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マッサージでも疲れがとれない人は「揉む場所」が違う…シャキッとしている中高年が「20秒間」やっていること

プレジデントオンライン / 2024年10月5日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

マッサージやストレッチをしているのに、疲れがとれないのはなぜか。『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』(KADOKAWA)を出したストレッチトレーナーのきまたりょうさんは、セルフケアをする前に身体の仕組みを知っていなければ、結果には雲泥の差が出てしまう。『筋膜』を意識するだけで効果は増していく」という――。

■セルフケアをする前に知っておきたい「身体の仕組み」

現在はインターネットで検索するだけで、色々なストレッチ法や筋膜リリース法など、セルフケアに対する情報が無数にでてきます。どれもやり方がわかりやすく説明されていて素晴らしいものばかりです。

しかし、同じセルフケアをするにしても「身体の仕組みを把握して行なっている人」と「なんとなく真似をしている人」では効果に雲泥の差があります。

不調に対してしっかり改善していくためには、「セルフケア以前」の身体に対する知識がたいへん重要なのです。

実際に私がストレッチトレーナーとしてお客様に指導する中でも、ストレッチのやり方をただお伝えするより、資料を見せながら「ここの筋肉どうしがつながっているから、こういう風にやってみてください」と「筋肉のつながり」について、説明を加えたほうがストレッチの効果が増すのを多々経験しています。

ここで言う「筋肉のつながり」とは、「筋膜」のことです。

筋膜とは、簡単に説明すると筋肉を包む膜のことで、この筋膜が筋肉同士をつなぎ合わせて全身の姿勢を保ったり、動作をサポートしています。筋膜には身体の位置などを把握するためのセンサーが多く含まれていて、筋膜が固まってしまうことで、「姿勢や動作のコントロール」に影響します。

全身を支える筋膜のボディスーツ
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

図表1をご覧ください。筋膜は身体全体に巡っており、左のイラストのように正常な状態ではバランスが保たれています。しかし、右のイラストのように筋膜の一部が引っ張られると、その影響が全身に及びます。痛みや硬さがある部位をほぐしても改善しない場合、全身のバランスを見て整えることが大切なのです。

■身体の一部をゆるめると、他の筋肉も動いていく

全身には代表的な「つながり」が12本あり、各面から身体を支えています。

つながりのケア効果
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

つながり上の筋肉を一部ゆるめると、その同じつながりに属する他の筋肉も動きやすくなります。

例えば、片方の足裏をテニスボールで1~2分ほぐした後に前屈してみると、足裏が「後ろのつながり」の一部であるため、ほぐした側が伸びやすくなります。ぜひ試してみてください。

つながりの全体性
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

ここで注意していただきたいのは、図表3のように身体は3次元的に動いているということです。

例えば、身体を反る動作では「前のつながり」が伸びますが、他のつながりも動かなければいけません。背面では「後ろのつながり」が縮み、同時に身体の中や側面も動きます。筋膜が固まると筋肉の伸び縮み両方に影響が出ます。

ケアをストレッチだけで考えるのではなく「筋肉を縮めること=使うこと」も重要です。

■じんわりと圧をかけるのがコツ!「筋膜」のゆるめ方

筋膜をゆるめるには、ボールやフォームローラー®で筋肉に持続圧をかけるのが効果的です。

つながりのゆるめ方
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

コツは体重を利用して部位を緊張させず、持続的に押すことです。固まった部位に約90秒ほど適度な圧をかけると良いですが、時間には個人差があります。

力強く押せばいいわけではなく、じんわりと圧をかけて、「ゆるんでもいいよ」と身体に伝える感覚です。

つながりの伸ばし方
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

通常のストレッチと同様に行いますが、より「筋肉のつながり」を意識することが重要です。例えば、「前のつながり」である、前もものストレッチでは、骨盤からひざまでの筋肉を伸ばすだけでなく、腹直筋を引き上げて骨盤を立て、足首も曲げて、すねを伸ばします。

ターゲット筋肉の両端のつながりを意識すると、効果が高まります。コツはリラックスして筋肉を緊張させないことです。時間は20~30秒を数セット、慣れている場合は1~2分キープしましょう。

■より的確に筋膜を弛緩したければ「層」を意識する

そして筋膜を的確にリリースしたい場合は、筋膜の層を意識しましょう。筋膜は3層に分かれ、それぞれがつながっています。

つながりのリリースの仕方①
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

この層間の密度が高まると滑走が悪くなり、筋肉の動きが制限されます。図表6では筋膜層のイラストは簡略化していますが、イメージとして確認してください。

層の隙間には血管や神経、リンパも通っており、影響を受けます。リリースは表層から玉ねぎの皮を剥くように行うことで、より深部の層にアプローチできます。

つながりのリリースの仕方②
出所=『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』

2つ目のリリース方法は、沈めた指で筋膜層を感じ、抵抗を感じる方向を探します。

見つけたら、その方向に膜をゆっくりずらし、抵抗がなくなるのを待ちます。力が強すぎると筋膜が反応しにくくなるため、ゆるまない時ほど力を弱めます。また、抵抗の少ない方向にずらして待つ方法もあります。どちらの方法も力ではなく、筋膜のセンサーに働きかけています。

きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』(KADOKAWA)
きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』(KADOKAWA)

ケアをする際にはテニスボールやフォームローラー®などの道具を使用することもあります。市販のマッサージグッズを使うことが理想ですが、家にあるものを代用する場合は、体重をかけても壊れないものなど、安全に使用できるものを選びましょう。

また、セルフケアは無理せず自分のレベルに合わせて行ってください。

「静的ストレッチ」は身体が一時的に不安定になる可能性があります。そのためスポーツの試合直前などは「動的ストレッチ」を行うのをおすすめします。

また、全身のバランスが大事です。身体を総合的に見ながら、1カ所だけに偏ったストレッチは気を付けるようにしましょう。

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きまた りょう ストレッチトレーナー、米国 Dr Ida Rolf Institute 認定ロルファー
アメリカ・コロラド州にあるDr Ida Rolf Instituteで731時間の解剖学、生理学、機能解剖学、実習のトレーニングを受講。加えて大手ストレッチ専門店での4年間の経験、その他約400時間以上のセミナー・ワークショップなどで技術と知識を深める。Instagram(@ryo_kimata)にて「筋肉のつながり」イラストを定期的に投稿しており、そのわかりやすさからセラピストやトレーナーを中心に支持を集めている。初著書の『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑』は7万部突破。

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(ストレッチトレーナー、米国 Dr Ida Rolf Institute 認定ロルファー きまた りょう)

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