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こうして常識に囚われない自由な発想が生み出される…ホリエモンの思考の根底にあるふたつの要素

プレジデントオンライン / 2024年9月11日 9時15分

画像提供=大和書房

発想力を高めるにはどうすれがいいのか。『僕らとビジネスの話をしよう。新時代の働き方』(大和書房)より、実業家の堀江貴文さんとオンラインサロン「Holland Village Private Salon」を主宰する川村真木子さんとの対談の一部を紹介する――。(第2回)

■チャレンジしないほうがリスクになる時代

【堀江】何かをやった時に失敗することはあるかもしれないけれど、今は時代の変化が速いので、それを上書きできる世の中になっているんです。これは高度情報化社会になったことがすごく影響しています。

例えば、昔の村社会だと、噂や風評などで一度悪いレッテルが貼られてしまうと、そこからなかなか復活できなかった。下手をすると「責任を取って切腹しろ」みたいなことを言われていたかもしれない。でも、今はそんな時代ではない。だったら、逆にチャレンジしないほうがリスクになるんです。しかし、そういう価値観はまだまだ普及していない。

そこで、僕の本などを読んでいる人はリスクを取ってどんどんチャレンジして、それなりに成功している人が多くなっている。川村さんもそのひとりじゃないですかね。それに、川村さんはなんか“グリグリゴリゴリ”したパワーもあるし。

【川村】え、私、グリグリゴリゴリですか(笑)。

【堀江】見た目はソフトなんだけど、パワーがある感じなんですよ。

【川村】外資金融で働いていると、なかなか運動する機会がないんです。でも、堀江さんは昔から「運動をしろ」と言っていたじゃないですか。それで、パーソナル・トレーニングの「トータル・ワークアウト」などで運動を始めたんです。そうしたら体力がだんだんついてきたんです。

■なぜ僕は運動を始めたのか

【堀江】運動の重要性は20代の時はわからないんですよ。20代だと運動をしなくても体力はあるし、筋肉も柔らかいし、体調も悪くならない。でも30代後半くらいから、かなり体力が落ちてくるんです。だから、その前から運動習慣をつけておいたほうがいい。これは、後からかなり効いてくるんです。

僕の本をちゃんと読んで、実際にやってくれる人ってなかなかいないんですよ。でも、川村さんは気持ちいいくらいやってくれる。それも変な妄信とかじゃなくて、ロジカルに考えて、きちんと理由をわかってやってくれている。だから、ちょっと嬉しくなっちゃうんですよね。

【川村】ゴールドマン・サックスの元同僚とか、私の周りにいる人は堀江さんのファンが多いですよ。堀江さんが言っていることって、ちょっと外国人っぽいんです。それで外資系企業で働く人は共感する部分が多いんじゃないですかね。

【堀江】逆に言うと、日本の大企業の中でうまくやっていくには、僕の考え方では難しい部分があるんだと思います。僕の言っていることをやると、ちょっと変な方向に行っているように見えるかもしれないから。

■データしか信用しない

【川村】堀江さんの発想は、すごく自由なんですよ。私がアメリカに留学した時「日本の常識だけがすべてではない。常識って破ってもいいんだ」と初めて気づきました。

例えば、「日本だと会議などで発言しない、よほど素晴らしい質問じゃないと手を挙げて聞かない」みたいな暗黙のルールがありますが、これは破っていいルール、むしろ破らなきゃいけないルールですね。

発言しないと、海外では「会議に出る意味ない」って不気味がられます。私はスタッフに「ルールに縛られず、状況に応じて柔軟に対応すること」を強調しています。「その時できる最大のサービス」を提供し、「時にルールは破ってもいい」と考えます。

サービスに「愛」を込めることが重要で、これがビジネスの成功につながると信じています。こういったことを、堀江さんは初めからわかっていた。常識をいい意味で破っていくんです。堀江さんは常識に囚われない人ですよね。

【堀江】僕はデータしか信用しないんです。データがあって、ファクト(事実)があって、それに従ってやっているだけ。あとは歴史。先人のやってきたことを学ぶと、いろいろなことがわかります。

例えば、日本は第二次世界大戦前、戦費調達のために政府が郵便貯金をすごく推奨した時期がありました。だから今でも、投資より貯蓄と考える人が多い。でも、日露戦争の戦費は国債で調達しているんですよ。それも欧米に売りさばいている。

■日本はもともと先進的な金融国家だった

日本は、昔はベンチャー国家みたいな感じでした。だって、明治維新の頃、初代総理大臣の伊藤博文はまだ20代ですよ。そして、総理になった時は40代。若いからパワーもあった。そして、留学して得た新しい知識をどんどん日本に取り入れていった。

【川村】そうだったんですね。

【堀江】それに、日本はもともと先進的な金融国家だったんです。だって、先物取引を世界で最初にやったのは江戸時代(1730年)の大坂の堂島米会所(※1)ですよ。デリバティブ取引で有名な米シカゴのマーカンタイル取引所には「このシステムは大坂の堂島で開発されたものです」と書かれたプレートがちゃんとあります。

佐々木吉光による堂島米取引所の浮世絵(写真=Yoshimitsu Sasaki/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons)
佐々木吉光による堂島米取引所の浮世絵(写真=Yoshimitsu Sasaki/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons)

他にもアービトラージ(裁定取引)(※2)もやっていた。当時、大坂の米相場をできるだけ速く江戸に伝えるために、のろしを使っていたんです。のろしの上げ方で相場の上げ下げを伝えていた。だから、大坂から江戸まで米相場が1時間くらいで伝わりました。

でも、第二次世界大戦のための戦費調達や戦後に財閥が解体されたことなどで、金融に対する考え方がだいぶ変わってしまった。そういう目で見ると、日本は戦後に今のような形になっただけで、戦前は全然違っていたんです。

【川村】なるほど。

※1 堂島米市場とは、1730年に大坂・堂島に開設された江戸時代最大のお米の取引所。ここでは米との交換を約束する米切手を売買する「正米商い」と、米の取引銘柄を帳簿上で売買する「帳合米商い」が行なわれていて、日本の取引所の起源とされている
※2 アービトラージとは、市場の価格差を利用して利益を得る売買方法

■行動する人は失敗を失敗と思わない

【堀江】他にもLGBTという言葉も欧米から入ってきましたが、江戸時代までの日本は、性的マイノリティーに対してめちゃくちゃ寛容な国でした。

でも、明治維新が起きて西洋の文化を取り入れることになった時、キリスト教の考え方も入ってきて、同性愛はダメだという雰囲気になった。男女の混浴も廃止された。このように歴史から学ぶことはたくさんあるんです。

堀江貴文『僕らとビジネスの話をしよう。新時代の働き方』(大和書房)
堀江貴文『僕らとビジネスの話をしよう。新時代の働き方』(大和書房)

【川村】堀江さんは、歴史からもたくさん学んでいるんでしょうけど、それに加えて行動力がすごいんですよね。知識と行動力の両方を持っている人はなかなかいません。

【堀江】そうですね。行動することで成功した部分は大きいし、行動する人は失敗を失敗と思わないから、いろんなことにチャレンジして、いつか成功することはあります。

【川村】私は「行動する」ということを堀江さんから学んだんですよ。私の書いた『超フレキシブル人生論』に「営業は鬼チェース(追いかけ)」ということが書いてありますが、営業マンは自分の足で追いかけたり、行動したりしないとどうにもならない部分があります。金融業界には頭のいい人が多く、行動する前にいろいろ考えてしまいがちです。でも、机の上でだけ考えていても営業はできません。

【堀江】川村さんは「鬼チェース」とか、なんか引っかかる言葉をつくるのがうまいんですよね。これは大事なことで、聞きなれない言葉を聞くと「なんだ、それ」と気になっちゃう。僕もなんか変な言葉をつくるのがうまいんですよ。

【川村】ありがとうございます(笑)。堀江さんは名(迷)言集とかありますもんね。

【堀江】だって、鬼チェースって、聞いたらなかなか忘れないでしょ。僕が編集者だったら「鬼チェースの営業術」みたいな本をすぐにつくっちゃいますよ。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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川村 真木子(かわむら・まきこ)
実業家
奈良県生まれ。一児の母。20歳で大阪の公立高校を卒業。奮起し渡米。24歳でUCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に移籍。オンラインサロン「Holland Village Private Salon」を主宰する。

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(実業家 堀江 貴文、実業家 川村 真木子)

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