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何を言っても「うるせーな」か無視…反抗期真っ最中の子どもに親ができる"最強のコミュニケーション"

プレジデントオンライン / 2024年10月24日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kemalbas

反抗期の子どもを親はどうサポートすればいいのか。教育YouTuberの葉一さんは「親からのどんなに温かい言葉でも、タイミングが悪いと『うるせーな』と言われたり、無視されたりしてしまう。子どもに届けたい大切な想いは、手紙で送るのがおススメだ」という――。

※本稿は、葉一『やる気ゼロからでも成績が必ずアップする一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■お叱りモードになっても子どもには響かない

我が子のテスト結果が思わしくなかった……親として心中穏やかではいられないですよね。塾講師時代、私は保護者の方と二者面談をすることが多かったので、

「どう声をかけてあげればいいのか」
「つい怒ってしまうのだけど、本人はどこ吹く風な気がする」

などいろいろな悩みを聞いていました。ただ、正直なところ、このような状況でのベストな返しはないと思います。子どもたちの性格や状況も千差万別ですから、Aさんのお子さんに響いた言葉がBさんのお子さんに響くとは限らない。難しいですよね。けれど、ベストアンサーがないことだからこそおもしろいのだとも思っています。

とはいえ、比較的多くの家庭や子どもたちに共通することはあります。

その中のひとつが、「叱りは短く、引きずらず」です。

テストなどの結果が思わしくなかったとき、親は、それがトリガーになって今まで我慢していた不満が爆発してしまうことがあります。

そうすると、つい長いお叱りモードになってしまうのですが、子どもたちは大人からのお叱りが長くなればなるほど、反省から「早く終わらないかな」という方向に意識が向いてしまいます。こうなると、その場をやり過ごすことが目的になってしまうので、お互いにメリットがありません。

■事前に頭の中を整理してから簡潔に伝える

「ママ(パパ)から伝えたいのは2つです!」
「1つ目は、勉強するときとスマホをいじるときのメリハリをつけた方がいいと思うの。勉強も息抜きも中途半端になっちゃわない?」
「じゃあ、そこのメリハリをつけるために、○○(お子さんの名前)はどう使うのがいいと思う?」

このように、伝えたいことを簡潔に伝えることで、お叱りの場から話し合いの場になりやすくなります。

また、この伝え方をしようとすると、大人側も事前に頭の中を整理しておく必要があるのでクールダウンがしやすいです(私自身、生徒との二者面談をする前にもよくやっていました)。

「そう言えば、あのとき○○してたでしょ! あっ、△△してたときもあったよね! 怒」

このような、過去に感じた不満をぶつけるのもNGです。子どもたちからすれば、「話が長くなるやつじゃん……」というスイッチが入るきっかけになりますし、「そのとき言えばいいのに」という理不尽さを感じるポイントでもあります。

■一言も話さない子には「待つ」と「頼る」

最後に、お叱りタイム終了のホイッスルは大人が吹きましょう。

ある程度話したら「はい! この話はこれで終わり! ママ(パパ)は○○の好きなご飯を作ることくらいしかできないけど、応援してるのは忘れないでね!」などと伝えて空気を変えます。これは大人の役目です。

過去の反省は未来に活かすためにするものですよね。だからこそ、過去へのダメ出しだけの場にするのではなく、勉強のやり方や生活サイクルなど、これから何を意識していくのかなどを話し合う場にしましょう。

反抗期真っ只中になると、そもそも話し合いができないというケースが出てくるかと思います。塾講師時代、私の生徒にはそういった子も多く、塾にいるときはおしゃべりなのに親の前だとひと言も話さない子もいました。

「自分の子どもなのに何を考えているのかわからない」

実際、二者面談でそのような相談をされたこともあります。

では、このような場合、どうすればいいか。

キーワードは「待つ」と「頼る」です。

■親がだめなら先生、友達、親戚に言ってもらう

結論から言うと、この時期に親の言葉は子どもたちに届きにくいのです。

だから、親が「頑張りなさい」と言えば「うるせーな」となるし、応援の言葉をかけてもそれもまた「うるせーな」になってしまうことだってあります。

特に子どもたちは、小言のように同じことを毎日言われてしまうのを嫌がるので、そうしたことを言うよりは、「あなたが気づくまで待つから!」くらいの心持ちでいる方がよいです。

とはいえ、待っていたらずっと変わらないかもしれない、と不安になる方もいるかと思います。そういうときは、第三者を頼ってください。自分の伝えたい想いを別の人から伝えてもらうのです。

学校や塾の先生、友達、ママ友・パパ友、親戚……お子さんに言葉が届く関係の人に事情を話してみてください。そういった関係の人から言われる「頑張れ」は、親が言う「頑張れ」とは違って届きます。

言葉は、何を言うかより誰が言うかです。

今は親の言葉が届かない時期なら、第三者と連携を取って想いを届けていきましょう。

■親からの手紙は絶大なパワーを持っている

そして、もうひとつ大切なことがあります。

皆さんがお子さんに届けたい大切な想いは手紙で送るようにしてください。

受験直前はもちろん、人間関係で揉めた、失恋した……子どもたちにとって辛い時期や踏ん張りどころでは、いつも以上にサポートをしたいですよね。

ただ、そこは反抗期の子どもたちです。なかなか素直に言葉を受け取ることができないかもしれません。親御さんがどんなに愛情溢れる温かい言葉を送っても、タイミングが悪いとまた「うるせーな」になってしまう可能性もあります。

ですが、手紙なら子どもたちが受け取りたいときに親の想いも受け取ることができます。面と向かってだと素直に受け取れないことも手紙なら受け取ることができますし、子どもたちの好きなタイミングで親の想いに触れることができます。

手紙を開く女性
写真=iStock.com/fotostorm
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fotostorm

もしかしたら手紙を書いてもリアクションは薄いかもしれません。

それでも、親の温かさは子どもたちにとって絶大なパワーがあります。

薄いリアクションだとしても気にすることなく、親御さんの想いを届けてください。

■自分の子どもと同級生を比べるのは逆効果

「我が子に対して、比べてはいけないものは何でしょう」

そう問われて思いつくものはありますか?

私は次の3つだと考えています。

1 同級生や知人の子ども

皆さんも想像に容易(たやす)いかと思いますが、つい比べてしまいがちなのがここです。

比べた相手が、お子さんもライバル視している子なら「負けてたまるかー!」となる可能性もありますが、多くの場合はそうではありません。

また、「○○君はもっと点数が悪かったみたいだし、元気出しなさいよ」のように他の子のことを下げて、お子さんを励まそうとするのもおすすめできません。「自分の友達をバカにされている」「周りが低いから自分が大丈夫だというのは意味がわからない」と、塾講師時代の生徒たちはよく言っていました。

■「お兄ちゃんは~」がとどめの一撃に

2 きょうだい、いとこ

1と同じくらい比べやすいのがきょうだいですし、比べない方がいいのは多くの親御さんもわかっているかと思います。

ですが、1との大きな違いは、子どもたちが自分で常に比べてしまっている点にあります。特にきょうだいに関しては顕著で、自分より優秀(だと本人が思っている)なきょうだいに対して劣等感を感じていることも少なくありません。

その上、相手が家族なのでそれらの感情のやり場に困って悩んでしまいます。そこに追い打ちをかけるように親からの言葉が刺さってしまうと、それがとどめの一撃になってしまうこともありますので注意が必要です。

また、親はそんなつもりはないのに、子ども自身が「親に比べられている」と誤解するケースもあります。前述したように、きょうだいに対する劣等感を常に感じている子もいるので、「きっと親もそう思っているに違いない」と思い込んでしまうのです。

そういった子には、「あなたには○○の強みがある」というその子の“個”の部分をきちんと見ていることを伝えてあげると支えになりやすいので、参考にしてみてください。

■親の無意識な言葉が呪いになるかもしれない

3 親自身の子ども時代

無意識に比べてしまうランキング1位、それが親自身の子ども時代です。

「パパ(ママ)にもできたんだから、あなたもできるはず!」

このように過去の自分と我が子を比べてしまう場面があるかと思います。

もちろん、この言葉が励みとして伝わっているのなら問題はありません。実際、私も息子たちに使うこともあります。ですが、重荷や足枷になっているのなら、これは子どもにとって大きな呪いの言葉になります。

親と子ども、血のつながりがあったとしても別の人間。子どもは親のコピーではない。

これは、私が子育てをする中で大事にしている言葉のひとつです。

葉一『やる気ゼロからでも成績が必ずアップする 一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)
葉一『やる気ゼロからでも成績が必ずアップする 一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)

親として子どもの幸せを願うのは自然ですし、その中で期待をしてしまうのもまた自然な感情かと思います。ですが、その願いや期待を重荷にしてはいけません。

「パパ(ママ)は勉強が苦手だったから、○○が苦手でも仕方ないよ」

これもフォローではなく、子どもたちにレッテルを貼り付けてしまうことになりかねません。

子どもたちはどんな子でも変われます。

ですが、そのためには支えが必要なのです。

その支えとして親御さんの存在は大きな意味を持ちますので、ぜひ伝える言葉などを大切にしてもらえたらと思っています。

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葉一(はいち)
教育YouTuber
東京学芸大学教育学部卒業後、営業職、塾講師を経て独立。「塾に通えない子どもたちが、自宅で塾の授業を受けられる環境を作りたい」という想いから、2012年6月YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を開設する。簡潔明瞭な授業動画と、親切・丁寧で頼りがいのあるキャラクターが人気を博し、動画を活用して勉強し志望校に合格する生徒が続出。登録者数は200万人を超える(2024年7月現在)。テレビ出演や教育系メディアへの寄稿も多数。著書に『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書』(フォレスト出版)、『やる気ゼロからでも成績が必ずアップする 一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)などがある。2児の父。

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(教育YouTuber 葉一)

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