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お金が貯まらない家のクローゼットには大抵コレがある…片付けのプロ証言「お金持ちの家には絶対ないもの」

プレジデントオンライン / 2024年10月31日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DragonImages

衣替えの季節。お片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「お金の貯まる家と貯まらない家のクローゼットには、決定的な違いがある。お金が貯まらない家のクローゼットには着ない服、同じような服、使いこなせていない収納グッズなど、とにかく無駄が多い。これをお金が貯まるクローゼットに変えるには、3つのステップが必要」という――。

■クローゼットを見ればわかる

これまで多くの家にうかがってきましたが、クローゼットを見れば、そこがお金の貯まる家か貯まらない家か、一目でわかります。何故なら、比較すると全く違うから。

お金が貯まる家のクローゼットは、見た目がスッキリ。どこに何があるか一目瞭然です。

一方、お金が貯まらない家のクローゼットは、物であふれかえっています。クローゼットにおさまらず、その扉にまで洋服やベルトが大量に掛かっている、クローゼットの前にハンガーラックが置いてあるために、クローゼットの扉が開けられない……といった家も多くあります。

お金が貯まる家のクローゼットには、貯まらない家のクローゼットのように余計なものがありません。具体的に、どんなものが“ない”のでしょうか。5つ挙げます。

■お金持ちのクローゼットに“ない”5つのもの

(1) 着ない服が“ない”

お金が貯まる家のクローゼットには着る服、一軍の服しか入っていません。つまり着ない服は入っていないのです。一方、お金が貯まらない家のクローゼットには、着ない服がいっぱい。ひと夏に一度も袖を通さなかった服に、痩せたら着ようとか、いつか着るだろうと思っている服など、二軍も三軍も入っているのです。

(2) 同じような服が“ない”

お金が貯まらない家のクローゼットからは、黒いカーディガンなど、同じようなアイテムが何枚もあることが多いです。これらはクローゼットで見つからないから「多分捨てたのだろう」などと考えて買ったり、出先に忘れたから買ったり、と追加買いしたものたち。

家に帰っていざクローゼットをよく探したら、同じような服がいくつも出てくるわけです。お金が貯まる家のクローゼットは拝見すると、見つからないということがないので、同じような服が入っていることはありません(よっぽど細部のデザインが気に入ってなどの理由があったり、カラバリで同じアイテムをあえて購入したりしている場合などは除きます)。

(3)収納グッズが、やたらめったら“ない”

お金が貯まらない家のクローゼットには、収納グッズがやたらとあります。たとえばベルトを一つひとつ吊り下げるベルトハンガーや、一枚一枚折りたたんでしまうシャツハンガーなどの用途が限られている収納グッズ。大抵の場合、それらを使いこなせていません。

お金が貯まるクローゼットを見ると、むだな収納グッズはゼロ。ハンガーと洋服を折りたたんでしまう収納ケースのみなど、必要最低限で非常にシンプルです。

■なぜクローゼットが溢れた家にお金は貯まらないのか

(4)あちこちから出てくるものが“ない”

お金が貯まらない家のクローゼットは、服のすき間から、スカーフやベルトが出てくるといったことがしょっちゅう。

また、ハンガーが足りなかったからなのか、一本のハンガーに何枚もの服をかけてあることも多く、服の下から長年探していた小物が発掘されるのもよくあること。

同じような服を買ってしまうのは、このせいで下に隠れた服のことを忘れてしまうということもあります。

(5)しわくちゃの服が“ない”

お金が貯まる家のクローゼットは、服が整然としていて、余白があります。そのため服のしわがなく、クリーニングされたままの状態でぴしっとかけられています。

一方、お金が貯まらない家のクローゼットは、ギュウギュウに服が詰まっているので、スカートの裾がよれていたり、ズボンがしわしわになっていたりと、とにかく服がしわくちゃ。

余白があれば、服にしわがつくこともなく余計な手間も増えない。スカートならスカート、シャツならシャツとアイテム別に分けてかけることで、「丈」が揃い、収納ボックスをおくなど、省スペースを生かした収納も叶う。
筆者提供
余白があれば、服にしわがつくこともなく余計な手間も増えない。スカートならスカート、シャツならシャツとアイテム別に分けてかけることで、「丈」が揃い、収納ボックスをおくなど、省スペースを生かした収納も叶う。 - 筆者提供

アイロンが面倒で着る機会が減ったり、いざ着るときもアイロンに時間も手間もとられたり、いろいろと無駄が生まれます。こういう「無駄」を避けない姿勢が、お金が貯まらない家をつくっていきます。

【西崎さんポイント】
お金が貯まらない家には、着ない服、同じような服、使いこなせていない収納グッズなど、とにかく無駄が多い。それにより不要な手間も生まれ、効率がダウンする。無駄を避けよう、なくそうとする姿勢が全くないことが、無駄買いにつながり、お金の貯まらない家をつくっていく。つまり無駄をなくすだけで、自然とお金は貯まっていく。事実、お金の貯まる家は、クローゼットの管理ができていることからも見えるように、無駄なものは買わずに済んでいる。

■お金が貯まる「クローゼット」をつくる3つのステップ

では金持ちクローゼットは、どうやってつくればよいのでしょうか。3ステップで紹介します。

ステップ1:今年着たものと着なかったものを分ける

まずは、今年着たものと着なかったものを分けましょう。そのうえで、着なかった服は「なぜ着なかったのか?」、その理由を明確にします。

この夏だけでも、4カ月×30日=約120日は選択されるチャンスがあったにもかかわらず、一回も選ばれなかった服には理由があります。例えば以下のようなものです。

「気候に合わない服」
昔に比べて最近はゴールデンウィーク明けから、いきなり夏日になり、暑さもどんどん厳しくなっています。そういった気候変動によって、着られなくなる服が出てきました。
「何となく着にくい(微妙な)服」
首まわりが開きすぎている、素材がチクチクする、トレンドとずれている……、なんとなくずっと着ない服には、自分にとって「微妙な要素」が隠れています。
「思い入れがある服」
母親や姉妹などの家族や友人にもらった、自分のご褒美に奮発して買った、やせたら着ようと買った……など。そういった思い入れのあるものも、なかなか捨てられません。

■オトクだから買った服は絶対に無駄になるワケ

例えば「気候に合わない服」。私の場合、厚手の白のサマーセーターが今年は全く出番なしでした。例年、春から夏にかけて着ていましたが、今年はいきなり暑くなったので一度も着ることがなく……。今後、夏が涼しくなることは考えにくいので、これは処分します。一方、秋口まで着られそうな黒や茶のサマーセーターは残しておきます。

「何となく着ない服」は、どこが微妙なのか理由を明らかにしましょう。違和感を放置すると、また同じような服を買い、着ない……という無駄が生まれてしまいます。また微妙ゆえ、一軍で着られないからと部屋着にする人がいますが、これも考えもの。部屋で微妙なものを着ていると、あまり気分良く過ごせないことに気づくはずです。部屋着は部屋着で、気分のいいものをそろえたいですね。

「思い入れのある服」は、捨てるのはプレゼントしてくれた人に申し訳ないと思うなら、一回着てみるのがおすすめ。それでよければとっておけばいいし、ダメなら処分してもOK。

なかでも「やせたら着よう」という服は、買う前に、本当に痩せたときに、自分はそれを着たいのかどうか、一度立ち止まって考えてほしいと思います。おそらくやせるのは一年か二年後。そのときは服のトレンドも、自分の似合うものも変わってくるのではないでしょうか。実は、私もやせたら着ようと思っていたスカートがあり去年、5年ぶりに5kgやせて、ヤッター、着られると思って着たら、丈が微妙で……。

あんなに着たかった服を着たけれど、ちょっと恥ずかしくなって処分しました。ですから「やせたら着よう」と前もって服を買うよりは、やせたときにご褒美として、そのときにいちばんほしいものを買うほうがいいかと思います。もちろん、どうしてもやせたら着たい服はキープしてOK。一年たってやせていなかったら、サヨナラするのはどうでしょうか。

このように「着なかった服は、なぜ着なかったのか」、その理由を明確にすれば、自分の買い物のパターンがわかり、次のむだな買い物がなくなります。

ステップ2:着ない服は処分する

ステップ1で取捨をしたら、潔く処分を。「譲る」「売る」「捨てる」といった方法があります。

ワードローブの片付け
写真=iStock.com/AndreyPopov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AndreyPopov

●「古着deワクチン」
私が以前に使用して良いサービスだと感じたのは、「古着deワクチン」。3300円(税込)で大きな紙袋を購入して、そこに古着を入れて送り返します。それがワクチン代として使われるしくみ。SDGsの観点からも注目されているサービスです。

買取・回収は、以下のようなサービスがあります。

●三越伊勢丹「アイム グリーン」
店頭、宅配のほか限定で出張買取も。良質なサービスは百貨店ならでは。

●H&M「古着回収サービス」
ブランドや状態を問わず、不要な衣類は店舗の古着回収ボックスへ。

●ユニクロ「RE.UNIQLO」
ユニクロ、ジーユー、プラステの服を各店舗のRE.UNIQLO回収ボックスで回収しています。

ステップ3:残った服を片づける

ステップ3で、着る服として残った服を片づけます。

シャツを準備
写真=iStock.com/MTStock Studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MTStock Studio

量は多くても少なくても、管理できればOK。管理できるようになれば、お金が貯まりますし、管理できないと、同じことを繰り返すため、お金は貯まっていきません。

管理の仕方は、家の間取りや服の傾向にもよります。たとえばクローゼットがなく、押し入れだけという家もあれば、広々としたウォーキングクローゼットがある家もあります。服の傾向がワンピースやスーツがメインの人もいれば、カジュアルな人もいます。それによってハンガーにかけるのか、折りたたんで収納ケースに入れるのかいろいろ。ですから、これが正解というものはありません。

冒頭でもお伝えした通り、一目で何がどこにあるかわかると管理しやすくなります。そのポイントは2つ。

■管理がぐんと楽になる2つのアイテム

(1) ハンガーを同じものにそろえる

ハンガーをそろえると、服の肩の位置がそろうので、きれいに見えるだけでなく、どこに何があるかわかりやすくなります。ちなみに私は、ドイツ製マワハンガーがお気に入りです。私自身、洋服が大好き。服を減らすことは、まさに拷問ですが、服の量は持っているハンガーの分だけにすると決めています。

西崎さん私物
筆者提供
西崎さん私物 - 筆者提供

クローゼットでは、アイテム別で吊るしています。ニットはニット、スカートはスカート、と同じアイテムを並べることで丈が揃うので、下に余白が生まれて、そこに収納ケースをひとつ入れるなど、余白を収納に活用するこができます。

(2) 透明の「奥行きがない収納ケース」を使う

Tシャツやニット、デニムなどハンガーにかけて伸びてしまうものは、折りたたんで収納ケースにしまう人が多いと思います。

収納ケースは中身が見えるように、必ず透明のものを使いましょう。色付きの箱に蓋をしてしまうと中に入れたものを忘れてしまいますし、奥行きのある引き出しに入れると、奥まで引き出すことがなくなり、奥半分は大抵死蔵します。中身が見える収納ケースにし、見えるところに置いて、忘れないようにすることが大切です。

「中身が見える」ケースを、見えるところに。見える化が大事
筆者提供
「中身が見える」ケースを、見えるところに。見える化が大事 - 筆者提供

■「本当にほしいものを買う」が大切なワケ

この3つのステップを踏めば、かなり無駄買いを減らせるはずです。

たとえばバーゲンで1万5000円のコートを、素材は好きじゃないけれど安いから、と買うと、またなんとなく着ない服が一枚増えるだけになります。だったら5万円しても着心地がよくて、自分が本当に気に入ったものを買った方が、長く使うので結局、オトクになります。

一目ぼれで買うときは、手持ちの服と合わせて、3パターンぐらいの組み合わせで着られるかどうかを考えて買いましょう。一度立ち止まって、衝動買いしないのがポイントです。

また買い物は、意外に時間がかかります。服を買いに行く時間、探す時間、悩む時間……、それらのタイパを考えたときに果たして、わざわざ服を買いに行くことが正しいか。本当にほしいものだけを選りすぐって買うこと、あるいは必要な分だけレンタルすることで、お金も時間も有効に使うことができるでしょう。

「無駄」をなくすことで、お金が貯まらない家も、お金が貯まる家に変わっていきます。

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西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片付けを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で2000名を上回る。

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(お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智 構成=池田純子)

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