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たった一言添えるだけで相手の反応が変わる…仕事の速い人がよく使う「依頼メール」の万能フレーズ

プレジデントオンライン / 2024年10月9日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/EKIN KIZILKAYA

何かを依頼する場面ではどんなメールを送ればいいのか。日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗さんは「相手を動かしたいなら、『ご協力いただけませんでしょうか』『ご確認いただけませんか』といった言い回しは避けたほうがいい」という――。

※本稿は、平野友朗『ずるいメール術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■ビジネスメールは「即レス」が原則だが…

素早い返信でみんながハッピーに

あなたは「返信が早い人」と「返信が遅い人」のどちらに好感を持ちますか。

一般的には「返信が早い人」と答える人が多いそうです。返信が遅いと仕事が止まりますが、返信が早いとその分、仕事が速く進みます。

メールの送り主からは、感謝されることでしょう。

ビジネスメールにスピード感は重要ですが、常にそうとは言い切れないのです。

即レスにもデメリットがある

メールを受信したら、その場ですぐに決める、間を空けずに対応する、すぐに返信する。

そうした行動は、自分にもメリットがあります。

・仕事ができる(速い)人だという印象を与えられる
・手元のタスクを減らせるためストレスフリーに
・返信し忘れるリスクを減らせる

ここまで読むと「ずるい人は、必ず即レスをしているんだな」と思うことでしょう。

しかし実は、即レスにもデメリットがあるのです。

・暇だと思われる
・熟慮していないと誤解される
・メールを常にチェックしなければいけない

やはり、こうした返信の早さにも決まった正解がないのが、メールの難しいところです。

しかし裏を返せば、決まった正解がないからこそ、使い方次第ではメールが強力な武器になる、とも言えます。

心配はいりません。コツさえつかめば、あなたもすぐにメールを使いこなせます。

■仕事がデキる人は「わざとメールの返信を遅らせる」

効果的に、メールの返信を遅らせる

もちろんずるい人は、原則、即レスです。

しかし、即レスによって逆効果になる場合は、あえて翌日に持ち越すこともあります。

メールの返信を意図的に遅らせて、コミュニケーションのペースをコントロールするのです。

例えば、依頼メールを送った数秒後に「お断りします」と返信が来たら、どう思いますか。

「ちゃんと読んだのかな」
「検討してくれたのかな」

人によってはその事務的で機械的な対応に気分を害するかもしれません。

このように、難しい案件に対する相談メールや断りメールを送る場合、即レスをすることで「熟慮していない」という印象を与えてしまう可能性があります。

「じっくり考えて悩んだ」という姿勢を見せたいなら、1日くらい寝かした方がよいこともあるのです。

相手の立場になって、メールのペースを考えよう

短時間にメールのラリーが続くときや、相手の感情にも気を配って対応すべきときは、メールのペースをコントロールした方がいいでしょう。

ただ、一概に「断りメールの返事は遅らせた方がよい」というわけでもありません。

例えば、何らかのスピーチを依頼されて、必ず誰かがその役目を果たさなくてはいけないとき、断る返事を1日寝かせてしまったらどうでしょう。送り主は次の候補者を探すのに使える時間が減ってしまいます。

このような場合は、即レスして丁寧に断った方が相手のためにもなるのです。

メールを即レスするか否かは、メリット・デメリット、相手の置かれた状況などを加味して判断しましょう。

POINT
1.原則即レスだが例外あり
2.断りや難度の高いメールは1日寝かせる
3.常にどの対応が効果的かを考える

■こんな「言い回し」では断られて当然

気遣いの気持ちで目的が見えにくくなる

メールで何かしてほしいことを伝えるとき、次のような言い回しをしていませんか。

「ご協力いただけませんでしょうか」
「ご確認いただけませんか」

相手に対する気遣いの気持ちから、こういった言い回しを使いたくなる気持ちは、よく分かります。

しかしこうした言い回しは、決定権を相手に与えてしまっている面もあるため、場合によってはそのパワーバランスを利用される可能性があります。

あなたにそんな意図がなくても「するか、しないかは、こちら次第」と勘違いした相手が、こちらの思った通りに動いてくれなければ、「何かをしてもらう」というメールの目的は達成できません。

相手を「動かす」言葉の使い方

相手に委ねた言い回しの背景には、相手への配慮があります。もちろん、心を配ることは大切です。人間関係に不可欠なことでもあります。

ただ、そのような相手任せのコミュニケーションで、本当に相手を動かせるでしょうか。

ずるい人は「相手に委ねるような言い回し」と「強い意志を込めた言い回し」を場面によって使い分けています。

・相手に任せてもいい場面
返信するかどうかを、相手が決める用件(自分に余裕があるとき、無理なお願いをするとき、など)

・相手に任せてはいけない場面
相手が返信しなければならない用件(自分が急いでいるとき、相手に非があるとき、主導権を握りたいときなど)

■依頼メールの「三段階フレーズ」で相手を動かす

今すぐ使える! フレーズ集

相手に動いてほしいときは、場面に応じて言葉を変えます。それによってこちらの真剣さが伝わったり、切迫感を演出したりすることができます。

「緊急ですのでお急ぎください」と「お手すきの際にご返信ください」では、相手の受けとる印象が大きく異なります。

どの程度の圧をかけるか、三段階でフレーズを下にまとめました。依頼の場面で活用してください。

相手に動いてほしいときの「フレーズ集」
出所=『ずるいメール術』(PHP研究所)
たった一言加えるだけで、効果的なメールに変わる

相手に委ねる、委ねない、強い意志を込める、どれが正解かは、時と場合によります。その都度、判断が必要です。

営業職ならば「お決めください」「ご決断ください」という言葉をベースに、次のような言葉を足して、調整するといいでしょう。

「早急にご決断いただけますようお願いいたします」
「可能な限り早く、お決めいただけますようお願い申し上げます」

POINT
1.配慮だけでは相手が動かないこともある
2.時と場合によって、言葉のバリエーションを使い分ける
3.決断を促すことは悪いことではない

■「必要のないメール」は読まなくていい

自分なりのルールを持つ

ずるい人は、メール1通にかかる処理時間によって、対応を変えています。

メールを処理する自分なりのルールを持っていて、場面や状況に応じて、判断しているのです。

そのためここでは「自分なりの処理ルール」を一緒に作っていきましょう。

メールの処理時間と種類を確認する

まずは、自分の基本能力を調べます。

メールの処理にかかる時間は、人それぞれです。

同じ内容であっても、新入社員とベテラン社員では、かかる時間が異なります。

あなたは通常、1通につき、どのくらいの時間をかけて処理していますか。

仕事の合間に、「自分のメール処理スピード」を測ってみましょう。

次に、メールの種類とあなたの状況ごとに、どんな対応をしているのか、自分の傾向を考えてみましょう。

以下は、一般的な傾向をまとめたものです。

「種類」と「状況」ごとのメール対応(一般的な傾向)
出所=『ずるいメール術』(PHP研究所)

どうですか。主に「必要性」と「忙しさ」によって、読み方を微妙に変えていることに気づいたかと思います。

もし上の表のように、迷惑メールは常に無視していることに気づいたなら、迷惑メールフィルターを使って、不要なメールが目に触れないように設定します。

メルマガや営業メールも同様に、不要なら解除するか、フィルターを使って振り分けをしましょう。

仕事にいらないメールを視界に入れる必要はありません。

■「3分の壁」を意識して優先順位をつける

実際にやってみよう!
平野友朗『ずるいメール術』(PHP研究所)
平野友朗『ずるいメール術』(PHP研究所)

さて、ここまできたあなたは、ついに「自分なりの処理ルール」を作る段階に来ています。

メールの処理は主に「①読むだけ」「②読んで返信する」の2つに分けられます。どんな基準でその判断をするのか、自分なりのルールを決めましょう。

全てのメールを順番に読んでいたら、すぐに処理が必要なメールまで、なかなかたどり着きません。そのため自分なりのルールを作って、後回しにするメールと、すぐに処理するメールを決めるのです。参考までに、私の処理のパターンを紹介します。

①読むだけ
5秒以内で「読まない」と判断する
1分程度の時間をかけて流し読みをする
3分未満で熟読する
3分以上かけて熟読する(★フラグをつけて後回し)

②読んで返信する
3分未満で返信できるならすぐに対応
3分以上かかるなら後で返信する(★フラグをつけて後回し)

3分で何ができる?

ずるい人は、処理に3分以上かかるメール以外は、読んだらすぐに対応しています。後回しにはしません。

3分あれば、会議の日程連絡を受けて、カレンダーに予定を転記するところまでできます。

アポイントメントの依頼も、カレンダーを確認して空き日程を返信する――ここまで、3分もあれば対応できるでしょう。

簡単なメールを優先的に処理することは、仕事の効率化にもつながるのです。

POINT
1.メールを分類して処理のパターンを決める
2.必要のないメールは読まない
3.3分の壁を意識して処理をする

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平野 友朗(ひらの・ともあき)
日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表
実践塾シェアクラブ主宰。ビジネスメールスキルの標準化を目指し、日本初のビジネスメール教育事業を立ち上げる。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会を設立。認定講師を養成し、ビジネスメールの教育者を日本全国に送り出している。さらに「ビジネスメール実務検定試験」を立ち上げ、ビジネスメール教育の普及に尽力している。著書に『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『なぜかうまくいく人の頭のいい時間割』(三笠書房)、『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』(サンクチュアリ出版)などがある。

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(日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表 平野 友朗)

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