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類似行為 -「不倫」と「不貞」の違いは何か

プレジデントオンライン / 2013年2月13日 8時45分

離婚裁判は、ワイドショー顔負け。痛い目にあいたくなければ、浮気しないこと。

妻子ある身なのに他の女性とデートを重ねていたら、妻にメールを見られて不倫が発覚。「食事していただけだから問題ない」「私に黙って女と会っていれば立派な浮気」と言い争いになり、妻からは離婚を切り出される事態に。はたして法律上は、どこから不倫といえるのだろうか。

じつは法律に「不倫」という用語はない。離婚裁判で問われるのは、「不貞行為」があったかどうか。不貞行為があれば、浮気された側はそれを原因として離婚の訴えを提起できる。

不貞行為は、一般的には男女間の性交やその類似行為のことを指す。性交とはセックスのことであり、ほかに解釈の余地はない。問題は類似行為のほうだ。現在の判例上は、セックスのみを不貞行為としている。しかしながら、キスしたり胸を触ったりする程度なら類似行為とまではいえないが、オーラルセックスや射精を伴う行為はセックスの類似行為とみなされ、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当する可能性がある。

ただ、浮気は密室で行われるため、浮気された側がセックスやその類似行為があったことを証明するのは困難だ。写真を撮られた芸能人がよくいうように、「部屋で一緒にお酒を飲んでいただけ」と主張されると、それ以上は突っ込みにくい。実際の離婚裁判では浮気をどのように証明しているのか。離婚裁判の経験が豊富な佐藤大和弁護士は、次のように解説する。

「性行為を撮ったビデオや浮気相手の下着を持っていたという事案はありましたが、このように直接的な証拠が見つかるケースは珍しい。そのため必ずしも直接的な証拠は必要でなく、裁判では前後の状況で判断されることが多いです」

たとえば一夜かぎりの密会なら不貞行為があったといえないが、複数回夜を共にしていれば不貞行為があったと推定されやすい。また密会場所がラブホテルなら、1回でも不貞行為があったと認められる傾向が強い。

では、セックス抜きのプラトニックな関係はセーフなのか。

残念ながら、法律は浮気者にそこまで甘くない。不貞行為は、あくまでも離婚原因の1つ。肉体関係がなくても、離婚が成立する場合がある。

具体的にいうと、「相手の女性に貢いで生活費を入れてくれない」「週末もデートに出かけて家事や育児を手伝わない」「妻との性交を拒んでいる」といった事実があれば、たとえプラトニックな浮気でも合わせ技一本で離婚が認められる場合がある。

家庭のことを完璧にこなし、夫婦間のセックスをさぼっていなかったとしても、安心はできない。その場合は、「性格の不一致で離婚を争うことになる」(佐藤弁護士)からだ。

肉体関係があろうとなかろうと、また家庭のことをきちんとやっていてもいなくても、妻がその気になってしまえば離婚裁判に突入することは避けられない。佐藤弁護士は離婚裁判の様子をこう語る。

「離婚裁判は一度、突入すると泥沼化しやすい。ある裁判では、妻が『自分が浮気したのは、夫の野外露出趣味につき合いきれなかったから』と夫の性的嗜好を暴露。これに対して、夫は妻との露出写真を提出。妻も乗り気で写真に写っていたことから、妻の主張は認められませんでした。離婚裁判では、こうした暴露合戦が日常茶飯事です」

離婚裁判は、ワイドショー顔負け。痛い目にあいたくなければ、浮気しないこと。

(ジャーナリスト 村上 敬 図版作成=ライヴ・アート)

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