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「怖い犬」と「かまってあげたくなる犬」はどこが違うか…人との距離を上手に縮めるヒント

プレジデントオンライン / 2024年10月27日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/piola666

仲良くなりたいと思っている相手なのに、上手く距離を縮められない……。Xで39万人以上のフォロワーを持つ精神科医Tomyさんは、「内向的な人は『上手く話せなかったらどうしよう』って思うんですね。でも上手く話せる必要なんかないんです」という――。

※本稿は精神科医Tomy『内向的な人の幸福戦略』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

■「人といると疲れる」と感じるのはいけないことか

人と長時間いると疲れてしまいます。

誰かと長時間一緒にいると疲れるのは、実は当たり前のことなんですよね。だって相手は他人なんですから。多かれ少なかれ気づかいや配慮もしますし、「何を今考えているのかな」などと案じたりもします。あまり共通点のない人だと話題を考えたりもします。誰かと一緒にいるのって、思ったよりも脳に負荷をかけている行為なんですよね。当然疲れにもつながってきます。

ただ、どれぐらい一緒にいれば疲れるかは、個人差があります。

気ごころ知れた仲であればある程度長くいられます。お互いどんな人間かわかっているから、エネルギーをあまり使わずに済むからです。しかし、知り合ったばかりか、知ってはいるけどあまり一緒に行動したことのない人ならば当然疲れやすくなります。また相手が上司だとか、立場上遠慮が必要な相手でも疲れやすくなります。つまり、アナタと相手の関係性や相性によって変わってくるということです。

ですから長時間いて疲れてしまうことを悩む必要は全くありません。やるべきことは、相手によって一緒にいる時間を上手に調整することです。

■「運命の人」クラスでなければ疲れるのは当たり前

疲れを感じるぐらい一緒に居るのは、長く一緒に居すぎなんです。それをやってしまうと「この人といると疲れるなあ」と錯覚してしまい、その人自体と上手く行かなくなる可能性があります。

疲れて階段で座り込む男女
写真=iStock.com/Mixmike
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Mixmike

アテクシとしては「楽しくて、もうちょっと一緒に居たいけどな」と思うぐらいで切り上げるのがオススメです。それぐらいだと、「また会いたいな」と思いますし、お互いの好感度も高くなるからです。もし、事情があってそれ以上長くその相手と過ごさなければいけないときは、理由を作って自分だけの行動をしてください。たとえば本を読むとか、少し仕事をするとかです。

他人といるのが苦手と感じている人は、たいていはこの調整が上手くできていないだけなんですよ。何も凹(へこ)む必要はないのです。

ちなみに、ごく稀に長時間一緒にいても疲れない相手もいます。こんな人に出会ってしまったら、それはもう運命の人といってもいいぐらいです。その出会いを大切にしてくださいね。とはいえ、無限に一緒に居ても疲れないなんてことはないので、ちゃんと時間調整はしましょう。

まとめ
誰かと長時間いて疲れるのは当たり前。一緒に居る時間を調整しよう。

■「あるがままの距離感」でかまわない

人との距離を縮められません。

人との距離って、無理に縮めなくても良いと思うんですよね。相手とアナタの快適な距離というのがあって、勝手にそのポジションになっていくと解釈したほうがいいと思います。

もし無理に縮めようとしたとしても、一時的なものにしかならず、最終的にはしかるべき距離になっていく。つまり、人との距離っていうのは、あるがままにしかならないのです。もし、アナタが相手との距離を縮められないのであれば、それがアナタにとっても、相手にとってもちょうどいいんです。

ですから、最初にやるべきことは「無理に縮めなくても良い」と念頭に置くことです。逆に無理に縮めようとしすぎると、ぎこちなくなって上手くいくものも上手くいかなくなるかもしれません。

■上手く話せなくてもいいから話しかけてみる

ただ、多分アナタが悩んでいるのは、その手前の問題なのかもしれませんね。アナタが内向的で、相手と人間関係を作ろうとしていることすら伝えられない。すると、本来の距離感に移行するも何も、人間関係としてつながらない。それであれば、まず自分が相手に好意があることを見せるというのが良いと思います。

精神科医Tomy『内向的な人の幸福戦略』(朝日新聞出版)
精神科医Tomy『内向的な人の幸福戦略』(朝日新聞出版)

あっという間に誰とでも仲良くなれる人ってこれが上手なんですよね。人なつっこくて警戒心を見せない。さらに積極的に話しかけてくる。

アテクシ、最近犬を飼い始めたんですけど、犬を想像してみるとわかると思います。ノーリアクションの犬って怖いですよね。リアクションがないと、近づくと吠えたり噛んだりするんじゃないかなと思ってしまう。だから近寄りたくないですよね。一方で、しっぽふって飛び回っている犬はどうでしょう。もうこちらから近づいてかまってあげたくなりますよね。この原理は人間関係でも同じことです。

ただ人間にはしっぽはありませんから、他の方法を考えなくてはいけません。でも、実はそんな大したことはありません。目を合わせる、挨拶する。ニコッと笑う。頑張って話しかける。こんなことでいいのです。内向的な人は話しかけるのが苦手ですが、実はこれは「上手く話せなかったらどうしよう」って思うからなんですね。でも上手く話せる必要なんかないんです。

しどろもどろでも、謎の沈黙があってもいいんです。相手からすれば、アナタが話下手なのも内向的なのも見て取れるはずです。それでも一生懸命コンタクトしようとしているのがわかるので、充分好意は伝わるのです。目的は面白い話をするのではなくて、アナタの好意が相手に伝わればいいのですからね。

まとめ
大切なことは相手に好意を見せること。上手く話せなくてもいいから、話しかけてみる。

■自分のことを上手く話せない

自己開示が上手くできません。本音がなかなか言えないのが、悩みです。

自己開示って実は大切なプロセスなんですよね。誰かと深く仲良くなったり、誰かに相談したりするときに、自己開示ができないと上手くいきません。とはいえ、自己開示のタイミングや程度を間違えてしまうと、逆効果。しれっと上手く自己開示できる人はいいのですが、苦手な人は何から手を付けていいのかわからなくなるのかもしれません。

アンティークなカギが刺さった箱
写真=iStock.com/Daniel Balakov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Daniel Balakov

自己開示が苦手な人は、いきなり上手な自己開示を狙うのではなく、やりやすいところから行うのが良いと思います。まず、オススメの方法は、デフォルトの自己開示を作っておくことです。

これは、どんな人とでも最初はここから始める、という自己開示の第一歩の内容を先に決めてしまうということです。

■「やばい秘密をさらけ出す」必要はない

ところで、自己開示で一番やりがちな失敗は、「いきなり重い話をしてしまう」ことです。いきなり重い話をしたら、相手はちょっと引いてしまうことが多い。そうすると「ああ、しまった」と思ってまた自己開示が苦手になってしまうんです。

ではなぜ自己開示が重くなってしまうのか。それはネガティブな内容だからです。コンプレックスや、複雑な生い立ちなどの話をいきなりしたら、それはなかなか上手くいかない。そもそも自己開示というのは、「自分のやばい秘密をさらけ出すこと」ではないんですよね。相手とより良い関係を作るために行うわけです。なので、相手が興味を持って話を広げたくなるような内容を「第一歩」にすべきです。

■ポジティブ、かつちょっと珍しいこと

では第一歩の自己開示として、大切なポイントを2つあげていきましょう。

・ポジティブで、ちょっと珍しいアナタだけのプロフィール

たとえば、「幼少期はアメリカに住んでいた」「数学オリンピックに出たことがある」「歯の健康優良児だった」。こんな内容でも自己開示です。自分史の中で、ちょっと珍しくてポジティブな内容があれば、それは立派な自己開示です。

・自分の夢

現実といかにかけ離れていても、「夢」や「目標」というのは立派な自己開示です。「実は小説家になりたいんだ」「本当はアイドルになりたいんです」など、何でもいいのです。ちょっと照れくさくてもいい。むしろ照れくさいぐらいの内容のほうが、相手も「話してくれて嬉しい」となるのです。相手の夢もこっそり教えてくれるかもしれません。

こういったものを自己開示のとっかかりとして用意すると、自然と会話が弾み仲良くなることができます。あとは自然の流れに任せてみてください。

まとめ
自己開示は、あらかじめ決めておく。まずはポジティブなところから。

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Tomy(とみー)
精神科医
1978年生まれ。名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局入局。精神保険指定医、日本精神神経学会専門医。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『内向的な人の幸福戦略』(朝日新聞出版)ほか著書多数。

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(精神科医 Tomy)

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