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二流、三流の人は職場のイライラを他人のせいにする…ブッダの教え「一流になる人が持っている4つの心」

プレジデントオンライン / 2024年9月12日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Leontura

職場の人間関係に悩んだ時、どうすればいいか。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「多くの人は他人のせいにしがちだが、ブッダは『自分の心』に原因があると説いた。このことに気づくことで、謙虚さや他人に対する寛容さを持つ一流の人になることができる」という――。

■家庭でも職場でも、悩みの種は人間関係

「人間」という文字は、「人の間」と書く。

そう、私たちは人と人との間に生きている。

どれだけテクノロジーが進化しようが、AIが進化しようが、やっぱり私たちは、人の間に生きているし、人の間にしか生きられない。

だから、良好な人間関係を築き保つことは、私たちが安心して生きるための最も基本的、かつ重要なことだ。ところが悲しいかな、人間関係を良好に保つことは簡単ではない。大恋愛を経て一緒になった夫婦でも、数カ月もすればケンカが絶えなくなり、不妊治療までして授かった子どもとの関係でも、なかなか思い通りにはならない。

なぜなら人間関係こそが、あらゆる生活技術の中で最も難しいからだ。

■ブッダ「あらゆる苦悩には原因がある」

これは家庭に限ったことではなく、職場においても同じだ。ビジネスマンにとって、あらゆるビジネススキルの中で最も習得が難しい技術が「人付き合い」なのだ。

しかし、だからこそ人間関係が下手な人より巧みな人のほうが、ビジネスは圧倒的に有利になる。そして少しでも人間関係が巧みになれば、仕事がもっと楽しくなるはずだ。

それにしてもなぜ、私たちは人付き合いが苦手なのだろうか。なぜこれほどまでに人間関係は上手くいかないのだろうか。幸い、今から2500年前のインドに、その原因と処方箋を発見して伝えた人がいる。それがブッダだ。

ブッダは、「あらゆる苦悩には原因がある」と説いた。そう、人間関係の苦悩にも、必ず原因があるのだ。

その原因とは、「自分」である。

■嫌な人間関係からは逃げればいい?

多くの人は、思い通りにならない人間関係の原因を、自分ではなく相手に求める。

「あの上司は性格が悪いから」「あの部下はバカだから」などと言って、自分の意見が通らない理由を、アイディアや意図が上手く伝わらない理由を、相手の能力や性格のせいにしてしまう。そしてあるいは我慢して、あるいは不貞腐れたり、キレたりしてストレスを抱えて身心を病んでしまったりさえする。

だから近年、巷には「嫌な人間関係からは逃げればいい」的なメッセージが溢れている。

確かに「逃げればいい」は、本当に精神を病んでしまった時には救いになる。

けれども、例えば歯に痛みを感じていながら、「痛みの原因はオレじゃない、歯周病菌だ!」といって治療せずに放っておいても痛みが治らないように、人間関係の煩わしさを他人のせいにして逃げていれば、いつまでたっても苦痛は消えない。ビジネスマンとしての成長もない。

少しでも痛みを減らし、良好な人間関係を構築したければ、痛みの根本原因に真正面から向き合うことが大切だ。

■なぜ他人と衝突が起きてしまうのか

ブッダは、人間関係の中で衝突が起こる原因は、私たちの心がわがままで、すぐに比較したがる性質を持っているからだと説かれた。それぞれを「我(が)」と「慢(まん)」と呼ぶ。

「我」とは、「私こそはこの世でもっとも優先されるべき、大切にされるべき優れた存在である」という感覚。「慢」とは、そんな思い上がった「我」が、他人と比較すること。

私たちは他人に接するとそれが誰であれ、瞬間的に「自分より優れている」「自分より劣っている」「自分と同じぐらい」という三つのカテゴリーに分類する。

そして、優れた相手の前では媚びたり卑屈になり、劣っていると感じた相手には、見下したり、傲慢な態度をとり、同じぐらいだと感じた相手には、ライバル心を持ったりするのだ。

■争いの渦中にいる人の「7つの性格」

またブッダは、私たちの心には、「他人と争う種となる7つの性格が潜んでいる」と説いた。

その7つの性格とは、

①すぐに怒り、怒ったらなかなか静まらない性格

私たちが怒るときは、何か自分の思い通りにならないことが起こったときだ。「上司や部下が認めてくれない、言うことを聞いてくれない」「想定外の指示や、やりたくない仕事を言いつけられた」など、思いが通らないと腹が立つ。

その怒りの炎を消さないように、何度も思い出しながら心に秘め続けているため、それが無意識のうちに態度や言動に表れてしまうのだ。

②他人を認めず、自己主張が強い性格

他人の優れた能力や性格、行いや成果を見ても、それを認めたくない。他人が褒められていると気分が悪くなり、無口になったり、ケチをつけたり、ディスりたくなる。

また、自分の感情を優先するがあまり、他人の気持ちを考えず、頭ごなしに相手を押さえつけようとする。

議論するカップル
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

③嫉妬心が強く、ケチな性格

他人の成功や幸せを素直に喜べない。嫉妬心を放っておくと、どんどん人間の器が小さくなって、誰とも仲良くしてもらえなくなる。

また、ケチで物惜しみする性格の人は、幸せを他人と分かち合うことができないため、近寄りがたい人になってしまう。

■自分がとにかく大事で他人はどうでもいい

④自分の利益しか考えない

計算高く、口が上手く、常に自分の利益を優先してものごとを進めようとする性格。人に対しての憐みや慈しみの心が無いため、良好で長続きする関係を築くことができない。

⑤悪意に満ち、邪見でものをみる性格

悪意のある人とは、約束やルールを守らず、ズルをしたり、人を騙すことが平気な人。

邪見の人とは、社会の平和、道徳、倫理などに反発し、それを自分らしい、知的だと信じてやまない人。

⑥享楽主義な性格

今だけ、金だけ、自分だけの人。今が楽しく、自分さえよければ他人はどうでもいい。酒やタバコ、ギャンブルや風俗に溺れやすく、汚職や犯罪などに手を染めやすい性格。

⑦頑固で偏見な性格

頑固な性格とは、客観的にものごとを見て判断することができず、見聞きしたことを鵜呑みにし、いったんそれが正しいと信じ込むと、頑としてその意見に固執する性格。

偏見な性格とは、ものごとを正しく理解できず、歪んでとらえたり、間違って受け取ったりしながら、それが正しいと固執する性格。

■一流は謙虚さと寛容さを持ち、悪意を避ける

どうだろう。読んでいてドキッとした人はきっと、一流のビジネスマンになる可能性を秘めている。なぜなら「我」「慢」に加え、上に掲げた7つの性格が決して他人事ではなく、自分の中にあると気づいているからだ。

人間関係をうまく活かしたければ、先ずこれらのいずれか、あるいはすべての性格が、大なり小なり自分の中にあると気づいていること。

そこを認めることで、思い上がりを捨てて謙虚さを育てることができるし、他人に対する寛容さを持つこともできる。

また、嫌な人と悪い人は別だということも分かってくるし、悪意を持った人とは仕事をしないことで、騙されたり、詐欺の片棒を担がされることもなくなる。

■「布施、愛語、利行、同時」を育てよ

その上で、次の「4つの心を育てよ」とブッダは説かれた。

①布施(ふせ)
相手の立場に立ち、持てる能力や感性を活かして相手を助けること。

②愛語(あいご)
相手に思いやりの心をもち、相手が喜び、楽しくなるような言葉を話すこと。

③利行(りぎょう)
人の役に立つ行い、社会の役に立つ行いをすること。

④同時(どうじ)
相手の年齢、性別、人種、肌の色、社会的地位、持っている資産などにかかわらず、平等に接すること。

世の中には色んな人がいる。そして人はみな平等に愚かだ。

しかし二流、三流は自分の愚かさに気づかず、嫌な人間関係を避け続けて、結局そこから逃れることができない。

一流は自分の愚かさに気づき、善き性格を自分の中に育てることによって、他人にも影響を与え、人間関係をうまく活かしているのだ。

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大愚 元勝(たいぐ・げんしょう)
佛心宗大叢山福厳寺住職、(株)慈光グループ代表
空手家、セラピスト、社長、作家など複数の顔を持ち「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。僧名は大愚(大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意)。YouTube「大愚和尚の一問一答」はチャンネル登録者数57万人、1.3億回再生された超人気番組。著書に『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『最後にあなたを救う禅語』(扶桑社)、『思いを手放すことば』(KADOKAWA)、『自分という壁』(アスコム)などがある。

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(佛心宗大叢山福厳寺住職、(株)慈光グループ代表 大愚 元勝)

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