「元恋人の思い出の品」を捨てない人は不幸体質になる…「断捨離」は物理法則上とても合理的といえるワケ
プレジデントオンライン / 2024年10月17日 10時15分
※本稿は、田畑誠(まこちん)『宇宙一わかりやすい「量子力学」大全 目に見えない世界を味方にして人生を好転させる56の法則』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■肉体は役目を終えるとどうなる?
「量子力学的にいうと、私たちは死んだらどうなるの?」
こんな質問をよくいただきます。一言でお答えすると、ズバリ“再利用”されます。
地球での人生を楽しみ切ったあと。あなたの体は素粒子にまで分解され、それはいつかまた、宇宙のどこかでリサイクルされることになっています。
宇宙ではそんな営みが、ずっと繰り返されています。この循環は、仏教でいうところの“輪廻転生(りんねてんせい)”の考え方にどことなく似ていますよね。
なんといっても輪廻転生とは「生命が死後、再び新たな存在として生まれ変わる」という概念ですから。もちろん、それがいつになるのか、何に再利用されるのかについてはまったくわかりません。
数億年あとに、別の惑星の生物の細胞の一部として生まれ変わるかもしれません。どこかの星を覆うガスの一部になるかもしれません。
面白いのは、リサイクルされるたびに「前世の記憶はリセットされる」という点です。
「前世の記憶が(断片的に)ある」という人も中にはいるかもしれませんが(混乱を避けるためにも)基本的には消える仕組みになっているようです。
■では、人間は何のために生きているのか
そう考えると、やはり僕らの心身は宇宙そのものだと思えてきませんか。だって僕らはみな、宇宙全体で138億年前から使いまわされてきた“リサイクル品の寄せ集め”みたいなものなんですから……。
「じゃあ、人間が生きる意味っていったいなんですか?」
こんな質問も、数多くいただきます。
物理的に考えると、その答えはシンプルに「地球上でいろんな体験をするため」です。
そこにはいいも悪いもないし、意味もない。“使命”みたいなものもありません。もしあるとすれば、あなたの使命は「人生を楽しむこと」でしょう。
確実にいえるのは、僕たちは「体験することを、ただ楽しみに地球上にやってきた」ということ。いろんな行動をしたり、喜怒哀楽さまざまな感情を味わったりしに来ただけなのです。
そこには“失敗”や“困難”なども含みます。「失敗したときってどんな感情が湧いてくるのか」「そこからどうすればリカバリーできるのか」、それらも体験したいからです。
当然、無意識下では「自分の願いを叶える体験」も、望んでいます。何を願い、望んでいるかは、人それぞれ。ですが「どうすれば、願いを叶えられるのか」という試行錯誤を重ねることを、地球に楽しみにやってきているわけです。
■人生はまさに「人生ゲーム」である
そして、ここがめちゃめちゃ大事な点なのですが……。
「自分の願いを叶える」とは「自分を幸せにする」と言い換えられます。
究極のところ、人生とは「あなた自身と、あなたが見る世界に出演してくれている人(身近な人や出会った人)を、どれだけ幸せにできるか」というゲームなのです。
そう思うと、自分の人生にはめちゃくちゃ大きな意義があると思えてきませんか。そして、どうせゲームで遊ぶのなら、思いっきり楽しんだほうがお得ですよね。
人は誰もが「“その人専用につくられた安心安全な箱庭”の中で、100年前後、思うがままに行動をして自由に遊べる」、そんな機会をもらった素敵な存在です。だからこそ僕は、人生というゲームを思い通りにプレーして、幸せを感じる人が増えるよう願っています。「リサイクル品としての人生だから、つまらない」わけじゃないんです!
宇宙は、今まで138億年ものあいだ、進化をし続けてきました。そしてこれからも進化し続けると予測されています。
それは素粒子のリサイクルという持続可能なエコシステムのおかげ。そういえるのではないでしょうか。
また宇宙と一心同体の僕らも、遊びながら、常に宇宙とともに進化し続けていることになりますね。
■科学的には「変化しない」ほうが安定しない
「進化し続けるってことは、変化し続けるってこと?」
こんな質問もよくいただきます。答えはイエス!
「変化するのって疲れるし、怖い」
そんな声も聞こえてきそうです。ここで重要なことをお伝えしておきましょう。じつは「変化しないほう」が安定しないんです。
物理学や天文学の分野の一つのトピックに「定常宇宙論の破棄」というのがあります。以前は「宇宙は最初からずっと一定で永遠に変化しない」というのが定説でした。ですが研究がどんどん進むにつれて、それは完全に間違っているとわかったのです。
宇宙にだって生まれたときがあって、いつかは死ぬ。つまり存在している期間は常に常に変化をし続けていることになります。ですから「宇宙はずっと一定だ」という定常宇宙論は破棄されたのです。
反対にいうと「止まってたら安定しない」。つまり宇宙の本質、大前提は「変化しながら安定を保っている」ということなのです。
常に変化しながら、言い換えると進化、成長することが、そのまま安定の要因になっているのです。
ということは、そこにある星も生物もつまり僕たち人間だって変化することが安定につながるし変化することが安定の本質になる……というわけです。
変化は確かに怖いもの。でも本当の安定は、そこにあります。だからビビらず、怖がらず、思いっきり変化しましょう。その変化をむしろ楽しんじゃいましょう。
そのほうが宇宙の摂理に合っているんですから。
■水も、空気も、星も、お金もみんな循環している
僕らの心身が素粒子からつくられているように、この世の素粒子はすべて循環しています。水も、空気も、星も、お金もです。
それは当たり前のことですし、あるべき姿なんです。
たとえば水は雲になったり、雨になったり、地下水になったりして地球上をぐるぐると循環しています。空気だって同じでしょう。部屋の換気をするだけで、うんと気持ちよくなりますよね。
宇宙に浮かぶ星もそう。気の遠くなるような長い時間の中で、生まれて崩壊して塵やガスになり、それがまた固まって星や銀河になるという営みを繰り返しています。
お金についても同様です。市場に流通し、いろんな人の手に渡り、行く先々でさまざまなものをもたらし変化させながら、社会の中をどんどん循環しています。
流れを止めては誰も幸せにならないこのように循環の速度に差はあれど、巨視的に見れば「どんなものも常に流れて循環し、ひとつのところにとどまっていない」と形容できます。そのほうが健全ですし、そもそもそうでないとすべてが成り立たなくなります。
ですから量子力学的にいうと「所有」や「保存」などの概念は理に適っていないのです。そうではなく、流れる水のように「循環すること」「変化し続けること」が理想です。
■“断捨離”は物理法則として理にかなっている?
この法則に沿っていけば(物理法則に従うわけですから)人生は当然うまくいきます。ここでは「どうすればうまく循環させられるのか」。覚えておくだけで役立つ原則をご紹介します。もちろんまったく難しくありません!
1つ目の原則は「不要なものをさっさと捨てること」です。僕はよく「①必要なもの」「②不要なもの」「③いつも使っているもの」「④もうずっと使っていないもの」という4分野にモノを振り分け、②④はこまめに捨てるようにしています。
それは決して“悪”ではありません。なぜならモノを潔く捨てることが、循環を促すことに直結するからです。
「明らかに使わないモノ」(役目を終えているモノ)が素粒子へと還るスピードを速め、全体がうまく循環するのを後押しできるからです。
もし「明らかに使わないモノ」を手元に留め続けていれば、それらはいつまでたっても、“活躍”できません。それではあまりに申し訳ないでしょう。「新しい何か」に早くなってもらうためにも、早く捨ててあげるべきなんです。こう考えると、おっくうになりがちな部屋の片づけや整理整頓もはかどりますよね。
■手放さないと「新しいもの」は入ってこない
それに「捨てること」=「手放すこと」でスキマができるでしょう? あなた自身に物理的、精神的なスキマ、つまり“余裕”が生じることで、大きなメリットが得られます。それは「新しいものが入ってくること」。物理的にも精神的にも、スキマがないところに「新しいもの」はなかなか入ってきにくいんです。それはあまりにもったいない話でしょう。
わかりやすく、部屋の話にたとえてみましょう。「何年間も使わないうえに愛着も思い入れもないモノ」で部屋中を満たして「なんだかモノが多いなぁ」とどんよりとした気持ちで過ごしているよりも、お気に入りの素敵なモノだけに囲まれ、少ないアイテム数で、すっきりシンプルに暮らしているときのほうが、「新しいもの」は入ってきやすいのではないでしょうか。
たとえば新しいファッションに挑戦してみたくなったり、新しい趣味や習い事を始めたくなったり。するとおでかけの予定が増えてアクティブになったり、かかわる人の数が増えて毎日がより楽しくなるはずです。
だから、まずは物理的に手放せるモノは手放してしまいましょう。「循環しておいで」と手放しましょう。水だってひとところにたまっていると、やがて淀んでいきます。水は流れ続けるから濁らないのです。
■「元カレの思い出の品」も手放したほうがいい
またモノを物理的に手放すことで、精神的な執着を自動的に手放せることがあります。わかりやすい例が「元カレの思い出の品」でしょう(笑)。楽しかった思い出はもちろん大事かもしれませんが、その量があまりに多かったり、目のつくところに置いていたりすると、次の新たな出会いはなかなかやってこないかもしれません。
だからおすすめしたいのは、どんどん手放すこと。「私は水が満タンのペットボトルだ」とイメージし、「いったん空っぽにしてみよう」という意気込みで手放してみてください。すると、現実は面白いように変わっていきます。自宅で見ている景色がまず変わりますし、外に出たときに見える風景も激変します。活動範囲が変わったり、広がったりします。そのきっかけが「不要なものをさっさと捨てること」なんです。
循環させるために大事な2つ目の原則は「受け取り上手になること」です。
1つ目の「不要なものをさっさと捨てること」ができるようになってくると、余裕が生まれるわけですから、まったく新しいものが向こうから飛び込んでくることがあります。
そんなときに、臆さず受け取ってほしいのです。
■腰が引けたり照れたりしなくて大丈夫
それは目に見えるものだけに限りません。たとえば思いもかけない賞賛の言葉、予期せぬ優しさや好意、ありがたいご縁、ずっと探していた幸せ……。
受け取ることに慣れていない場合、驚いたり、腰が引けたり、照れたりしてしまうかもしれません。でも、そこであなたが受け取らないと、循環が止まってしまいます。だから喜んだり、面白がったりしながら受け取るべきなのです。遠慮も罪悪感もいりません。
そして循環させるために大事な3つ目は「受け取ったものをフル活用すること」です。
目に見える例でいうと、お土産のお菓子をもらったら、おいしくいただく。あるいはまわりにおすそ分けして、感謝していただくのが理想的でしょう。
目に見えない例でいうと「誰かから教わったことは、使いたおす」というようなことです。
■人生、循環に乗っかるほうが楽チン
知識も使ってこそ意味を持ちます。だからあなたの脳内だけに大事に留めておくのではなく、実践したり、誰かに伝えたりできれば最高です。結果、新たな情報が舞い込んできたり、ご縁がさらに広がったり、新たな能力を獲得できたりと、循環が加速していくことになります。
独り占めせず、出し惜しみせず、目に見えないものをぐるぐると循環させていきましょう。
言い換えると人生において「ずっとそのまま(=現状維持が続くこと)」なんてありえません。ムリにそうしようとしても苦しくなるし、どっちみち破綻するでしょう。だからもう「この世は循環するものなんだ」「変わり続けるものなんだ」と理解して、その循環にうまく乗っかるほうが楽チンです。この世も、いやいや“あの世”も含めて、すべてはこの大きな循環システムの中にあるのです。
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科学者
ニックネームはまこちん。1972年生まれ。北九州市立大学外国語学部卒業後、プロのレーシングドライバーを目指すが断念し、医療機器関連の販売会社を立ち上げ経営。しかし、本当に自分のやりたいことを考える中で量子論に興味を持ち、研究を始める。2018年に意識を変えることで現実を変える方法を発信し始め、量子論に関するセミナーや講座を開催。わかりやすく面白い説明で高い評価を受けており、人生経験を生かしてさらなるメニュー開発に取り組んでいる。
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(科学者 田畑 誠)
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