毎月1万円以上のポイント還元を狙える…生活費を全集中するなら「楽天ポイントvsVポイント」どっちが有利か
プレジデントオンライン / 2024年11月1日 18時15分
■楽天カードとOliveフレキシブルペイの主なサービスを確認
楽天グループのサービス利用でお得にポイントが貯まる「楽天カード」と、三井住友銀行が2023年3月から始めたOliveというサービスで使える「Oliveフレキシブルペイ」は、どちらも人気のクレジットカードです。
今回は、楽天カードとOliveフレキシブルペイの違いを徹底比較。どちらが自分に向いているのか、一緒に確認していきましょう。
日本クレジット協会「クレジットカード発行枚数調査」によると、2023年3月末時点のクレジットカード発行枚数は3億860万枚。20歳以降の1人あたり3枚のクレジットカードを保有している計算です。楽天カード・Oliveフレキシブルペイをお持ちの方もいるかもしれませんが、概要をチェックしてみましょう。
■日本で最も発行枚数が多い「楽天カード」
楽天カードは、楽天グループが発行しているクレジットカードです。数ある日本のクレジットカードのなかで、もっとも発行枚数が多いのが楽天カード。2024年6月末時点の発行枚数は3108万枚となっています。また、ショッピング取扱高国内シェアが24.0%で国内ナンバーワンとのこと。多くの人が利用しているクレジットカードです。
楽天カードには、楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカード・楽天ブラックカードの4種類があります。主なスペックは、次のとおりです。
■楽天ポイントの還元率は最大17.5%に
楽天カードの基本還元率はどのカードでも同じで1%。楽天市場を利用した場合には3%になります。
楽天グループは、楽天市場のほかにも、楽天証券、楽天銀行、楽天モバイルなど、さまざまなサービスを展開しています。これら楽天グループのサービスを利用し、所定の条件を達成すると、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になります。
SPUでは、楽天市場での買い物でもらえる楽天ポイントを最大17.5倍(2024年11月1日時点)まで増やすことが可能です。楽天市場で楽天カードを利用した場合も、このSPUの対象になります。
楽天のサービスをなるべく多く活用することで、楽天市場での買い物の際にもらえる楽天ポイントの還元率を最大17.5倍(17.5%)にできます。
なお、上位のカードには「誕生月に+1%」「選べるサービスの楽天市場コースを選択で毎週火・木曜日に+1%」といった特典もありますが、獲得できるポイント数には上限があります。また、ポイント以外のサービスには次のものがあります。
■最大7%のポイント還元がある「Oliveフレキシブルペイ」
OliveはSMBCグループが手がけるモバイル総合金融サービスです。Oliveでは、スマホを利用して自分のお金に関わるさまざまな情報をアプリで一元管理できます。
Oliveアカウントを開設すると発行されるのが「Oliveフレキシブルペイ」というクレジットカードです。Oliveフレキシブルペイのクレジットカードには、「一般」「ゴールド」「プラチナプリファード」の3種類があります。
■対象のコンビニ・飲食店で最大7%ポイント還元
Oliveフレキシブルペイの基本還元率は一般とゴールドで0.5%、プラチナプリファードで1.0%となっています。
特筆すべきは「対象のコンビニ・飲食店で最大7%ポイント還元」。Oliveフレキシブルペイをスマホに登録し、対象のコンビニ・飲食店にてタッチ決済で支払うと還元率が7%になります。
具体的に主な対象店舗は、次のとおりです。
【コンビニ】
セブン‐イレブン、ローソン、ミニストップ、セイコーマート、ポプラ
【ファストフード】
マクドナルド、モスバーガー、すき家
【ファミレス】
サイゼリヤ、ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、はま寿司、ココス
【カフェ】
ドトール、エクセルシオールカフェ
さらに、セブン‐イレブンの「セブン‐イレブンアプリ」と連携させるなどの条件を満たすと、セブン‐イレブンでの還元率を最大10%にすることが可能です。
また、家族を1人登録するごとに還元率が1%増やせる(最大5%)うえ、所定のサービスを利用することでも還元率が増やせる「Vポイントアッププログラム」もあります。これらを利用することで、還元率を最大で20%にできます。
このほか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでのタッチ決済で最大7%還元、ネットショッピング「ポイントUPモール」でも最大9.5%還元が受けられるなど、ポイントサービスが充実しています。
■楽天カードとOliveフレキシブルペイ、どっちが得?
気になるのは、自分が楽天カードとOliveフレキシブルペイのどちらが向いているのか、でしょう。先に結論から伝えると、次の通りです。
● 楽天カードがおすすめの人
・生活圏のサービスを楽天経済圏にまとめている(まとめたい)人
・楽天市場や楽天証券を利用している人
・さまざまな国際ブランドから選びたい人
● Oliveフレキシブルペイがおすすめの人
・三井住友銀行の口座を持っている人
・お金の流れをまとめて日々把握しておきたい人
・対象のコンビニや飲食店を利用する機会が多い人
■楽天カードではいくらお得になる?
楽天カードの場合、買い物によるポイントの還元率は基本的にどのカードでも同じです。
一方、楽天カードを利用して楽天証券でクレカ積立を行う場合、カードの種類によってポイントの還元率が変わります。新NISAなどで人気のインデックス投資信託に投資する場合、還元率は0.5%〜2%。上位のカードほどポイント還元率も高くなりますが、年会費も高くなります。
年120万円(月10万円)投資した場合、年間ポイント数から年会費(税込み)を引いた差し引き額(=お得になる金額)は、楽天ゴールドカードがもっとも多くなります。ちなみに、投資額が年88万円未満の場合は楽天カードが多くなります。したがって、投資額が88万円以上にできるなら楽天ゴールドカード、それ未満であれば楽天カードがベターです。
総務省「家計調査報告」(2023年)によると、二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり1カ月平均29万3998円です。もしも生活の支出すべてを楽天経済圏に絞った場合、毎月いくら還元が受けられるかを概算してみました。
■クレカ積立は楽天ゴールドカードが有利
図表5の左側の金額が家計調査の各費目の金額です。
「楽天(楽天市場を使わない)」は、楽天カードを利用して「食料」「家事・家事用品」「被服及び履物」「教養娯楽」「その他の消費支出」をすべて店舗で決済したものとして計算しました(特定の日・店舗で得られる割引を考慮していません)。
また、「光熱・水道」は「電気」「ガス他」「水道」、「交通・通信」は「交通・自動車」「通信」に分解し、楽天のサービスを利用した場合の還元率を示しています。
楽天でんきと楽天ガスを利用して楽天カード払いすると還元率が2%。通信も楽天ひかりや楽天モバイルの支払いで1%のポイント還元を受けられます。反対に水道料金は0.2%と少なめ。得られるポイントの金額は2658円になりました。
ただ、楽天経済圏を利用していて楽天市場を使わないことは考えにくいですよね。
そこで、「楽天(楽天市場フル活用)」では、
・楽天ひかり(2%)
・楽天証券 投資信託(0.5%)
・楽天でんき(0.5%)
・基本還元率(1%)
を利用したとすると、SPUの倍率が8%になります。
そのうえで「食料」「家事・家事用品」「被服及び履物」をすべて楽天市場で購入した計算にすると、得られるポイントの金額は9884円になりました。
あくまで試算なので少々極端ですが、楽天市場を活用することでポイントが一気に多くなることがわかります。
クレカ積立は参考までに「楽天カードで月5万円」「楽天ゴールドカードで月10万円」の例を掲載しました。楽天ゴールドカードは年会費2200円、楽天ゴールドカードで月10万円積み立てた場合のポイント数は年9000ポイントですので、差し引き6800ポイントお得になります。
■Oliveフレキシブルペイではいくらお得になる?
楽天カードと同様に、生活費をすべて「Vポイント経済圏」にした場合の金額を試算すると、次のようになります。
Oliveフレキシブルペイ(一般・ゴールド)の場合、「Vポイントでんき」を利用することで還元率が3%になりますが、その他の還元率は0.5%ですので、得られるポイントの金額は1561円になりました。
しかし、
・Oliveアカウントの契約とアプリログイン(1%)
・選べる特典(1%)
・家族(配偶者など)を1人家族登録(1%)
とすることで、対象のコンビニ・飲食店での還元率を10%にすることができます。
「食料」をすべて対象の店舗で購入した計算にすると、得られるポイントの金額は9326円になりました。
■クレカ積立が有利なのはOliveフレキシブルペイゴールド
クレカ積立のポイント還元率は一般が0〜0.5%、ゴールドが0〜1%、プラチナプリファードが1%〜3%で、年間カード利用額が多い方が高くなります。通常カードとゴールドカードの場合、年間利用額が10万円未満だと、ポイント還元率が0%となってしまいます。
一見、クレカ積立はプラチナプリファードがもっともお得そうですが、プラチナプリファードは年会費が3万3000円するので、お得になりません。もっとも得になるのは、「年間100万円利用」を達成したあとのOliveフレキシブルペイ ゴールドです。
Oliveフレキシブルペイ ゴールドでは、年間100万円利用すると以後の年会費が無料になります。そのため、年会費無料でクレカ積立のポイント還元が最大1%にできます。
年間利用額100万円ならば月8万3000円ほどですから、決して達成不可能な金額ではありません。年間利用額がそれ以下であれば一般カードで十分。Oliveフレキシブルペイ プラチナプリファードをあえて選ぶ理由は少ないでしょう。
■自分に合ったカードを選び集中して使うのが一番
生活圏のサービスを楽天経済圏にまとめ、どっぷりとつかっている(つかりたい)というのであれば、楽天カードを使わないのはもったいないでしょう。楽天カードを含め、楽天系列のさまざまなサービスを利用することで楽天市場でのポイント還元率がアップします。また、楽天カードは複数の国際ブランドから選べますので、まだ保有していない国際ブランドのカードを手にするのにもよいと思います。
三井住友銀行の口座をメインで活用しているのであれば、Oliveフレキシブルペイと組み合わせることでお金の流れがわかりやすくなります。スマホで銀行の各種サービスが使えますし、クレジットカード払いも簡単です。
また、「スマホのタッチ決済で7%還元」をはじめ、条件を満たせば高い還元率が得られるサービスがたくさんあるので、対象のコンビニや飲食店を利用する機会がある人におすすめです。
自分に合ったカードを選び集中して使うのが一番です。
とはいえ、普段は楽天カード使いで、よく行くコンビニや飲食店がOliveフレキシブルペイと相性がよければ、サブカードとして保有するのもアリでしょう。
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マネーコンサルタント
Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(@yorifujitaiki)
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(マネーコンサルタント 頼藤 太希)
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