「あの人、仕事できないよね」愚痴や悪口ばかり言ってくる人に角を立てずに話をズラす「正解の切り返し」
プレジデントオンライン / 2024年9月6日 15時15分
※本稿は、有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■愚痴や悪口を5分10分聞いた後の「切り返しフレーズ」
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「そうなんだー。たいへんだったね。ところで、明日のランチ、どこ行く?」
あなたは同僚や友人、家族から愚痴や悪口を延々と聞かされたあと、ぐったり疲れたことはありませんか。
相手は「会社に腹が立つわ~」「あの人、仕事できないよね」と吐き出すことでストレスを発散しているのですが、そんな心の毒を受け取ると、こちらまで気分が毒されていくのです。
我慢して聞くのもイライラするし、「愚痴を言ってもしょうがない」とばっさり切り捨てるのも角が立つでしょう。
いつも愚痴や悪口を言っている人は、思考のクセなので、まともにとり合わないことです。
同調すると「話が合う」と勘違いして、接近してくるでしょう。
「そうですかー」「そう思ったんですね」などと薄いリアクションをしつつ、5分10分聞いたら、「ところで、明日は休みですよね」「そういえば、ウォーキング続いてます?」などと話を切り替えるといいでしょう。
もっともよくないのは、共通の敵をつくって、愚痴や悪口でつながることです。
一時的に傷をなめ合っても、長期的な幸せからは遠ざかってしまいます。
幸運な考え方の人は、安易にネガティブな言葉は使いません。
それをいちばん聞いているのは自分自身。嫌な気持ちになって自分自身を傷つけることを知っているからです。
■悩みごとや相談は、ただ聞くだけでいい
↓
「それは辛いよね。そういうことってあるよね」
日常的な愚痴や悪口はできるだけ遠慮したいけれど、相手が落ち込んでいるときや、真剣に悩んでいるときなど、「話を聞いてあげたい」と思うことがあるものです。
そんなときに、よかれと思って途中で「ま、元気出して」と口を挟んだり、「○○するといいよ」と、あれこれアドバイスしたりする人がいますが、悩みごとのほとんどは「ただ聞いてほしい」のです。
「彼氏と別れようと思ってるんだ」なんて話しているとき、言うことがまとまっているわけではなく、自分のことを客観的に見つめながら、頭のなかを整理しています。
そのため自分で「彼のことを信じてあげなきゃね」と気づいたり、結論が出なくても「話したらスッキリした」と気持ちがラクになっていたりするはず。
寂しさ、悲しみ、怒り、辛さ、苦しみ、不安などネガティブな気持ちを言語化して外に出すことは、心のデトックス。
話を聞いてもらった相手に連帯感を覚えて、心強くなる効果もあります。
「この人に話を聞いてほしい」という人になるには、否定もアドバイスもせず、ただ寄り添って話を聞くことです。
職場、家族、友人……そんな人になるだけで大切にされます。互いに信頼したり、成長したりできて、当然、幸運もやってくるのです。
■質問は「過去」→「現在」→「未来」の順で
(現在)「どんなときにやり甲斐を感じますか?」
(未来)「これからどんな活動をされたいですか?」
「相手のことをもっと知りたい」というとき、会話の質が上がる質問の仕方があります。
それは、「過去」から入って「現在」「未来」の時系列で話してもらうことです。
聞き上手とは「話させ上手」。過去の事実は、実際に起こったことなので、だれもがするすると話すことができます。
たとえば、いきなり「これから学んでみたいことは?」と未来の質問をされても答えにくいもの。「大学時代の専攻は?」「英語をどんな方法で学びました?」など過去の質問から入ってみましょう。
「いまも英語を使う機会はありますか?」(現在)、「なにか受けたい試験とかありますか?」(未来)の順で広げていくと、相手は頭を整理しながら話すことができます。
しゃべりやすいうえに「自分に興味をもってくれている」と好感度もアップ。
営業でなにかを提案するときも「これまでどんなものを使っていました?」と過去から入り、「気に入っている点、問題点は?」と現在の状況を聞き、「じゃあ、つぎは○○なんてどうですか?」と未来の提案をする流れがスムーズ。
お客さんにとっては「自分のことを知ったうえで提案してくれている」と説得力を感じるでしょう。
まず過去のことを質問すれば、話に深みと広がりが出てくるのでぜひお試しを。
■感情のオウム返しが共感を生む
↓
「それは楽しみですね。ワクワクすることがあると、仕事も頑張れますよね」
話を聞くときに、相手が言った言葉をそのまま返して話を促す「オウム返し」という手法があります。
「初めて上司にほめられたんだよね」という話に「初めてほめられたんだー」などと返すことですが、“事実”のオウム返しでは、場合によっては冷たく感じられたり、嫌味っぽくなったりすることもあります。
「それはうれしかったね」と言葉には表れていない“感情”のオウム返しをすると、話すほうも「気持ちをわかってくれる」と感じて、一体感が生まれます。
会話がポジティブな内容なら、「うれしいね」「ほっとしたね」などと感情のオウム返しをしながら笑顔で返し、ネガティブな話題なら「辛いよね」「不安だよね」と顔の表情や声のトーンも合わせて返しましょう。
相手が仕事でたいへんそうなときは、明るく対応するのではなく、あえて「疲れてない?」とネガティブな感情に同調すると、「そうなの。家でもいろいろあってね」と本音を話したくなるでしょう。
かつて「駐車場で当て逃げされて……」と友人に話したら、私以上に友人が「むちゃ腹が立つ~!」と大激怒。
それを見て自分の怒りが静まり、気がラクになりました。
相手がうれしいときは一緒に喜び、悲しいときは一緒に悲しむ……。そんな共感ができる人になったら、人が集まってくることはまちがいありません。
■自然と話したくなる3つの質問
「いちばん好きなのは?」(いちばん)
「うまくいくヒケツは?」(秘訣やコツ)
「共通の話題がない」「タイプが違いすぎる」と敬遠してしまいがちな相手でも、しゃべりたくなる質問があります。
まずは“きっかけ”を聞く質問。「料理にハマったきっかけは?」「いまの仕事を始めたきっかけは?」「ご主人(奥様)と結婚したきっかけは?」というような、“そもそも”の始まりや動機は話しやすく、その人の背景を知ることができます。
つぎに「いちばんの得意料理は?」「いちばんうれしかった(苦労した)ことは?」「いちばんの思い出は?」など“いちばん”を聞く質問。
好きなこと、熱中していることの頂点は楽しくしゃべれるもの。相手の価値観や指向もうかがえます。
「教えてほしい」というスタンスで“秘訣”を聞くのも、相手の自尊心を満たし、気持ちよくしゃべってもらえる質問です。
「料理を短時間でつくるコツってありますか?」「お客様に信頼してもらえる秘訣は?」「夫婦仲良くする秘訣は?」といった質問は、聞く側にとっても役に立つので、話が弾むでしょう。
話してくれたら、「面白いですね~」「それは意外でした」「素敵だなぁ」と大きなリアクションで「あなたの話は聞く価値があります!」と示しましょう。
本来、だれもがしゃべりたいのです。話を熱心に聞いてくれる人は安心して心を開く存在になるはずです。
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作家
鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。
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(作家 有川 真由美)
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