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この人手不足時代に皆で車に乗ってランチに行く…「他人の時間を平気で奪う人」に巻き込まれない唯一の手段

プレジデントオンライン / 2024年9月29日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/HAKINMHAN

ムダな時間が多い職場体質に巻き込まれないようにするにはどうすればよいか。人材育成コンサルタントの松崎久純さんは「こうした職場の体質を変えるのは至難の業で、余程の強制力がないと改善は見込めない。そのため、その職場で時間を有効に使いたければ、自分自身で工夫した取り組みをするしかない。資格取得を目指していることを公言しておくのはいい方法だ」という――。

■ムダの多い職場が不満

30代会社員の方からのご相談です――数カ月前に転職して、今の職場に勤務していますが、職場の体質なのでしょうか、時間のムダと思えることが多く戸惑っています。たとえば毎朝グループミーティングと称して、井戸端会議のような話し合いが行われるのは、その一例です。個人的には、やたらと頻繁に開催される飲み会にも閉口しています。私はもっと有意義に時間を使いたいのですが……。

この質問には、2つの悩みが混在しているようです。ムダが多い職場のこと、それからご本人が時間を有効に使えていないことです。

あれっ、職場がムダの多い体質なので、時間もムダになっているのでは? こう思えたでしょうか。

確かに、相談者の方は、そのようにおっしゃっていますが、これらは区別して捉えるべき事柄なのです。

なぜかと言えば、こうした職場の体質を変えるのは至難の業で、余程の強制力がないと改善は見込めません。そのため、その職場で時間を有効に使いたければ、自分自身で工夫した取り組みをするしかないからです。

■いかに自分が時間を大事にするか

おそらく相談者の方の頭の中には、ムダに時間を使う従業員たちの行いが、カタログのようなリストになって存在しているでしょう。しかし、それらの一つひとつに考えをめぐらすのは、更なる時間のムダになりかねません。

おそらく相談者の方も気づいているとおり、その人たちが、自ら変わろうとする可能性は少ないですから、ここは現実的に考える必要があります。

お勧めしたいのは、ムダの多い体質の職場に居ながらも「自分が時間を大事にする」方法を模索することです。

そうすることだけが、現在の職場で、できるだけ有意義な時間の使い方を導き出してくれます。

別の言い方をすれば、今の環境で時間を有効に使おうと思ったら何ができるか。それについて考えてみるのです。

相談者の方は、このように割り切って考えることが必要かと思います。

■資格の取得に取り組む

自分が時間を大事にする方法について、具体的に考えてみましょう。

これは相談者の方だけでなく誰にでも言えることですが、社会人は資格の取得に取り組むと、時間を大事にするようになっていきます。

夕方帰宅してから、資格試験に向けた勉強の時間を確保したいとなると、朝から一日の時間の使い方、すなわち仕事の進め方について、それまで以上に気を遣うようになります。

しなくてもいいような残業をダラダラ続けたいとは思わなくなりますし、定時に帰宅できるように、テキパキと仕事をこなすようになるものです。

勉強して資格を取得すること自体が有意義なことですが、それは同時に時間管理にも効果を発揮するのです。

また、資格の勉強をしているとなれば、飲み会への参加を断るよい理由にもなるでしょう。

相談者の方も、資格試験の勉強をする人たちのように、自分自身の仕事の進め方を検証してみてはいかがでしょうか。

勉強をする人
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

■ランチの時間はどうか

別の例で、自分自身が時間をムダに使っていないか考えてみましょう。

たとえば昼休み、ランチの時間についてです。

「昼休みのことなど放っておいてほしい」と感じる人もいると思いますが、時間の使い方について意識を高く持っていれば、一度、分析的に考えても損はありません。

ランチのとり方は、人によってさまざまですが、皆でのらりくらりと店まで移動することや、コンビニの列に並ぶこと、そのためにエレベーターで移動したりすることもムダでしかない。こう考える人も多くいます。

ごくたまになら目くじらを立てることはないと思いますが、それが毎日となれば、改善策を考えてもいいでしょう。

自分の職場で「こんな昼食のとり方が当たり前でうんざりしている」と、私に話してくれた人がいました。

要約すると、こんな感じです。

彼らは、ランチをとるのに、連れ立って車で移動します。

誰が車を出して、誰がどの車に乗り込むか。そんなことから話がはじまります。駐車して、店まで歩き、店によっては靴を脱いで座敷に上がり、ランチメニューをじっくり見て注文をはじめます。

どうでもいい話をしながら食べ、よっこらしょと立ち上がって、会計を済ませると、来たときと同じことをしながら会社に戻ってくる。

こう話す本人によると、彼の職場は仕事中の私語も多く、皆いつもダラダラと残業をして、定時にさっと帰宅する人はいないとのこと。

時間を有意義に使いたい人は、こんな人たちと過ごしていいものではありません。

そう言うと「同僚とコミュニケーションを取ることも大事だ」と反発する人もいそうですが、これは仕事のできる人たちの時間の使い方ではないでしょう。

私たちも自分自身が、この例と似たことをしていないか検証したいところです。よく考えてみると、思い当たることもあるものです。

昼食を一人でとっている人も、トボトボとランチに出かけ、ぼんやりと書店で雑誌をながめて帰ってくる。こんなことが日常的になっていないでしょうか。

一体それの何がわるいのかと思う人には、無理に押し付けるつもりはありません。

しかし、前出の資格試験を予定している人であれば、20分だけでも勉強できたかも。平日の5日間で100分、演習問題に取り組めたと考えるかもしれません。

■自分のことだけを考えている人

相談者の方が、それで悩んでおられるように、世の中には、人の時間を平気で奪う人たちが多くいます。

自分の時間を確保して、有意義に使いたい人は、そんな人たちを相手に戦っていかなくてはいけない。そんなこともあるでしょう。まともにケンカをするわけにはいきませんから、うまく対処するスキルも必要になってきます。

実は、私は先程の「皆で車に乗ってランチに行く人たち」の上司の方に、ランチに付き合わされたことがあります。

あるとき突然「ちょっとお昼に行こう」と声を掛けられ、車に乗せられ、しゃぶしゃぶの店で座敷に上がらされました。

何かあらたまった話でもあるのかと思っていたのですが、その人はただその店で食事をとりたかっただけなのです。

「何が食べたいか」とか「どのくらい時間に余裕があるか」とか、そんなことは尋ねることもなく、お構いなしに自分のことだけを考えて行動します。

まあ、こんな人はいるもので、私もこれがはじめての経験ではありませんでした。

しゃぶしゃぶ
写真=iStock.com/vichie81
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/vichie81

■「ちょっとだけ寄って行こうか」と誘う男性

こういう人が現れても、私たちは参ってしまうわけにはいきません。

つい先日、オフィス街でこんなシーンを見ました。あなたはどう思われるでしょうか。

お昼の12時40分頃です。

ランチを終えて、オフィスに帰ろうとする4人組(男性2人、女性2人)が目の前を歩いています。

50歳くらいに見える男性がコーヒーショップの前で言いました。

「ちょっとここも寄っていこう」

20代の女性は二人とも驚いて、「えっ……」と反応します。明らかに立ち寄りたそうではありません。

すると同じ男性が、「15分だけ。おごってあげるから、さあ」と言って、店の入り口に向かって歩いていきました。

女性たちは「マジですかぁ」と言っていますが、もう一人の若い男性は「まぁ、ちょっとだけ寄って行こうか、ハハハ」と言って、結局4人とも、混み合う店内に入っていきました。

■時間を確保し有効に使う

私はその昔、ヘビースモーカーだったので想像がつくのですが、この50歳くらいの男性は、きっとタバコが吸いたいのです。

そのことは構わないのですが、こうして人を巻き沿いにして、人の時間までムダにする。こういう人は結構多いのです。

相談者の方は、私がこのシーンについてどんなコメントをしたいか、見当がつくのではないでしょうか。

「女性たちも、はっきり断るべきだ」とか「謝りながら帰ってしまうのがコツだ」とか、そういうことではありません。

この4人ともが、時間を大事にしていれば、こんな昼休みの過ごし方はしていないでしょう。少なくとも、今後は見直したいと考えるはずです。

「時間を確保して、有効に使うこと」は、これからもずっと付き合っていくテーマです。質問者の方にも、ぜひ洗練された時間の使い方を見出していただきたいと思います。

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松崎 久純(まつざき・ひさずみ)
サイドマン経営・代表
もともとグローバル人材育成を専門とする経営コンサルタントだが、近年は会社組織などに存在する「ハラスメントの行為者」のカウンセラーとしての業務が増加中。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では、非常勤講師としてコミュニケーションに関連した科目を受け持っている。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ』(光文社)『英語で学ぶトヨタ生産方式』(研究社)『英語で仕事をしたい人の必修14講』(慶應義塾大学出版会)など多数。

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(サイドマン経営・代表 松崎 久純)

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