」を話します。

話が面白い人は、「相手が聞きたいこと」を話します。

あなたも興味のない長い話に付き合ってうんざりした経験がありませんか?

「相手が聞きたいこと」の切り口で話せる人は、自慢になりそうな話でも、営業トークでも、延々と話しまくっても嫌な印象にはならないのです。

自分の話が聞き手にとって、どのくらい価値があるのか? を意識することは、とても重要です。相手に提供できる価値が大きいほど、会話の回数が多いほど、当然、リターンも大きくなるわけですから。

年齢や立場、価値観が違っても、「相手がなにに興味があるか」「なにを切り口に話したら喜んでもらえるか」を考えて話すと、喰いついてくるポイントがあります。

たとえば、初対面の人に自分の仕事について話すときは、相手が知っていることや貢献できること、共通点などを軽く投げながら、相手の反応を見るといいでしょう。

友人や同僚など近しい人でも、相手の興味や好みをわかっていれば、話のネタに事欠きません。深い会話もできるし、深い関係性もつくれるのです。

■具体的な「数字」「固有名詞」で伝える

「ちょっと待っててください」
 ↓
「10分ほどお待ちください」

「ちょっと待ってて」と言われて、「え? いつまで待てばいいの?」とツッコミたくなることはありませんか。

そう、「相手に寄り添う話し方」とは、「それでちゃんと伝わる?」と“ツッコミを入れる自分”をもつことなのです。

「ちょっと待ってて」と言われて、「1、2分」をイメージする人もいれば、10分をイメージする人もいます。だれが聞いても自分と同じイメージをもってもらうには、具体的な数字、固有名詞で伝えるといいでしょう。

「会議資料、多めにコピーして」
→「会議資料、人数プラス3部、コピーして」

「例の件、どうなった?」
→「A社の企画営業の件、どうなった?」

「最寄り駅からそこそこの距離です」
→「品川駅から徒歩15分ほどです」

相手に腕時計を指し示すビジネスマン
写真=iStock.com/pcess609
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pcess609

具体的にわかりやすく話してくれる人は、「話が通じやすい」という印象があり、話がかみ合わない、誤解が生じる、「言った」「言わない」などのトラブルも少ないはずです。

自分の伝えたいことを相手に伝わるように話すために、相手目線で「それで伝わる?」とツッコミを入れることを意識してみてください。

■ときには社交辞令なしで、ストレートに話す

「そのうち、ご飯でも行きましょう」
 ↓
「仕事が落ち着いた来月前半あたり、ご飯でも行きませんか?」

「今度、ご飯行きましょう」「前向きに検討します」など社交辞令っぽい言葉に、「ほんとは行く気ないでしょ」「どうせ検討しないでしょ」と思ったことはありませんか。

社交辞令とは、その場の空気を壊さず、ものごとを円滑に進めるために使う曖昧な言葉。あいさつやほめ言葉、ビジネスシーンなどではよく使われ、一見、相手を気遣っているようですが、じつはお互いのためになっていないのです。

なぜなら、社交辞令と思われた時点で、言葉が薄っぺらになりますから。言ったことをそのまま放置していては、期待した人を失望させることになります。

社交辞令では心は通い合わず、会話も関係も発展しないのです。

社交辞令を言うくらいなら、なにも言わないほうがマシ。

その気があるなら、ありきたりな言葉でなく具体的に自分の言葉で話せば、相手の心にも届くはずです。

単に「飲みに行きましょう」ではなく、「いつ」「どこに」「だれと」「どんな機会に」など具体的な情報をひとつでも入れると、自分の言葉になり、実現もしやすくなります。

完全でなくても、できるだけ心と言葉、行動を一致させようとする人は誠実であり、信頼されます。世の中は社交辞令で取りつくろった“口達者”より、口下手でも誠実な“正直者”が最後にトクをする仕組みになっているのです。

■「好き」と言わずに「好き」を伝える方法

(無表情で、そっぽを向いて)
「それは、よかったですね」
 ↓
(笑顔で、体ごと向けて弾んだ声で)
「それは、よかったですね!」

人の印象は、「なにを話しているのか」という話の内容よりも、それを「どんな表情で発しているのか」のほうが大きく左右します。

たとえば、怒った表情で腕組みをして「ちょっといいですか」と話しかけられたら、なにかよくないことではと身構えてしまうでしょう。逆に、にこにこしながら「ちょっといいですか」と話しかけられたら、笑顔で「どうしました?」と応えるはずです。

意見を伝えるときに、だらしない姿勢でぼそぼそと言っては説得力がありません。背筋を伸ばしてハッキリとした口調で伝えると、自信があるように感じられ、相手もちゃんと聞こうという態勢になります。

どんな表情で話すかは場面によって違いますが、幸運な毎日を過ごそうとするなら、まずは3割増しの笑顔を心がけるといいでしょう。

微笑む気分でないときも、微笑むことで脳内の肯定的な感情が活性化されるといいます。「笑う門には福来る」というように笑顔は自分も相手もいい気分にして、幸福がめぐってくるパワーがあるのです。

「好き」と言わなくても、笑顔や視線で好意を示すことができます。「3割増しの笑顔」「背筋を伸ばして相手に体ごと向ける」「ゆっくり丁寧に話す」の3点を心がけると、ほとんどは好意的な言葉が返ってくるのではないでしょうか。

■あいさつは自分から、ひと言添えて

あいさつをされて
「あ、おはようございます」
 ↓ 
自分から
「おはようございます! 今日は早いですね」

「社長のためなら、なんでもします」と社員たちに言われるほど愛されている女性社長がいます。彼女に心がけていることを聞くと「自分からあいさつすることかな」とシンプルな答え。

「おはよう」「おつかれさまです」「いってきます」「この前はありがとう」など自分から声をかけることで会話も増えて、人間関係も円滑になるのだとか。

一方であいさつを避ける人、言われてから応じる人もいますが、あいさつを自分からするかどうかで、格段に印象の差がついているのです。

実際に、気持ちのいいあいさつをされると、ほっとしたり、うれしくなったりするもの。あいさつは、単なる礼儀ではなく、「あなたの存在をちゃんと認めています」というサインであり、仲良くなったり、緊張をほぐしたりする効果もあります。自分から心を開ける人はより多くの喜びを与えて、愛されるのです。

有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)
有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)

また、あいさつ上手な人は、「調子はどう?」「いい天気ですね」「あれ? 髪切りました?」などひと言を足して、ちょっとした会話にします。

むずかしく考えなくても、“小さな気づき”をそのまま口にするだけで会話は成立するのです。

あいさつは“慣れ”であり、自然に自分から声をかけられるようになると、人間関係も良好になります。

相手に心を開く一歩は、ぜひ自分から踏み出してください。

----------

有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家
鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。

----------

(作家 有川 真由美)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください