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「話がスカスカ」な人と「相手が唸る話を」と意気込む人、どちらが交渉を有利に進められるかの意外な結果

プレジデントオンライン / 2024年10月22日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Farknot_Architect

雑談が上手い人は何をしているか。コミュニケーション心理トレーナーの松橋良紀さんは「雑談では、相手を唸らせるような内容は必要なく、スカスカな内容の話でいい。所ジョージさんは、ビートたけしさんや明石家さんまさんに、『くっだらねえな』とよく言っていた。これはお笑い芸人という職業の人にとって、『立派だな』『尊敬するよ』よりも、最高のほめ言葉である」という――。

※本稿は、松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■初対面で印象が悪かったら、それを覆すには数時間以上かかる

うまく雑談できる人は見た目を一番大事にし、
できない人は「人は見た目じゃない」と言う。

いっさい身なりに気を使わない人がいます。そういう人の決まり文句は、

「人は見た目じゃない! 中身だ」

確かに、身なりに気を使わない人の中には、天才と言われる人も多いです。

髪型などの外見などに気を使う時間もないくらい、何事かに取りつかれているからこそ、天才的な成果につながるのでしょう。しかし、それは限られた人だけにゆるされた特権だと思います。

初対面の印象は、2秒から長くても8秒までで決まるといいます。しかも、初対面で印象が悪かったら、それを覆すには数時間以上かかるというデータもあります。たまにしか会わない関係なら、初対面の印象が悪ければ一生そのままです。

初対面で感じのいい人ランキングだと、「清潔感のある人」が常に上位です。

では清潔感とは何でしょうか?

ある調査では、「清潔感とはヘアスタイルの影響がほとんど」だそうです。ボロボロのジーンズや古着でも場合によってはおしゃれになりますが、ボサボサで整っていないヘアスタイルは、清潔感がない印象を与えてしまいます。

男性は、美容室に行ったことがないという方が多いです。ぜひ一度、男性でも美容室に行って、「似合う髪型にしてください」とお願いしてみてください。別人のように変わる場合もあります。

■プロのスタイリストに服を任せると、人生観がガラリと変わる

服装は、TPOに合っているかどうかが大事です。

TPOとは、特定の時間、場所、状況に応じた服装をすることを指します。

結婚式や葬式では、フォーマルな服装が求められるし、就活ではリクルートスーツに黒髪がベストでしょう。

身だしなみが整っていて清潔感のある人は、誠実で真面目な印象を与えますし、服装が乱れている人は、だらしない、無責任といった印象を与えます。

TPOに合わない特異な服装をしている人は、個性を主張できるかわりに、安定志向の人には嫌われやすいというリスクを背負います。

私は45歳で初めて、テレビで大活躍しているプロのスタイリストに服を揃えてもらったことがあります。

選んでもらったものを見たときに、「えー、これ着るのか、気恥ずかしいな」と内心思いました。しかし着てみると、それまで持っていた自分の服を着て出かけることができなくなりました。それほどに、プロのセレクトはすばらしかったです。思い切ってプロにおまかせしてみると、人生観がガラリと変わりますよ。

もともと持って生まれた容姿は変えられませんが、その人の人生観などの内面は、外見に表れます。

ビル街にたたずむスーツ姿の男性
写真=iStock.com/SunnyVMD
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SunnyVMD

「紺のスーツに白ワイシャツ、紺色のネクタイ」は誠実で自己主張を抑えた印象を与えます。逆に公式な会見でもTシャツで登場するような人は、実力や存在感のアピールをしている印象を与えます。

人生観は表情にも表れます。

厳しい人生観を持っている人は、険しい表情をしています。笑顔でも眉間にくっきりとしたシワが刻まれていたら、何かに怒っていたり悩んでいる時間が多いだろうし、神経質な人だろうと想像できます。近寄りがたい雰囲気が出てしまいます。

結局、見た目で印象は大きく決まります。

気軽に雑談をできる関係になるには、安心で安全な人だという印象を与える必要があります。

そのために、できることをチェックして、取り組んでいきましょう。

■所ジョージが、ビートたけしによく言っていた言葉

うまく雑談できる人は内容がスカスカな話をし、
できない人は充実した話をしようとする。

起業家の相談を受けていると、書くことも苦手だとおっしゃる方が多いです。

・ブログやSNSで何を書いたらいいかわからない
・ネタが無くて困る
・書いたものを、いざ発信しようと思うと躊躇する

これはライターズブロックと呼ばれます。他人の評価を意識しすぎです。

「友人、知人、先輩、指導してくれている先生など、全方位を唸らせるような内容のことを書かなければ!」

と気負っているのです。

これは雑談が苦手な理由と共通しています。相手の反応を過剰に気にしすぎた結果、「しっかり内容のある話をしなければいけない」となり、そうして「雑談で何を話したらいいのかわからない」となります。

「雑談」を辞書で調べると「とりとめのない談話」、「テーマを定めないで気楽に会話すること」とあります。内容のない話をすることが雑談です。

雑談では、相手を唸らせるような内容は必要ありません。スカスカな内容の話でいいのです。

所ジョージさんが、ビートたけしさんや明石家さんまさんに、よく言っていたセリフがあります。

「くっだらねえな」

くだらないという言葉は、お笑い芸人という職業は、「立派だな」「尊敬するよ」よりも、最高のほめ言葉です。くだらないといわれる人たちが、日本の芸能界を30年以上牽引しています。

■尊敬される人より、雑談で親しみが持てる人を目指す

あなたも、「くだらない」と言われることを名誉だと思えるくらいになれば、雑談の達人です。雑談で得られるメリットは次のようなことです。

①交渉を有利にできる

交渉などの営業の場で、顧客にスムーズに契約をしていただくには、雑談は不可欠です。マサチューセッツ工科大学の研究によると、雑談無しで商談に臨んだ場合の成約率は5.9%。雑談をしてからの商談の場合の成約率は、39.3%。なんと6.7倍以上もの差が開きました。

②アイデア出し

私の本の中でもっとも売れているのが雑談の本です。出版のきっかけは、まさに編集者との雑談でした。書店周りをし終えて、喫茶店で編集者とお茶をしながら、「今後、書いてみたいテーマはこんなのがありまして」と編集者に企画のアイデアを伝えていました。

そこで雑談の本がよさそうだとなり、今の私につながりました。アイデアは、雑談から生まれることがほとんどです。

松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)
松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)
③親密度アップ

親密度は雑談の量に比例します。公式なビジネスに関する会話をしているだけだと、人間関係が築けません。商談で雑談の効能は6.7倍違うとお伝えしましたが、社内の人間との付き合いでも同じです。上司と二人きりで車で移動することになったとき、気まずい時間を感じる人は多いでしょう。その時間に雑談をすれば、親しくなって相談がしやすくなるでしょう。

内容の濃い話をすることで、相手からの尊敬を得たいとか、一目置かれる存在になりたいという欲望が透けて見えると、親しい関係を築くどころか、人間関係の距離が開きます。

今の時代は、尊敬される人を目指すより、雑談を駆使して親しみが持てる人を目指す方が、はるかにメリットが大きいのです。

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松橋 良紀(まつはし・よしのり)
コミュニケーション心理トレーナー
1964年生まれ。青森市出身。20代で営業マンを経験するが、強度の人見知りで人間関係が大の苦手なため、まったく売れず……。ところが30歳のとき、カウンセラー養成学校で心理学を学んだことで人生が激変。支店長となり社内研修講師として全営業所の全社員の営業研修を担当すると、1年で会社の売り上げが140%アップ。2007年にコミュニケーションが苦手な人、困っている営業パーソンのための協会を設立。著書はこれまでに30冊、累計40万部。『話し方で「成功する人」と「失敗する人」の習慣』(明日香出版社)、『「売れる営業」がやっていること 「売れない営業」がやらかしていること』(大和書房)、『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』(中経の文庫)など著書多数。

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(コミュニケーション心理トレーナー 松橋 良紀)

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