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「自分の話でなく相手の話を聞く」だけでは不十分…真に聞き上手な人が使っている"シンプルな構文"

プレジデントオンライン / 2024年9月5日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rawpixel

聞き上手な人は何をしているか。作家の有川真由美さんは「人は自分の話に対して、楽しそうにリアクションをしてくれる人に話したくなる。『それはすごい!』『いやぁ、うれしいですね~』などとゆたかに感情を表現してくれる人と話すと、うれしくなって、ついつい話しすぎてしまう。喜怒哀楽やおどろき、好きといった感情は言葉では言い尽くせないので、顔の表情や身振り、声のトーンなども総動員して『3割増し』で表現するといい」という――。

※本稿は、有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■自分の話を聞いてくれる人のことを、人は好きになる

「○○さんも非正規ではなく、ちゃんと正社員として働くべきよ」
 ↓
「○○さんはこれからどんなふうに働いていきたい?」

幸運な人とは、魅力や才能があって人を圧倒する人でも、押しが強くて自己アピールが得意な人でもありません。

目の前の人に対して「この人はどんな人かな?」「この人のためになにかできるかな?」と興味と好意をもてる人。

だから、例外なく“聞き上手”です。

営業でも「うちの商品はいいですよ~」「ともかくまずは話を聞いてください」と口を挟む余地なくペラペラしゃべる人は敬遠されるもの。

口数が少なくても「なにか困っていることはありませんか?」「どんな感じがお好みですか?」と人の話をちゃんと聞いてくれる人は信頼され、相手が喜ぶものを提供できるのです。

「相手の話をちゃんと聞かなければ」と頑張る必要はありません。相手に興味をもてば、自然に聞き上手になります。

初めて会う相手なら、「面白いところがあるはず」「いい縁になるかもしれない」、普段会う相手でも「こんなところは素敵だな」「まだまだ引き出しがありそう」と好意と好奇心で宝探しをするように接してみましょう。

先入観で「どうせこの人とは話が合わない」「この人の話はつまらない」と、わかった気になって決めつけることが、いい縁も幸運も遠ざけてしまいます。

人は、自分に興味をもって話を聞いてくれる人のことを好きになるのです。

■いいリアクションで好感度アップ!

(無表情で)
「ふーん、なるほど。で?」
 ↓ 
(びっくりした表情で)
「えーー⁉️ ほんとうですか。それ、面白いですね~」

「聞き上手」というと、的確な質問をして相手の話を引き出したり、あいづちのバリエーションが豊富でテンポよく聞いたりする人を想像するかもしれません。

もちろん、そんな人もいますが、それよりも話したくなるのは、自分の話に対して、楽しそうにリアクションをしてくれる人でしょう。

「それはすごい!」「いやぁ、うれしいですね~」「えぇっ! そんなことってあるんですか?」とゆたかに感情を表現してくれる人と話すと、「私の話はそんなに面白い?」とうれしくなって、ついつい話しすぎてしまうこともあります。

無表情に「へー」「ふーん」「そうですか……」と返されると、「自分の話はつまらないのかな」と自信がなくなり、話していてもつまらなくなってくるはずです。

会話は単なる情報の交換ではなく、感情のやりとり。

喜怒哀楽やおどろき、好きといった感情は言葉では言い尽くせないので、顔の表情や身振り、声のトーンなども総動員して「3割増し」で表現しましょう。

仕事などでは感情を出さないほうがいいと思われがちですが、人間は感情の生き物。人間関係も経済も人の感情が生み出しています。

にこにこしながら話を聞き、ところどころで大きなリアクションを心がけることが、聞き上手の第1歩です。

公園を歩く正装の笑顔の夫婦
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokouu

■「否定」はせずに、とことん「肯定」「共感」する

「そのアイドルのどこがいいの?リアルな恋愛でもしたら?」
 ↓
「そのアイドルが好きなのね。応援する人がいるだけで、元気になれるよね」

単なる雑談なのに、いちいち「私はそうは思わない」と話の腰を折る人には、話していて疲れるもの。「この人とはもう話したくない」という気分になります。

話をするほうは「ただ話を聞いてほしい」と思っているのです。意見を一致させたいわけでも、アドバイスや結論がほしいわけでもありません。

否定されると、たちまち不安や嫌悪感が生まれて、心を閉ざしてしまいます。

「そうそう」「たしかにねー」「納得」「わかる、わかる」などと肯定されると、自分を受け入れてもらっているという安心感があり、気持ちよく話せます。

一見、ネガティブな話にも「それがあなたのいいところよ」「辛い経験は糧になっているね」など肯定してもらえると、感動すら覚えます。

「そんなことがあったのね」という事実をなぞるよりも、「それはよかったねー」「うれしかったね」「それは辛いよね」「気持ちはわかる」と“共感”すると、さらに「この人は気持ちをわかってくれる」と心を許せるようになります。

肯定、共感できない部分は「そうなんだー」と流して、部分的にでも「それは一理ある」「そういう気持ちになることもある」と寄り添えばいいのです。

大切なのは、お互いが心地よくあること。「この人は話しやすい」「また話を聞いてもらいたい」という信頼関係ができると、自然にさまざまなことがうまくいくのです。

■聞き上手な人は、自分から「自己開示」する

「○○さん、結婚は? 恋人は? 結婚についてどう思う?」
 ↓
「私はひとり暮らしなんです。○○さんはご家族は?」

壁をつくらず、オープンに話をしてくれる人には安心するもの。

「私もこんなことがあってね」と自然に心を開いて、聞き役と話し役が交互に入れ替わり、話は盛り上がるわけです。

初対面で「年齢は?」「出身は?」「仕事は?」「結婚は?」と質問攻めにする人がいますが、この方法では警戒心ができて、信頼関係を築けないでしょう。

かといって、あたりさわりのない表面的な会話をするだけでも、親しくなれません。

ほんとうの聞き上手は、自分から積極的に自己開示します。

「私は~ですけど、あなたは?」と聞きやすそうな質問から入り、少しずつ自己開示を広げていきます。

話しにくそうなことはあえて聞かず、自分から話してくれるのを待ちます。

なんでも話せばいいというわけではなく、線引きをする必要はありますが、軽い黒歴史や失敗談を話すと、相手も肩の力が抜けて、信頼されていると感じるでしょう。

近しい同僚や友人に「いま、こんなことを考えていて」「ちょっと困っていて」「うれしいことがあって」と内面をさらけ出すことは、心の癒しになります。

話が盛り上がるのは互いが「話したい、聞きたい」と感じているときなのです。

■興味がない話を聞くときは、視点を変えてひと工夫

「ゴルフですか、いいですね……」
 ↓
1“人柄”
「10年もゴルフを続けているなんて、部長は努力家ですよね」
2“気持ち”
「次のゴルフのことを考えると、仕事も頑張れるんじゃないですか」
3“自分”に引き寄せて教えを乞う
「私、やったことがないんですけど初心者でもグリーンに出られますか」

目上の人などの“興味のない話”は、無理して聞かなくてもよいのです。聞くことを放棄するのではありません。指揮者になったつもりで、話を展開していくのです。

すると、案外、興味深い話が聞けることもあります。

興味のない話を面白くするのは、聞いている側の視点次第。

大事なのは、「この人はどんな人だろう?」と相手に興味をもって、人間探求のつもりで聞くことです。

有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)
有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)

まずは、相手の話にからめて、人柄や気持ちを知る質問をしてみましょう。

たとえば武勇伝や自慢話を聞くときは「勇気がありますよね」「○○が好きなんですね」というように。「どうしたらそうなれますか?」「○○について知りたいです」と自分に寄せて教えてもらうのもあり。

とくに目上の人の話を熱心に聞くと、かわいがってもらったり、チャンスをもらえたりするもの。年齢や境遇が違う人ほど、学ぶこと、刺激になることは多いのです。

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有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家
鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。

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(作家 有川 真由美)

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