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一流と三流を分ける最大の要因はこれ…パフォーマンスの常に高い人が繰り返し使っている言葉の種類

プレジデントオンライン / 2024年9月9日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sinseeho

パフォーマンスが高い人と低い人の違いは何か。ハイパフォーマンスコーチのブレンドン・バーチャードさんは「ハイパフォーマーたちは、頻繁に自分の大義を、自身に対しても他人に対しても表明する。つまり、アファメーションによって、自分に言い聞かせているのだ。私自身カメラの前で話すのがどうにも苦手だったが、動画撮影に入る直前に、カメラ前でうまく演じたい理由を、自分のパーパスとしてリマインダーしていた」という――。

※本稿は、ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

■何をするにしても、その理由を逐一語る

ハイパフォーマーたちは、自分の目標とその大義を秘密にしたり、黙っていたりしない。目標を、自身に対しても、他者に対しても、堂々と標榜する。

必然性に関する行動で、ハイパフォーマーとローパフォーマーの違いが最も大きいものを1つ挙げるとしたら、これである。ローパフォーマーは、目標の理由を明確にしていないことが多いし、それらを標榜するどころか、口にすることもない。

標榜とは、何かを宣言したり、それが正しいことを断言あるいは確認したりすることを指す。「○○は○○だ」「○○が起こる」と自信を持って言い切るのである。

ハイパフォーマーは、そのように、自分の目標とその大義を語る。歯切れの悪い話し方はしない。自分が努力をする理由に自信を持ち、パーパスに誇りを持って伝えてくる。

私が見たところ、ハイパフォーマーたちは、何をするにしても、その理由を逐一語るのが好きだ。たとえば、アスリートのハイパフォーマーは、自分のトレーニングや、とりわけ、その日、その運動を選んだ理由を、嬉々として、メニューの内容説明と同じくらいの時間をかけて説明してくれる。

「今日は身体のバランスが崩れている気がしたので、スクワットを75パーセントの負荷で3セットやっています」というように。

ハイパフォーマーたちのコーチングを始めた当初、この人たちは外向的でビッグマウスなだけなのか? それとも、一種のカリスマ性を持っているために、語っている行動理由が人より立派に聞こえるのか? とよく疑問に思ったものだ。

だが、そのどちらも間違っていた。性格とハイパフォーマンスに相関性はない。内向的な人がハイパフォーマーである確率は、外向的な人と同等なのだ。

■いつでも新しいやり方を受け入れる姿勢

また、ハイパフォーマーたちは、自分の行動理由をうれしそうに人に話すものの、そのやり方が必ず正しいと断言することはめったにしない、ということにも気づいた。

彼らのほとんどは、自らのパーパスそのものに自信は持っているが、自分のやり方が利用可能な最善の方法かどうか、常に疑いを持っている

成功するためのより良いプロセスが見つかるなら、いつでも新しいやり方を受け入れるつもりでいる。理由には自信を持っているが、そのやり方についてはこだわらない、ということだ。

ハイパフォーマーが行動理由を人に宣言するのは、自信を感じるためだけでなく、自分に社会的強制力や責任を課す目的もある。仮に私があなたに、ある目標に向かって取り組んでいることと、それが重要である理由を話すとする。

そのとき、私はそれを実現します、と断言するような言い方をすれば、そこに私の自尊心や威信がかかってくる。かくかくしかじかになると約束して、もしそうならなければ、私は自分の約束を果たせなかったことになるのだ。

そのようなわけで、あなたにも、もっと頻繁に自分の大義を、自身に対しても他人に対しても表明することを勧める。

大義を自身に対して表明するというのはつまり、アファメーションによって、自分に言い聞かせることを意味する。

■カメラの前で話すのが苦手な自分に言い聞かせる言葉

私の個人的な事例を紹介しよう。約11年前、私は、モチベーションと、自己啓発、能力開発でより多くの人にリーチしたいという目標を掲げた。

YouTubeや、ネット動画マーケティング、オンライン講座が、まだ初期段階にありながらも勢いを増していた時代だったので、動画撮影や、オンライン講座の制作を始めようと決めたのだ。

オフィスでビデオ撮影をするビジネスマン
写真=iStock.com/izusek
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/izusek

だが問題は、カメラの前で話すのがどうにも苦手な私自身だった。カメラが回りだすと、お金をもらったとしても、3文も覚えられず、自然に振る舞えず、手をどこに置いていいかもわからず、どうしようもない状態だった。

ただ1つだけ有利な点があった。それは、自分の大義を自身と他人に表明するという習慣を知っていたことだ。そこで動画撮影に入る直前に、自分にこんなことを言い聞かせていた。

「ブレンドン、これをやる理由は重要だからだ。受講生を思い出せ。彼らの手本になって、目標達成を手伝ってあげよう。それが君のパーパスだ。彼らのためになることをしろ。君はこの仕事が大好きになり、たくさんの人の役に立つ」

これは、カメラ前でうまく演じたい理由を、自信を持って自分に言い聞かせるアファメーションである。そしてこのリマインダーが、パフォーマンスの必然性を生んだ。

■内発的なアファメーションのほうが効果的

もう1つ注目してほしいのは、私が自分自身に二人称で語りかけていた点だ。このアファメーションは、外発的報酬(※1)よりも内発的報酬に基づいている点だ。

あなたにも、これを参考にしてほしい。アファメーションなら何でもいいというわけではなく、内発的なアファメーションのほうが効果的だからである。

こうした話を眉唾だと思ってしまう人は、実際にハイパフォーマーともっと時間を過ごしてみるべきだ。彼らは本当に、こういうことを言ったりやったりしているのである。自分に――声に出して――語りかけ、大事なことをリマインドしている。

競技場の選手入場口に立ってみれば、自らに話しかけるオリンピック選手の姿が見られる。彼らは、たとえそうは呼んでいないにしても、自分の行動の意義を自らに宣言しているのだ。

世界的に有名な講演者にバックステージで耳を傾ければ、彼らはスピーチを練習しているだけではなく、自分がそこにいる意義を見つめ直していることがわかる。

精神医療現場でのアファメーションの効果を確認した調査報告もある。不安症の患者が、症状を克服する勇気を得た最も有効な手段として挙げたのが、自分の目指す目標の価値を自身に言い聞かせるというものだった。

■自分が何を望んでいるのか、なぜそれを望んでいるのか

私は、動画でもっとうまく話せるようになるために、動画制作の意義をたくさんの身近な人に宣言した。オンライン講座の撮影を始めることと、なぜ私にとってそれが重要なのかを、家族や友人に話したうえで、出来上がった講座へのアクセスを翌週送ると宣言し、その週のうちにフィードバックを送ってほしいと頼んだ。

当然、笑ったり、半信半疑で聞き流す人が多かった。だが、ポイントは彼らに認めてもらうことではなく、私自身が人前で大義を標榜し、有言実行せねばならない状況をつくり出すことだった。

ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

その約束をしたとたん、言行を一致させようとする人間的欲求によって、パフォーマンスを一層向上させ、約束の期日を守ろうという意欲がわいた。公言によって、私が何かをする外発的期待をつくり出して、実行したのである。

私がこれをしていなければ、これまで動画シリーズや講座を修了した100万人以上の受講生がベネフィットを享受することはなかっただろう。大義を標榜することは、私の大量アウトプットの秘訣となっている。

言語化すると、それは自分の中でより現実的で重要なものとなる。真実に沿った生き方をする必然性が増す。だから、今度パフォーマンスの必然性を高めたいと思ったら、自分が何を望んでいるのか、なぜそれを望んでいるのかを自他に表明しよう。

※1 外発的報酬……制作の完了、講座の販売による利益、受賞、ポジティブなフィードバックなど

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ブレンドン・バーチャード ハイパフォーマンスコーチ、講演家
組織コミュニケーションの修士号を取得後、アクセンチュアでチェンジマネジメント・コンサルタントとして勤務。2006年、書籍の執筆、セミナーの主催、個人へのコーチング、オンライン講座の制作などのキャリアをスタートし、現在に至る。19歳のときに交通事故に遭ったのをきっかけに、自ら「人生のゴールデンチケット」と呼ぶ、2度目のチャンスを手にする。それ以来、人々が自分に課された責任に気づき、世界と意見を共有できるようにするために生涯をかけて尽力。人びとが並外れた人生を創造し、楽しむサポートをすることを使命として活動している。

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(ハイパフォーマンスコーチ、講演家 ブレンドン・バーチャード)

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