「後ろ姿で年齢がバレる人」はガチガチの猫背になっている…寝る前の10秒間で背筋がピンと伸びる「犬のポーズ」
プレジデントオンライン / 2024年10月16日 18時15分
※本稿は、きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』(KADOKAWA)の一部を再編集、一部を書きおろししたものです。
■身体の「水平性」が保たれると美姿勢になれる
身体を改善するにあたって、1つの指標として持っておくと良いことは、身体の部位ごとの「水平性」を意識することです。
身体には常に重力がかかっているのですが、この水平性が保たれている時こそ重力に身体が潰されない理想的な状態といえます。
例えるなら、通常の空き缶を真上から踏むのには力が入りますが、少し凹ませて上面と下面が並行でない時は、簡単につぶれてしまいます。
身体も同じように各部位の水平性を保つことで、真上から来た重力に潰されず、その重力がまるでボールが真上に跳ね返るようにして身体の中に上方への引き上げを生みます。言い換えると重力のおかげで良い姿勢が楽になります。
本記事は、「筋肉のつながり(筋膜)」をケアしていく際に、身体の仕組みや水平性をイメージしやすいように作成しました。
多数の筋肉のつながりがありますが、ここでは特に重要な「前のつながり」と「後ろのつながり」の2つのつながりと、その水平性を保つためのヒントについてご紹介します。
ストレッチや筋膜リリースをする際に、「こういうつながりがあるんだな」と少し意識していただくだけでも、効果が違ってくるでしょう。
■まずは「腹直筋と大腿直筋」をゆるめよう
「前のつながり」は上下2本のつながりが、身体の前面を通ります。上半身は耳の後ろから恥骨まで、下半身では骨盤から足の甲をつなげています。全てが収縮すると身体を折り曲げて前屈の動作をします。
ブリッジのような反る動作では、このつながりが伸びる必要があり、それと同時に身体が反りすぎないようにブレーキをかける役割もあります。
このつながりでのセルフケアのポイントは腹直筋と大腿直筋です。腹直筋~胸骨エリアを上方に持ち上げるようにゆるめることで胸が張りやすくなり、結果的に頭の位置を後ろに戻します。
大腿直筋をゆるめることで骨盤前傾への引っ張りが少なくなり、骨盤を水平に保ちやすくなります。骨盤のポジションが変わることでさらに前面のつながりが引き上げやすくなります。
水平性に対する意識として、図表3のように、「前のつながり」をケアしていく際は、恥骨から耳の後ろまで組織を持ち上げるようにして頭の位置を戻しましょう。
下半身では骨盤を前傾に引っ張っている大腿四頭筋をメインに骨盤の水平性を確保します。腹直筋と大腿直筋は引っ張り合う関係なので、そこにも注目しましょう。
■首や背中をほぐす! 簡単ヨガポーズ2つ
「後ろのつながり」は身体の背面を通っています。主には身体が前に倒れないように、丸まりすぎないように機能しています。
このつながりが全て収縮すると全身を反る動作をし、前屈などの身体を折りたたむ動作ではこのつながりが全て伸びる必要性があります。「前のつながり」と共に前後の動きに関わります。
セルフケアのコツとして、このつながりで短縮しやすい部位は首の付け根、ハムストリング、ふくらはぎの筋肉などです。
頭が前に出ていると首や背中の筋肉が頭に引っ張られて伸長して固まっていることが多いです。伸びて固まった筋肉は使ってあげることが重要です。四つん這いで身体を反ったり曲げたりするキャットアンドカウなどがおすすめです。
水平性に対する意識として、図表5のように、「後ろのつながり」は上半身をリリースすることで、前側で開いた肋骨と骨盤を戻しやすくします。下半身は骨盤の坐骨・仙骨から足裏の距離を出してあげるようにリリースすると骨盤が前傾に動きやすくなります。ヨガのダウンドッグなどで上半身は縮めて、下半身を伸ばすのもおすすめです。
是非、身体の水平性を取り戻すように、色々と試行錯誤しながらケアをしてみてください。
最後に付け加えておきたいことは、「完璧を目指さない」ということです。「まだ数ミリ左右差があるから何かおかしい」などと言って躍起にならないことが大切です。身体は自然と賢くバランスをとっています。何事もほどほどが一番です。
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アメリカ・コロラド州にあるDr Ida Rolf Instituteで731時間の解剖学、生理学、機能解剖学、実習のトレーニングを受講。加えて大手ストレッチ専門店での4年間の経験、その他約400時間以上のセミナー・ワークショップなどで技術と知識を深める。Instagram(@ryo_kimata)にて「筋肉のつながり」イラストを定期的に投稿しており、そのわかりやすさからセラピストやトレーナーを中心に支持を集めている。初著書の『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑』は7万部突破。
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(ストレッチトレーナー、米国 Dr Ida Rolf Institute 認定ロルファー きまた りょう)
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