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たった30秒でコミュ力急上昇…齋藤孝さん実践「話術に自信がない人ほど効果を実感できる秘密の特訓」

プレジデントオンライン / 2024年9月27日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/w_stockphoto

コミュニケーション力の悩みは、どうすれば払拭できるか。教育学者の齋藤孝さんは「最近は『コミュ障』という言葉が使われるようになったが、自身がコミュ障だという人もそこまで悲観する必要はない。『長く話さないようにする』『聞き役にまわる』の2つのポイントをおさえれば気にならなくなる」という――。

※本稿は、齋藤孝『自分を動かす魔法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「コミュ力」至上主義に振り回されない

最近、若い人たちがコミュニケーション能力に求めるレベルが上がっているように感じます。たしかにコミュ力の高い人は人気があります。

でも、ぼくはすべての人がそうである必要はないと思っています。

人間関係がうまくいかないとき、「自分はコミュ障だから」という理由づけをして、自分からそれをまわりにいう人もいます。

「コミュニケーション障害」を略して「コミュ障」。

「障害」と呼ぶと、なんだか深刻な問題のように思えてきますが、「現実にはそこまでではないんじゃあないの?」

ぼくはそう思っています。おそらく多くの場合、

「人と話すのがちょっと苦手です」
「人前で話すのはちょっと避けたいです」

というくらいのことでしょう。

そう、「ちょっとのこと」なんです。

それなのに、どうして「コミュニケーションがうまくいかない」と感じてしまうのでしょう。

その原因の一つは、「自分に対する理想が高すぎる」ことにあります。

つまり「自分に求めているコミュニケーション能力のレベル」が高すぎるのです。だから、「人前でうまくしゃべらなきゃいけない」「盛り上げないといけない」と思って、それができないと自信を失ってしまう。

でもお笑い芸人ではないのですから、うまくしゃべる必要はないですよね。そもそも彼らとは、話をするステージが違うのです。

もし、きみがうまく話さなくちゃいけないと思っているなら、まずは自分で高く設定してしまったそのハードルを下げましょう。

そこで、ぼくからのメッセージ。

■コミュニケーションって、そこまで才能がなくても大丈夫!

才能は必要ないと思えば、少し気がラクになるのではないでしょうか。

だからといって、簡単に苦手意識はなくならないかもしれません。

そんなとき、苦手意識はなくならなくても、気にならなくなる方法はあります。

ポイントは二つ。

ポイント① 長く話さないようにする

話をするのがあまり得意でない人には、「言葉につまる」という共通点があります。

話すことが思いつかなくて、つぎに何を話したらいいのかわからなくなる――。

でも解決法は案外簡単で、「長く話さない」と決めて話せばいい。

とくに人前で話すときなどは、話を短く、三十秒くらいにまとめると、言葉につまっているヒマがなくなります。

ぼくもやっている練習を紹介しましょう。

セルフワーク 三十秒トーク

テーマは何でもOK。たとえば「最近あったこと」とか「好きなもの」など、自分が話しやすいものがいいでしょう。

話す前にだいたいのストーリーと、オチだけは決めておく。準備はそれだけです。

あとはそれを三十秒で話します。途中、「えーと」とか「あのー」といった言葉が二回以上出てしまったら、最初からやり直します。

実際にやってみるとわかると思いますが、話しやすい話題で短く話す練習を続けていると、ふしぎと人前で話すことがいやでなくなります。

要は「慣れ」の問題というわけで、むしろ「誰かに聞いてもらいたい」気持ちが強くなるほどです。

つまり、コミュニケーションに悩む人は、「話すのが苦手」なのではなく、「練習をしていなかった」だけのこと。

練習をすれば“話のネタ”のストックも自然と増えて、友だちと話すときも、話題に困らなくなるというメリットもあります。

また、話があまりおもしろくなかったとしても、三十秒なら、たいていの人は聞いてくれます。聞き手の我慢は一分が限界。それより長いと、よほどおもしろい話でなければ、あきられることも多いのです。

コミュニケーションもスポーツと同じで、練習すればワザが身につき、磨かれます。

ぜひこの「三十秒トーク」でワザを磨いて、自信をつけてください。

■「話す」以上の効果を生む話を聞くときの態度

ポイント② 「聞き役」にまわる

コミュニケーションは、自分が話をすることだけではありません。相手の話を「聞く」ことも大切なコミュニケーションです。

そしてたんに話を聞くだけではなく、相手が気持ちよく話せる雰囲気がつくれたら、それはもうコミュニケーション上手といってもいいでしょう。

たとえば、

話の合間に大きくうなずく。
「へえ」「ふうん」「すごい!」「それで?」などと会話がはずむ言葉をはさむ。
表情はニコニコ笑顔で。
“笑うところ”でちゃんと笑う。

笑い合う女性
写真=iStock.com/whyframestudio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/whyframestudio

話を聞くときの態度で、「話す」以上の効果を生むこともできるからです。

ですから無理して、「話し上手」をめざすことはありません。自分が得意なコミュニケーションのやり方で、たとえば「うなずくのが得意」な人は、ずっとにこやかな笑みを浮かべて、うなずいているだけでいい。しっかりコミュニケーションは成り立ちます。

■聞き上手の「うなずく極意」

じつはぼくもいま、「聞き上手」をめざしています。どちらかというとおしゃべりで、つい余計なことをいってしまいがちだからです。

齋藤孝『自分を動かす魔法』(三笠書房)
齋藤孝『自分を動かす魔法』(三笠書房)

「口は禍の門(元)」というように、余計なひと言で問題になることもあるので、人と話をするときに、意識して「話すかわりにうなずく」という練習をしました。おかげでずいぶん、おしゃべりにブレーキがかけられるようになりました。

おすすめは「胸で聞く」ようにすること。相手に胸を向けて「胸で聞く意識」をもつと、自然にうなずきも出て聞き上手になれます。

話をするのが苦手な人だけでなく、話が長くなったり、ペラペラとしゃべりすぎたりしてしまうのを自覚している人も、「相手が話しやすいように聞く」練習をするといいでしょう。コミュニケーションがうまくいくようになるはずです。

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齋藤 孝(さいとう・たかし)
明治大学文学部教授
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー作家、文化人として多くのメディアに登場。著書に『孤独を生きる』(PHP新書)、『50歳からの孤独入門』(朝日新書)、『孤独のチカラ』(新潮文庫)、『友だちってひつようなの?』(PHP研究所)、『友だちって何だろう?』(誠文堂新光社)、『リア王症候群にならない 脱!不機嫌オヤジ』(徳間書店)等がある。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導を務める。

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(明治大学文学部教授 齋藤 孝)

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