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スマホを「自分が眠る場所」で充電してはいけない…科学ジャーナリストが「充電場所と時間帯」に注意する理由【2024上半期BEST5】

プレジデントオンライン / 2024年9月14日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/spyarm

2024年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。教育・子育て部門の第2位は――。(初公開日:2024年2月1日)
スマホ依存から抜け出すにはどうすればいいのか。科学ジャーナリストのキャサリン・プライス氏は「ベッド脇など自分が眠る場所でスマホを充電するのは避けてほしい。スマホ依存から抜け出すためには、充電場所と時間帯を見直すことが重要だ」という――。

※本稿は、キャサリン・プライス『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』(角川新書)の一部を再編集したものです。

■枕もとで充電するから夜ふかししてしまう

第1回記事でスマホのなかを整理して誘惑を最小限に減らしたので、次はスマホの外の環境についても同じように対処していこう。手始めは、多くの人にとっていちばん問題のある場所のひとつ──寝室だ。

起きてすぐや寝る直前に(さらに言うなら、真夜中でも)、反射的にスマホをチェックするのが習慣になっていると嘆く人は多い。そうなるのも当然だ。ベッドで横になっているときでも、手を伸ばせば届く範囲にスマホがあるのだから。

この悪習から抜け出すいちばん簡単な方法は、ベッドにいるときはスマホが触れないようにすることだ。手っ取り早いのは、スマホなどインターネット対応のモバイル機器の充電場所を、寝室の外にすること──もしくは、せめてベッドの横で充電するのはやめよう(スマホ以外にまだ目覚まし時計がないなら、これを機に用意しよう)。

だからといって、ベッドでスマホや他のモバイル機器をチェックできないわけではない。それに夜中の二時にコンセントの前に突っ立って、スマホの小さな画面を覗きこむはめになったとしても、そんな自分をダメな人間だと思う必要もない。ここでの目的は、朝晩のスマホチェックを、反射的な習慣から意図的な選択へと変えることだ。

■家族のスマホもまとめて一カ所で充電しよう

では、さっそく取りかかろう。どこを新しい充電場所にするかを決め、帰宅したらすぐに、あるいはすでに自宅にいるのなら、いますぐ寝室のスマホの充電器を取りはずそう。

そして、新しい充電場所のコンセントにプラグを差しこむのだ。予備の充電器もすべて取りはずし、別の部屋に移動しよう(ワンルームや寮であれば、引き出しにしまおう)。これであなたは、自分が眠る場所でスマホを充電しない人。ただそれだけのことだ。

1.効果を最大にするには、家族の他のメンバーにも同じようにしてもらうのが望ましい。家じゅうのスマホを一カ所で充電できれば、だれかが反則をしたとしてもすぐにわかる。子供/ルームメイト/パートナー/親に参加してもらうための策としては、“スマホ反則貯金箱”をつくるというのがある。

瓶を用意して、違反者が払う罰金額をみんなで決めるのだ。同時に、貯金箱がいっぱいになったときに、その資金で何をするかもいっしょに考えよう。外食へ行くなど、スマホなしでみんなが楽しめることにするのがポイントだ。

■充電は仕事中に済ませ、夜はバッグにしまっておく

・反対する人がいたら、こういったことを伝えよう。スマホの使用時間を減らそうとしていること、それは大切な人との絆を大切にしたいからであること──そのなかには、あなたも含まれる、ということ。

・意識的にスマホを見にいこうとしないかぎり、家ではスマホが目に入らないのが理想だ。たとえば、仕事中(または、授業中)を充電時間にあて、家にいるときはバッグのなかや服のポケットにひと晩じゅう入れっぱなしにする。こうしておけば、次に家を出るときまでスマホを目にすることはなくなる。

・スマホが同じ部屋にないと大切な電話を取り逃しそうで心配なら、着信音を鳴らそう(ただし、通知音がオフになっているかを確認すること。ひっきりなしに鳴ると困るので)。これで、そのスマホは基本的に固定電話と同じだ。体に縛りつけておかなくても、家/マンション/部屋のどこにでも置いておける。

では、確認しよう──今夜、あなたのスマホはどこで眠る?

■スマホ断ちは「意図したとおりに生きる」ためのステップ

無意識にスマホに手を伸ばすきっかけを取り除いたところで、次は新たなきっかけづくりに取り組もう。自分でやってみたいと挙げた活動、好きだと自覚していることを、より実践しやすくするための仕掛けだ。

つまり、ネガティブなゴール(スマホの使用時間を減らす)から、ポジティブなゴール(意図したとおりに生きる)へとスムーズに切り替えられるよう準備を整えていく。もっと幸せに、もっと健やかに過ごすための習慣をつくっていこう。

たとえば、運転中のメッセージの返信をやめたいのであれば、第一段階は、車中ではスマホを手が届く場所に置かないようにする(きっかけを取り除く)ことだ。次のステップとしては、代わりにおこなうポジティブな行動を事前に考えておこう。

車を発進するまえに、好きなラジオ番組に合わせる、用意したポッドキャストのプレイボタンを押す、というように。かつて車中メッセージの常習犯だったある人は、ダッシュボードにこんな付箋を貼りつけていた──“歌って!”。

その他にも、こんなアイデアがある。

■ベッド脇にはスマホの代わりに本を置こう

・毎朝、起きてすぐに瞑想(めいそう)をしようと思っているなら、どれくらいの時間をかけるのかや、瞑想で意識を向ける対象をあらかじめ決めておく。瞑想場所も決め、そこから邪魔になりそうなものをできるだけ取り除き、静かで落ち着ける空間にしよう。

・読書量を増やしたいなら、読みたい本や雑誌を選んでおき、ベッドサイドのテーブルに置くか、バッグや上着のポケットに入れておこう。

・楽器の練習をする時間を増やしたければ、楽器はケースから出して見えるところに置いておこう。

・寝るまえに気持ちをほぐそうと寝室にスマホを持ちこむのをやめたいなら、寝室をスマホがなくてもくつろげる場所にしよう。好きな感触のシーツを買う、心がなごむ絵を飾る、ラベンダーが含まれたものを使うなど。

自分でやりたいと書き出したことを行動にうつしやすくするために、どう環境を変えればいいかを少し考えてみよう。そして、実際に変えてみるのだ。

■家族が集まる夕食の席を「スマホ禁止ゾーン」に

“スマホ禁止ゾーン”。その名のとおり、これに指定した場所ではスマホを使わない。以上。これはじつはなかなかすごい作戦だ。というのも、その都度、判断を下す必要がなくなるからだ。また、口論を減らす効果もある。ディナーの席はスマホ禁止だという認識が共有できれば、毎晩言い争いをしなくてもすむ。

では、どこをスマホ禁止ゾーンにするかを考えてみよう。自分用のものだが、可能ならば家族やルームメイトにも付きあってもらおう。夕食の席と寝室から始めるのがおすすめだ。スマホなしの夕食は会話がはずみ、スマホ禁止の寝室ではよく眠れるようになる。

家族との食事
写真=iStock.com/Rawpixel
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rawpixel

スマホ禁止ゾーンは今晩から有効とし、30日プログラムの最終日までつづけてほしい。

スマホ禁止の範囲を、時間で区切ることもできる――たとえば、午後六時以降はメールをチェックしない、というように。こんなやり方はどうだろう。

■起床時間と「スマホを起動する時間」を分ける

・明日の朝、スマホを使い始める時間を決める。自分の起床時間より、少なくとも1時間は遅くすること。
・スマホを眠らせているあいだに実行する、リフレッシュできることや楽しいことを決めておく。本を読む、ペットと遊ぶ、おいしい朝食をつくるなど。

キャサリン・プライス『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』(角川新書)
キャサリン・プライス『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』(角川新書)

スマホの起床時間をつくる方法はふたつある。ひとつは機内モード(または、電源を切る)にして、決めた時刻まで目に入らない場所で充電する。もうひとつは、インストールしたばかりのアプリブロッカーを使って、スマホを起こす時刻まで使えないようにする方法だ。

これは一部の機能は使いたいが、他は避けたいときに便利だ――朝食を食べにいく予定の調整中で、メッセージや電話を待っているとか、散歩に行くのでカメラは使えるようにしておきたい、といった場合だ。

さっそくブロックリストをつくり、問題になりそうなアプリやサイトを登録して、魅力的な名前(“休日のくつろぎタイム”など)をつけてスタートしよう。アプリブロッカーにスケジュール機能があれば、自動的にスタートするよう予約しておくこともできる――このすばらしい機能で、週末の朝はかならず自分のものになるだろう。

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キャサリン・プライス 科学ジャーナリスト
イェール大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校大学院を修了後、ワシントン・ポスト・マガジン、ニューヨーク・タイムズ紙など多くの新聞や雑誌で活躍している。本書の原著『How to Break Up with Your Phone』(Ten Speed Press)は世界34カ国で出版された。著書に『Vitamania:How Vitamins Revolutionized the Way We Think About Food』(Penguin Books)や『The Power of Fun:How to Feel Alive Again』(The Dial Press)などがある。

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(科学ジャーナリスト キャサリン・プライス)

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