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市販の睡眠薬よりも効果的…専門医が「ぐっすり眠れるようになる」と断言する"100円で買える最強食材"

プレジデントオンライン / 2024年9月5日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/oatawa

疲れを取り除くにはどうすればいいのか。睡眠専門医の白濱龍太郎さんは「睡眠の質を上げることが大切だ。トリプトファンという栄養素を朝からしっかり摂取することで、深い眠りは実現できる」という――。

■「眠りを誘うホルモン」の分泌がカギを握っている

眠っても疲れが取れない、夜中に何度も目が覚めてしまうという人は、睡眠が浅い傾向にあります。

深い睡眠をとるうえで効果的なのは、食生活による睡眠の改善です。

「食べ物って睡眠に影響があるの?」と意外に思われるかもしれませんが、食べ物と睡眠には密接な関係性があることがわかっています。

なぜなら、ぐっすり眠るためには「トリプトファン」という栄養素が欠かせないからです。

そもそも睡眠の質を高めるには「眠りを誘うホルモン」ともいわれている「メラトニン」の分泌がカギとなりますが、このメラトニンの材料となる成分が、トリプトファンです。

トリプトファンとは、牛乳から発見されたアミノ酸で、体内では生成できず、食品からしか摂取できません。

トリプトファンは体内に入ると自律神経の働きを活性化させ、心のバランスを整える「セロトニン」というホルモンに変わります。そして、日中に体内で分泌されたセロトニンは、夜になるとメラトニンに変化します。

つまり、メラトニンの分泌を高めるためには、セロトニンが昼までにしっかり分泌されていることが大切です。そのためにも、朝からしっかりとトリプトファンを摂取することが重要になります。

■トリプトファンが多く含まれる食材

それでは、トリプトファンが多く含まれる食材をご紹介します。

●豆腐や納豆などの大豆製品
●かつお、まぐろ、牛肉などのタンパク源
●チーズや牛乳などの乳製品
●卵やナッツ類、バナナなど

ちなみにトリプトファンはインスリンによって脳へと運ばれるので、白米などの炭水化物と一緒に摂るのがおすすめです。

焼き鮭、納豆、白米、みそ汁といった和食の朝ごはんは、ぐっすり眠るうえでは理想的な食事といえます。洋食ならば、ベーコンエッグ、チーズトースト、ヨーグルトといった乳製品をしっかりと摂れるメニューもおすすめです。

私が特におすすめしたいのは、「蒸し大豆」。スーパーで100円ほどで購入できます。

日本の伝統食である大豆
写真=iStock.com/manbo-photo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/manbo-photo

蒸し大豆は、水を加えることなく蒸しているので、栄養素がしっかりと保たれています。さらにはレトルトパウチのかたちで売られているものが多いので、袋の上から直接つぶして使えたりと、調理するうえでもとても便利です。後述する「ぐっすりスープの素」でも、この蒸し大豆を使います。

また、睡眠の質を上げてくれる栄養素は、トリプトファンだけではありません。

チョコレートのCMなどでも知られる「GABA(ギャバ)」は、心身をリラックスさせる作用があり、不眠の改善に効果が期待できます。

■いい睡眠は、いい朝食から

GABAの成分はγ-アミノ酪酸というアミノ酸の一種で、ストレスを軽減する機能や、血圧を下げる効果などが報告されています。GABAは血液脳関門を通過できないので効かないのではという議論もありますが、腸脳相関によって脳内の受容体感受性が上がったり、血圧低下作用を通して睡眠を促したりする可能性があります。

また、「チロシン」というアミノ酸も、睡眠を助けてくれる成分です。

チロシンは気分を向上させるドーパミンや、やる気ホルモン「アドレナリン」の原料となるため、「抗うつ」の作用があります。また、慢性的なストレスや疲労を和らげる効果も期待できます。ちなみに、「蒸し大豆」にはこのチロシンも含まれています。

睡眠に大切な栄養素はお伝えしたとおりですが、実は、時間帯によってもおすすめの栄養素が異なります。

まず朝食では、メラトニンの材料となるトリプトファン、GABAをしっかりと摂取しておくことが大切です。手軽さからみそ汁はとてもおすすめのメニューです。

昼食では、炭水化物を控えめにして、タンパク質や食物繊維を多く含む野菜などをしっかり摂ることが大切です。肉類などの高タンパク食材を摂るのにもっとも適しているのは、じつは昼食です。

■「炭水化物だけ」「激辛」の昼食はNG

また、とくにお昼に気を付けたいのが、「血糖値スパイク」です。

血糖値スパイクとは、糖質の多い食事を摂ったあとで血糖値が急激に上がり、その後急激に下がる現象をいいます。

ランチのあと、耐えられないほどの眠気やだるさに襲われるという人は、体内で血糖値スパイクが起こっているためかもしれません。

日中の活動に集中できないと夜の熟睡をさまたげてしまうので、ランチのメニュー選びに工夫が必要です。

睡眠の面で避けたいランチは、パスタ・うどん・菓子パンのような「炭水化物のみ」のメニューです。糖質が多いので、血糖値が急激に上がって日中に眠気を催し、長すぎる昼寝で夜の睡眠に悪影響を与えてしまう恐れがあります。もちろん、食事バランスや血管の健康の面でも、糖質の摂りすぎはよくありません。

会社の食堂で昼食をとっているサラリーマン
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

また、香辛料をたっぷり使った「激辛メニュー」や、鍋物・汁物のような「熱いメニュー」も避けましょう。こうしたメニューは深部体温を上げるので、午後の眠気を誘って体内時計のリズムを乱してしまうためです。

睡眠の面からおすすめのランチメニューは、体の材料となる「タンパク質」が豊富なものです。血糖値が上がりにくいので日中の活動に集中しやすくなり、結果的に夜の熟睡につながります。

食べる順番も、野菜や肉・魚から先に食べて、ご飯や麺はあとに食べるようにすると、血糖値スパイクを防ぐのに効果的です。

■アルコールと睡眠の不都合な真実

そして夕食には、逆に体温を上げるメニューが効果的です。

唐辛子に含まれるカプサイシンには深部体温を上げる作用があるため、食後に深部体温が下がる過程で眠気が生じます。

また、快眠を促す精油成分などが含まれている「アロマベジタブル」を摂取することで、快眠を誘うことができます。セロリに含まれる「アピイン」やパセリに含まれる「アピオール」といった香り成分は、寝つきの悪い人やリラックスして眠りにつきたい人に効果的です。玉ねぎに含まれる「硫化アリル」も、イライラを解消し、体を温めながら穏やかな眠りへと導く効果があります。

そして夜には食事の時間にも気をつけてください。

「仕事で帰りが遅くなるので、夕食はいつも午後10時すぎ」というのは、夜の睡眠をさまたげてしまうNG習慣です。

夜遅くまで内臓が消化しようと動いている状態では、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が下がったりするためです。

食べ物を消化するには一般的に2~3時間ほどかかり、お肉や揚げ物など脂肪分の多いものでは4~5時間ほどかかるといわれます。そのため、夕食は寝る4時間前までに済ませるのが理想的です。

そして、お酒を飲むのが好きな人は、アルコールと睡眠の関係についても気になるところでしょう。

実際に、アルコールを摂取すると寝つくまでの時間は短縮され、深睡眠が増加するという研究報告もあります。しかし、じつはその効果は持続せず、中途覚醒を増加させるといった特徴があり、結果的に「深睡眠をしっかりとる」ことにはつながりません。

■睡眠サプリよりも安心して摂取できる

また、寝つきがよくなるのでつい寝る前にお酒を飲んでしまうという人もいるかもしれませんが、これが習慣化してしまうと、耐性がついて同じ量では寝つけなくなりアルコール摂取量が増えてしまうという悪循環にもつながります。

アルコールの利尿作用によってトイレが近くなり、夜中に目が覚めてしまうということも起こりますから、寝酒はせず、夕食と一緒にお酒をたのしむのがおすすめです。

食生活による睡眠改善というと、手軽にサプリメントで済ませたいという人もいらっしゃることでしょう。実際に私も、「睡眠改善のためにサプリメントを飲んでもいいですか?」と患者さんから質問されることがあります。

たしかに睡眠改善に効果的として紹介したトリプトファンやGABA、チロシンといった栄養素は、サプリメントのかたちでも多く販売されています。

もちろん、摂取の目安を守ればサプリメントを摂取してもかまいません。イライラしやすく落ち着きがない人には、不眠を改善する効果のあるGABAや、覚醒状態を保つための物質をブロックしてくれるテアニンが配合されたものがよいでしょう。また、睡眠のリズムを整えたい人には、ビタミンB12やラフマ葉エキス配合のサプリがよいとされています。

■栄養素を効率よく摂取するために

ただし、サプリメントには成分を濃縮しているものも多くあるため、副作用が出てしまう可能性もゼロではありません。とくに持病を抱えている人、高齢者や子ども、妊娠中の人、アレルギー体質の人などは摂取に注意が必要です。

白濱龍太郎『朝までぐっすり眠れる 深睡眠スープ』(アスコム)
白濱龍太郎『朝までぐっすり眠れる 深睡眠スープ』(アスコム)

ここまで睡眠と食事の関係について説明してきましたが、毎日こまごまと食事に気を付けるのは大変なもの。

そこで、これらの栄養素を詰め込んだ「ぐっすりスープの素」を開発しました。スーパーでも手軽に手に入る食材だけで作れ、スープにすることで栄養が吸収しやすくなっているのが特長です。

現に、このスープで夜中に目が覚める回数が7回から0回に減ったという効果も。包丁やなべを使わず、作り置きできるので忙しい人にもぴったりです。

老若男女にかかわらず飲んでいただけますので、ご自身だけでなく、睡眠に悩む家族のためにも、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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白濱 龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
睡眠専門医
筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。公立総合病院睡眠センター長を経て、「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立。これまで約2万人の睡眠の悩みと向き合ってきた。さらに、マイクロソフトやPHILIPSなど世界的企業での講演、日本オリンピック協会(JOC)強化スタッフなど、ビジネスやスポーツ界からの信頼も厚い。慶応義塾大学特任准教授、ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員などを兼歴任。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)、「モーニングショー」(テレビ朝日)などメディア出演多数。著書に『ぐっすり眠る習慣』、『朝までぐっすり眠れる深睡眠スープ』(ともにアスコム)など。

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(睡眠専門医 白濱 龍太郎)

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