「自分は負け組だ」と思った時こそ大チャンス…「生きているだけで百点満点」という最強の思考法
プレジデントオンライン / 2024年11月3日 9時15分
※本稿は、中島輝『ホントのあなたは絶対に運がいい!』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
■勝ち組と負け組の「見える化」
今の時代、勇気と自信が必要だと感じている人はとても多いです。だからこそ、勇気と自信と自立の自己肯定感がこんなにも多くの人たちの会話の中に溶け込んできたのです。
そして、社会の変化や競争が激しくなるなかで、身動きが取れずに苦しんでいる人も増えてきています。
これから勝ち組と負け組の違いがより明確に見えるようになるでしょう。
SNSなどのメディアを通じて、どのレストランに行き、どんなブランドを身に着け、どこで遊ぶのかといったことが、ますます可視化されていくでしょう。
若い世代が「親ガチャ」という言葉を口にするように、生まれた家庭によって、すでにそうした状況が見えるようになっていますが、この傾向は40〜60代にまで広がっていくと思います。
たとえばゴルフに行く人と簡易的なパークゴルフを楽しむ人との違いなど、生活のスタイルによる差が明確になってくるでしょう。
■「海外旅行に行けて羨ましい」からの転換
この見える化によって、嫉妬すらできないほどの差を感じる人が増えてくるかもしれません。
特に40〜60代の人たちは、社会的な成功や生活の豊かさに対して無力感を覚えることがあるでしょう。
SNSで見える他人の生活との比較から、自分の人生に対する不満が増す可能性があります。
しかし少しでも負け組と感じてしまう人たちにとって重要なのは、解釈を変えることで人生は変わるということです。
他人が海外旅行に行くのを羨むのではなく、自分が楽しんでいる日常に目を向けることが大切です。
パートタイムで働いていて、その生活を満喫できているならば、それが逆転のきっかけになるかもしれません。
歳を重ねたときに、若い頃に感じた社会的な成功が何だったのかと問い直す日が来るかもしれません。
■どんな人生でも肯定的な側面は必ずある
日本でも、幸せの基準が再定義される時代が訪れています。
高齢化が進み、75歳以上が5人に1人、65歳以上が3人に1人という状況では、年金や健康などの問題も含め、勝ち組・負け組と呼ばれる差がさらに広がることが予想されます。
こうした状況の中で、勇気と自信を失ってしまう大人たちが多くなるかもしれません。しかし、そのようなときこそ、幸せの基準を見直し、自分自身の解釈を肯定的に変えることで、真の幸福を見つけられ、絶対に運が良くなるのです。
あなたは、どんなに否定的な人間関係・経済状況・健康状態でも、そのなかから肯定的な側面を見いだすことができます。
もしできないと思ったときは、ニーッと口角を上げながら空を見上げましょう。楽しいから笑うのではありません、笑うから楽しくなり、上を向けば視野が一気に広がります。
あなたは自分で人生を楽しくすることができるのです。
■「許すこと」が運を良くする方法の一つ
健康やお金、人間関係でうまくいっている人は、あまり人を憎みません。というよりも、他人を憎むことが自分自身を醜くすることを知っているのです。そのことを理解しているため、自分を許し、他人を許すことができるのだと思います。
自分が醜くならないためにも、許すことが運を良くする運用方法の一つだと考えるのです。
人を憎むことには何の得もありません。
憎むことによって自分の心が疲れ、相手の感情を増長させることになる。
また、憎んで戦って勝ったとしても成果はほとんど得られない。
むしろ人を許すことにこそ大きな価値があり、それが人間の成長につながると考えます。
ライバルに負けたと潔く認めたときに、初めて次にどうやって勝つかを考えることができる。
つまり本当に勝ちたいなら負けを認めることが重要であり、負けを認めない限り、次の勝利は決して訪れないのです。
そしてそのことが「なんとか次は絶対勝ってやる」という気持ちにもつながります。
■「関わると損な人」のことは忘れてしまおう
たとえばお金持ちの友達に対して羨ましさを感じることから、憎しみを抱く人がいます。
しかし人生の幸せの価値はお金にあるのではなくて、人生を快適に過ごすために必要な価値としてお金があるのです。
自分には莫大なお金はないけど、些細なことを喜べる豊かさがあると思えたら十分幸せです。
私自身、たくさんの挑戦をしていると、さまざまな人と関わるのですが、「この人と関わっている時間がムダ」だと思うことがたまにあります。
自分の目標設定に必要な人であれば、落ち込んで悩むこともありますが、そうでないならば、その人のことを早く忘れる練習をしています。
まさに「もうやーめた」という感じで、あえてもう考えないようにします。その人は初めからいなかった! という気持ちで新しい人生を創りましょう。
人間関係を感情でうまくコントロールできれば、基本的にはいろんなことが自分のなかでうまく咀嚼できるようになり人間関係を良くすることができます。
人間関係の原則とは自分との関係性です。
自分との関係性がいい人は人間関係もいいし、人間関係がいい人は、助け合う関係性も上手です。
■あえて「負ける」という選択肢を選ぶ効果
「負けるが勝ち」というパターンが人生には多くあります。だからこそ、相手を勝たせることを覚えました。
「どうぞ、勝ってください」という感じです。対抗することもしません。
負けるという選択肢を自分で選んでいるので、相手が「勝った」と喜んでいても、それは自分の計画通り。
「相手が勝った、悔しい!」ではなく、「相手が勝った、予定通り!」と思えるようになりました。
「許す」という行為は非常に大切で崇高なものだと考えています。
相手を許すという行為は、自分の価値や存在を肯定する力につながり、自己理解と自己受容に結びつくからです。
相手を許すことで、自分自身も完全ではなく、間違いや弱さを持っていることを認識します。
そして、その欠点や不完全さを受け入れることで、自分に対しても「価値がある」と認めることができるようになります。このプロセスを通じて、自分の価値や存在を肯定する力が育まれるのです。
さらに、相手に対して「価値がある」と許すことで、人間関係がより豊かになり、自分が他者に対しても影響力を持つ存在であることを実感します。
これが自己肯定感を高め、自分の価値や存在をより強く感じることにつながります。
つまり他者を許すことは、最終的に自分を許し、自分の価値を認める力となるのです。
■行き着いたのは「生きているだけで百点満点」
世間では、「小さな幸せを継続させることが大きな幸せだ」と言うこともあるようですが、私は人生のどん底にいると思っていたときは「小さな幸せなんか見つけられるのかな」と思っていました。
しかし、落ちるところまで落ちたときに「あれ? こんなに苦しいとか、つらいって感じること自体が、もしかするとすごいことなのかな」と思うようになったのです。
「苦しいと感じていることが、生きているってことかな」という感覚になり、その経験から思ったことは、やはり「生きているだけで百点満点」だなということ。
「生きているだけで百点満点」だと思えば、これまですべて減点方式で考えていたことが、加点方式で考えられるようになり、これ以上落ちることがないという考えになります。
「今日も朝ご飯を食べることができた」「今日も一日生きることができた」と加点方式ですべての物事を考えることができると、小さな幸せを探すこともできるのです。
■些細なことを大きなことに転換してみる
百点満点から、101点、102点、103点になることを探そうとする、そういう加点的な物事の捉え方がベースでないと、些細なことに気がつきません。毎日歩いている道路だとしても、草が生えてきたことには気づかなかったりするじゃないですか。「今日は草が生えてきた」「1カ月たって草が伸びてきた」とは意識していないと気づけないですよね。
初めは気づかなかったのに、草が伸び切ったときになって「なんで行政はこの草を刈ってくれないの」と、減点方式でいきなり怒りだす人もいるでしょう。バケツに水がぽたぽたと垂れていても、気づくのは水が溢れたとき。それではつまらない人生になってしまいます。
まずは小さな成功体験という幸せを少しずつ感じることです。今日、ほんの少しでも幸せだったことを探せる人は、大きな幸せも探すことができます。
些細なことを大きなことに転換できるという気持ちの切り替えが、運を運用するにはすごく重要です。
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心理カウンセラー
自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。
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(心理カウンセラー 中島 輝)
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