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健康と脳の若さを維持し、ビジネスにもつながる…弘兼憲史さんが「始めるならコレ」と激推しする趣味の名前

プレジデントオンライン / 2024年10月12日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

仕事部屋にこもって長時間過ごす漫画という仕事は過酷だ。漫画家、アシスタントたちがホッと一息つけるのは食事の時間。もともと料理人を目指したこともあると話す弘兼憲史さんは「ぼくは自分で買い物をして調理し、アシスタントにもふるまっている。料理は人生を豊かに彩ってくれる。男子厨房に入るべし」という――。

※本稿は、弘兼憲史著『迷わない生き方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■男子、厨房に入るべし

ぼくは、食べることが好きです。それと同じくらい「料理」が好きです。

今までいろいろな本で「男子、厨房に入るべし」と言ってきました。料理は、人生を豊かに彩(いろど)ってくれるからです。

ぼくが料理に興味を持ったきっかけは、小学生のとき、釣った魚を自分でさばいて食べたことでしょうか。

結核を患(わずら)って入院していた父親が、しばらくの間、自宅療養していた時期がありました。その間、週に一度、近所の川釣りに連れ出してくれたのです。

現在では、キャッチ&リリースというフィッシングの方法もありますが、ぼくの子供の頃は「釣った魚は食べる」が当たり前でした。釣った魚を「いかにして食べるか」は、自分次第でうまくもまずくもなる、「やりがいのある」チャレンジだったのです。

魚をさばくことで料理の魅力に触れたぼくは、大人になってから「料理人になろう」と思った時期があったほど料理が好きになり、現在も大いに楽しんでいます。

■男性も料理をすべき最大の理由は「健康」

ぼくが男性にも料理を勧める最大の理由は、「健康」です。

脂質異常症・高血圧・糖尿病など、以前は成人病といわれた「生活習慣病」を発症する人は、40歳を境に急速に増えていきます。

その原因は、運動・睡眠不足、飲酒、ストレスなどさまざまですが、生活の中でとくに影響が大きいのが「食生活」。

ぼくがアシスタントを雇い始めた当初、食事は出前を取ることがほとんどでした。するとどうしても、数種の店屋物のローテーションとなって、飽きるし、なにより野菜不足になって健康によくないことを実感しました。

そこで、自分たちで作るようになったのです。

その日のメニューを決めて、買い出しに行くのはぼく。調理するのもほとんどがぼくですが、アシスタントが作る日にも、栄養を考えてあれこれと指示を出します。

■脳の若さを保ちながら健康長寿が期待できる

生涯未婚率が増えている昨今、一人暮らしを続けている人も多いでしょう。

そうすると、食事の大半が外食やコンビニ弁当、カップラーメンにおにぎりということになりがちです。そんな食生活が、近い将来、生活習慣病の発症につながる可能性があるのです。

妻帯者にしても、朝食と夕食は妻に任せっきりで、自分で選んで食べるのは昼食だけだからと、高カロリーで塩分高めの昼食を続けている人が多いと聞きます。

要注意。家族を泣かせないためにも、自分の健康は自分で管理してください。

そのためにも、料理を始めるべきなのです。

今日からでも、「楽しみながら料理する」ことにチャレンジしてください。料理を趣味にするのです。

視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の「五感」を駆使する料理は、栄養管理以外にも、脳を刺激して若さを保つことで健康寿命を延ばす効果もあります。

■料理は「ビジネス脳」を鍛える

また、料理を通じて「仕事力」を培(つちか)うこともできると、ぼくは考えています。

まず、料理を提供する人数、要する時間、予算を踏まえつつ、食べる人の好みや体調まで考慮してメニューを決めるという作業は、「企画力」を養います。

働く主婦を対象にしたさまざまなアンケートで「いちばん大変な家事」を聞いたところ、「献立を決める」が第1位となっています。

昨日の献立や、他の料理との相性、冷蔵庫に残っている食材や家族個々の好き嫌い……献立を決めるために考えなくてはいけないことは山のようにあります。

まして、家庭料理では贅沢な食材をいくら使ってもいいわけではないので、「予算管理」「コスト追求」も必要です。

■「段取り力」までアップする

いざ買い物に行けば、必要な材料が売り切れていることもあるでしょう。

そんなとき、たとえば小松菜をホウレンソウに変更するなど、臨機応変にアレンジする「応用力」が必要になります。

食材を揃えて、実際に調理に入る際は、何から始めてどの順番で進めるかという「段取り」が重要になります。

米をとぎ、炊飯器のスイッチを入れる。炊いている間に、味噌汁用の鍋を火にかける。湯が沸くまでの間に具を準備しつつ、同時にグリルで魚を焼く――というように、いくつかのことを同時に進める必要があるわけです。

冷やすものは先に作って冷蔵庫へ入れ、次に常温の料理を完成させ、熱いものは熱いうちに食卓に出せるよう最後に作る。

この段取りを間違えば、調理時間はほぼ倍となり、せっかくの料理の味も見た目も大きく落ちるのです。

ブレーンストーミングセッション
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

■「判断力」と「デザイン力」も強化される

火加減や調味料の調節では「判断力」も大切。

野菜を茹(ゆ)でるとき、とくに葉物野菜は茹ですぎたらおしまいです。

煮込み料理は生煮えでは不味いし、焦がしたら最悪。塩は入れすぎたら取り返しがつきません。生臭さを抜くための下ごしらえや、煮込んでいるときに出る灰汁(あく)をすくいとるなど、丁寧な仕事をすればするだけ、その料理は美味しくなる。

実際にやってみなくては、これは実感できません。

料理が完成したあとは、「デザイン力」が試されます。

小さい皿に目いっぱい盛り付けるより、大きめの皿に高く盛り付けると美味しそうに見える。食卓全体の色味を考えて食器を選んで盛り付ける。

テーブルセッティングは「デザイン力」を養うことができます。

■ビジネスマンが料理を極めることは「一石四鳥」

料理をすれば、当然、失敗もあります。次はこうしてみよう、ああしてみよう、と失敗から学び、修正し、工夫し、次回に活かしていけば、だんだんと完成度が上がっていきます。

弘兼憲史『迷わない生き方』(プレジデント社)

そして何度目かのチャレンジで、自分の思う味、満足できる料理ができたときには、このうえない達成感を味わえることでしょう。

このように料理には、ビジネスに必要な要素がたくさん詰まっています。つまり、料理の腕を磨くことは「ビジネス脳を鍛える」ことにもなる。

さらに、妻帯者であれば奥さんに見直され、独身であればパーティなどの参加者に料理の腕を褒(ほ)められる。

ビジネスマンにとって料理を極めることは、一石二鳥どころか三鳥、四鳥ほどの価値があるのです。

■男性は「料理に向いている」

苦手意識がある人もいるでしょうが、男の料理人が多いことからもわかるように、本来、男は料理に向いているのです。

最初からうまくはいきません。

失敗することを前提に、まずは簡単そうな料理から始めてみましょう。

料理に慣れ親しむことは、人生設計にとっても重要なテーマになるはずです。

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弘兼 憲史(ひろかね・けんし)
漫画家
1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、松下電器産業(現・パナソニック)に入社。74年に漫画家デビュー。作品に『人間交差点』『課長 島耕作』『黄昏流星群』など。島耕作シリーズは「モーニング」にて現在『会長 島耕作』として連載中。2007年紫綬褒章を受章。

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(漫画家 弘兼 憲史)

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