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学校で教わった「国語・数学・理科・社会・英語」より役に立つ…会社が滅びても食べていける人の"必須スキル"

プレジデントオンライン / 2024年10月26日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

稼ぎ続けるために必要なスキルは何か。作家のナムグン・ヨンフンさんは「人間の仕事がAIに代替されるようになり、どんな技術を身に付けてもすぐに陳腐化してしまう。こんな時代を生き抜く武器は『文章を書ける力』だ」という――。

※本稿は、ナムグン・ヨンフン『みんなが読みたがる文章』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■文章が書ければ人生が豊かになる

最近「なぜ文章を書かなければならないのか」を、再度考えるきっかけになったことがありました。

小説の『ジソン、愛してる』、『かなり素敵なハッピーエンディング』(いずれも未邦訳)を執筆したイ・ジソン教授という人がいます。彼女は兄と一緒に帰宅していたときに、焼酎を5本も飲んで泥酔した運転者によって、事故に遭いました。

不幸に見舞われた当時22歳の彼女は、全身の55%に大火傷を負いました。治療のために8本の指を切断したといいます。死の淵をさまよい、目を覚ましてからは地獄での罰のような、皮膚をえぐる火傷の治療を受けました。

先の見えない治療と恨みと絶望のなかでも、彼女は残りの人生を被害者として生きたくないと決心しました。そして書いたのです。こうして誕生した『ジソン、愛してる』は40万人の読者を泣かせたベストセラーになりました。

もうひとりは、自己啓発系YouTube チャンネル「チョ・グァンイルTV」を運営する、1949年生まれの作家チョ・グァンイルです。30歳のときに『顧客応対』という本でデビューしてから休まず執筆し60余冊を出版して、現在は講師として活動しています。一説によれば、年収は1億ウォン〈およそ1100万円〉を超えるそうです。

年齢を重ね、体が思うように動かなくなっても、人生を祝福だと思いながら、若いころよりも密度の濃い人生を送る人は彼らのように多くいます。

彼らの人生を豊かにしているものは何なのでしょうか。

理由はいくつもあるでしょうが、その中のひとつは文章を書いてきたか、書いてこなかったかにあります。

文章を書くことが第2の人生を克明に変えます。イ・ジソン教授やチョ・グァンイル作家のように、今現在この瞬間と延びた寿命を祝福だと思える人生を送りたいのなら、今から準備しなければなりません。

自分とは関係ないと思うかもしれませんが、そうではありません。なぜ書くことが必要なのか、お教えします。

■早めに「第2の人生」の準備をしよう

私たちが第2の人生を始める時期は、60歳になる前にやってくるでしょう。早い人は30歳から始めなければならないかもしれません。

その理由はふたつあります。

1.企業の寿命が短くなった

アメリカの企業の寿命は1935年には90年、1970年には30年、2005年には15年と徐々に短くなっています。

これからはどうでしょうか?

さらに短くなるでしょうか?

これらを見守ってきたAmazonの前CEOジェフ・ベゾスは言いました。「Amazonもいつかは潰れる」。

2.人工知能が主体となる第四次産業革命が起こった

人工知能はまず弁護士、医師、薬剤師、トレーダーのような高職能、高収入の仕事を担うようになり、次に低職能、低収入の仕事を代替するでしょう。ふたつの事例で説明します。

まず高職能、高収入の事例です。

2013年、投資銀行のゴールドマン・サックスに、Kenshoという人工知能が入社しました。Kenshoは入社後たった3時間20分で、600人のトレーダーが1カ月かけて処理する仕事を終えてしまいました。

その結果、598人が退職し、ふたりだけがKenshoを補助するために残ったのです。

2016年にはIBMがつくった人工知能Rossがニューヨークのとある法律事務所に入社し、韓国では嘉泉(カチョン)大学の吉(キル)病院で人工知能の医師Watsonが導入されました。

低職能、低収入の事例では、食堂やコンビニで注文を受ける、タッチパネル式セルフレジや無人店舗などが代表的です。低職能、低収入の仕事の代わりはすでに用意されています。しかし、人間の労働力のほうが人工知能を導入する費用よりも安いため、現状維持されているだけなのです。

配膳ロボットに食事を載せる女性
写真=iStock.com/Yoke Fong Moey
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yoke Fong Moey

■誰でも失業する危険性がある

企業も無人自動化の導入で人の労働を代替できるところを、社会的な衝撃を緩和するために政府支援に留めています。

2021年10月、ジョブコリア〈韓国の求人サイトのひとつ〉のアンケート調査によると、今後人工知能やロボットに取って代わられる可能性の高い職業分野や産業の1位は各種生産業と金融業が占めました。チャットGPTに代表される生活の中の人工知能は、私たちの仕事をさらに不安なものにしています。

ここまでを整理してみましょう。

「今の大人たちは、いつでも人工知能や機械と交換可能である。人件費が交換するための費用よりも高ければ、今すぐにでも。さらに、学校で学んだ技術は、卒業もしないうちに使いものにならなくなるかもしれない。就職しても会社の寿命が短いために、すぐに次の職場の準備をしなければならない」ということです。

■生き残るには学び続けないといけない

ここからひとつの教訓を得ることができます。

「今生き残るために、いつでも学び、身につけ、準備をしなければならない」

これはブルーカラー、ホワイトカラーを問いません。

『サピエンス全史』(柴田裕之訳、河出書房新社、2016年)の著者ユヴァル・ノア・ハラリはこう言いました。「現在学校で習っていることの80~90%は、子どもたちが40代になるころ、まるでムダになっている可能性が高い。一方で、授業時間ではなく休み時間に学んだことのほうが、大人になったとき、より役立つだろう」(翻訳者訳)。彼は何の理由もなく言ったのではありません。

■大きな武器となるのは「文章力」

おわかりいただけましたか?

あなたが今すぐにでも機械や人工知能に押し出されて、路頭に迷い、新しい人生を生きなければならなくなったら、そのとき、あなたにとって大きな武器となるのが「文章力」なのです。

「人工知能により、職場や職業を失うかもしれないことは認める。しかし、なぜ『文章力』が再就職や生存の役に立つのか?」と聞きたい人や、私の主張があまりにも飛躍していると言う人もいるでしょう。そんな方のために、ある企業家の事例を挙げて説明しましょう。

アメリカのある研究者は、2025年には大企業がほぼなくなり、フリーランスやひとり企業が市場の大部分を占めるだろうと言いました。予言通り、技術は日々新しくなり、変化した技術を教育する「ひとり企業」が多くなりました。ひとり企業には、月1000万ウォン〈約110万円〉稼ぐスマートストア、YouTubeをうまく撮る方法、ブログが検索上位に出てくる方法、Instagramフォロワー数を1万人にする方法などを教えてくれるものもあります。これらの共通点は、ほかの人よりも新しい技術を早く身につけた人が、体系的に教えてくれることです。

ここでまず、体系的に教えるために、「文章」が役立ちます。

また、自分の得意な分野について本を書いたりブログを連載したりすれば、専門家として認められ、同じ水準の講師よりも多くの報酬を得たり、多くの講義を受け持ったりすることができます。文章が、報酬に直接影響を与えるのです。

スクリーンの前でプレゼンテーションする女性
写真=iStock.com/Bevan Goldswain
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Bevan Goldswain

■文章を書くことは副業に最適

文章に関連した私の経験をお話しします。

2005年に子どものおむつ代でも稼ごうと「清州(チョンジュ)市の生ごみ削減公募展」に出品したら、どういうわけか1位になりました。

このとき、頭の中で考えるだけではなく、書いて考えを整理し、文章で表現することが重要なのだと気づきました。なので、休まず文章を書きました。

書く能力が伸びてくると、さまざまな公募展に出品するようにしました。そのうち当選するようになり、小遣いを稼いで海外旅行にも行けました。

私の頭の中の知識を整理して出版した本が4冊あります。

兵役中に学んだヘリコプターエンジン整備についての本、『ヘリコプター操縦士と整備士なら必ず読んで覚えておくべきヘリコプターのエンジン原理』(未邦訳)と『航空整備士 回転翼免許 口述試験対策』(未邦訳)、日頃から関心のあった特許と知的財産権についての『特許・知的財産権で一生稼ぐ』(未邦訳)、人工知能の時代に子どもたちに何を教育すべきか悩んで書いた『ハーバードキッズ上位1%の秘密』(未邦訳)です。それぞれ電子書籍や紙の本で出版し、ベストセラーになりました。

本を出版するようになり、文章を書くことがとても良い副業になることもわかりました。

■億超えの収入も不可能ではない

一部の人は、仕事をしながら本を出版し、それを足がかりに講師の仕事につなげ、第2の人生を準備しています。『追われない50代を生きる方法』(未邦訳)のイ・モグォン作家、『私の人生の砂漠を駆ける』(未邦訳)のキム・ギョンス作家が代表的です。

私にとって先輩のような方たちであるお二方に尋ねてみると、退職を恐れることはなく、むしろ待ちわびていたそうです。キム・ギョンス作家はYouTubeも運営しています。

うまく文章を書ければ、職場で認められるだけでなく、第2の人生を準備する大きな武器になります。静かにパソコンをつけ、キーボードを叩くだけで副収入が入ってきます。

今日も部屋の片隅で、人知れずNジョブ〈副業や趣味を楽しみながら兼業すること。韓国のスラング〉を始めます。機械式キーボードの音が部屋に響きます。

文章を書くことは、人に知られても、堂々と言える仕事です。たとえ副収入を受け取れなくても、文章への自信がつき、チャレンジ精神が生まれます。

ナムグン・ヨンフン『みんなが読みたがる文章』(日経BP)
ナムグン・ヨンフン『みんなが読みたがる文章』(日経BP)

私はパウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』(山川紘矢、山川亜希子訳、KADOKAWA、1997年)のような本を書くのが、人生の最終目標です。書けば、人気ウェブ小説『全知的な読者の視点から』のsingNsong作家のように、100億ウォン〈約10億円〉台の売り上げを出せるかもしれませんよ。

あなたも本書を読み、パソコンの横に置いて、ときどき参考にしながら文章を書けば、私より先に億レベルの副収入を得て、経済的な自由を手に入れられるかもしれません。文章を書くことが、あなたの人生をひっくり返す、もっとも簡単な「巨人の道具(頂点に登りつめた成功者の秘訣)」なのです。

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ナムグン・ヨンフン 作家
大量の本を読み、独学で書くことを覚えた。文章を書きつづけていたら本を何冊か出版。書き方の講義や個人授業もしている。著書に『特許 知的財産権で一生稼ぐ』、『ハーバードキッズ上位1パーセントの秘密、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングに集中せよ』、電子書籍で『航空整備士 回転翼免許 口述試験対策』などさまざまな分野で本を出版。ベストセラーおよびステディセラーにした。また、小説や童話で韓国のさまざまな賞に入賞する。

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(作家 ナムグン・ヨンフン)

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