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早口で唱えるだけでヨボヨボの脳が10歳以上若返る…脳トレ博士が伝授「認知症に効く魔法のフレーズ集」

プレジデントオンライン / 2024年9月11日 7時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/eggeeggjiew

いつまでも若々しく過ごすためにはどうすればいいのか。脳トレ博士として知られる東北大学の川島隆太教授と早口ことば芸人の大谷健太さんの共著『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)より、一部を紹介する――。

■なぜ「早口ことば」が脳にいいのか?

「早口ことば」を行うことは、計算速度=頭の回転力を高める強い効果があります。

芸人さんやアナウンサーさんなど、話すことを生業にしている人は、そうでない人と比べて、やはり脳機能の働きがいいなと思います。

私は短い文章を声に出して速く読む音読が脳にいいことをずっと推奨してきましたが、そういったトレーニングは、筋トレと同じで続けないと効果がありません。続けることが何より大切なのに、人間は怠け者な一面があるから、面白くないと続きません。

その点で私が今回、「早口ことば」が脳に効くことに着目したのは、「楽しい」からです。

『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』に掲載している難易度4段階、計63個の「早口ことば」は、お笑い芸人であり、早口ことば作家さんでもある大谷さんが考案したユニークなものばかりで、続けられる楽しさがあります。

■難易度★★★「シカ近し! しかしシカ舌短し!」

試しに大谷さんが考案した次の「早口ことば」を文字を見ながらできる限り早く言ってみてください。難易度は4段階のうち2です。

ニラレバ2倍食べられる?
(にらればにばいたべられる?)

脳が活発に動いている感じがしませんか? こうした「早口ことば」などの簡単な文章を声に出して早く読むと、通常の速度で声を出して読んでいるときに比べて、前頭前野(思考や感情の制御や記憶の生成に係る)や側頭連合野(記憶の保持に係る)などが強く活性化します。うまく言えなくても、です。

ニラレバ2倍食べられる?
出所=『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)

もう1つ「早口ことば」をご紹介しましょう。難易度は3です。

シカ近し! しかしシカ舌短し!
(しかちかし! しかししかしたみじかし!)

「早口ことば」は、大勢でやるほど、盛り上がります。失敗したらしたで笑えるし、すんなり言えたときは、それはもう感動ものです。

「早口ことば」のような何かを早く行うトレーニングをし、頭の回転力が上がると、会話の中で言葉がスッと出てくること以外にも、いろいろなことがうまくできるようになります。これは「学習効果」といわれるものですが、面白いことに、トレーニングとは関係ない能力が上がることも少なくありません。

シカ近し! しかしシカ舌短し!
出所=『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)

■1~2週間続ければ脳が10歳以上若返る

たとえば、昔覚えたものを思い出す力や集中力が上がる、家事をテキパキこなせるなどです。

たとえば、70歳の人でも、「早口ことば」を1~2週間続ければ、個人差はあるものの50~60代くらいの脳の処理能力が得られることがわかっています。

脳機能の衰えは、誰もが避けられません。でも、脳のすごいところは、鍛えれば、その分ちゃんと応えてくれるところ。脳のトレーニングは、何歳からでも遅くありません。記憶力、滑舌の向上に効果があり、認知機能の数値が上がることも期待できます。

前頭葉の働きを見る方法のひとつに、「カウンティングテスト」があります。これは1から120までの数字を数え、その時間を計るテストです。

やりかたはいたってシンプル。秒まで計ることができるストップウォッチや時計をセットし、できるだけ速いスピードで1から120まで声に出して一気に数えます。このとき、数字は省略せず、きちんと発音するようにしましょう。

【図表1】脳の部位
出所=『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)

■まずは「50秒以内」を目指してみる

1から120まで数えるのにかかる時間ですが、一般的に45秒かかった場合は中学生レベル、35秒かかった場合は高校生レベル、25秒以下であると理系の大学生レベルといわれています。

60〜70代の人であれば、だいたい40秒から50秒、場合によってはもっと時間がかかるのが普通です。毎日続け、時間を記録してもいいでしょう。

カウンティングテストのじょうずな活用法は、「早口ことば」の上達度を見るテストとして行うこと。「早口ことば」に取り組む前にカウンティングテストを行い、タイムを記録しておきます。そして、「早口ことば」を5日から10日行ったあと、再びカウンティングテストを行い、かかった時間を比べます。

おそらく、「早口ことば」を始める前より、タイムが縮んでいることでしょう。

さあ、1から120まで数えてみましょう。力を入れず、リラックスして行うのがコツ。また、着座の姿勢より、立って行うほうがやりやすい人もいるようです。

ちなみに、本書の共著者である大谷健太さんのかかった時間は、45秒でした。あなたは何秒かかりましたか。

■散歩は脚だけでなく、脳にも効く

年を重ねると、新鮮なできごとが少なくなりがちです。毎日がルーティンばかりで、顔を合わせる人も、話題もいつも同じ。思い当たることはありませんか。

川島隆太、大谷健太『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)
川島隆太、大谷健太『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)

この状態は、脳にとっては非常にマイナスです。脳を活性化させるには、脳を刺激することが必要だからです。実際、研究によると趣味が多い人、好奇心が強く、その対象が広い人ほど、脳の健康を維持しやすいということがわかってきています。もう年だから、面倒だから、などと言わず、意識して脳を刺激しましょう。

脳を刺激する行動は、身近にもいろいろありますが、人とコミュニケーションをとることは大切です。相手の話を聞き、その内容に合わせて返事をする会話のキャッチボールは、とてもいい脳の刺激になります。

ひとりですぐに始められることであれば、散歩がおすすめです。脳活の観点から言うと、目的地が同じでも、毎回ルートを変え、違う道を歩くのがおすすめです。視覚的なものだけでなく、季節の香りや肌に感じる温度など、いろいろな発見が脳を刺激してくれるはずです。

■高齢者ほど料理はちゃんとしたほうがいい

ただし、暑さや寒さ、安全などには、くれぐれも注意しましょう。さらに、近所の図書館に足を運んでみるのもいいですね。どんな本が並んでいるか、見て回るだけでも刺激になります。

ところで、よく脳の活性化には指を動かすといいといわれますが、残念ながら効果は限定的。たとえば、編み物の場合、慣れたものをルーティンのように編むのでは、脳はあまり活性化されません。新しい編み図にチャレンジする、あるいは自分で製図してみるなど、脳を使う作業を組み合わせるようにしましょう。仲間と会話をしながら行うのも効果的です。

また、家事全般は脳活にぴったりです。特に料理は段取りが必要なため、高度に脳を働かせる作業となります。料理に慣れている人は、新しいレシピに挑戦することで、脳への刺激になります。ぜひ、積極的に取り組んでみましょう。

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川島 隆太(かわしま・りゅうた)
東北大学加齢医学研究所教授
1959年千葉県生まれ。89年東北大学大学院医学研究科修了(医学博士)。脳の機能を調べる「脳機能イメージング研究」の第一人者。ニンテンドーDS用ソフト「脳トレ」シリーズの監修ほか、『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)、『オンライン脳』(アスコム)など著書多数。

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大谷 健太(おおたに・けんた)
早口ことば芸人・作家
吉本興業所属の早口ことば芸人・作家。1985年福岡県生まれ。2020年の「R-1ぐらんぷり」で敗者復活ステージを勝ち抜き、準優勝。その後、得意の絵と早口ことばを組み合わせた「早口ことばネタ」が注目を浴び、テレビ番組等に多数出演。

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(東北大学加齢医学研究所教授 川島 隆太、早口ことば芸人・作家 大谷 健太)

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