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朝コレを飲んでブランチをとると「長寿遺伝子」が活性化する…簡単にできる「プチ断食」のやり方

プレジデントオンライン / 2024年9月21日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Olga Ihnatsyeva

健康的に食事量を減らすコツは何か。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「食事量を無理なく減らす習慣としておすすめは、欧米で流行っている1回16時間の『プチ断食』だ。夕食を食べたあと、翌日の朝食をとる時間を遅らせて、いわゆるブランチをとるだけの『一日2食』のとても簡単な食事制限法だが、体によく長寿遺伝子を活性化させることができる」という――。

※本稿は、高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■食べることは、絶好の「暇つぶし」となる行為

実は「食べる」という行為は、人間にとって、たんに生命活動を維持するために栄養素をとるというだけの行為ではありません。

絶好の「暇つぶし」ともなる行為なのです。

ものを噛むことによって脳内には快楽を引き起こすホルモンが分泌されますから、孤独やさみしさ、ストレスを打ち消すのに、もっとも簡単な方法にもなり得ます。

だから、やることがなくて暇を持て余している人や、面白い人生を送っていない人、いつも寂しさを感じている人、何か満たされない思いを抱えている人などは、中毒のように過食に走ってしまう傾向があるのです。

食べることは、多くの人にとって幸福なことですから、食事を可能なかぎり楽しもうとすることは間違っていません。おやつだって、間食だって、たまに食べるぶんには、毎日の生活を楽しくする大切な要素になるでしょう。

私にしても、たまに打ち合わせが長引いて「ケーキでもいかがですか?」と尋ねられれば、喜んで「いただきます!」と答えます。何度でも、お代わりをしたいくらいです。そんなふうに、たまには甘いものを楽しむのはいいのです。

ただ、毎日のように頻繁に繰り返せば、ひとときの癒やしと引き換えに、大事な健康を害することになるでしょう。

健康を害することで、結果的にさまざまな食事制限をしなければならなくなって食の楽しみの多くを奪われてしまったら、いくら後悔してもしきれませんね。

ですから、BMIが25を超えている人は、お腹がさほど空いていないのに、暇つぶしに食べ物を口に入れるのは控え、ほかの楽しめることに集中することで心を安らかにするような習慣に変えていきましょう。

■欧米が注目する16時間の超簡単な「プチ断食」の習慣

BMIの数値が25以上の人に、食事量を無理なく減らす方法として紹介したいのは、「プチ断食」の習慣です。

「断食」というと、断食道場のようなところに入り、指導者や仲間とともに数日間、何も食べずに行なう、辛く厳しい修行のようなことを想像する人も多いかもしれません。

このような断食では、数日の断食が明けた日から、おかゆのような消化しやすいものから徐々に食べはじめ、胃腸が元の食事量に対応できるように戻していきます。

そうした本格的で厳格な断食に対して、「プチ断食」というものが取りざたされた時期もありました。週末や休日を利用して、8~12時間程度だけの、普通の断食よりもかなり短い期間、断食を行なうというものです。

ただ、まだ時代的に早かったのか、あまり多くの人に浸透することはなく、いつのまにかその言葉も忘れられてしまったようです。

ところが最近、欧米で1回16時間だけの「プチ断食」が流行りだしているのです。それは夕食を食べたあと、翌日の朝食をとる時間を遅らせて、11時か12時に昼食を兼ねた食事、いわゆるブランチをとるという、とても簡単な「一日2食」の食事制限法です。

この16時間断食が、なぜ体にいいのかを説明しましょう。

■簡単に摂取カロリーを減らし、消化管に休息を与えられる

なぜ、そんな短時間の断食で、体にいい効果をもたらすのでしょうか?

5つの理由がありますので、順番に説明していきましょう。

第1の理由は、「簡単に摂取カロリーを減らすことができる」からです。

もともと摂取カロリーがさほど多くない人にとっては、効果もほどほどかもしれませんが、それでも食事量をコントロールしていくことはできます。

第2の理由は、「消化管に休息を与えることができる」からです。

おなかを抑える女性
写真=iStock.com/GeorgeRudy
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/GeorgeRudy

ふだん私たちは意識していませんが、胃や腸のような消化管が食べたものを吸収するには、かなりのエネルギー量を必要とするのです。若いころなら消化のためのエネルギーも無尽蔵に出たかもしれませんが、年をとるごとに限界が近づきます。

そして食べたものがスムーズに消化されずに、いつまでも腸内に留まっていれば、それは腐敗して毒になります。だから臓器は必死に消化しようとするのですが、それも不完全で、どうしても体を害する毒となってしまう……。

さらに、消化ばかりにエネルギーが使用されてしまいますから、そのほかのことに回す余力がない。すると、体の機能回復が追いつかなくなってしまうのです。

それでも必要な栄養素は食事からとる必要がありますが、高齢になった肉体は、若いころほどそれを必要としていません。

必要なエネルギーはとっくに満たされているのに、一生懸命に不要なエネルギーを補充している状態が、私たちの体には起こっているわけです。エネルギーとなる食事量を減らすべきだ、というのは、こういうことなのですね。

■「長寿遺伝子」が目覚める!

プチ断食が体にいい第3の理由は、インスリンや成長ホルモンなど、体重を増加させる際に使われるホルモンの量を変化させることができるからです。

つまり、一生分の量が決まっている貴重なホルモンの無駄づかいを減らし、節約することで、健康な状態を長く維持できるということです。

第4の理由が、食事をとらないことで小さなストレスがかかり、それが「長寿遺伝子」と呼ばれるものを活性化させること。

しかも、老廃物を除去する仕組みも活発に働きます。これは「オートファジー」ですが、消化作業という負担がなくなることで、体の中の細胞は、そうしたメンテナンスにもエネルギーを割くことができるわけです。これが、プチ断食が体にいい第5の理由です。

これだけたくさんのメリットのある「プチ断食」ですが、要は、前の夜から次の日の昼まで、何も食べないだけの簡単なこと。イスラム教で「ラマダーン」と呼ばれる断食月は、日が昇っている時間のみ食べない断食なので、時間的には似たような断食になります。

BMI25以上に該当する方へ、プチ断食の方法を簡単に紹介しましょう。

もちろん、BMIの数値が25以下で、痩せている人であれば、プチ断食をする必要はありません。そのような方は先に飛んでください。

■朝、コレを飲んで一日2食――正しいプチ断食のやり方

プチ断食の方法は、難しいものではありません。

たとえば午後7時に夕食をとり、11時に就寝するとしましょう。翌朝7時に起きるとすれば、8時間の睡眠がとれます。

睡眠は7時間でも8時間でも、あるいはそれ以上でも構いませんが、朝に目覚めたら、しっかり口をゆすいでから、水を大きなグラスで1杯飲みます。常温か、ぬるめの白湯がいいでしょう。

水を飲む女性
写真=iStock.com/eternalcreative
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/eternalcreative

あとは朝食と昼食と兼ねた食事を、午前11時以降にとればいいのです。

こうすると一日に16時間、断食の時間ができることになります。

もちろん、会社などに勤めている方で、「12時にならないと昼休みにならない」という人もいるでしょう。それに、「朝食を抜いてしまうと、お腹が空いて仕事ができない」という人もいるかもしれません。

でも、大丈夫ですよ。たっぷりと蓄えた皮下脂肪があるのですから、それを消費するチャンスをつくりましょう。

■「ときどき食べない」ことが、胃腸の休息につながる

基本的には、プチ断食は毎日実践する必要はなく、「週に3回くらい」が理想ではありますが、それ以下でもまったく構いません。

そもそも摂取カロリー量を減らすための習慣ですから、週にたった1回や2回でも、「やらないよりはずっといい」のです。食事を控える時間も、16時間と明確に決まっているわけではなく、無理をする必要はまったくありません。

逆に「プチ断食よりも、もっと本格的に長期的な断食をしたい」というなら、必ず専門家の指導を受けることが必要でしょう。

【図表】プチ断食のスケジュール
出典=『20歳若返る習慣』

ただ、「お腹が空く」という現象は、毎日の習慣から「いつも食事をとっている時間になると、自動的に食欲が高まる」という心理的な場合も多く、本当に空腹感を抱えているかどうかは疑わしいことも多いのです。

高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)
高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)

その場合、プチ断食が、習慣として当たり前に根付けば、まったくお腹も空かなくなっていきます。

胃腸の休息は非常に大事で、とくに体には「日周リズム」という周期があり、夜になると消化器官はお休みモードに入ります。その休み時間中に食事を入れると、カロリーは保存され、肥満になりやすい。だから、夜食は禁物とされるのです。

夜遅くまで働く現役のビジネスパーソンは、これまでだったら「夜間に何も口にしない」わけにいかない面はあったでしょう。

でも、リモートワークを始めたり、仕事を引退したりしてからは、ご自分でコントロールできる人は増えたでしょう。何より試しにやってみて、少しずつ今までの習慣を変えていけばいいのです。

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高田 明和(たかだ・あきかず)
浜松医科大学名誉教授 医学博士
1935年、静岡県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。米国ロズウェルパーク記念研究所、ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を経て、同大学名誉教授。専門は生理学、血液学、脳科学。また、禅の分野にも造詣が深い。主な著書に『HSPと家族関係 「一人にして!」と叫ぶ心、「一人にしないで!」と叫ぶ心』(廣済堂出版)、『魂をゆさぶる禅の名言』(双葉社)、『自己肯定感をとりもどす!』『敏感すぎて苦しい・HSPがたちまち解決』(ともに三笠書房≪知的生きかた文庫≫)など多数ある。

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(浜松医科大学名誉教授 医学博士 高田 明和)

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