「わかる」「いいね」を中学英語で言えるか…"Yes"の連発で恥をかかない相槌を打つための簡単フレーズ
プレジデントオンライン / 2024年10月3日 9時15分
※本稿は、中山裕木子『伝えたいことが口からスッと出てくる 英単語言いかえドリル Word Switch』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■動詞の選び方ひとつで表現が自由に
動詞の選択によって英文の構造が決まり、動作の種類や正式・略式の声のトーンも同時に定まりますので、動詞の選択は重要です。
例えば、「私は英語を教える仕事をしています」と言う際に、I am a teacher of English.よりもI teach English.と表現できるように練習します。後者では、名詞teacherを使った場合に必要になる冠詞aや前置詞 ofを使わなくて済むので簡単に表現できます。
そのような選択ができれば、ゆくゆくはI teach English at a private language school.「民間の語学学校で教えている」やI’ve been teaching English for 10 years.「10年間教えてきた」などと、自在に情報を足したり、時制を選択したりすることが平易になります。
そこで、“他のものに動作を働きかける”他動詞を活かして英文を組み立てる練習をしてみましょう。like, love, enjoyで自分の趣味を伝えることから開始し、move, amaze といった“誰か(何か)が何かをする”ことを表します。英語では無生物を主語にすることが多いため、例えば「素晴らしい作品の数々に心動かされました」に他動詞 move「心動かす」を使います。
また、”それ単体で行える動作を表す”自動詞も使えるように練習します。見たまま何かを描写する、例えば“変化”を表す change, increase,decrease などです。他動詞に比べて自動詞は数が少ないですが、適所で活用できれば受動態を避けられるので便利です。
■聞き取れなくても落ち込まない
数名で英語で話していたとき、「I often cannot tell how to pronounce a word from its spelling.(英語の発音はスペルからわからなくて困ることがよくある)」と私が言うと、英語ネイティブの方が「I know. English pronunciation is arbitrary.」と一言。
「そのarbitraryを私たち日本人が聞き取れると思ってるの?」と突っ込みを入れたくなりました。筆者自身は、たまたま技術系の英語を仕事で扱っていますので、arbitrary「任意の」という英単語をよく知っていました。
例えばプログラミングの話題で「任意長の文字列」は、an arbitrary-length character stringと表現できます。「任意」には「でたらめな」という意味もあるので、arbitraryの他にはrandomもよく使うことがあります。そのようなわけで、相手がarbitraryを使ったときに聞き取れましたが、この単語を知らなくて聞き取れない人も多いのではないかと感じました。
このように、英語ネイティブが私たち日本人をはじめとした非ネイティブと話すとき、「英単語を相手が知らないかもしれない」といった配慮を感じることがあまりありません。配慮が足りないというよりは、相手がどの単語を知っていて、どの単語を知らないかの見当がつかないことが多いように思います。
そのため、英語ネイティブ話者と話すときの心構えとして、聞き取れなくても落ち込まないこと。また、聞き取れなかったことに気づいたら、聞き返してみることです。そうして1つ1つ、使えるボキャブラリーを増やしていきましょう。
■英単語を確認したいときに使えるフレーズ
英単語を確認するための表現の一例は次のとおりです。
What was the word?「さっきの単語、何でした?」
I didn’t get the word you used. Can you write it down for me?「ちょっと単語がわからなかったので、書いてくれない?」
What’s that?「え、なんて?」
Can you rephrase what you said?「言いかえてくれる?」
英文法は、ある程度の項目の習得が終われば、全体像が見えてきて、それ以上の項目は見つからないものです。ところがボキャブラリーは、非ネイティブにとって終わりがなく、だから楽しいのでしょう。
■「〜ってどんな感じ?」と聞いてみる
バディがWhat’s it like where you live?という質問をしました。このWhat’s it like____?は、What is it likeの省略形で、「それはどのようですか」を表します。後ろにはlivingといったVing形の動名詞や、to liveといったto不定詞が来ることができ、「~するっていうのはどんな感じ?」と尋ねるのに便利です。
例えばニューヨークに住んでいる人に、「ニューヨークってどんなところ?」と聞きたい場合に、What’s it like living in New York?と尋ねたり、「5人の男の子の母親になるってどんな感じ?」と聞きたい場合にWhat’s it like being a mother of five boys?と尋ねたりすることができます。
そして、What’s it like where you live? の where you liveは、「あなたの住んでいるところ」を意味します。つまり、本来であればWhat’s it like living where you live?「あなたが住んでいるところに住むってどんな感じ?」となるはずのところ、living, liveが重複するのでlivingが省略された定番の表現です。
さらに、What’s the weather like?は、What is the weather like?であって、What’s it like の it が the weatherに変わった表現です。what’s = what isの省略があるためにややこしいですが、このように成り立ちを理解しておくとよいでしょう。
■「まあそんな感じ」、「わかる〜」と言ってみる
「その話題、よく知っています」と言いたいけれど、言い切りたくないときに、kind of, somewhat, sort ofを挿入できます。「まあそんな感じです」といったニュアンスを表すことができます。
I’m kind of familiar with the topic.
I’m sort of proficient in the topic.
I’m somewhat knowledgeable about the topic.
相手の話に「わかる~」とカジュアルに同意したいとき、true、relatableに加えて、動詞relate、agreeも使えます。相づちとしても有効です。
激しく同意。
It’s so true./So true.
その気持ちわかる。
That’s so relatable./I can relate to that./I can so relate.
あなたの意見に完全同意します。
I totally agree with you.
■英語で「知らんけど」と言ってみる
perhapsやpossiblyといった「おそらく」を表す副詞は、文末につけ加えるように配置することも少なくありません。何か事実を確定的に述べた後、「まあ、わからないけれど(関西弁の「知らんけど」に近い)」といったニュアンスを加えたい場合に次のようにできます。
「東京には出身地の異なる人たちが集まっている。多分」
Tokyo is a city with people from different areas, probably.
Tokyo is a city with people from different areas, maybe.
この「っていう感じ」に対して他にも英語ネイティブが使う表現で便利なのは、make sense「意味をなす」という動詞を使った次の表現です。
Tokyo is a city with people from different areas, if that makes sense.
直訳すると「わかってもらえるとすれば」という意味になりますが、「っていう感じです」のように末尾につけ加えるようなニュアンスです。言い切った内容に対してちょっと自信がなくなった場合に、probably, maybe, if that makes senseのいずれかを加えてみてください。
■中学英語の「一歩先」へ
“フォーマル”と“インフォーマル”という言語の特徴を英語で説明したいとき、単純なformal, informalや、colloquialに加えて、poeticやwhimsicalも便利な表現です。
例えば、英語ネイティブに「その単語はあまりふさわしくない」と言われたとき、Is this poetic?「ちょっと奇をてらっている(詩的)ということですか?」と尋ねたら、It is!「そうそう!」と喜んでくれたので、次の機会には It may be a little whimsical.「少し奇抜ということですね」と言ってみました。
相手はHmm…… yes!とうなずいてくれ、そこには「へえ~、なかなか詳しく表現できるね」といった雰囲気が流れていました。
英会話は「伝われば別によい」ことは間違いありません。しかし、少しずつ使えるボキャブラリーを増やして、単なるyesかnoではなく、解像度の高い英単語を会話の中に散りばめてみると、相手がリラックスして会話を楽しんでくれたり、心を開いてくれたり、みるみるうちに距離が縮まったり、といった体験をすることができるでしょう。
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ユー・イングリッシュ代表取締役
1997年から企業で技術分野の日英翻訳に従事。2000年、テクニカルライティングに出合う。14年、技術系英語専門の翻訳と教育を行うユー・イングリッシュを設立。著書に『会話もメールも 英語は3語で伝わります』『英単語言いかえドリル』など。
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(ユー・イングリッシュ代表取締役 中山 裕木子)
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